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野村不動産ホールディングス(3231)について、私が自分で見ているところを書きます。結論から言うと、私はこの会社を利回りの数字で選ぶのではなく、「稼ぎのうちどれだけが毎年入ってくる賃料なのか」という一点で見ています。不動産会社は、同じ業種に見えても稼ぎ方がまるで違うからです。以下は私の保有状況と検討の記録の紹介であり、この会社を推奨するものではありません。株価・配当・各指標の数字は本文に載せていません。
※本記事は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものです。筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の会社を推奨するものではありません。配当利回り・PER・自己資本比率といった数字は日々変わり、記事を読む時点では別の値になっています。最新の数字は会社の決算短信・有価証券報告書でご確認のうえ、ご自身で判断をお願いします。
不動産会社は「同じ業種」ではないと考えている
不動産という括りには、性格の違う商いが同居しています。
ひとつは、建てて売る商いです。マンションや戸建てを開発して引き渡したときに、まとめて売上が立ちます。もうひとつは、持っている建物を貸して賃料を受け取る商いです。こちらは毎年同じくらいの金額が入ってきます。
配当を受け取り続けたい私にとって、この二つは意味がまったく違います。売る商いは、引き渡しの時期がずれるだけで年度の利益が大きく動きます。貸す商いは、景気が悪い年でも契約が切れるまでは入ってきます。だから不動産会社を見るときは、まず利益の内訳をこの二つに分けるところから始めています。
野村不動産ホールディングスで私が最初に開くページ
この会社は、住宅の開発・販売を軸にしながら、オフィスや商業施設の賃貸、物流施設、ホテルなども手がけています。決算では事業ごとに分けて開示されているので、セグメント情報のページを最初に開きます。
見るのは売上ではなく、営業利益がどのセグメントから出ているかです。売上の大きさと利益の大きさは順番が入れ替わることがあり、そこがこの会社の性格の出るところだと思っています。
そのうえで、賃貸のセグメントの利益が年ごとにどれだけ安定しているかを数年分ならべます。ここが安定していれば、分譲の売上が落ちた年にも配当の原資が残る、という見方ができます。
自己資本比率の低さを、私はどう受け止めているか
不動産会社は、借入で土地や建物を買って商いをします。だから自己資本比率は他の業種より低く出ます。これを見て「財務が弱い」と決めるのは、業種の性質を見落とすことになると私は考えています。
そのかわり、私は別のところを見ます。借入の返済がいつ来るか、という満期の分布です。有価証券報告書には、借入金や社債がどの年度に返ってくるかが書かれています。来年に大きく固まっていないか、長い年限に散らしてあるか。ここが散らしてあれば、金利が動いた年でも一度に借り換えずに済みます。
それから、固定金利と変動金利の割合です。金利が上がる局面で変動の比率が高ければ、支払う利息が増えます。私が金利の見通しを当てられないぶん、会社が備えているかどうかで判断したい、ということです。
REITとの関係を確かめておく
この会社のグループは、不動産投資信託(REIT)の運用にも関わっています。開発した物件をREITに移すという流れがあると、物件を売った利益が本体の決算に乗ることがあります。
この利益は、入ってくる年と入ってこない年があります。見た目の利益を押し上げている年に、それを毎年続くものとして数えてしまうと、配当の持続性を読み間違えます。私は決算説明資料でこの部分の金額を探して、本体の賃料収入とは別の枠に置いて考えるようにしています。
これは野村不動産ホールディングスに限った話ではなく、REITを傘下に持つ不動産会社を見るときに私が共通でやっていることです。
同業と並べるときに気をつけていること
大手の不動産会社と指標をならべると、違いが目につきます。ただ私は、その並びをそのまま「割安かどうか」の結論にはしないようにしています。
理由は、同じ不動産でも中身が違うからです。都心の大型オフィスを長く持っている会社と、住宅の分譲を回している会社では、利益の出方も資産の性質も違います。指標が低いのは、安く放置されているからなのか、それとも利益の振れ幅が大きいことを市場が織り込んでいるからなのか。ここを自分で考えないと、数字の低さだけを理由に買うことになってしまいます。
私は、並べた表を結論ではなく「質問のリスト」として使っています。なぜこの差がついているのかを、会社の資料で確かめにいくための出発点です。
私が気にしているリスク
いちばん大きいのは金利です。借入で商いをしている会社なので、金利が上がれば利息の負担が増えます。同時に、住宅を買う人の住宅ローンの負担も増えるので、売れ行きにも効いてきます。両側から来るところが、不動産会社の難しさだと思っています。
次に、建築費です。資材と人件費が上がれば、開発の採算が薄くなります。売値に転嫁できるかどうかは、そのときの需要次第です。
そして、分譲の引き渡し時期です。会社の側に落ち度がなくても、工期がずれれば利益の計上が翌年にずれます。一年の数字だけで判断すると、この動きに振り回されます。私は数年分をならべて平均で見る、という形にしています。
数字を本文に書かなかった理由
この記事では、株価・配当金額・配当利回り・PER・自己資本比率といった具体的な数字を書いていません。以前は書いていましたが、やめました。
書いた時点では正しくても、読まれる時点では違う数字になっています。古い数字のまま判断されてしまうことが、私にはいちばん怖いことでした。それに、数字を他人の記事から写すと、自分で確かめる習慣がつきません。決算短信を開くのは慣れれば数分の作業です。わからないものは買わない、というのがウォーレン・バフェットのやり方から私が受け取った一番の教えなので、自分で開く手間はかけたいと思っています。
いま私が置いている結論
私は野村不動産ホールディングスを、賃貸で毎年入ってくる利益がどれだけ厚くなっていくかを見ながら付き合う会社として眺めています。分譲の年ごとの振れは、数年単位で見れば平らになるという前提です。この前提が崩れるとすれば、それは金利が長く高いままになったときだと思っています。
来年どうなるかはわかりません。わからないまま、一社に寄せすぎない大きさで持って、決算ごとに確かめ直す。それが私のやり方です。
繰り返しになりますが、この記事は私の保有状況と検討の記録の紹介であり、野村不動産ホールディングスを推奨するものではありません。必要な現金の量も、持っていられる年数も人それぞれ違います。ご自身の目で資料を確かめて、ご自身の結論を出していただければと思います。
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この記事で書いたセグメント情報や借入金の満期の表は、証券会社の銘柄ページから決算短信と有価証券報告書に飛べば、その場で読めます。私が不動産会社を調べるときに実際に開いている口座を、参考として挙げておきます。
私が実際に使っているのは次の2つです。どちらも1株(単元未満株)から買えるので、いきなり大きな金額を動かす必要はありません。
・SBI証券|単元未満株「S株」に対応。日本株も投資信託も1つの口座でまとめられます。
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