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蔵王産業と三菱HCキャピタルの2026年3月期の決算短信を自分で開いて読み直しました。結論として、この2社は性格がかなり違います。蔵王産業は自己資本比率85.9%という財務の厚さが際立つ一方で、配当性向は79.4%まで上がり、2027年3月期の配当予想は年105円から100円へと減る見通しが出ています。三菱HCキャピタルは配当性向40.7%で、2027年3月期は年46円から51円へ増やす予想です。同じ「配当を出す会社」でも、配当の余裕の持ち方が違いました。以下は私が決算短信を読んで考えた記録で、この2社の売買を勧めるものではありません。私がこの2社を保有しているという意味でもありません。
※この記事は私が公表資料を読んで整理した記録で、投資や税務の助言ではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、特定の会社や商品の売買を勧めるものではありません。数字は2026年10月時点のものです。
配当利回りをこの記事に書かない理由
最初にお断りしておきます。この記事には配当利回りの数字を書いていません。
配当利回りは「1株当たりの年間配当÷株価」で計算するので、株価が動けば毎日変わります。私が記事を書いた日の数字を載せても、読まれる日には別の数字になっています。以前の私は、どこかで見た利回りの数字を覚えて判断していましたが、それをやめました。
代わりに書いたのは、会社が決算短信で公表している数字です。これは決まった日付の確定した数字なので、後から誰でも同じものを確かめられます。利回りを知りたいときは、ここに書いた1株当たり配当金を、そのときの株価で割るのが確実です。
蔵王産業(9986)の2026年3月期
東証スタンダードに上場している会社で、業務用の清掃機器を扱っています。決算短信は非連結です。
2026年3月期の実績は次のとおりでした。
- 売上高 87億5,700万円(前の期から3.6%増)
- 営業利益 10億1,600万円(11.5%増)
- 経常利益 10億4,200万円(12.2%増)
- 当期純利益 7億1,800万円(16.6%増)
- 1株当たり当期純利益 132.24円
- 自己資本比率 85.9%
売上の伸びは3.6%ですが、利益の伸びはそれより大きく、当期純利益は16.6%増えています。売ったものの中身か経費の使い方が効いているのだと思いますが、そこまでは短信の数字だけでは私には読み切れませんでした。
配当の数字と、私が気になった点
- 2026年3月期の配当は、中間50円と期末55円で、年間105円
- その期の配当性向は79.4%
- 2027年3月期の予想は、中間50円と期末50円で、年間100円
- 予想の配当性向は72.3%
ここが私がこの会社を読んでいて一番立ち止まったところです。利益は増えているのに、次の期の配当予想は年105円から100円へ下がっています。
自己資本比率85.9%という数字は、借入に頼らずに自分のお金で商売をしている形で、財務としてはとても厚いと私は受け取りました。ただ、配当性向が79.4%というのは、稼いだ利益のうち8割近くを配当に回しているということです。利益が少し減ると、配当を維持するのが難しくなる水準だと私は見ています。
財務が厚いことと、配当に余裕があることは別の話でした。ここを私は以前ひとまとめにして考えていて、それが間違いだったと気づきました。
三菱HCキャピタル(8593)の2026年3月期
東証プライムに上場しているリースと金融サービスの会社です。決算短信は連結です。
2026年3月期の実績は次のとおりでした。
- 売上高 2兆2,153億円(前の期から6.0%増)
- 営業利益 2,404億円(28.5%増)
- 経常利益 2,360億円(22.0%増)
- 親会社株主に帰属する当期純利益 1,622億円(20.0%増)
- 1株当たり当期純利益 112.98円
- 自己資本比率 15.2%
売上の伸び6.0%に対して、営業利益が28.5%増えています。規模が大きい会社でこの伸び方をしているのは、私が読んだ中では目を引きました。
配当の数字
- 2026年3月期の配当は、中間22円と期末24円で、年間46円
- その期の配当性向は40.7%
- 2027年3月期の予想は、中間25円と期末26円で、年間51円
来期の予想を読むときに気をつけたこと
2027年3月期の会社の予想は、親会社株主に帰属する当期純利益が1,600億円で、前の期から1.4%の減益です。1株当たり当期純利益の予想は111.43円でした。
つまり、利益は少し減る見通しなのに、配当は46円から51円へ増やす予想になっています。私はこの組み合わせを見たときに、配当性向を上げて配当を増やす形だと理解しました。配当性向40.7%という水準にはまだ余裕があるので、利益が少し減っても配当を増やせる、という判断なのだと私は受け取りました。
ここが蔵王産業との一番の違いでした。配当性向が79.4%の会社と40.7%の会社では、利益が減ったときに取れる手が違います。
自己資本比率の数字を単純に比べなかった理由
蔵王産業の85.9%と、三菱HCキャピタルの15.2%。数字だけ並べると差が大きいので、以前の私はこれを「財務の強さの差」として読んでいました。
今はそう読んでいません。リースや金融の会社は、お金を借りてそのお金を貸したり物を貸したりするのが商売そのものなので、自己資本比率は構造的に低くなります。機器を売る会社と金融の会社で同じ物差しを当てても、意味のある比較になりません。
同じ業種の中で比べる、というのが私がたどり着いたやり方です。業種をまたいで数字を並べたくなったときは、その数字がその商売でどういう意味を持つのかを先に考えるようにしています。
私がこの2社の短信を読んで決めたこと
- 配当利回りではなく、1株当たり配当金と配当性向をセットで見る
- 会社が出している来期の配当予想を必ず見る。実績だけ見ると減配の予想を見落とす
- 利益の予想と配当の予想が逆の向きのときは、その理由を考える
- 自己資本比率は同じ業種の中だけで比べる
- どちらの会社も、次の決算が出たら自分で短信を開いて数字を更新する
二つ目は、今回いちばん学んだことでした。蔵王産業の実績105円という数字だけを見ていたら、次の期が100円の予想になっていることに気づかないままでした。公表資料には、都合の悪い数字も同じ表に載っています。
配当を出す会社を持つときに私が考えていること
私はウォーレン・バフェットのやり方を真似しています。良い企業を割安に買って長く持つ、決算は自分で見る、わからないものは買わない。この三つです。
配当を出す会社を持つことの良さは、売る判断をしなくても手元にお金が入ってくる点だと私は考えています。ただ、配当は会社が決めるものなので、減ることも止まることもあります。だから私は、1社に偏らないようにして、年に一度は決算短信を開いて数字を更新することにしています。
数の目安を誰かに決めてもらうのではなく、自分が決算を読み続けられる数にする。これが私の線引きです。読めない数まで増やすと、持っているだけで中身を知らない会社ができてしまいます。
繰り返しになりますが、この記事は私が公表資料を読んで考えた記録で、蔵王産業と三菱HCキャピタルの売買を勧めるものではありません。私がこの2社を保有しているという意味でもありません。株価や利回りは日々変わり、会社の予想も変更されることがあります。実際の判断や税金の扱いについては、証券会社の資料や税理士、税務署に確かめるのが確実です。
参考資料:
– 蔵王産業株式会社「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」東京証券取引所 適時開示
– 三菱HCキャピタル株式会社「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」東京証券取引所 適時開示
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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