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川崎重工業(7012)の決算資料を、自分で開いて読み直した記録です。2026年3月期は売上収益が2兆3,113億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が約1,082億円で、自己資本比率は26.4%まで上がっていました。2026年4月1日には1株が5株になる株式分割が行われているので、1株当たりの配当金を前の期とそのまま見比べることはできません。防衛予算については、財務省と防衛省が公表している金額だけを書いています。はじめにお伝えしておくと、この記事は私の保有状況の紹介であり推奨ではない、という性質のものです。私がこの会社を持っているかどうかは別として、どなたかに買うことをすすめる意図はありません。
筆者は金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録も受けていません。個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。本記事の数字は2026年10月時点で確認できたもので、出典は川崎重工業が東京証券取引所に開示した決算短信、および財務省・防衛省の公表資料です。会社の業績予想は会社自身が出した見通しであって、確定した数字ではありません。
2026年3月期は、売上も利益も前の期より増えていました
まず、会社が開示した2026年3月期の決算短信(2026年5月12日開示、国際会計基準・連結)の数字を並べます。ここから先に出てくる金額は、すべてこの資料に書かれているものです。
| 項目 | 2026年3月期 | 前の期と比べて |
|---|---|---|
| 売上収益 | 2兆3,113億円 | 8.5%増 |
| 事業利益 | 1,451億円 | 1.4%増 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 約1,082億円 | 22.9%増 |
| 自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率) | 26.4% | — |
| 1株当たり年間配当金 | 171円(株式分割の前の金額) | — |
この会社は連結の決算で「営業利益」ではなく「事業利益」という名前の利益を出しています。名前が違うだけで中身が同じというわけではないので、他の会社と見比べるときは、どの段階の利益なのかを確かめてから並べるようにしています。
売上が8.5%増えたのに事業利益の伸びが1.4%にとどまった一方で、最終の利益は22.9%増えています。利益の段階ごとに伸び方が違うときは、本業の儲けと、それ以外の損益や税金のどちらが効いたのかを決算短信の後ろのほうで確かめることにしています。
自己資本比率は22.7%から26.4%へ。私が最初に見るところ
この記事を書き直す前の古い内容では、自己資本比率を「22.7%(2024年3月期)」と書いていました。2年分の決算をはさんで、いまは26.4%です。さらに2027年3月期の第1四半期(2026年4月から6月)の終わりには27.1%になっています。
自己資本比率は、会社が使っているお金のうち、返さなくてよいお金がどれくらいあるかを示す割合です。借りたお金の割合が高い会社は、景気が悪くなったときや金利が上がったときに苦しくなりやすい。だから私は、この数字が年を追って上がっているか下がっているかを先に見ます。水準そのものより、向きを見ているという感じです。
川崎重工業は、船や航空機や発電設備のように、つくるのに時間とお金がかかるものを扱う会社です。こういう会社は借入が大きくなりやすく、自己資本比率も製造業のなかでは低めに出ます。26.4%という水準をどう受け取るかは、同じような仕事をしている会社と並べてみないとわかりません。
なお、古い内容には有利子負債や利益剰余金の金額も書いてありましたが、今回の決算短信では確認できませんでした。借入の内訳を自分の目で確かめたいときは有価証券報告書を開くことにしているので、ここでは金額を書かずに外しました。確かめていない数字を載せておくのは、私はいやなのです。
2026年4月1日に、1株が5株になりました
この会社は2026年4月1日付で、普通株式1株を5株にする株式分割を行っています。これは配当や株価を見るときに、けっこう大事な話です。
さきほどの表にある2026年3月期の1株当たり年間配当金171円は、分割する前の1株に対する金額です。いっぽう2027年3月期の会社の配当予想は、年間40円(中間20円・期末20円)となっています。171円から40円に減ったように見えますが、1株の大きさが5分の1になっているので、この2つをそのまま引き算しても意味がありません。
株式分割は、1枚のケーキを切り分ける線を増やすようなものだと私は思っています。切り方を変えてもケーキ自体は大きくなりません。1株が買いやすい金額になるので手を出しやすくはなりますが、それで会社が育ったわけではない。配当利回りや1株当たり利益を過去と比べるときは、分割をはさんでいないかを必ず確かめるようにしています。
今期の会社予想は、第1四半期の発表で上向きに直されました
2026年8月7日に出た2027年3月期の第1四半期の決算短信では、次のようになっていました。
- 売上収益 5,436億円(前の年の同じ時期より11.3%増)
- 事業利益 358億円(74.3%増)
- 親会社の所有者に帰属する四半期利益 157億円(269.0%増)
- 自己資本比率 27.1%(2026年3月期末は26.4%)
あわせて通期の予想も直されています。売上収益2兆5,600億円、事業利益1,800億円、親会社の所有者に帰属する当期利益1,150億円。1株当たりの年間配当予想は40円のままです。
ここで気をつけているのは、これが「会社が出した見通し」だということです。四半期の数字がよかったので見通しを上げた、という順番であって、その金額が実現したわけではありません。前の年の同じ時期が低かったために伸び率が大きく見えることもあります。269%増という数字を見たときは、増えた幅よりも、元がいくらだったかを確かめるようにしています。
防衛予算について、公表資料で確認できた金額だけ
防衛に関わる仕事をしている会社の話になると、どうしても国の予算の話が出てきます。ただ、ここは人の話や見通しがまぜこぜになりやすいところなので、国が出している資料で確認できた金額だけを書きます。
- 令和8年度(2026年度)の防衛関係費は全体で9兆353億円で、前の年度より3.8%増えています。このうち防衛力整備計画の対象となる経費は8兆8,093億円(前年度比3.9%増)、新たに契約する金額は8兆8,459億円(同0.6%増)です。出典は財務省の広報誌「ファイナンス」2026年5月号です。
- 防衛力整備計画そのものは、2022年12月に決まったもので、2023年度から2027年度までの5年間に必要な金額を43兆円程度としています。この5年間の歳出の総額は約40.5兆円、最後の2027年度は約8.9兆円という見込みです。出典は令和7年版の防衛白書です。
もうひとつ、資料に書かれていて気になったことがあります。安全保障に関する三つの文書が、前倒しで年内に改定される予定だという点です。つまり、いま動いている5年間の計画そのものが、途中で書き換わる可能性があります。
だとすると、「この先何年ぶんの受注がこれだけ積み上がる」という形で考えるのは、私には難しいと感じます。前提になっている計画が変わるかもしれないのですから。予算は毎年の国会で決まるもので、将来の金額を私が先に知ることはできません。
なお、書き直す前の内容には「防衛費がGDP比1%から2%へ」という書き方がありました。今回、防衛省と財務省の公表資料で私がこの割合を確認できなかったので、割合の話は外し、上に書いた実際の金額だけを残しています。
「景気が悪くても防衛費は減らない」という言い方について
書き直す前の内容には、「不景気でも防衛費は削減されない」「景気後退時にも強い」といった言い方が並んでいました。今回はこれを残しませんでした。
理由は単純で、私にはそれを確かめる方法がないからです。国の予算は毎年の国会の審議で決まります。何年か先にどれだけの金額になるかは、そのときの政権や財政の状況で変わるはずで、いまの時点で決まっているわけではありません。「減らない」と書いてしまえば断定になりますし、その断定の責任を私は取れません。
同じ理由で、「まもなく景気後退が来る」という話も外しました。来るかどうかを当てられる人はいないと思っていますし、当てることを前提にした買い方を私はしていません。相場が荒れた日に自分がどうするかを決めておくほうが、私には役に立ちました。
それから、古い内容には「押し目買いは8,000円から8,200円を狙う」という値段の目安が書いてありました。これも消しています。株式分割をはさんでいるので金額としてもう意味をなしませんし、そもそも私が誰かに売買の値段を示す立場にありません。
私は決算を自分で開いて確かめるようにしています
私のやり方は、ウォーレン・バフェットのやり方を真似しているだけです。よい会社を割安なときに買って長く持つ、決算は自分で見る、わからないものは買わない。この三つです。
そのうちの「決算は自分で見る」が、いちばん地味で、いちばん効いていると感じています。会社の数字は、誰かがまとめた記事を読むより、会社自身が出した決算短信を開いたほうが早い。見るところを決めておけば、そんなに時間はかかりません。私が見ているのは次のところです。
- 売上と利益が、何年か続けて増えているか
- 自己資本比率が上がる向きにあるか
- 配当が続いているか。株式分割や増資をはさんでいないか
- 会社の予想が、前回の予想からどちらに直されたか
- 数字の出どころが、会社自身の資料か、それ以外か
そして、自分で確かめられなかった数字は書かない。これが私の決めごとです。国の予算なら財務省と防衛省、会社の数字なら決算短信と有価証券報告書。どこで見た数字なのかを書いておけば、あとから私自身も確かめ直せます。
この記事で取り下げた数字と言い方
この記事はもともと2025年の前半に書いたもので、数字がそのままになっていました。何を直したのかを残しておきます。
- 自己資本比率22.7%(2024年3月期)は、2026年3月期の26.4%、第1四半期末の27.1%に差し替えました。
- 純資産・利益剰余金・有利子負債の金額は、今回の公表資料で確認できなかったので、金額を外しました。
- 防衛費のGDP比1%から2%へという書き方は、割合を確認できなかったので外し、令和8年度の金額と5年間の計画額に置き換えました。
- 「成長確実」「確実視される」「景気後退時にも強い」「有望」という言い方は、すべて外しました。確かめられないことを断定で書くのは、私の立場ではできません。
- 押し目買いの価格帯は、外しました。株式分割をはさんで意味をなさなくなっています。
最後にもう一度書いておきます。この記事は私の保有状況の紹介であり推奨ではない、という範囲のものです。私がこの会社を持っているかどうかにかかわらず、ここに書いたことは、どなたかに買うことをすすめるものではありません。投資するかどうかは、ご自身で資料を確かめて決めていただくほかありません。
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株式分割のあとは1株の金額が小さくなるので、ためしに1株だけ買って、配当の入り方や決算の出かたを自分の口座で確かめる、ということがしやすくなります。私はそうやって、資料で読んだ数字と自分の口座の数字を突き合わせてきました。
私が実際に使っているのは次の2つです。どちらも1株(単元未満株)から買えるので、いきなり大きな金額を動かす必要はありません。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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