※本記事にはプロモーション(PR)が含まれます。
スマホで誰かと話していた内容が、その直後に広告として出てくる。そんな「偶然とは思えない」経験をしたことのある方は、案外多いようです。私も何度かありました。
先に結論を書きます。どの広告がどうやって選ばれたのかを外から特定することはできず、広告が出てくるしくみについては諸説あります。ただ、音声や視聴履歴が集められていたこと自体は、実際に和解金が支払われた事例として残っていました。だから私は、原因を突き止めるより、気になる設定をオフにしておくほうを選びました。
この記事では、報じられている事例と、私が自分のスマホとテレビで見直した設定をまとめます。投資の話ではありませんが、生活に近いところで気になったので調べました。
※本記事は私が調べたことと私個人の受け止め方の紹介です。広告が表示されるしくみについては諸説あり、個別の事例の因果関係を断定するものではありません。設定の名称や手順は機種やOSのバージョンによって変わります。
「広告に友人の引越し先が出てきた」というご相談
読者の方から、こんなご相談をいただきました。
「先日、友達から引越しの相談を受けました。翌日、何気なくスマホを見ると、なんと友達が引っ越す予定の住所の賃貸物件が広告に出てきたんです。
私には引越しの予定もなく、その土地を検索したことも一度もありません。相談中、机の上にスマホを置いていたこと以外に理由は考えられません。怖くて仕方がありません。」
実はこれ、多くの人が「あるある」と感じる現象です。高級バッグを眺めていただけなのに数日後に広告が出る、なんてことも。私はこれを単なる偶然とも言い切れないと受け止めていますが、確かめようのない話でもあります。
NordVPNが行った3日間の実験
セキュリティ会社「NordVPN」が、3人の従業員を使って興味深い実験を行いました。
「普段全く興味のない話題」を、スマホに向かって3日間話しかけ続けるというものです。ただし、ネット検索は一切禁止という厳格なルール付きです。
| 担当者 | 話題 | 結果 |
| ローラ | アラスカ旅行 | 格安航空券や旅行会社の広告が表示された |
| ピーター | トカゲの飼育 | ペットショップや獣医、ドッグトレーナーの広告が頻発 |
| ジェイソン | ボルボ(車)の購入 | ドンピシャでボルボの広告が多発 |
NordVPNはこの結果について「盗聴の証拠とまでは断定できない」としていますが、あまりにも怪しい結果と言わざるを得ません。
億単位の和解金。私たちの「声」に支払われた代償
企業が「利便性のため」と主張する裏で、法廷では巨額のマネーが動いています。プライバシー侵害がいかに重大な過失として扱われているか、その詳細を見てみましょう。
Apple:150億円以上の巨額和解
iPhoneのSiriが、意図しないタイミングで音声を収集していた問題。これに対してアメリカで行われた集団訴訟では、Appleが9,500万ドル(約150億円以上)を支払うことで和解しました。
衝撃の事実:
この和解により、対象となるアメリカのユーザーは、Appleデバイス1つにつき約3,100円を受け取れる計算になりました。もし日本でも同様の対応があれば、家中のiPhoneやApple Watchを数えるだけで「ちょっとしたお小遣い」どころではない金額になります。
Amazon:子供の音声収集で38億円
Amazonのアレクサも、子供の音声を重点的に解析していたとして訴えられ、約38億円の和解金を支払っています。家族の団らんや子供の無邪気な声までもが、企業の「データ」として扱われていたことへの厳しい審判と言えます。
現場で聞かれていた「生々しすぎる会話」
「AIの学習のため」と言われると聞こえはいいですが、実際にその音声を聞いていたのは「人間(下請け業者のスタッフ)」でした。内部告発によって明らかになった、スタッフが耳にしていた内容には耳を疑います。
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深刻な医療相談: 病院での医師と患者の、誰にも聞かれたくないデリケートな会話。
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犯罪の取引現場: 薬物や違法なやり取りと思われる、生々しい現場の音。
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極めてプライベートな場面の音声: 家庭内の、本来誰にも聞かれたくない場面の音。
これらが「ファスナを閉める時のシュッという音」を「Hey Siri」と誤認した結果として、知らない誰かに聞かれていたのです。まさに「壁に耳あり、スマホに耳あり」の状態です。
スマートテレビのACR機能と「0.5秒」
私がいちばん驚いたのは、スマートテレビの「ACR(自動コンテンツ認識)機能」です。
テレビで何を見ているかを、0.5秒という短い間隔で画面を取り込み続けているとされています。
なぜ0.5秒なのか?
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「好み」を細かく把握するため: どのCMでチャンネルを変えたか、どの場面で画面を見入ったか。その一瞬の反応を拾うためだと説明されています。
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データの売買: キャプチャーされたデータはセンターに送られ、分析されます。その後、「この視聴者は高級車に興味がある」「この家庭はペットフードを検討している」といった属性データとして、広告業者に高値で販売されています。
「5秒に1回」でも十分に恐ろしいですが、実際にはその10倍の密度で私たちの視線は追跡されているのです。
私が見直すことにした3つの設定
デバイスは便利ですが、私たちが「無料」や「便利」と引き換えに差し出しているのは、本来守られるべき「誰にも邪魔されないプライベートな空間」です。
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iPhone/Androidのマイク権限を今すぐ見直す
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SiriやGoogleアシスタントの改善協力(音声提供)をオフにする
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テレビのACR設定を無効化する
これで完全に防げるとは思っていませんが、気になるところを自分で閉めておくだけでも、私は少し落ち着きました。
私たちの様子を見ているデバイス
インターネットに繋がったデバイスたちは、何らかの形で私たちを観察しています。
テレビの「ACR機能」
スマートテレビには、ACR(自動コンテンツ認識)という監視システムが備わっていることが多いです。画面を0.5秒間隔でキャプチャーし、「いつ、何を見たか」を分析。その情報を広告業者に販売しているのです。
iPhoneのSiriと盗聴疑惑
2019年、AppleはSiriの性能向上のために収集した音声データを、外部業者に聞かせて分析させていたことが発覚しました。
内部告発によると、その音声には医師と患者の深刻な会話、犯罪の取引、さらには行為中の音など、極めてプライベートな内容が含まれていたそうです。
結果、Appleはアメリカで集団訴訟を起こされ、9,500万ドル(約150億円)を支払うことで和解しました。
Amazon Alexaの誤作動事件
ある夫婦がフローリングの話をしていた際、Alexaが勝手に録音し、そのデータを知り合いにメールで送信してしまうという恐ろしい事件が起きました。Amazon側は「誤作動」と謝罪しましたが、その後も子供の音声を重点的に解析していたとして、約38億円の和解金を支払っています。
超音波クロスデバイストラッキングというしくみ
デバイス同士が、人間に聞こえない「ロボットの声」で連絡し合っているのをご存知ですか?これを超音波クロスデバイストラッキングと呼びます。
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テレビCMから「オーディオビーコン」という超音波が出る。
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手元のスマホのアプリがその音を拾う。
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広告会社が「このPCを使っている人と、このスマホの持ち主は同一人物だ」と特定する。
これにより、会社で検索した内容が家のスマホに広告として出たり、街中の移動を追跡されたりすることが技術的に可能になっています。
ブランドショップの罠
店舗で特定のバッグの前に数分立っていただけで広告が出るのは、店内の什器に設置された数センチ〜数十センチ単位の狭い範囲のビーコンを、スマホのアプリが拾っているからです。
私が実際にオフにしたスマホの設定
プライバシーを守り、無駄なバッテリー消費を抑えるために、私は以下の設定を見直しました。
【iPhone版】
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解析のオフ
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[設定] > [プライバシーとセキュリティ] > [解析と改善] > 「Siriと音声入力の改善」をオフ
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Siriを止める
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[設定] > [Siriと検索](またはApple IntelligenceとSiri) > 「”Hey Siri”を聞き取る」をオフ
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[Siriと音声入力の履歴] > 「Siriと音声入力の履歴を削除」を実行
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マイク権限の剥奪(重要!)
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[設定] > [プライバシーとセキュリティ] > [マイク] > 不要なアプリ(電卓、ライト、ゲームなど)の権限をすべてオフ
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【Android版】
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[設定] > [セキュリティ(またはプライバシー)] > [権限マネージャー] > [マイク]
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マイクを使う必要のないアプリからは、権限を外しました。
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Googleアシスタント
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[設定] > [アプリ] > [デフォルトのアプリ] > [デジタルアシスタントアプリ] からオフに設定(※一部機能が制限される場合があります)。
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【テレビ版】
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テレビの設定項目は機種ごとに名前が違うので、私は型番と「ACR機能」で調べて、該当する項目をオフにしました。
まとめ|便利さと引き換えに渡しているもの
インターネットに繋がるデバイスは、私たちの生活を豊かにしてくれますが、同時に「常に監視されている」という意識を持つことが大切です。私は不要なアプリのマイク権限だけは、ときどき見直すことにしました。
通信を暗号化してIPアドレスを隠すVPNという方法もあるようですが、私はまだ使っていないので、ここでは名前を挙げるだけにしておきます。
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