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同じ人が、同じ会社で、同じお給料で働いていても、辞める日が数日違うだけで、受け取れる失業給付が大きく変わることがあります。分かれ目は65歳です。
65歳になる前に辞めれば「基本手当」(いわゆる失業手当)、65歳になってから辞めれば「高年齢求職者給付金」の対象になります。雇用保険に20年以上入っていた人が自己都合で辞める場合、計算例では受け取れる額に約3倍の差が出ます。この記事では、その仕組みと、気をつけたい点を整理します。
※この記事は制度の一般的な仕組みを、私が調べて整理したものです。個別の受給額や条件は、離職理由や加入期間、賃金などによって変わります。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。内容は2026年10月時点のものです。実際の判断は、ハローワークや勤務先の人事、年金事務所でご確認ください。
65歳の前と後で、使える制度が変わる
| 離職したときの年齢 | 対象になる給付 | 給付日数(自己都合の場合) | 受け取り方 |
|---|---|---|---|
| 65歳未満 | 基本手当 | 加入期間に応じて90〜150日(20年以上なら150日) | 失業の認定を受けながら日数分 |
| 65歳以上 | 高年齢求職者給付金 | 加入1年未満なら30日分、1年以上なら50日分 | 一時金でまとめて |
会社都合の退職など、離職理由によっては基本手当の日数がさらに長くなります。65歳以上の高年齢求職者給付金は、何十年働いても最大50日分です。
計算例:約90万円と約30万円
わかりやすくするため、1日あたりの給付額を6,000円と仮定します(実際の額は、退職前6か月の賃金や年齢ごとの上限で決まります)。雇用保険に20年以上入っていた人が自己都合で辞めた場合です。
| 辞めた時期 | 計算 | 受け取れる額の目安 |
|---|---|---|
| 65歳になる前 | 6,000円×150日 | 約90万円 |
| 65歳になってから | 6,000円×50日 | 約30万円 |
差は約60万円、約3倍です。働いた年数も、お給料も同じなのに、辞める日だけでこれだけ変わります。
「65歳になる日」は誕生日の前日
ここで間違えやすいのが、年齢が上がる日です。法律の上では、年齢は誕生日の前日に1つ上がります。11月8日生まれの人なら、65歳になるのは11月7日。65歳になる前に辞めるには、誕生日の前々日(この例では11月6日)までに退職している必要があります。
65歳の誕生日に辞めたつもりでも、制度の上ではすでに65歳です。数日の違いで、使える制度が変わってしまいます。
なぜ制度が分かれているのか
65歳未満の人は「まだ働く人」として、次の仕事を探す間の生活を手厚く支える仕組みになっています。65歳以上の人は年金を受け取り始める年齢なので、失業給付は短い期間分をまとめて渡す形になっています。年金が始まる年齢を境に、国の考え方が切り替わるということです。
気をつけたいこと
- 基本手当は「次の仕事を探している人」のためのもの:働く意思と能力があり、求職活動をしていることが条件です。受け取る間は、ハローワークで失業の認定を受けます
- 自己都合だと、すぐには受け取れない:自己都合の退職では、待期期間のあとに給付制限の期間があります(2025年4月から原則1か月)
- 年金との関係:65歳前に受け取る年金(特別支給の老齢厚生年金など)がある人は、基本手当を受けている間、年金が止まる場合があります。どちらが多いかを比べる必要があります
- 会社の制度も確かめる:退職金の計算や、定年の扱い、再雇用の条件などは会社ごとに違います。辞める日を変えることで、ほかの不利がないかを人事に確かめておきたいところです
- 1日あたりの給付額には上限がある:年齢ごとに上限があり、お給料が高くても一定の額で頭打ちになります
50代のうちに確かめておきたいこと
- 自分の65歳の誕生日と、その前々日を書き出す
- 雇用保険に何年入っているかを確かめる
- 退職前6か月のお給料から、1日あたりの給付額の目安をハローワークで確かめる
- 65歳前に受け取る年金があるか、年金事務所で確かめる
- 退職金や再雇用の条件を、人事に確かめる
まとめ:長く働くことと、辞める日を選ぶことは別
- 65歳になる前に辞めれば基本手当、65歳になってから辞めれば高年齢求職者給付金
- 加入20年以上・自己都合の計算例では、約90万円と約30万円で、約3倍の差
- 65歳になるのは誕生日の前日。前々日までの退職が分かれ目
「65歳まで働けば得」とは限らない、というのが私の受け止め方です。努力より知識がものをいう場面がある制度なので、退職の日を決める前に、自分の条件で確かめてから決めるのが安心だと思います。
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