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ユニ・チャーム(8113)について、私が自分で見ているところを書きます。結論から言うと、私はこの会社を「今の利回りをもらう会社」ではなく「配当を増やしてきた記録を確かめる会社」として眺めています。利回りの数字だけで並べると、この会社は高配当株の上位には出てきません。それでも気にしている理由を書きます。以下は私の保有状況と検討の記録の紹介であり、この会社を推奨するものではありません。
※本記事は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものです。筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の会社を推奨するものではありません。本文に配当金額・配当利回り・成長率・財務指標の具体的な数字は載せていません。記事を読む時点では違う値になるためです。最新の数字は会社の決算短信・有価証券報告書でご確認のうえ、ご自身で判断をお願いします。
利回りが低い会社を、なぜ私が見ているのか
高配当株を探していると、利回りの高い順に並べて上から見ていくことになります。その並びでは、ユニ・チャームはかなり下の方にいます。だから一度は候補から外していました。
戻ってきたのは、配当を「もらう額」ではなく「増えてきた記録」で見るようになってからです。買った時点の利回りが低くても、毎年少しずつ増えていけば、十年後に受け取る額は変わってきます。私は50代で、受け取りたいのは今年ではなく、これから長く続く分です。そう考えると、低い利回りが必ずしも不利ではなくなります。
ただし、増え続ける保証はどこにもありません。だから私は「過去に増やしてきた」ことを根拠にはせず、「これから増やせる余地があるか」を会社の資料で確かめることにしています。
増配の余地を、私はどこで確かめているか
見るのは三つです。
ひとつ目は、会社が公表している株主還元の方針です。配当性向や総還元性向の目標が書かれているかどうか、そしてその水準が現状からどれくらい離れているか。目標までの距離が、そのまま増配の余地になります。この方針は中期経営計画や株主通信に載っています。
二つ目は、営業キャッシュフローです。利益の数字ではなく、実際に入ってきた現金が配当の支払額を上回っているか。ここに余裕がなければ、方針に何が書かれていても続きません。
三つ目は、自社株買いの有無です。配当と自社株買いの合計で株主に返す考え方の会社だと、配当だけを見ていては還元の全体像を読み違えます。私は両方を足した額で見るようにしています。
扱っている商品の性質を、私は評価している
この会社が作っているのは、紙おむつ、生理用品、大人用の排泄ケア用品、ペット用品といった日用品です。どれも、景気が悪くなったから使う量を半分にする、という種類のものではありません。
この「使い続けるしかない」という性質が、私がこの会社を見る理由のひとつです。良い企業を割安なときに買って長く持つというウォーレン・バフェットのやり方で言えば、需要が読みやすい商いは持っていて落ち着きます。来年いくら売れるかを当てなくても、おおよその見当がつくからです。
それに、赤ちゃん向けから介護向けまで並んでいるので、日本の人口構成が変わっても、重心が移るだけで需要そのものが消えません。ここは会社の設計として面白いところだと思っています。
海外で稼ぐ会社を見るときの注意点
この会社は、売上の大きな部分を日本の外で稼いでいます。特にアジアの比重が高い会社です。
私はこれを、良いことと面倒なことの両方として受け止めています。良いのは、人口が増えていて所得も上がっていく地域で商いをしていることです。面倒なのは、決算の数字に為替が混ざることです。
そこで私は、決算説明資料にある為替の影響を除いた伸び率を探します。円安で数字が膨らんだだけなのか、現地の通貨で見ても売れているのか。ここを分けないと、円安の年に会社が成長したと思い込んでしまいます。逆に円高の年に、会社が傾いたと勘違いすることもあります。
それから、地域別の開示を見て、どの国に寄っているかを確かめます。特定の一国に偏っていれば、その国の景気や規制がそのまま会社の成績になります。
競合をどう見ているか
日用品の分野には、国内にも海外にも強い会社があります。私は「この会社が一番強い」といった比べ方はしないようにしています。どこが強いかは商品の分野と国ごとに違い、私が全部を確かめられないからです。
代わりに見るのは、売上総利益率の推移です。値下げ競争に巻き込まれていれば、ここが下がってきます。数年分をならべて、下がり続けていないかを確かめる。これなら自分で判断できます。
もうひとつは、原材料の値上がりを売値に移せているかどうかです。パルプや樹脂の価格が上がった年の決算で、会社がどう説明しているかを読みます。移せている会社は、それだけ商品が選ばれているということだと考えています。
私が気にしているリスク
まず為替です。海外の比重が高いぶん、円高になれば円に直した利益が目減りします。配当の原資にも効いてきます。
次に、特定の国への偏りです。その国の景気が落ちたり、規制が変わったり、国産ブランドが育ってきたりすれば、そこの売上は落ちます。どちらに転ぶかは私には読めません。
そして、利回りの低さそのものです。配当が増え続けるという前提が崩れたとき、この会社を持っている理由がなくなります。増配が止まった年に自分がどうするかは、買う前に決めておかないといけない、と思っています。私は「方針が変わったら考え直す」という線にしました。
数字を本文に書かなかった理由
この記事には、配当金額、配当利回り、連続増配の年数、売上の成長率、自己資本比率といった数字を書いていません。以前の記事では書いていましたが、やめました。
理由は二つあります。ひとつは、書いた時点と読まれる時点でずれることです。古い数字のまま判断されるのが、いちばん避けたいことでした。もうひとつは、数字を他の人のサイトから写していると、自分で確かめる手間を飛ばしてしまうことです。決算短信の該当ページを開くのは、慣れれば数分で済みます。その数分を自分でやるかどうかが、長く持てるかどうかの分かれ目になる気がしています。
いま私が置いている結論
私はユニ・チャームを、今年の配当をもらうための会社ではなく、十年先の配当のために確かめ続ける会社として見ています。利回りの低さは承知のうえで、使い続けられる商品を持っていること、稼ぐ場所が日本の外にも広がっていることを評価しています。
そのかわり、為替と特定の国への偏りは、ずっと抱えたままになります。読めないものを抱えるぶん、一社に寄せすぎない大きさで持ち、決算ごとに確かめ直す。それが私のやり方です。
繰り返しになりますが、この記事は私の保有状況と検討の記録の紹介であり、ユニ・チャームを推奨するものではありません。必要な現金の量も、持っていられる年数も人それぞれ違います。ご自身の目で資料を確かめて、ご自身の結論を出していただければと思います。
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この記事で書いた地域別の開示や、為替の影響を除いた伸び率は、証券会社の銘柄ページから決算説明資料に飛べばその場で読めます。私が海外で稼ぐ会社を調べるときに実際に開いている口座を、参考として挙げておきます。
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