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NISAへの移し替えで私がクロス取引を使わない理由|見るのは「今日は安い日か」と、移す前に知りたい3つの落とし穴

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クロス取引を、私は使いません|特定口座からNISAへ移すときのやり方 1億円への道
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特定口座の株をNISAに移すとき、私はクロス取引を使っていません。売って約定を確かめ、翌日にNISAで買い直しています。そうお話ししたところ、「それ、怖くないんですか?」というご質問をたくさんいただきました。

結論から書くと、クロス取引は「売る値段と買う値段をそろえる」道具で、「安く売れる」道具ではありません。移し替えで本当に損をするのは、翌日の数百円のずれではなく、高い日に移すことです。この記事では、私がクロスを使わない理由と、NISAに移すこと自体の落とし穴を整理します。

※この記事は私のやり方と考えの紹介であり、特定の取引方法や金融商品をすすめるものではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。内容は2026年9月時点のもので、証券会社の機能や条件は各社のサイトで最新の情報をご確認ください。税金の判断は税理士にご相談ください。

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クロスでそろうのは値段。高いか安いかは、そろわない

クロス取引は、売る注文と買う注文を同じ値段で同時に成立させることです。1,000円の株を特定口座で1,000円で売り、NISAで1,000円で買う。値段のずれはゼロになります。

ただ、その値段が高いか安いかまでは、そろえてくれません。売る値段が高いほど、損が2つ重なります。特定口座の利益が膨らんで税金が増えること。NISAで買い直す値段も高くなって、同じ枠に入る株数が減ることです。

1,000円で買った株を100株持っている場合で比べます。1,500円の日に移すと、利益は5万円で税金は約1万円、買い直しに使う枠は15万円。1,300円の日に移すと、利益は3万円で税金は約6,000円、使う枠は13万円です。税金で約4,000円、枠で2万円の差。2万円あれば、あと15株ほど多く買えます。だから私が見るのは、「今日はクロスできるか」ではなく「今日は安い日か」だけです。

クロス取引には、思ったより面倒がある

  • 使える証券会社が限られる:売りと買いを同じ値段で同時に成立させる注文の機能を持つ証券会社は、多くありません。今の口座にない場合は、口座を開いて株を移す準備から必要になります
  • 「下げた日に移す」がやりにくいことがある:注文の種類や値段の範囲に条件がある場合、値段が大きく動いた日ほど条件に引っかかりやすくなります
  • お金は結局、別に必要:売ったお金は受渡日まで使えないので、買う分のお金は全額いったん別に用意します。ここは翌日に買い直す方法と同じです
  • 使えるのは日本株の現物が中心:投資信託は、同じ日に売りと買いを出せば同じ基準価額になるので、そもそも必要ありません
  • 自己流は危ない:証券会社の正式な機能を使わずに、自分で同じ値段の売り買いを組んだり、複数の証券会社をまたいで組んだりすると、市場をだます「仮装売買」と見分けがつかず、確認や制限の対象になることがあります

私がクロスを使わない理由の半分は「安心が判断を甘くする」こと

クロスは、値段がずれない安心をくれます。でも、その安心が「今日は高い日じゃないか」という、いちばん大事な判断を甘くしてしまう。私はそう感じています。高い日に移したときの差は、株数で200株以上、枠で1,300株分以上になることもあります。翌日のずれは、100株で数百円です。けたが違います。

もう半分は「怖くならない会社を選んでいる」こと

私は、通信、食品、医薬、電力・ガスのように、景気が悪くても使うのをやめられないものを売っている会社を中心に持っています。こういう会社の株は、1日の値動きが1%前後のことが多く、1,000円の株なら翌日に10円動くかどうか。100株で1,000円なら想定の範囲内です。

AIや半導体のように1日で5%も10%も動く株は、私は持っていません。そういう株を持っている方は、クロスを使ったほうが安心かもしれません。やり方は、持っている株で決まると思っています。

ただ、値動きが穏やかなことと安全なことは別です。通信は国の方針、電力は燃料の値段、医薬は特許切れと、それぞれ弱点があります。だから私は30社以上に分けて、1社あたり3%ほどにしています。

NISAに移す前に知りたい3つの落とし穴

1.NISAでは、損が「なかったこと」になる

特定口座なら、売って損をしたとき、ほかの利益や配当と相殺でき、確定申告すれば3年間持ち越せます。NISAではこれができません。移したあとに株価が下がって売ることになったら、その損失は税金の上では使えなくなります。税金を払って移して、さらに損も使えない。二重に不利になる可能性があります。

2.配当控除を使っている人は、メリットが小さくなる

特定口座の配当は、確定申告で総合課税を選ぶと配当控除が使えます。所得が少ない人だと、配当にかかる税金は20.315%ではなく7%台まで下がることがあります。その場合、NISAに移して得られる「税金がゼロになる」効果は小さくなります。どちらが得かは所得によって変わるので、税理士に確かめたい部分です。

3.配当の受け取り方の設定しだいで、NISAでも税金が引かれる

NISAの配当を非課税で受け取るには、証券会社で「株式数比例配分方式」を選んでおく必要があります。銀行振込や配当金領収証で受け取る設定のままだと、NISA口座の株でも20.315%が引かれます。移す前に、必ず設定画面を確かめておきたいところです。

なお、米国株はNISAでも現地で10%引かれ、特定口座なら使えた外国税額控除もNISAでは使えません。

まとめ:制度は変わる。だから当てにしすぎない

75歳からの保険料への反映は、2029年8月から始める案が示されていますが、細かい部分はこれから決まります。NISAの枠も2024年に大きく変わりましたし、20.315%という税率も永久の約束ではありません。

だから私は、制度を当てにいくのではなく、制度が変わっても困らない形にしています。一度に動かさない。毎年、税率やNISAの枠、保険料の仕組みを見直す。配当の非課税だけでなく、値上がり益、保険料、相続と、移す理由を一つに頼らない。会社も時期も分散する。分散は、株価のためだけでなく、制度が変わることへの備えでもあると思っています。

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