※本記事にはプロモーション(PR)が含まれます。
こんにちは、バフェットかおるです。
先に結論を書きます。サンゲツ(8130)の2026年3月期は過去最高益でした。ただ決算補足説明資料を開いて確かめてみると、利益を押し上げたのは売れた量ではなく「1つあたりの利益単価」で、純利益の伸びには一時的な特別利益が約8億円含まれていました。そして来期は増収減益の予想です。
それでも私がこの会社を持ち続けている理由は、減益を見込んだ来期についても会社が「配当155円を維持する」と資料に書いているからです。
ニュースの見出しは「純利益16.7%増」としか伝えません。会社が自分で出した資料を開くと、その中身が書いてあります。この記事では、私が資料のどのページで何を確かめたのかを順番に書いていきます。
これは私が持っている会社の決算を整理したもので、買うことをおすすめするものではありません。
※本記事は私個人の考えと調べたことの紹介であり、特定の銘柄・商品の購入を推奨するものではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。数字は2026年5月に公表された決算補足説明資料に基づくもので、今後変わります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
確定値と、会社予想に対する達成率
資料4ページの連結損益計算書から、確定した数字です。
| 項目 | 2026年3月期 | 前期比 | 会社予想に対する達成率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,064.4億円 | +3.0% | 98.3% |
| 営業利益 | 194.0億円 | +7.0% | 102.1% |
| 経常利益 | 201.5億円 | +8.5% | 103.3% |
| 純利益 | 146.4億円 | +16.7% | 112.6% |
売上高はわずかに未達でしたが、利益はすべて計画を上回って着地しました。私が最初に見るのはこの達成率です。会社が自分で立てた計画を守れたかどうかが、ここに出てくると思っているからです。
資料2ページで会社自身が「売上高は過去最高を更新」「当期純利益も過去最高」と書いています。資料5ページの10年推移を見ると、売上高は2017年3月期の1,356億円から2026年3月期の2,064億円まで、着実に積み上がっていました。
利益を作ったのは「量」ではなく「単価」だった
今回の決算で私がいちばん長く見ていたのは、資料7ページの営業利益増減ウォーターフォールです。
営業利益は181.4億円から194.0億円へ、12.6億円増えました。その内訳が、数量は13.9億円のマイナスなのに、「単位当たり総利益」が33.4億円のプラス。つまり売れた量は減ったのに、1つあたりの利益単価が上がって、量の減少を跳ね返したということです。
価格改定と商品ミックスの改善が利益を作っている。その実態がこの1枚に出ていました。私はここを「値上げが通る会社だった」と受け止めています。
純利益16.7%増のうち、約8億円は一時的なもの
資料2ページに「特別利益(助成金収入等)約8億円計上もあり」と書かれています。純利益が営業利益(+7.0%)より大きく伸びた理由の一部は、この一時的な特別利益でした。
ですから私は、本業の実力としての伸びは営業利益の+7.0%、純利益の+16.7%には一時要因が含まれている、と分けて読んでいます。ここは資料を開かないと分からなかったところでした。
海外の営業損失が8.2億円から0.4億円へ
資料6ページのセグメント別では、海外は売上350.2億円(+17.6%)、営業損失は前期の8.2億円から0.4億円へ縮みました。資料3ページに「北米の好調な業況、東南アジアおよび中国・香港での経営改善」とあります。
長年の弱点だった海外事業が、黒字化の手前まで来ました。ただし黒字化目前と黒字化達成は別だと、私は線を引いています。
12期連続増配と、来期も155円維持という明言
資料13ページの配当推移を見ると、2014年3月期の37.5円から一度も減らさず、12期連続で増配しています。
そして同じ13ページの注記に、「2027年3月期の1株当たり年間配当金は、中東情勢等の不透明な状況を踏まえ、155.0円維持を予想」と書かれていました。来期は減益予想なのに、配当は減らさないという意思表示です。
私が持ち続けている根拠は、実質ここにあります。配当に下限を置いているという話を、減益局面で実際に維持すると明言する形で見せてくれた、と受け止めました。
私が気になった5つの点
良かったところだけを並べても自分の判断が甘くなるので、資料から読み取れた不安なところも書いておきます。
- 売れた量は減っている。資料7ページの数量は13.9億円のマイナス。資料2ページも「内需の弱含みや主力仕入先火災事故に起因する供給制約等により、販売数量は減少」と認めています。値上げはいつまでも続けられるものではないので、いずれ量を取り戻す必要があると私は見ています。
- 主力の国内インテリアが実質横ばい。資料6ページより、国内インテリアの売上1,641.0億円は前期比+0.1%。中でも床材ユニットは556.1億円で3.1%の減収です。利益の大黒柱が足踏みしています。
- 火災事故と商品評価損で17.2億円の押し下げ。資料7ページの「その他(商品評価損・火災影響等)」が17.2億円のマイナス。資料11ページでは「前年の仕入先工場火災事故による供給制約はほぼ解消」とされていますが、この一期は確かに痛手を受けています。
- 海外はまだ赤字で、しかも計画未達。資料3ページに「赤字幅は縮小するも、シンガポール設計・施工事業の一過性費用計上により、計画は未達」とあります。海外の営業損失0.4億円は、会社予想の1.0億円の黒字に届きませんでした。
- 中東リスクが業績予想に十分に織り込まれていない。配当の注記では中東情勢に触れている一方、業績予想のほうには反映されていないと私は読みました。
来期2027年3月期は、はっきりと増収減益の予想
資料12ページの連結業績予想です。
| 項目 | 2027年3月期 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2,130億円 | +3.2% |
| 営業利益 | 190.0億円 | -2.1% |
| 経常利益 | 192.0億円 | -4.7% |
| 純利益 | 135.0億円 | -7.8% |
売上は過去最高を更新するのに、すべての利益が減る予想です。理由は資料11ページに明記されていて、「原材料調達コストや物流費等の上昇、人件費をはじめとする販管費の増加、成長戦略のための投資を計画に織り込む」。来期はコスト増と先行投資を覚悟した数字だと受け止めました。
中期経営計画2029が描く4年後
資料14ページで、2029年度を最終年度とする新しい4カ年計画「中期経営計画2029」が発表されました。
| 項目 | 2026年3月期 実績 | 2030年3月期 目標 |
|---|---|---|
| 連結売上高 | 2,064億円 | 2,500億円 |
| 連結営業利益 | 194億円 | 250億円 |
| 連結当期純利益 | 146億円 | 170億円 |
| ROE | — | 14.0% |
| ROIC | — | 11.0% |
来期は減益スタートでも、4年後には今期比で売上が約2割、営業利益が約3割増える絵を描いています。来期の減益は、この4カ年計画の入口にあたる投資の年なのだろうと、私は読みました。
長期で見るときに私が追いかける3つのこと
10年20年の目で持つつもりなので、この先に確かめ続けたいことを3つに絞りました。
- 値上げ頼みから抜けて、販売数量を取り戻せるか
- 海外を安定した黒字事業として定着させられるか
- 資料11ページにある「リフォーム・リニューアルは底堅く推移」という追い風を、縮む新築市場の代わりに取り込めるか
人が住んでいる限り、壁紙や床材の張り替えの需要は消えません。私はこの内需を、この会社の構造的な強みだと受け止めています。
まとめ:高配当株として私がどう受け止めたか
この決算を一言にすると、「過去最高益、ただし中身は値上げが支えた利益。来期は投資の年として減益を覚悟」でした。
| 私が良いと思った点 | 私が気になった点 |
|---|---|
| 過去最高益、単価の上昇で量減を跳ね返した利益構造、海外赤字の大幅縮小、12期連続増配、減益でも配当155円を維持と明言 | 販売数量の減少、主力の国内インテリアの足踏み、火災影響17.2億円、海外はまだ赤字で計画未達、来期は増収減益予想、中東リスクの未反映 |
持ち続ける立場では、減配のリスクは引き続き低いと私は判断しました。自己資本比率が高く、何より会社が「減益でも155円維持」と一次資料で明言しているからです。
ニュースの見出しは「純利益16.7%増」としか言いません。会社の資料を開くと、そのうち約8億円は一時的な特別利益だと書いてあります。この差を自分の目で確かめられるようになったことが、私にとっていちばんの収穫でした。
あわせて読みたい関連記事
- ウォーレン・バフェットのやり方を真似して選んだ割安株|ジャックスとサンゲツを私はこう見ました
- 高配当株5社の決算と下落理由|KDDI・ブリヂストン・住友精化・ジャックス・フジクラ
- ジャックスはリーマンショックで何を失い、どう立て直したか|高配当株の耐久力を調べた記録
📌 無料でお配りしているもの
高配当株で資産づくりを始めるなら、まずこの2つの無料ツールが近道です。
- ✅ 【完全無料公開】高配当株・銘柄選びチェックリスト ― 失敗しない銘柄選びの基準を1枚に整理しました。
- 📊 【無料配布】高配当株ポートフォリオ管理シート ― 保有株と配当金を「見える化」して、資産づくりを継続できます。
50代から始めても、60代、70代で「あの時始めてよかった」と思える日が来ると、私は思っています。私は、買ったら売らないと決めました。配当金を信じて持ち続ける、というやり方です。
私はYouTubeもやっています。毎日夜9時からライブ配信をしていますので、よろしければ遊びに来てください。チャンネル登録はこちらから → https://www.youtube.com/@buffettkaoru
決算資料を自分で開く習慣をつけるために【PR】
※このセクションには広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。当ブログ経由でお申し込みいただいても、あなたの費用が増えることはありません。
決算資料を14ページまで開くようになったのは、1株だけ持ってみた会社があったからでした。持っていない会社の資料は、私にはどうしても読み通せませんでした。私が使っているのは次の2つで、どちらも1株から買えます。
・SBI証券|単元未満株「S株」に対応。日本株も投資信託も1つの口座でまとめられます。
▶ SBI証券の公式サイトを見る
・楽天証券のNISA|NISA口座のページです。取扱商品や手数料、ポイントの条件を、ほかの会社と見比べたいときに。
▶ 楽天証券のNISAページを見る
※手数料・キャンペーンの内容や条件は変更されることがあります。必ず各社の公式サイトで最新の情報をご確認ください。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、特定の証券会社・金融商品の利用を推奨するものではありません。口座開設および投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


コメント