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先に結論を書きます。65歳以降のお金は、貯金をいくら作るかより、毎月いくら入ってくるかで決まると私は考えました。入ってくるお金には年金・配当・働く収入の3つがあって、それぞれ性格が違います。総務省の家計調査(2025年平均)では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯で可処分所得が月221,544円、消費支出が月263,979円、差し引き月42,434円の不足でした。この4万円あまりを3つのどれでどう埋めるか、という話として組み立てることにしました。
※私は投資助言・代理業の登録を受けていません。この記事は私が自分の老後について考えた記録であり、推奨ではありません。数字は2026年10月時点で確認できたものです。年金の受給額や医療費の負担はご家族の構成や加入状況で変わるので、具体的な金額はねんきんネットや年金事務所、公的な窓口でご確認ください。体調のことは自己判断せず、お医者さんに相談してください。
65歳以降の収支を、まず公表されている平均で見てみる
自分の老後を考えるとき、私はまず公表されている平均を見ることにしています。自分の家計がそこからどれだけ離れているかがわかれば、話が具体的になるからです。
総務省の家計調査(2025年平均)の、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の1か月平均です。
- 実収入 254,395円
- 可処分所得 221,544円
- 消費支出 263,979円
- 不足額 42,434円
実収入と可処分所得の間に3万円ほどの差があります。これは税金と社会保険料です。働いていなくても引かれるものがある、というのを私はここで知りました。
そして毎月4万円あまり足りません。平均の世帯は、この分を貯金から取り崩して暮らしているということです。この4万円という数字が、私にとっての出発点になりました。
年金 ― 自分の金額はねんきんネットで確かめた
3つの柱のうち、いちばん大きくていちばん確かなのが年金です。公表されている平均で考えるより、自分の見込み額を見たほうが早いと思って、ねんきんネットで自分の分を確かめました。
国民年金(老齢基礎年金)の満額は、令和8年度で月70,608円です。これは40年間すべて納めた場合の金額なので、納めていない期間があればその分減ります。会社員や公務員だった期間があれば、厚生年金が上に乗ります。
私の場合、客室乗務員として勤めた期間と、辞めてからの期間で加入の形が変わっているので、平均の数字をいくら見ても自分の金額にはたどり着けませんでした。ねんきんネットで自分の記録を見て、やっと「私はこの金額で組み立てるんだ」とわかりました。
年金の良いところは、生きている間ずっと入ってくることと、2か月に1回、必ず決まった日に振り込まれることです。私はこれを土台に置いて、足りない分をほかの2つで埋める、という順番で考えています。
配当 ― 入ってくる時期が年金とずれる
私は日本の高配当の会社を中心に持っていて、配当金を受け取っています。年金と比べたときの性格の違いは、3つあると思っています。
1つめは、減ることがあるということです。会社の業績が悪くなれば配当は減りますし、無配になることもあります。年金のように法律で決まっているものではありません。
2つめは、入ってくる時期が年金とずれるということです。日本の会社の配当は3月期末と9月期末に集まるので、受け取るのは6月前後と12月前後が多くなります。年金は偶数月です。私は家計簿を月ごとに見ると配当のない月が不安になったので、年単位で見るようにしました。
3つめは、自分で増やせるということです。年金は後から増やすのが難しいですが、配当は50代の今から持つ会社を増やしていけば、65歳のときの金額が変わります。私がいま時間をかけているのはここです。
ただ、配当は増えると決まっているものではありません。将来いくらになるという計算を私はしないようにしています。持っている会社が減配すれば、その分そのまま減ります。
働く収入 ― 月数万円でも効き方が大きい
私はいまデパ地下でパートをしています。50代で体を壊して客室乗務員を辞めたあと、しばらく働くこと自体を避けていたのですが、週に何日か外に出るようになって、家計以外のところで助かっていることに気づきました。
家計の面で言うと、月4万円の不足に対して、働く収入が月5万円あれば、その年は貯金を取り崩さずに済みます。配当で月5万円を作るには元本が必要ですが、働く収入は元本なしで翌月から入ってきます。そこが大きな違いです。
一方で、働く収入は体が動くことが前提です。年金のように一生続くものではありませんし、体調で止まります。だから私は、これを土台にはせず「あるうちは取り崩しを遅らせられるもの」として置いています。
何歳まで働けるかは自分では決められないので、働けなくなった前提の計算も別に持っておくことにしました。
3つを足して、不足額と見比べる
私がやったのは、紙に3行書いて足すだけのことでした。
- 年金(ねんきんネットの見込み額を12で割って月額に直す)
- 配当(いま受け取っている年間の手取りを12で割る)
- 働く収入(いまの手取り)
この3つを足した金額と、自分の家計の支出を並べます。家計調査の263,979円ではなく、自分の家計簿の数字を使いました。平均は出発点としては役に立ちますが、自分の支出の代わりにはならないからです。
足りなければ、残りは貯金から取り崩す分です。足りていれば取り崩さずに済みます。この引き算をするまで、私は「老後資金はいくら必要か」という問いの立て方をしていました。いまは「毎月いくら足りないか」という問いに変えています。そのほうが、やることが決まるからです。
取り崩す側の話、つまり何をどの順番で売っていくかについては、別の記事に書きました。
「老後2,000万円」の前提は自分と違った
老後のお金の話で必ず出てくる「2,000万円」という数字について、出どころを確かめました。2019年6月3日に公表された、金融審議会 市場ワーキング・グループの報告書「高齢社会における資産形成・管理」です。
前提はこうなっていました。夫が65歳以上、妻が60歳以上の夫婦のみの無職世帯で、毎月およそ5万円の赤字が出る。それが20年続けば約1,300万円、30年続けば約2,000万円になる、という単純計算です。
そして報告書自身が、この金額には介護の費用や住宅のリフォームのような特別な支出が含まれていない、と書いています。資産を遺す場合に必要な分も入っていません。
私の前提は、この報告書と3つ違いました。1つめは、夫婦2人の世帯として計算されていることです。2つめは、働く収入がない前提になっていることです。3つめは、配当のような資産からの収入が入っていないことです。
だから私は、この2,000万円という数字を自分の目標額としては使っていません。「収入が年金だけで、支出が平均どおりで、特別な出費がなかったら、20年で1,300万円くらい取り崩す」という1つの計算例として読みました。前提が違えば答えも変わります。
医療費と介護費は平均の外にある
前にこの記事を書いたとき、医療費の平均額を1つ挙げて「思ったより少ない」と書いていました。その数字は出どころを確かめられなかったので取り下げました。
いま私が確かだと思っているのは、医療費と介護費は平均で考えてもあまり意味がない、ということです。何も起きない年は少なく、起きた年は大きくなります。平均はその真ん中を取った数字なので、自分の年に当てはまるとは限りません。
公的な制度としては、高額療養費制度があって、1か月の自己負担には上限があります。ただ上限額は年齢と所得で変わりますし、食事代や差額ベッド代は対象外です。加入している健康保険や所得で変わるところなので、具体的な金額はご自身の保険証に書かれている窓口や、加入している健康保険組合に確認していただくのが確かです。
私はここを計算で埋めるのをやめて、取り崩さずに置いておくお金を別に分けておく、という形にしました。金額を決めるより、手をつけない口座を1つ作ったほうが自分には合っていました。
私が50代の今やっていること
65歳以降に入ってくるお金を増やすために、50代の今できることは限られています。私がやっているのは3つです。
1つめは、ねんきんネットを年に1回見ることです。記録に抜けがないか、見込み額が去年と変わっていないかを確かめます。見るだけなので手間はかかりません。
2つめは、配当を受け取る会社を少しずつ増やすことです。私はウォーレン・バフェットのやり方を真似していて、自分がわかる商売の会社を割安なときに買って長く持つ、決算は自分で開いて見る、わからないものは買わない、という3つを守ろうとしています。1株から買えるので、月に1社ずつ調べて納得したら買う、という進め方にしています。
3つめは、働く収入を続けられる形にしておくことです。私は体を壊して前の仕事を辞めているので、無理のない働き方かどうかを自分に聞くようにしています。
この3つで月4万円の不足が埋まるかどうかは、やってみないとわかりません。ただ、埋まらなかったとしても、どれだけ足りないかがわかっていれば取り崩す期間の計算ができます。わからないままでいるより、そのほうが私は落ち着いて暮らせました。
老後のお金が不安だったころ、私は金額の大きさばかり見ていました。見る場所を「毎月いくら入ってくるか」に変えてから、やることが決まって、怖さが少し減りました。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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