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「現在66歳です。これから投資を始めるなら、何から手を付ければいいでしょうか」というご相談をいただきました。年齢で手順が決まるわけではないので、「こうすべき」とは書けません。そのかわりに、私が自分で投資を始めたときに、どういう順番で考えたかを書きます。先に結論を書くと、私が投資にお金を回したのは5番目でした。その前に、生活費の現金、借金、固定費、年金の見込み額を確認しています。以下は私の経験の記録で、特定の商品や証券会社を推奨するものではありません。
筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。本記事は2026年10月時点のものです。年金や税金の具体的な判断は、年金事務所、税理士や税務署にご相談ください。
私がまず考えるのは「元に戻す時間」のことです
私が投資を始めたのは、50代に入るころでした。そのときにいちばん長く考えたのは、増えるかどうかではなく、下がったときに元に戻るまで待てるかということでした。
株価は下がります。リーマンショックのときは、戻るまでに何年もかかりました。20代、30代なら働いて入ってくるお金がありますから、待つことができます。でも年齢が上がると、待てる時間が短くなります。これは気持ちの問題ではなく、単純な時間の話です。
それに加えて、年齢が上がると現金が急に必要になることがあります。自分や家族の病気、介護。そういうときに、値下がりしている投資を売ってお金を作らなければならないのが、私がいちばん避けたい形です。
ですから私は、「いくら増やすか」より先に「どれだけ待てるか」「急にお金が必要になったときに売らずに済むか」を考えました。投資は元本が保証されていません。配当金も、約束されたものではありません。
私が考えた順番
全体を先に出しておきます。これは私が自分のためにやった順番で、どなたにも当てはまる手順ではありません。
| 順番 | やったこと | 自分に出した条件 |
| 1 | 生活費の現金を確保する | 毎月の生活費の6〜12か月分を、投資とは別の口座に置く |
| 2 | 借金を片づける | カードのリボ払いや消費者ローンがある状態では、投資に回さない |
| 3 | 毎月の固定費を見直す | スマホ、通信、保険、使っていない口座やカードを整理する |
| 4 | 年金の見込み額を確認する | ねんきん定期便とねんきんネットで、自分の見込み額を数字で把握する |
| 5 | 投資に回す金額を決める | なくなっても生活が変わらない範囲だけにする |
1から4は、増やす話ではありません。減らさない、慌てない形を作る話です。私はここに時間をかけました。
1番目と2番目:現金と借金
私が最初にやったのは、生活費の6〜12か月分を現金で確保することでした。何かあったときに、投資を売らずに生活できる状態にしておく、という意味です。この現金は、増やそうとしません。普通預金に置いたままにしています。
金額は、ご自身の毎月の支出から計算するのがいちばん確かです。家賃や住宅ローン、食費、光熱費、保険料、医療費。1か月分を書き出して、6倍と12倍を出してみる。それだけで、だいぶ見え方が変わります。
2番目は借金です。カードのリボ払いや消費者ローンがある場合、私は投資より先に返すことを選びます。理由は、借金の利率のほうが、投資で期待できる利回りより高いことが多いからです。年15%の支払いがある状態で年3%の配当を取りにいっても、差し引きでは減っています。
住宅ローンは金利が低いことが多いので、一律に「先に返す」とは私は考えていません。ここはご自身の金利と残りの年数によります。具体的な判断は、金融機関やファイナンシャルプランナーにご相談ください。
3番目:毎月の固定費を見直す
投資で年3%を取るのは簡単ではありませんが、固定費を削るのは、やれば確実に効きます。私が見直したのは次のあたりです。
| スマホ | 大手の料金プランから、回線を借りて提供している安いプランへ。使っているデータ量を先に確認してから選ぶ |
| 光回線・通信 | いまの契約年数と、乗り換えたときの工事費・解約金を並べて比べる |
| 保険 | 子どもが独立しているなら、大きな死亡保障が必要かどうかを考え直す。公的な制度(高額療養費制度など)で足りる部分を先に確認する |
| 銀行口座・カード | 使っていない口座とカードを閉じる。年会費や通帳の手数料が引かれていないか確認する |
| 固定電話 | 使っていないなら解約を検討する |
もとの記事には、各社の料金や通帳の手数料、振込手数料の金額を細かく書いていました。ただ、あれは2025年3月に調べた時点の金額です。料金は変わりますし、いま書いても来年には合いません。出どころと時点をはっきりさせられない数字を並べるのはよくないと思ったので、この記事では金額を外しました。各社の公式サイトで、ご自身がご覧になる日の金額をご確認ください。
ひとつだけ、やり方として書いておきたいことがあります。いまの契約先に解約の相談をすると、引き止めのために割引を出してくることがあります。私はそれで下がったこともありますし、下がらなかったこともあります。どちらでも、今より高くなることはないので、聞いてみる価値はあると思っています。
4番目:年金がいくら入るのかを数字で確認する
これは、もとの記事に入れていなかったのに、いちばん大事だったと思っている部分です。
投資にいくら回せるかは、年金でいくら入るかによって変わります。毎月の生活費が25万円で、年金が20万円入るなら、足りないのは5万円です。年金が13万円なら、足りないのは12万円です。この差は、投資で埋められる額とはまったく関係のない大きさです。
見込み額は、自分で確認できます。
| ねんきん定期便 | 毎年、誕生月に届きます。これまでの加入記録と、見込み額が書かれています |
| ねんきんネット | 日本年金機構のサービスです。受け取り始める年齢を変えた場合の見込み額を自分で試算できます |
| 年金事務所 | 記録に抜けがありそうなとき、受け取り方を相談したいときは、ここで直接聞けます |
私は、受け取りを遅らせた場合と早めた場合の額も試算してみました。受け取る時期を変えると、1か月あたりの額も、税金や社会保険料の扱いも変わります。ご自身の受け取り方の判断は、年金事務所でご相談ください。税金の部分は税理士や税務署です。ここは一般的な説明では決められない部分で、私も自分の分は自分で聞きに行きました。
5番目:投資に回す金額を決める
ここまで整えたうえで、やっと投資の話になります。私が自分に出した条件は1つだけです。なくなっても生活が変わらない金額にすること。半分になっても気にしないでいられる額、という言い方をしています。
この条件がきついと感じるなら、それは金額が大きすぎるということだと私は思っています。金額を下げれば、条件は満たせます。10万円から始めても構いません。私はそう考えています。
「年利4%で毎年12,000円」という書き方をやめました
もとの記事で私は「30万円を年利4%で運用すれば、毎年12,000円の配当金が得られます」と書いていました。2か所に同じことを書いていました。いま読み返して、この書き方はよくないと思ったので直します。
理由は3つあります。
1つめ、配当利回り4%は約束された数字ではありません。配当利回りは「そのときの配当金 ÷ そのときの株価」で計算した結果です。会社が配当を減らせば下がりますし、株価が上がれば下がります。「4%で回る」という前提そのものが、動くものです。
2つめ、配当には税金がかかります。課税口座なら約20%が引かれます。NISA口座なら日本の税金はかかりませんが、アメリカの会社の配当は現地で10%引かれます。NISAは日本の税金がゼロなので、外国で引かれた分を日本の税金から差し引く「外国税額控除」も使えません。12,000円がそのまま手元に入るわけではありません。
3つめ、元の30万円が減ることがあります。配当が12,000円入っても、株価が3万円下がっていれば、全体では減っています。配当だけを見ていると、ここが見えなくなります。
ですので、いまの私はこう書きます。高配当株は、急にお金持ちになる方法ではありません。時間をかけて、少しずつ配当を受け取っていく方法で、受け取れる額は毎年変わります。
取り崩しと出口について、私が気をつけていること
60代から始める場合、「いつ、どうやって使うか」の話が、増やす話より先に来ます。もとの記事にはこの部分がなかったので、書き足します。
資産を取り崩すときの目安として「毎年4%ずつ取り崩せば、資産が尽きにくい」という考え方が知られています。いわゆる4%ルールです。ただ、これはアメリカの過去の相場をもとに計算された経験則で、これからも同じように通用する保証はありません。取り崩し始めた直後に大きく下げる相場が来ると、結果はまったく変わります。為替の動きも効きます。
私が自分で決めているのは、次のことです。
取り崩す分と、持ち続ける分を分けておく。近いうちに使うお金は現金で持ち、投資のほうは売らずに配当を受け取る形にしています。私は「買ったら売らない」と決めているので、値下がりしている局面で売らずに済むように、現金のほうを厚くしています。
配当金を生活費に組み込みすぎない。配当は減ることがあるので、「配当で家賃を払う」という形にすると、減配のときに生活が揺れます。私は、配当は足しにするもの、という位置に置いています。
取り崩し方や受け取り方は、税金や社会保険料の扱いにもつながります。ご自身の具体的な判断は、税理士や税務署、年金事務所にご相談ください。
高配当株とインデックス、私の持ち方
私自身が持っているものについて書きます。これは私の保有状況の紹介であり、同じものを買うことをおすすめするものではありません。
私は、自分で決算を見て納得できた日本の会社を中心に持っています。ウォーレン・バフェットのやり方を真似して、良い会社を割安なときに買って長く持つ、というやり方です。配当を出し続けてくれそうかどうかを、いちばん長く見ます。
それとは別に、全世界株式や米国株式の指数に連動する投資信託も持っています。eMAXIS Slim シリーズのような低コストの商品です。これは、自分で会社を選ばずに幅広く持っておく部分として置いています。ただし、こちらは15年、20年という時間をかけて持つ前提の持ち方なので、残り時間が短い場合に同じやり方が合うとは、私は思いません。
どちらも値下がりします。指数に連動する商品でも、数年にわたって下がったままになることがあります。私は両方を持っていますが、それは私の年齢と、生活費の現金を別に確保してあることが前提です。
「応援したいと思える会社かどうか」も、私は見ています。使っている製品やサービスがある会社なら、業績の話も自分の実感と結びつきます。ただ、応援したい気持ちは配当を保証してくれません。好きな会社でも、減配はあります。そこは分けて考えるようにしています。
ここまで書いたことは、私の経験と保有状況の紹介であり、特定の商品や証券会社の利用を推奨するものではありません。年齢によって正しい手順が決まるわけでもありません。ご自身の生活と、ご自身が待てる時間に合わせて、ご自身で決めていただくための材料として読んでいただければと思います。
口座の情報を家族に分かるようにしておく
最後に、年齢が上がってから投資を始める場合に、私がいちばん人に伝えたいことを書きます。どこの口座に何があるかを、家族が分かる形にしておくことです。
証券口座は、本人以外には中身が見えません。もし自分が入院したり、判断ができない状態になったりしたときに、家族が「どこに口座があるのか分からない」という状態だと、とても困ります。実際に、そういう話を何度も聞きました。
私がやっているのは、次のことです。
| 一覧を紙で作る | 金融機関の名前、口座の種類、だいたいの残高の規模を1枚にまとめる |
| 置き場所を伝える | 家族に「ここにある」と場所だけ伝えておく。中身を見せる必要はない |
| 年に1回見直す | 口座を増やしたり閉じたりしたら書き直す。誕生月などに日を決めると忘れない |
| 使わない口座は閉じる | 数を減らすこと自体が、いちばん効く整理になる |
パスワードそのものを紙に書いて置いておくのは、私はしていません。盗まれたときの被害が大きいからです。「どこに口座があるか」までを共有して、手続きの入口だけ分かるようにしておく、という形にしています。
これは増やす話ではありませんが、投資を始める前にやっておくと、自分も家族も落ち着いていられます。私は、口座を1つ開くより先にこれをやりました。
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私が50代で最初に口座を開いたときの話【PR】
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この記事で書いた順番の5番目、投資に回す金額を決めたあとに、私は口座を開きました。いま私が配当金の履歴と年金の試算を見ながら使っているのは、次の2つの口座です。
私が実際に使っているのは次の2つです。どちらも1株(単元未満株)から買えるので、いきなり大きな金額を動かす必要はありません。
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※手数料・キャンペーンの内容や条件は変更されることがあります。必ず各社の公式サイトで最新の情報をご確認ください。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、特定の証券会社・金融商品の利用を推奨するものではありません。口座開設および投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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