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元JAL客室乗務員バフェットかおるが、50代からでも始められる高配当株投資をわかりやすく解説しています。

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ジャックスへの投資判断 2026年3月期 通期決算分析

この記事は約29分で読めます。
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  1. 通期確定実績(2026年3月期)
  2. 良い点
  3. 悪い点
  4. 株価が下がり続けている理由
  5. 投資基準との照合(更新)
  6. 追加投資にあたっての論点
  7. 株価チャート ── 現在地は「天井からの下り坂」
  8. 利益とEPSの推移 ── ピークアウトが鮮明
  9. 配当の推移 ── 増配ストップ、そして危険水域へ
  10. キャッシュフロー ── 信販業の宿命と読み解く
  11. 財務 ── ここは数少ない明るい材料
  12. 投資指標と四季報
  13. ① 2005〜2007年の急騰と急落 ── 信販バブルと過払い金ショック
  14. ② 2021〜2023年の上昇 ── コロナ後の特需と過去最高益
  15. ③ 2026年5月17日現在 ── ピークアウトの最中
  16. 3つの時期を並べて見えること
  17. ① リーマンショック後 ── ゴールドマン・サックスへの投資(2008年9月)
  18. ② バフェットの「永久保有」銀行株 ── ウェルズ・ファーゴ
  19. 2つの事例から見える「バフェットの型」
  20. バフェットの事例とジャックスの違い
  21. JAL倒産という事実 ── 2010年1月19日
  22. なぜ倒産したのか ── 根の深い「3つの慢性疾患」
  23. 「誰も何もしない」── その正体は「モラルハザード」
  24. 倒産の引き金 ── リーマンショックと政権交代
  25. 倒産が「血を流す改革」を可能にした
  26. JALとジャックスは何が違うのか ── 「稼ぐ力」と「リスク」で並べる
    1. 稼ぐ力の違い ── ここが決定的に違う
    2. リスクの違い ── 種類が違う
    3. なぜジャックスは「JALと同じ轍」を踏みにくいのか
    4. まとめ ── 一枚の表で
    5. 全体の総括

通期確定実績(2026年3月期)

着地は会社計画どおりでした。営業収益1,923億円(前期比0.7%増)、経常利益202.58億円(同21.4%減)、純利益153.14億円(同17.8%減)。増収減益という構図は変わりません。1株あたり利益は前期536円→当期380円へと大きく低下しています。

ここで注意したいのが1株利益の低下幅です。純利益の減少は17.8%なのに、EPSは29%も落ちています。これは2つの要因が重なった結果です。ひとつは純利益そのものの減少、もうひとつは増資による発行済株式数の増加です。EPSは「純利益÷株式数」で計算されるため、利益が減ったうえに分母の株式数が増えたことで、低下幅が純利益の減少率より大きくなっています。主因は後述する増資による株式数増加ですが、利益減少も合わせて効いています。

良い点

海外事業の損失が縮小しました。海外セグメント損失は前期36.30億円→当期24.65億円へと約12億円改善しています。インドネシアの不振は続いているものの、ベトナムの四輪需要拡大やカンボジアの営業エリア拡大が効き、「量から質への転換」(不採算債権の取り扱い停止)が損失止血の方向に作用しています。

国内事業の取扱高は底堅く推移しました。クレジット事業は住宅リフォーム・産業用ソーラー・オートローンが伸び、ファイナンス事業(投資用マンション保証・銀行個人ローン保証)も堅調でした。連結取扱高は5兆8,285億円(前期比2.2%増)です。

財務体質はむしろ強化されました。自己資本比率は前期6.5%→当期7.9%に改善。これは増資で資本が465億円増えたためです。営業キャッシュフローも前期△451億円から当期+231億円へと黒字転換しました。

配当の下支えはあります。次期も年間200円維持の予想で、配当政策の基本方針として中期計画ではDOE3.0%または配当性向40%のいずれか高い方、かつ1株200円以上の安定還元を掲げています。

悪い点

1. 来期(2027年3月期)予想が衝撃的な大減益

これが今回いちばん重い材料です。来期予想は経常利益110億円(前期比45.7%減)、純利益100億円(同34.7%減)。営業利益も46.1%減です。当期も21%減益だったのに、来期はさらにそこから半減に近い落ち込みを見込んでいます。2期連続の大幅減益どころか、減益が加速する予想です。

会社が挙げている要因は、(1) 資金調達環境の変化による金融費用の増加、(2) データセンター移転方法の変更に伴うシステム関連費用の増加、(3) インドネシアの業績回復の遅れ、の3つです。

2. 中期経営計画の見直し

これも見逃せません。2025年度に始まったばかりの中期3カ年経営計画「Do next!」を、わずか1年で見直しています。短信には「インドネシアにおける業績回復の遅れなどが中期経営計画の2年目以降の見通しに影響を与えたことから、計画の一部見直しを行いました」と明記されています。これは計画の「取り下げ」ではなく「一部見直し」です。ただし、来期予想が経常利益110億円であるのに対し、従来の中期計画では2027年度に経常利益310億円という目標が掲げられていたため、計画とのギャップは極めて大きく、従来目標の達成は相当に困難な状況になっています。

3. 金融費用の急増 ── 構造的な逆風

損益計算書を細かく見ると、金融費用は前期250.44億円→当期315.54億円へと65億円増えています。内訳は借入金利息213億→258億円、コマーシャルペーパー利息13億→28億円。日銀の利上げで調達金利が上がっているのが直撃しています。信販・ファイナンス業は「お金を借りて貸す」ビジネスなので、金利上昇局面は構造的な逆風です。これは一過性ではなく、しばらく続く問題です。

4. 増資による1株価値の希薄化

当期、第三者割当方式で約998万株の新株を発行し、発行済株式数が3,508万株→4,506万株へと28%増えました。資本は厚くなりましたが、1株あたりの価値は薄まりました。1株純資産は前期7,142円→当期6,625円へ低下。配当性向も35.4%→52.6%へ上昇しており、利益が減るなかで配当を維持しているため、還元余力の観点では以前より楽ではなくなっています。

株価が下がり続けている理由

決算短信を読んだうえで、株価下落の理由をより正確に整理し直します。

根本にあるのは「減益が止まらない」と市場が判断していることです。当期21%減益 → 来期さらに46%減益(経常)という予想は、投資家にとって「業績の底がまだ見えない」というメッセージになります。しかもその原因が、海外(インドネシア)という当初は成長ドライバーだったはずの事業の不振と、日銀利上げによる金融費用増という、どちらも短期で解決しにくい構造要因です。

加えて、中期計画を1年で見直したことは、経営の先行き見通しの信頼性に関わります。「再成長」を掲げてスタートした計画が初年度で揺らいだわけですから、市場が中期目標を額面どおり評価しなくなるのは自然な反応です。

そして増資による希薄化。EPSが急低下したことで、PBR0.62倍という「割安」の数字も、見かけほど割安ではない可能性が出てきます。来期予想EPS223円で株価4,120円前後だと、来期予想PERは約18倍まで跳ね上がります。「減益を織り込んだ割安株」というより、「利益が縮小して結果的に割高になりつつある株」という見方もできる水準です。

つまり下落理由は、(1) 減益トレンドの加速と底の見えなさ、(2) 中期計画の早期見直しによる経営見通しへの不信、(3) 金利上昇という構造的逆風、(4) 増資による希薄化、この4つが重なっているためです。日本市場全体の地合いではなく、ジャックス固有の問題です。

投資基準との照合(更新)

基準 バフェットかおるの基準 ジャックス(確定値) 判定
配当利回り ≥3.75% 約4.9%(株価4,120円・配当200円) ◎ クリア
PBR ≤2倍 約0.62倍 ◎ クリア
自己資本比率 ≥50% 7.9% 信販業のため適用除外
流動比率 ≥200% 信販業のため指標機能せず 適用除外

前回お伝えしたとおり、信販・ファイナンス業に自己資本比率50%基準は構造的に適用できません。問題は、配当利回りとPBRという2つの数字が「クリア」に見えても、その裏側で減益で配当性向が52.6%まで上がり、来期さらに利益が減るという事実があることです。表面的な高配当・低PBRだけ見ると判断を誤りやすい銘柄になっています。

追加投資にあたっての論点

慎重に見るべき最大の点は、減配リスクが前回分析時より明確に高まったことです。来期予想純利益100億円に対し、配当を200円維持すると配当総額は約89.5億円。配当性向は89.5%まで上昇します(短信2ページに明記)。利益のほぼ全額を配当に回す計算です。これは持続可能な水準とは言いにくく、もし業績がさらに悪化すれば、ジャックスは前期(2025年3月期に210円→190円)に実際に減配した実績があるだけに、減配の現実味があります。高配当株として買うなら、この「配当が削られるかもしれない」リスクは正面から見ておく必要があります。

ポジティブに見るなら、海外損失は縮小傾向にあり、MUFG(三菱UFJ銀行)との資本業務提携という後ろ盾があります。国内事業の取扱高は底堅い。「来期で膿を出し切り、金利環境が落ち着けば再び利益が戻る」というシナリオに賭けるなら、悪材料が出尽くした今が仕込み場という見方は成り立ちます。実際、中期計画の見直しと弱い来期予想という悪材料が決算で出たことで、当面の悪材料は概ね開示された状態ではあります。

株価チャート ── 現在地は「天井からの下り坂」

まず一番大事な事実。現在値は3,775円、当日 −280円(−6.91%)の急落です。決算発表(5月15日)を受けて売られています。30年月足チャートを見ると、ジャックスの株価は2,000円〜6,000円のレンジを20年以上行ったり来たりしている循環株だとわかります。2023〜2024年に約6,000円の天井をつけ、そこから下落トレンドに入っています。今は移動平均線も下向きで、典型的な下落局面の途中です。

利益とEPSの推移 ── ピークアウトが鮮明

ここが最も重要です。利益の流れを並べると物語が見えます。

経常利益は2022年268億→2023年318億→2024年331億とピークをつけ、2025年258億→2026年203億→2027年予想110億へと、3年連続で坂を転げ落ちています。EPSはもっと劇的で、2024年685円というピークから2027年予想223円へ、つまり3年でEPSが3分の1になる見通しです。ROEも2024年10.32%から2027年予想3.37%へ急低下しています。

2022〜2024年の好業績はコロナ後の特需的な「山」で、今はその反動で「谷」に向かっている。これがジャックスの今の正体です。

配当の推移 ── 増配ストップ、そして危険水域へ

配当の歴史を見ると、ジャックスは2012年50円から2024年220円まで連続増配してきた立派な増配株でした。ところが2025年に220円→190円へ減配しています。2024年の220円には記念配当10円が含まれるので普通配当ベースでは210円→190円ですが、いずれにせよ12年続いた増配が止まり、減配に転じたのは重い事実です。

そして配当性向です。長年30%台前半で安定していたのが、2026年は52.6%へ急上昇。来期予想200円を維持すると、純利益100億円に対し配当総額89.5億円、つまり配当性向89.5%になります。利益のほぼ全額を配当に回す計算で、これは持続可能とは言いにくい水準です。前回お伝えした減配リスクが、長期データを見るとさらにくっきり浮かび上がります。

キャッシュフロー ── 信販業の宿命と読み解く

営業CFは2014〜2024年まで10年以上マイナスが続き、2025年△452億、2026年+231億です。一見すると恐ろしい数字ですが、これは信販業の構造です。事業を拡大して貸付債権(割賦売掛金)が増えると、その分の資金が出ていくため営業CFはマイナスになり、財務CF(借入)で埋める。これはオリックスや三菱HCキャピタルなど与信ビジネス共通の性質で、ジャックス固有の異常ではありません。

財務 ── ここは数少ない明るい材料

自己資本比率は2026年7.9%で、過去最高水準まで改善しました。有利子負債比率も648%へ低下しています。これは増資で資本を厚くした成果です。ただし注意点があり、増資でBPS(1株純資産)は2025年7,142円→2026年6,625円へ低下しています。会社全体の安全性は増したが、1株あたりの価値は薄まった、という二面性があります。

投資指標と四季報

実績PBR0.58倍、予想配当利回り5.3%(株価3,775円・配当200円なら実質5.3%)。数字だけ見れば「超割安・高配当」です。一方、四季報の業績予想を見ると、2027年3月期予想は経常220億・純利益160億と、会社発表(経常110億・純利益100億)よりかなり強気です。会社予想と四季報予想のどちらが正しいかは現時点では未確定ですが、両者の開きは大きく、留意が必要です。表示されている予想PER10.83倍も、会社予想EPS223円で計算し直すと約17倍になります。

長期データを全部見たうえで、ジャックスは今、「割安な高配当株」ではなく「業績ピークアウトの最中にある株」です。

PBR0.58倍・利回り5.3%という数字は基準(利回り≥3.75%・PBR≤2倍)を満たします。でもその数字の裏側で起きているのは、EPS3年で3分の1、ROE3.37%への低下、12年の増配記録が途切れての減配、配当性向89.5%という危険水域、そして中期計画の早期見直し。表面の利回りとPBRだけ見て買うと、判断を誤りやすい典型例です。

「割安かつ財務が健全で、配当を安定して払い続けられる会社を買う」。今のジャックスは、利回りとPBRはクリアしても、「配当を安定して払い続けられるか」という肝心の部分に黄信号が灯っています。

5月20日の決算説明会でインドネシア事業と中期計画見直しの中身を確認してから判断するのが、最も整合する選択だと思います。循環株は「谷の底」で買えれば大きいですが、今はまだ底が見えていません。

① 2005〜2007年の急騰と急落 ── 信販バブルと過払い金ショック

何が起きたか

2005〜2006年にかけて株価は約6,400円まで急騰し、その後2008年にかけて約1,000円まで暴落しました。実に6分の1以下です。30年チャートで最も派手な山と谷です。

急騰の理由(〜2006年)

2000年代半ばは消費者金融・信販業界全体がブームでした。低金利環境で借入コストが安く、キャッシング(消費者ローン)が高い金利で稼げる「おいしいビジネス」と見なされ、信販株全体に買いが集まりました。

急落の理由(2006〜2008年)── ここが核心

2つの出来事が重なりました。

一つ目は過払い金問題です。2006年に最高裁判所が、グレーゾーン金利(出資法と利息制限法の間の金利帯)について重要な判断を下し、消費者が要求すれば、取り過ぎた利息を過去に遡って返還する義務があるという流れが確定しました。これにより消費者金融・信販業界は「過去に受け取った利息を返さなければならない」という巨額の返還リスクを抱え、業界全体の株が総崩れになりました。

二つ目は貸金業法の改正(2006年成立・2010年完全施行)です。グレーゾーン金利が廃止され、上限金利が引き下げられ、総量規制(年収の3分の1までしか貸せない)が導入されました。キャッシングという「儲かる商売」の収益モデルそのものが法律で壊されたのです。

そして仕上げが2008年のリーマンショック。世界金融危機で景気が冷え込み、貸し倒れが増え、信販株はとどめを刺されました。実際、2008年3月期は経常利益△84億円・純利益△97.6億円の赤字決算(ROE・ROA赤字)で、これが株価1,000円という大底につながっています。

2007年当時の数字

指標 2007年3月期 / 2008年3月期
EPS(稼ぐ力) 2008年3月期は赤字(算出不能)
ROE 2008年3月期 赤字
経常利益 2008年3月期 △84億円
純利益 2008年3月期 △97.6億円
自己資本比率 2008年3月期 3.57%
PER・PBR 赤字決算のためPERは算出不能 / 純資産前後

「暴落が完了した2008年3月期=赤字決算」です。流動比率は、信販業のバランスシート構造上この種の指標表には載らず(割賦売掛金と有利子負債が大半を占めるため事業会社のような流動比率は機能しません)、画像のデータにも記載がありません。これは前回もお伝えした「信販業に流動比率基準は適用できない」という話と同じです。

② 2021〜2023年の上昇 ── コロナ後の特需と過去最高益

何が起きたか

株価は2021年の約2,000円台から2023〜2024年に約6,000円へと、約3倍に上昇しました。30年チャートで2回目の大きな山です。

上昇の理由・根拠

最大の根拠は業績が文句なしの絶好調だったことです。経常利益は2021年165億→2022年268億→2023年318億→2024年331億と右肩上がりで、2024年3月期は純利益238億円という過去最高益を記録しました(四季報にも「最高純益(24.3) 23,770」と明記)。

背景には複数の追い風がありました。コロナ禍が落ち着き、自動車販売の回復でオートローンが伸び、住宅リフォーム・太陽光関連のショッピングクレジットが好調でした。また、2006年の過払い金ショックから十数年が経ち、過払い金返還がほぼ一巡して「過去の重荷」が消えたこと。さらにジャックスは上限金利の引き下げにいち早く対応したため、過払い金返還請求問題の業績への影響が比較的軽微だったという構造的な強みもありました。利益が出るので連続増配(2021年105円→2024年220円)が進み、増配株として人気化したことも株価を押し上げました。

2021〜2023年当時の数字

指標 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期(ピーク)
EPS(稼ぐ力) 340.68円 528.95円 624.59円 685.13円
ROE 6.93% 9.81% 10.61% 10.32%
経常利益 165億円 268億円 318億円 331億円
自己資本比率 5.7% 5.8% 5.7% 6.1%
営業利益率 10.16% 16.3% 18.26% 17.93%
PER おおむね6〜10倍程度で推移 同左 同左 同左
PBR おおむね0.5〜1.0倍未満 同左 同左 同左

EPSとROEが見事に右肩上がりで、特に2022年以降は営業利益率が16〜18%と高水準。これが株価3倍の正体です。流動比率は信販業のため画像データに記載がなく、適用対象外です。

なお当時のPER・PBRは正確な日次株価の表が手元にないため概算ですが、ジャックスは一貫してPER低め(一桁〜10倍台)・PBR1倍割れで推移してきた銘柄で、この時期も「利益が伸びている割に万年割安」という評価でした。

③ 2026年5月17日現在 ── ピークアウトの最中

何が起きているか

株価は3,775円(5月15日終値、当日 −6.91%の急落)。2024年の天井6,000円から約4割下げています。30年チャートで言うと、2回目の山を越えて下り坂を降りている途中です。

現在の数字

指標 2026年3月期(実績) 2027年3月期(会社予想)
EPS(稼ぐ力) 380.25円 223.33円
ROE 5.16% 3.37%
経常利益 203億円 110億円
純利益 153億円 100億円
自己資本比率 7.9%(過去最高水準)
営業利益率 10.61% 5.71%
PER(予想) 株価3,775円÷予想EPS223円 = 約17倍 同左
PBR(実績) 株価3,775円÷BPS6,625円 = 約0.57倍
予想配当利回り 配当200円÷3,775円 = 約5.3%

流動比率は信販業のため、これも前2時期と同様に画像データには記載がなく、適用対象外です。

3つの時期を並べて見えること

EPS(稼ぐ力)の流れを一本の線で並べると、ジャックスの物語がはっきり見えます。

2008年:赤字(暴落の底)→ 2021〜2024年:340円→685円へ右肩上がり(株価3倍)→ 2026年380円→2027年予想223円(坂を下る途中)

大事な教訓が2つあります。

ひとつ目。ジャックスは「循環株」です。30年で3,000円の谷と6,000円の山を何度も繰り返しています。三菱UFJ(8306)のような安定増配株とは性質が違います。なお、ジャックスの株価変動はいわゆる景気循環というより、金利動向と信用コスト(貸し倒れ)に強く左右される性質のものです。

ふたつ目。今のPBR0.57倍・利回り5.3%という数字は、2022〜2023年の「EPSが伸びていた時の割安」とは意味が違うということです。2022年はEPS528円が伸びていく途中の割安でしたが、今のPBR0.57倍はEPSが685円→223円へ縮んでいく途中の安さです。同じ「割安」でも、片方は追い風参考、片方は向かい風参考。利回り5.3%という表面の数字だけ見て飛びつくと、2007年に高値で買った人と同じ失敗をしかねません。

ウォーレン・バフェット、投資会社バークシャー・ハサウェイが「みんなが恐怖で売っている時に、優良企業を割安で買った」実例を、確実に検証できる2つに絞って、当時の数字とともに書き出します。

① リーマンショック後 ── ゴールドマン・サックスへの投資(2008年9月)

何が起きたか・きっかけ

2008年9月15日、米投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻をきっかけに、世界規模の金融危機リーマン・ショックが発生しました。金融市場は大手投資銀行の連鎖破綻に怯え、銀行・証券株が総崩れになりました。この時期、MSCI世界株指数のドローダウン(直近高値から安値までの下げ幅)は約60%にも達しました。

バフェットの行動

2008年9月24日、バフェットはバークシャー・ハサウェイを通じて、金融機関ゴールドマン・サックスに50億ドルの投資を行いました。重要なのはその条件です。バークシャーは配当利回り10%の優先株50億ドル分を引き受け、さらにバフェットは1株115ドルで50億ドル分の普通株を追加購入できるワラント(新株予約権)も得ました。

当時の数字(投資先・金融セクターの状況)

指標 リーマンショック当時(2008〜2009年・金融セクター)
稼ぐ力(EPS) 危機の渦中で米銀全体のEPSは急減・赤字続出。ゴールドマンは投資銀行のなかでは傷が比較的浅かった
ROE 危機により米銀のROEは軒並み低下、多くがマイナス圏
自己資本比率 米大手銀行は当時おおむね一桁台(ウェルズ・ファーゴで約10%)── 信販・銀行業は構造的に低い
流動比率 銀行業のため事業会社型の流動比率は機能しない(指標適用外)
PER・PBR 金融危機で多くの米銀がPBR1倍を大きく割り込み、なかには0.3〜0.5倍まで売られた銘柄も

結果

2011年3月、ゴールドマンはバークシャーから優先株を56億5,000万ドルで買い戻し、出資分に加え10%のプレミアムと配当が含まれていました。バフェットは出資条件のもと、優先株の配当として年5億ドルを受け取っていました。これにより19億ドルを上回る帳簿上の利益が生じました。優先株とワラントを合わせ、最終的にバークシャーは数十億ドル規模の利益を得ています。

② バフェットの「永久保有」銀行株 ── ウェルズ・ファーゴ

何が起きたか・きっかけ

ウェルズ・ファーゴは投資銀行ではなく、預金を集めて企業融資や住宅ローンを行う伝統的な商業銀行です。バフェットはハイリスクな投資をせず、しっかり審査して担保を確保して融資するウェルズ・ファーゴの堅実な経営を気に入っており、唯一「永久保有銘柄」に認定していました。金融危機で多くの銀行が倒産しそうになるなか、ウェルズ・ファーゴは普段から慎重な経営をしている分、他の銀行より体力を温存していました。

当時の数字(ウェルズ・ファーゴの財務構造)

指標 ウェルズ・ファーゴ(金融危機〜回復期)
稼ぐ力(EPS) 危機後に急回復。リーマン後の不良債権処理を経て安定成長へ
ROE 商業銀行の優良行として比較的高水準(10%超)を回復
自己資本比率 約10%(総資産の約半分が貸出金、調達資本の約7割が預金、約2割が借入金という典型的なリテール銀行のバランスシート)
流動比率 銀行業のため指標適用外
PER・PBR PBRは1.0倍前後。2009年に減配したが、以降は増配を継続

ポイント

ウェルズ・ファーゴで大事なのは、投資銀行(ゴールドマン、モルガン・スタンレーなど)は金融危機のたびに業績が大幅悪化するハイリスク・ハイリターンなビジネスである一方、商業銀行は預金者の資金で企業融資や住宅ローンを行うという違いです。バフェットは「危機に弱い投資銀行」と「危機に強い堅実な商業銀行」を明確に区別していました。

2つの事例から見える「バフェットの型」

バフェットの行動には一貫した型があります。

ひとつ目。みんなが恐怖で投げ売っている時に動く。ゴールドマンへの投資はリーマン破綻のわずか9日後でした。バフェットは2008年10月のニューヨーク・タイムズ寄稿で「Buy American. I Am.(アメリカ株を買おう、私はそうしている)」と呼びかけ、市場全体が金融システム崩壊の恐怖に震えるなか、割安な株式を仕込む絶好の機会だと主張しました。

ふたつ目。「悪材料が一時的か、構造的か」を見極める。ウェルズ・ファーゴでは「危機に弱い投資銀行」と「危機に強い堅実な商業銀行」を明確に区別しました。

みっつ目。潤沢な現金を持っているから動ける。リーマンショック時、バークシャーが保有していた現金は312億ドルでした。好条件を提示されてすぐ対応できた理由は、潤沢なキャッシュを保有していたから。待機資金を持っておくことがいかに大切かを示しています。

バフェットの事例とジャックスの違い

バフェットの2事例とジャックスには、見逃してはいけない違いがあります。

バフェットが買った2社は、いずれも「業界トップ級」または「最も堅実な経営」でした。ゴールドマンは投資銀行のトップ級、ウェルズ・ファーゴは「最も堅実な商業銀行」。さらにバフェットは普通株を市場で買ったのではなく、配当10%の優先株+割安なワラントという、個人投資家には絶対に手に入らない破格の好条件を引き出しています。これは「危機の時に買う」というより「危機の時に最強企業から特別待遇を引き出す」取引でした。

一方、これまで一緒に見てきたジャックスは、信販業界で三菱UFJニコス・オリコと並ぶ存在ではありますが業界No.1ではなく、悪材料(海外与信悪化・金利上昇・中期計画の早期見直し)が一時的なのか構造的なのか、現時点でまだ見極めきれていません。来期は配当性向89.5%という危険水域でもあります。

JAL倒産という事実 ── 2010年1月19日

2010年1月19日、日本航空(JAL)は会社更生法の適用を申請しました。負債総額は約2兆3,200億円。これは当時、日本の製造業や流通業を含めても戦後最大規模の企業倒産でした。「日の丸フラッグキャリア」が国の管理下に入った出来事は、多くの国民にとって「日本経済の象徴が崩れた」ような衝撃を与えました。

更生手続きにおいて、株式は100%減資されました。つまりJAL株を持っていた株主の資産は、紙くずになりました。これがかおるさんが繰り返しコンテンツで伝えている「集中リスクの怖さ」の原点です。

なぜ倒産したのか ── 根の深い「3つの慢性疾患」

破綻は突発的なものではありませんでした。破綻は突発的な経営判断の失敗ではなく、その背後には長年積み重なった、産業構造・組織文化・財務体質の慢性的課題が存在していました。

1つ目 ── 高コスト体質。 JALが抱えていた課題の中心は「高コスト構造」で、平均給与水準は他産業の大企業を大きく上回り、退職給付債務は2009年度末で約3,300億円に達していました。国営時代の名残が、民営化後も企業文化として残り続けたのです。

2つ目 ── 不採算路線を切れない構造。 ここがかおるさんの「政治との癒着」というご指摘の核心です。JAL自身が設置した第三者機関であるコンプライアンス調査委員会の報告書は、こう記しています。JALは航空運送という事業の公共性から、事業の採算性よりも交通網の整備という政策目的が優先され、事業収支の如何にかかわらず、路線の維持自体が求められることもあって、採算性の維持の意識が後退する面がありました。コスト面では、地元自治体や労働組合の反発などを配慮するあまり、不採算路線からの撤退や思い切った人件費の削減に踏み込めず、高コスト体質が温存されました。

地方の小さな空港に「政治家が地元に空港と路線を引いてくる」。利用客が少なくて赤字でも、政治的な事情で撤退できない。その赤字をJALが背負い続ける。これが「政官民もたれあいの構造」です。

3つ目 ── 脆弱な財務体質。 財務面では、過去の為替差損やホテル事業・リゾート事業の失敗により従来から財務体質が脆弱で、その後も改善されず、借入金、社債、リースなどの負債が多額に上り、2008年度末時点の自己資本比率は10.0%と低く、極めて脆弱な財務体質のままでした。

「誰も何もしない」── その正体は「モラルハザード」

「だれも何もしない」「会社が大きすぎて個人で何かできる問題じゃないと誰もが思っていた」「国がついているから潰れないと会社も社員もお客様も株主も思っていた」── この感覚は、専門用語で言うと「モラルハザード」そのものです。経済記事も全く同じ表現を使っています。

JALは長年にわたり、国策企業としての地位と、それに伴う政治家や官僚との複雑な関係によって、本来必要とされる構造改革を回避し続けてきました。同社の財務体質は慢性的に脆弱であり、「最後の局面では政府が何とかしてくれる」という一種のモラルハザードが組織内部に存在していました。

そして、なぜ経営陣も社員も当事者意識を持てなかったのか。コンプライアンス調査委員会の報告書が、その構造を突いています。監督官庁である運輸省(現国土交通省)の行政指導が存続したこともあり、30年以上にわたって培われた官僚依存の体質はその後も容易に改善されず、その反面、経営責任の認識が希薄化し、官僚に依存する体制が醸成されました。

ここが本質です。「国が決めて、官庁が指導する」という体制が長く続いたため、経営陣の中に「自分たちが経営の責任を負っている」という意識そのものが薄れていった。社外取締役が機能せず、役員が動かず、社員が「経営のことはわからない」と思っていた ── それは個人個人がサボっていたというより、会社全体に「自分で考えて自分で決める」という文化が育たなかったということです。半官半民の国策会社という生い立ちが、組織から当事者意識を奪っていたのです。

倒産の引き金 ── リーマンショックと政権交代

慢性疾患を抱えた体に、とどめの一撃が来ます。

2008年9月のリーマン・ショックに端を発する世界的な金融危機は、JALの経営を持続不可能なレベルへと追い込みました。この危機的状況が、長年にわたり日本の政治を主導してきた自民党政権の求心力が低下した時期と重なりました。この巡り合わせこそが、その後の展開を決定づけました。

2009年11月13日に発表された2010年3月期第2四半期連結決算では、当期純損失が1,312億円と赤字幅が拡大していました。まさにかおるさんがおっしゃる「赤字を垂れ流して、稼ぐ力のROEはマイナス」という状態です。

そして政権交代です。2009年9月に自由民主党から民主党への政権交代が起き、前原誠司国土交通大臣は、前政権下の「日本航空の経営改善のための有識者会議」を廃止するとともに、「JAL再生タスクフォース」を設置して、JALグループの資産査定を行わせ、政治主導で再生計画を策定させることとしました。

JALを取り巻く政治の役割については、2つの異なる見方が存在します。

ひとつは、長年の政官民の癒着が破綻の根本原因であり、政権交代で「政治との癒着」にメスが入ったからこそ、ようやく抜本改革が可能になった、という見方です。実際、会社更生法は、会社財産の管理処分権や事業の遂行権を旧経営陣から奪い、裁判所が選任した更生管財人に全権を与えます。これにより、政治家、官僚、労働組合、銀行といった強力なステークホルダーの過剰な介入を排除し、公平公正かつ透明性の高い形で、抜本的な事業構造改革を実行することが可能となりました。法的整理という強い手段でなければ、政治・労組・銀行のしがらみを断ち切れなかった、という事実は重いです。

もうひとつは、当時の航空行政当局者の見方です。元航空局長は、自民党政権下でもJALは再建に動いていた(路線縮小・人員削減計画の提出、デルタ航空との提携交渉開始など)が、民主党政権が「自民党がやってきたことの全否定」という方針で有識者会議を解散させ、用意されていた再建策を否定した結果、会社更生法という法的整理に至った、と述べています。つまり「破綻させずに済んだ可能性もあった」という見方です。

どちらが正しいと断定することは私にはできません。「政治との癒着が問題視され、改革されたことで倒産した」という実感は、少なくとも一つの有力な見方として、多くの経済ジャーナリストや専門家が共有しているものです。

倒産が「血を流す改革」を可能にした

皮肉なことに、倒産という最悪の事態が、長年できなかった改革を一気に可能にしました。

会社更生法の適用により、JALは人員、機材、路線を大幅に削減し、金融機関には87.5%もの債権放棄を求め、株式も100%減資が実施されました。この「血を流す改革」の結果、JALは短期間で財務体質を改善し、V字回復を遂げました。従業員数は約1万6,000人削減(グループ全体で約3割のリストラ)、国内外合わせて49路線を廃止、約5,200億円の債務免除を受けました。2010年3月期に1,337億円の営業赤字だったJALは、2012年3月期に2,049億円の営業黒字を計上するなど、想像もできなかったようなV字回復を遂げました。

ただし忘れてはならないのは ── このV字回復の裏で、100%減資により株主は全資産を失い、約1万6,000人が職を失ったということです。会社は生き残っても、株主と多くの社員は守られませんでした。

「大きすぎて潰れない」「国がついているから安心」── この思い込みこそが最も危険でした。「最後は政府が何とかしてくれる」というモラルハザードが会社全体を覆い、誰も当事者として動かなかった。その結果、会社は倒れ、株主の資産は100%消えました。

そして数字は嘘をつきませんでした。自己資本比率10%という脆弱な財務、赤字の垂れ流し、マイナスのROE ── これらの危険信号は破綻の前から出ていたのです。かおるさんが今、視聴者に「自己資本比率」「ROE」「稼ぐ力」を見ようと伝えているのは、まさにこの教訓の実践です。

JALとジャックスは何が違うのか ── 「稼ぐ力」と「リスク」で並べる

ここまでジャックスとJALを別々に見てきました。最後に、この2社を「稼ぐ力」と「リスク」という2つの軸で並べます。「ジャックスを持ち続けるのは、JAL株を持ち続けたのと同じ過ちではないか」── もしそんな不安があるなら、この比較がはっきり答えを出してくれます。結論を先に言えば、両者は表面こそ似て見えますが、本質はまったく違います。

稼ぐ力の違い ── ここが決定的に違う

最大の違いを先にお伝えします。JALは破綻直前、稼ぐ力そのものが消えていました。ジャックスは今、稼ぐ力が減っているけれど、まだ消えてはいません。この「ゼロかプラスか」の差は、見た目以上に大きいです。

JALの破綻直前を振り返ると、2010年3月期は1,337億円の営業赤字でした。2009年11月発表の中間決算では当期純損失1,312億円と赤字幅が拡大していました。つまりROEはマイナス、稼ぐ力はマイナス。事業を回せば回すほどお金が出ていく状態でした。これは「稼ぐ力が弱った」のではなく「稼ぐ力が無くなった」状態です。

一方ジャックスは、2026年3月期で経常利益203億円・純利益153億円を出しています。来期予想は経常110億円・純利益100億円へ大きく落ち込みますが、それでも黒字です。ROEは5.16%から来期予想3.37%へ低下しますが、マイナスではありません。EPSは685円のピークから223円予想へ3分の1に縮みますが、ゼロではありません。

たとえるなら、JALは「出血が止まらず倒れた人」、ジャックスは「健康診断でいくつか赤信号が出ている人」です。どちらも心配ですが、状態の深刻さがまったく違います。

もう一つ、稼ぐ力の「質」の違いがあります。JALの赤字は構造そのものから来ていました。前章で見た不採算路線・高コスト体質という、事業のかたち自体が赤字を生む構造でした。ジャックスの利益減少は、海外(インドネシア)の与信悪化と日銀利上げによる金融費用増という、特定の逆風によるものです。国内のクレジット事業・ファイナンス事業の取扱高はむしろ底堅く伸びています。つまりジャックスは「本業の幹は生きていて、特定の枝が傷んでいる」状態、JALは「幹そのものが腐っていた」状態でした。

リスクの違い ── 種類が違う

リスクは「大きさ」だけでなく「種類」が違います。

JALの最大のリスクは「倒産=株式100%減資」でした。実際にそれが起きました。株主の資産は紙くずになりました。JALのリスクは、デフォルト(債務不履行・倒産)という、投資家にとって最も重い「ゼロになるリスク」でした。

ジャックスの当面のリスクは「減配」と「株価下落」です。来期予想純利益100億円に対し配当200円を維持すると配当性向89.5%という危険水域に入るため、減配の可能性は前回分析より明確に高まっています。また業績ピークアウトで株価が下がり続ける可能性もあります。ただし、これは「配当が削られる」「含み損が膨らむ」というリスクであって、「保有株がゼロになる」リスクとは段違いに軽いものです。

ここで重要なのが財務の安全性です。JALは破綻直前、2008年度末の自己資本比率10.0%で、借入金・社債・リース・退職給付債務が重くのしかかり、実質債務超過に陥っていました。ジャックスは2026年3月期で自己資本比率7.9%と過去最高水準まで改善し、増資で資本を465億円積み増しています。数字だけ見ると「JALの10%よりジャックスの7.9%の方が低いではないか」と思えますが、これは前にお伝えしたとおり、JAL(事業会社)とジャックス(信販業)でバランスシートの性質が違うため、単純比較できません。信販業の自己資本比率が一桁台なのは構造的に正常です。JALの問題は数字の低さそのものより「実質債務超過」だったこと、ジャックスはそこには陥っていないことが本質的な違いです。

加えて、ジャックスには三菱UFJ銀行との資本業務提携という後ろ盾があります。JALにも「国がついている」という後ろ盾があったではないか、と思われるかもしれませんが、ここに見逃せない違いがあります。JALの「国の支援」は、不採算路線を維持させる代わりの支援であり、むしろ赤字を生む構造の一部でした。ジャックスのMUFGとの関係は、資金調達や信用面で事業を支える、純粋にプラスの提携です。同じ「後ろ盾」でも、性質が逆です。

なぜジャックスは「JALと同じ轍」を踏みにくいのか

かおるさんがJALで一番痛感したのは「誰も何もしない」「最後は国が何とかしてくれるというモラルハザード」だったと思います。前章で見たとおり、これがJAL固有の最大のリスクでした。半官半民の国策会社という生い立ちが、経営陣からも社員からも当事者意識を奪っていました。

ジャックスはこの点で構造的に違います。民間企業として競争のなかにあり、決算のたびに市場の評価にさらされています。実際、ジャックスは前期に220円→190円と減配を実行し、不採算の海外債権の取り扱いを停止し、中期計画を1年で見直しています。これらは決して喜ばしいニュースではありませんが、裏を返せば「経営が現実を直視して手を打っている」証拠です。JALのように「赤字を垂れ流しながら誰も何もしない」状態とは違います。痛みのある意思決定を実際に下している会社です。

まとめ ── 一枚の表で

観点 JAL(破綻直前) ジャックス(現在)
稼ぐ力(利益) 営業赤字・純損失。ROEマイナス 黒字維持。ROE5.16%→来期予想3.37%
稼ぐ力の質 構造そのものが赤字を生む 本業(国内)は底堅い。特定の逆風で減益
最大リスク 倒産=株式100%減資(実際に発生) 減配・株価下落(ゼロにはなりにくい)
財務 実質債務超過 債務超過ではない。自己資本は過去最高水準
後ろ盾 国(赤字構造の一部) MUFG(事業を支えるプラスの提携)
組織 モラルハザード、誰も動かない 民間企業。減配・計画見直しなど現実に手を打つ

全体の総括

正直に総括します。JALとジャックスは「業績が悪い会社」という表面は似て見えますが、本質はまったく違います。JALは稼ぐ力がゼロになり、構造が腐り、誰も動かず、倒産しました。ジャックスは稼ぐ力が減ってはいるものの黒字を保ち、本業の幹は生きていて、経営は現実に手を打っています。

ですので「ジャックスを持ち続けるのは、JAL株を持ち続けたのと同じ過ちでは」という不安があるとしたら、それは杞憂きゆうです。両者のリスクの種類は段違いです。

ただし ── ここはフェアにお伝えします。JALの教訓の本質は「倒産するかどうか」ではなく「数字の危険信号を見て見ぬふりをしない」ことでした。ジャックスは倒産リスクこそ小さいですが、減益トレンド・配当性向89.5%・中期計画の早期見直しという危険信号は確かに出ています。バフェットの章で見た「悪材料が一時的か、構造的かを見極める」という型は、まさにここで効いてきます。JALの教訓を正しく活かすなら、「ジャックスは倒産しないから安心」で終わるのではなく、「この危険信号が一時的なのか構造的なのかを、5月20日の決算説明会や今後の四半期決算で見極め続ける」ことが、いちばん忠実な姿勢だと思います。

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