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何も売っていないのに、証券口座の資産が10万円減っている。しかも、投資しているアメリカの会社の株価は1ドルも下がっていない。円高になると、こういうことが起こります。
結論から書くと、私は為替の動きだけを理由に、S&P500や米国ETFを全部売ることはしません。株価や債券価格の変化と、為替による変化を分けて見る。そして、近いうちに使うお金は為替の影響を受ける資産に置かない。この記事では、持っているものごとに円高の影響がどう違うかを、私の保有を例に整理します。
※この記事は私の保有状況と考えの紹介であり、特定の金融商品や会社への投資をすすめるものではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。金利・為替などの数字は2026年10月時点のものです。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。
株価が同じでも、円高で円の資産は減る
1万ドル分の米国株を持っていたとします。1ドル160円なら160万円、1ドル150円なら150万円です。アメリカの株価は変わっていないのに、円で見ると10万円減ります。
反対に、円高になった一方で株価が10%上がれば、1万ドルは1万1,000ドルになり、150円で計算すると165万円です。円高でも、元の160万円より5万円増えています。株価が10%下がって同時に円高になれば、減り方はもっと大きくなります。海外への投資は、投資先の値動きと為替の値動き、この2つを合わせて見る必要があると私は考えています。
日米の金利差と、円高になる可能性
2026年10月時点で、日本銀行の政策金利は1.25%、アメリカのFRBの政策金利は3.75〜4.00%です。どちらも2026年9月に引き上げられました。
金利の高いドルには、お金を置いておく魅力があります。今後、日本の金利が上がったり、アメリカの金利が下がったりして金利差が縮まれば、ドルを円に戻す動きが出て、円高が進む可能性があります。
ただ、日銀が利上げしたら必ず円高になる、というわけではありません。為替は金利だけでなく、景気、物価、原油価格、世界中のお金の動きで変わります。だから私は為替を一点で予想せず、円高になった場合と円安が続いた場合の両方を考えておくことにしています。
S&P500とオルカン:私は為替だけでは売らない
オルカンは世界中の企業に投資していますが、外貨建ての資産を多く含むので、円高・円安の影響を受けます。世界に分散している分、米国株だけの投資信託と影響の出方は同じではありません。
長期で持つという目的で考えるなら、私は為替の短い動きだけを理由に全部売るつもりはありません。買っているのはドルそのものではなく、世界で稼ぐ企業の成長だと考えているからです。ただし、近いうちに使う予定の生活費や医療費まで、為替の影響を受ける資産に置いておく必要はないと思っています。
債券ETFのAGG・LQD:債券価格・分配金・為替を分けて見る
私はアメリカの債券ETFも持っています。AGGはアメリカの国債や社債など幅広い債券に分散するETF、LQDは比較的信用力の高い企業の社債に投資するETFです。
「債券だから安全」と思いがちですが、債券ETFも値下がりします。一般的に、金利が上がると、すでに発行されている債券の価格は下がります。年3%の債券を持っているときに、同じような新しい債券が年5%で出れば、3%の債券は値段を下げないと買ってもらえないからです。AGGやLQDは多くの債券を入れ替えながら持っているので、1つの債券を満期まで持つのとは違いますが、金利の影響は受けます。
さらに為替も加わります。ドル建ての価格が上がっても、大きな円高になれば円での評価額は減ることがあります。だから私は、AGGやLQDを見るときに、債券価格、分配金、為替の3つを別々に確認しています。
米国高配当ETFのSPYD・HDV:分配金も円高で目減りする
SPYDやHDVのような米国の高配当ETFも持っています。こちらは債券ではなく、企業の株式に投資するETFです。SPYDはS&P500の中の高配当の会社を中心に、HDVは財務の健全性も考えながら高配当の米国企業に投資します。
100ドルの分配金を受け取るとき、1ドル160円なら1万6,000円、150円なら1万5,000円です。同じ100ドルでも、円にすると受取額が変わります。配当や分配金を老後の生活費として考えている私には、ここが大事なところです。分配金そのものも固定ではなく、企業の利益が減れば減ることがあります。
日本の高配当株:同じ円高でも影響は会社ごとに違う
日本の会社だから円高の影響を受けない、とは限りません。海外で事業をしていれば為替の影響を受けますし、海外から原材料を買っている会社は円高で仕入れが安くなることもあります。私が投資している会社で考えてみます。
- 三菱商事:海外でドルで得た利益は、円高だと円に直したときに小さく見えることがあります。一方で、ドルで払う費用や海外への投資は、円高で円換算が安くなる場合もあります。だから「円高だから売り」とは考えず、どの事業で利益を上げ、これからも現金を生み出し、配当を払い続けられるかを見ています
- 三井住友トラストグループ:金利が上がると銀行には追い風と言われ、貸出と預金の金利差が広がれば収益が良くなる可能性があります。ただ、急な金利上昇で持っている債券の価格が下がったり、景気が悪くなって貸したお金が返ってこなくなったりすることもあります。資産運用や信託の事業も持っているので、金利の影響だけで会社全体を判断しないようにしています
- 上組:港湾運送や物流の会社で、日本の輸出入と深く結びついています。円高で輸入が増える方向に働くこともあれば、輸出企業が苦しくなって荷物が減ることもあります。燃料価格や人件費も効いてくるので、取扱貨物量、利益率、配当が続くかを見ています
同じ日本の高配当株でも、為替の影響はそれぞれ違います。だから私は、会社を一つずつ調べることにしています。
私が持ち続ける理由を見直すとき
為替だけを理由に慌てて全部売ることはしません。ただ、絶対に売らないわけでもありません。会社の稼ぐ力が落ちたとき、配当が続かなくなりそうなとき、一つの会社や業種に資産が偏りすぎたときには、持ち続ける理由を見直します。これは、為替が上がったか下がったかとは別の問題だと考えています。
私は、信用取引やレバレッジで短期の相場を当てにいくのではなく、長く持てる会社や低コストのインデックス投資を中心にしてきました。円高も円安も、その間に起こり得ることです。だから、一度の為替の動きで生活が立ち行かなくなるような資産の持ち方はしないようにしています。
まとめ:為替を当てるより、どちらに動いても暮らせる形に
- 円高で円換算の資産が減っても、投資先の価値まで同じだけ下がったとは限らない。株価や債券価格の変化と、為替の変化を分けて見る
- 円高は悪いことばかりではない。海外旅行や輸入品では家計の追い風になることもある
- 大切なのは為替を当てることではなく、円高でも円安でも自分の生活を守れるようにしておくこと
50代になって、これから必要なお金の形も変わってきました。私は資産を増やすことだけでなく、生活費を支える配当と、いざというときに使える現金も大切にしています。繰り返しになりますが、この記事は私の保有状況の紹介であり、ここに挙げた商品や会社への投資をすすめるものではありません。
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