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特定口座で3倍に増えた会社の株を、税金を払ってNISAに入れ直すかどうか。私は入れ直さず、NISA枠は新しいお金と配当金で埋めることにしました。理由は、売った時点で利益の約20%が引かれて、次に働くお金が減ってしまうからです。ただし人によって答えは変わりますので、私がどう考えて、どう決めたかという形で書きます。
※本記事は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものです。筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の銘柄を推奨するものではありません。税金の取り扱いについても、具体的な判断は税理士や税務署にご確認ください。記載の制度と数字は2026年10月時点のものです。
そもそも、特定口座からNISAへ「移す」ことはできません
まず、言葉のところを整えておきます。特定口座で持っている株を、そのままNISA口座へ付け替えることはできません。できるのは、特定口座で売って、NISA口座で買い直すことだけです。
つまり「移す」と言っても、中身は売却と買い直しです。売れば利益が確定しますから、そこで税金がかかります。ここが出発点でした。
売った時点で、利益の約20%が引かれます
上場株の売却益にかかる税金は、所得税と住民税、復興特別所得税を合わせて20.315%です。私はざっくり2割と覚えています。
仮に30万円で買ったものが90万円になっていたとします。利益は60万円。売ると約12万円が引かれ、手元に残るのは約78万円です。NISAで買い直せるのは、90万円ではなく78万円分ということになります。
この12万円は、持ち続けていれば、まだ自分の側で働いてくれていたお金です。私はここを手放すのが惜しいと思いました。税金が消えるわけではなく、売るまで先に送られているだけ、という見方をしています。
取得単価が上がると、同じ下げ方でも見え方が変わります
私にとって、金額よりも大きかったのはこちらです。
特定口座に残しておけば、取得単価は低いままです。相場が二割下がっても、画面はまだプラスのままということがあります。買い直すと、取得単価は今の高い値段になります。すると同じ二割の下げで、画面は含み損に変わります。
資産の中身は何も変わっていないのに、見え方だけが変わる。この見え方のせいで持ち続けられなくなるなら、私にとっては損のほうが大きいと思いました。長く持つと決めている人にとって、含み益はお守りのような働きをします。
一度現金に戻すと、よけいな判断が増えます
売ってから買い直すまでの間に、口座には現金が入ります。私はこの時間が苦手です。
「もう少し下がってから買い直そう」と思っているうちに値段が上がって、買い直せなくなる。あるいは、まとまった現金を見て気が大きくなり、別のことに使ってしまう。どちらも私は経験があります。動かさないと決めておけば、その判断そのものが要らなくなります。
NISA枠は、新しいお金と配当金で埋めることにしました
2026年10月時点の新しいNISAでは、1年に使える枠がつみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円で合計360万円、一生で使える枠が1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)です。急いで一度に埋めなくても、枠は毎年戻ってきます。
そこで私は、特定口座の会社はそのまま持ち続けて、そこから入ってくる配当金と、毎月の収入から回せる分で、NISAの枠を少しずつ埋める形にしました。
自分の財布から出すお金が少ないので、気持ちの負担も軽くなります。育った苗を抜いて植え替えるのではなく、実った種を隣に蒔いていく、という感じです。
反対に、入れ直したほうがよさそうな場合もあります
私の結論が誰にでも当てはまるとは思っていません。私が思いつく限りでは、次のような場合は話が変わります。
- これから先も長く持つつもりで、受け取る配当がかなり大きくなる見込みがあるとき。NISAなら配当も売却益も課税されないので、先に税金を払っても取り返せる場合があります
- 利益がまだ小さいとき。払う税金が少ないので、入れ替えの負担が軽くなります
- 同じ年に別の株で損が出ていて、損と利益を相殺できるとき
- その会社をもう持ち続けたくないと思っていて、どうせ売るつもりだったとき
反対に、NISAには注意しておきたい点もあります。NISA口座で出た損は、ほかの口座の利益と相殺(損益通算)できず、翌年以降に繰り越すこともできません。日本株の配当を非課税で受け取るには、配当の受け取り方を証券口座で受け取る方式(株式数比例配分方式)にしておく必要もあります。
税金の判断は、私ではなく税理士と税務署に
ここまで書いた税率や枠は、2026年10月時点で公表されているものを確認して書きました。ただ、同じ売却でも、その方の収入や損の有無、社会保険料への影響で結果は変わります。
金額が大きいときは、私は国税庁の案内を読んだうえで、税理士や税務署に確かめることにしています。ここは自分で決めずに人に聞く場所だと思っています。
私が決めたのは、一つだけでした
私は、買ったら売らないと決めました。だから「NISAに入れ直すために売る」という選択肢が、そもそも私の中にありません。決め方を一つにしておくと、相場や制度が動いた年にも悩む回数が減ります。
私はウォーレン・バフェットのやり方を真似しているつもりです。良い企業を割安なときに買って長く持つ。税金を先に送れるというのは、長く持つ人にだけ渡されるおまけのようなものだと思っています。
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