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この記事は、2025年4月5日に書いたものです。アメリカのトランプ大統領が「相互関税」を発表した直後、日経平均株価が1日で2,644円下がり、終値が3万1,136円になった週末に、私が考えていたことを書き残しました。結論から書きます。私はあのとき、持っている会社を1社も売りませんでした。理由は、関税で変わるのは「商品の値段」であって、私が選んだ会社が配当を出し続ける力そのものではない、と考えたからです。その判断がその後どうなったかも、2026年10月時点の追記として下のほうにまとめました。
筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。以下は私自身の考えと、私が実際にどう決めたかの記録です。本記事は2026年10月時点のものです。数字や制度は変わりますので、投資のご判断はご自身の責任でお願いいたします。
この記事は2025年4月時点で書いたものです
はじめにお断りしておきます。この記事の本文は、2025年4月初めの相場を見ながら書いたものです。そのため「今は不安定だ」「これから1年は我慢かもしれない」といった書き方が出てきますが、それは2025年4月時点の私の見方です。
当時の記事を消してしまうと、自分が何を考えて何を決めたのかが残りません。私はそれよりも、当時の記録を残したうえで、その後どうなったかを追記するほうが役に立つと考えました。ですので、古い見通しはそのまま置いてあります。日付を頭に入れて読んでいただけると助かります。
2025年4月、相場で何が起きたのか
2025年4月2日(アメリカ時間)、トランプ大統領が「相互関税」を発表しました。相手の国ごとに税率を決めて、アメリカに入ってくる輸入品に上乗せするという内容です。発表の翌営業日から世界中の株式市場が下がりました。
日本では2025年4月7日(月)、日経平均株価が前の週末より2,644円下がって3万1,136円で取引を終えています。取引中には3万円を割りそうなところまで下げました。1日の下げ幅としては、私がこれまで見てきた中でもかなり大きいものでした。
私の口座も、評価額が大きく減りました。ただ、減ったのは評価額です。持っている会社の数は変わっていませんし、その会社が稼いでいる事業も、週末の2日間で消えてなくなったわけではありません。私はそこを自分に言い聞かせていました。
関税のお金は、結局だれが払うのか
関税というと「相手の国が払う罰金」のように聞こえますが、実際に税金を納めるのは輸入する側、つまりアメリカの会社です。そのコストは、多くの場合、商品の値段に乗ります。
自動車が分かりやすい例でした。アメリカの自動車メーカーも、部品の多くをメキシコやカナダから運んできて組み立てています。部品に関税がかかれば組み立てコストが上がり、車の値段が上がります。値段が上がれば買い控えが起きます。つまり、アメリカの会社とアメリカの消費者が、先に痛むという順番になります。
当時、経済の専門家の多くがこの政策に批判的でした。私は経済学者ではありませんので、どちらが正しいかを判定する立場にはいません。ただ「輸入品に税をかけると、まず自国の値段が上がる」という部分だけは、仕組みとして理解できました。だから私は、この政策が長く同じ形のまま続くとは考えにくい、と見ていました。
世界はもうつながっている、という私の見方
私は現役のころ、仕事で何度も国境を越えていました。そのときに体で覚えたことがあります。どの国の空港にも同じコーヒーの店があり、どの国の人も同じ会社のスマートフォンを持っている、ということです。
これは、アメリカの会社が世界中の需要に支えられているという意味でもあります。アメリカが他の国に不利な条件を押しつければ、売り先を失うのはアメリカの会社でもあります。だから私は、一方的な政策が通り続ける世界ではないと考えました。
私が投資をしているのは「国」ではなく「企業」です。関税は国と国の間の話ですが、配当を出してくれるのは会社です。良い会社は、条件が変われば仕入れ先を替え、値段を変え、作る場所を替えて、何とか利益を守ろうとします。私はその力に賭けている、という整理をしていました。
その後どうなったか|2026年10月時点の追記
ここからは、2026年10月時点で分かっている事実の追記です。当時の私の見通しが当たった部分と、そうでない部分の両方を書きます。
まず、2025年4月9日にトランプ大統領が、多くの国に対する相互関税の上乗せ分を90日間停止すると表明しました。発表されたその日、日米の株式市場は急に反発しています。発表から1週間も経たないうちに方針が動いた、というのが実際のところでした。
次に、日本との交渉です。2025年7月に日米の間で合意が発表され、日本からの輸入品に対する関税の扱いが決まりました。報じられた税率は15%で、9月には合意を踏まえた大統領令が出ています。中国との間でも、2025年5月の共同声明をはさんで関税の停止期限が何度か延長されました。
株価のほうは、2025年の後半にかけて戻りました。日経平均株価は2025年のうちに過去の最高値を更新し、2025年11月には5万円台で売買される日もありました。2025年4月7日の3万1,136円から見れば、ずいぶん違う景色です。
ただ、戻ったからといって私の当時の見通しが全部正しかったとは思っていません。私は「1年くらいは我慢の年になるかもしれない」と書いていましたが、実際には数か月で相場の空気が変わりました。相場がいつ戻るかは、私には読めなかった、ということです。読めたのは「売らなければ、戻ったときにその場にいられる」という一点だけでした。
当時、私がエネルギーの話を明るく見ていた理由
2025年4月の記事で、私は関税の話と並べてエネルギーの話を書いていました。せっかくなので、当時の見方と、今の受け止め方を分けて残しておきます。
当時の見方はこうです。アメリカが石油やガスの生産を増やす方向に進めば、エネルギーの値段が下がり、世界中の会社のコストが軽くなるのではないか。さらに、小型の原子炉(SMR)や核融合のような次の世代の技術が、2030年代に向けて形になっていくのではないか。そういう期待を持っていました。
今の受け止め方はこうです。これらはどれも「そうなるかもしれない」という話で、いつ、どのくらいの規模で実用になるかは、私には分かりません。研究や実証の計画は各社から出ていますが、計画が予定どおり進むとは限りませんし、私は中身を自分で評価できません。ですので、私はこの分野の会社を自分の中心には置いていません。わからないものは買わない、というやり方を続けています。
エネルギーの話を書いたのは、投資先として勧めたかったからではありません。関税のニュースばかり見ていると世界が終わるように感じますが、同じ時期に別の方向で動いている話もある、と自分に思い出させるためでした。
あの2日間で、私が実際にしたこと
私がしたことは3つだけです。
1つめは、保有している会社の一覧を上から下まで読み直したことです。株価ではなく、何の商売をしている会社かを確認しました。生活に必要なものを売っている会社、国内でお金を稼いでいる会社が多いことを、自分の目で確かめました。
2つめは、去年受け取った配当金の金額を数え直したことです。評価額は1日で何百万円も動きますが、配当金は会社が稼いだ利益から出てきます。私が毎月の生活で頼りにしているのは後者です。ここを見ると、少し落ち着きました。
3つめは、証券口座のアプリを閉じて、2日間見なかったことです。これが一番効きました。私は、相場が荒れている日に画面を見続けると、必ず余計なことをしてしまう性格です。だから見ないことにしました。
相場が荒れたときに私が決めている3つのこと
私の投資は、ウォーレン・バフェットのやり方を真似しています。良い企業を割安なときに買って長く持つ、決算は自分で見る、わからないものは買わない。この3つです。相場が荒れた日ほど、ここに戻るようにしています。
1つめ。下がった日に売らない、と先に決めておきます。下がってから考えると、必ず怖さのほうが勝ちます。私は「買ったら売らない」と決めてしまいました。そう決めてあると、荒れた日に考えることが減ります。
2つめ。追加で買うときは、値段ではなく会社で選びます。安くなったから買うのではなく、前から買いたかった会社が安くなっていたら買う、という順番です。この順番を逆にすると、安いだけの会社が手元に残ります。
3つめ。生活費は株に入れません。私は数か月分の生活費を現金で分けて置いています。これがあると、相場が下がっても売らずに済みます。売らずに済む状態を先に作っておくことが、私にとっての一番の備えでした。
当時書いた見通しと、実際の結果
| 項目 | 2025年4月時点の私の見方 | 2026年10月時点の事実 |
|---|---|---|
| 関税政策の持続 | 同じ形では長く続かないと見ていた | 2025年4月9日に上乗せ分の90日間停止が表明され、その後も延長や個別の合意が続いた |
| 日本への税率 | 当時は未確定 | 2025年7月に日米で合意。報じられた税率は15%で、9月に大統領令 |
| 相場の戻り | 1年くらいは我慢の年になるかもしれない | 2025年後半に戻り、日経平均は2025年のうちに最高値を更新。2025年11月には5万円台 |
| 次世代エネルギー | 2030年頃から実用化が進むと期待していた | 計画は各社から出ているが、時期や規模は私には判断できないため中心に置いていない |
この表を作って分かったのは、私が当てられたのは「方向」だけで、「時期」はまるで外していたということです。それでも結果として困らなかったのは、時期を当てなくても済むやり方を選んでいたからだと思っています。
よくいただく質問に、私の答えを書きます
関税のニュースが出たら、いったん売って様子を見たほうがよいのでしょうか。私はそうしませんでした。売って様子を見ると、戻るときに買い直す判断がもう一度必要になります。私はその判断を2回続けて当てられる自信がありません。ただ、これは私の性格に合わせた決め方です。眠れないほど気になるのであれば、金額を減らすほうが続けやすいこともあると思います。
日本株と米国株、関税のときはどちらが弱いのでしょうか。2025年4月は両方下がりました。輸出で稼いでいる会社のほうが影響を受けやすい、という見方はできますが、実際には関係の薄い会社も一緒に下がります。私は国で分けるより、その会社がどこで稼いでいるかを見るようにしています。
配当金は減らされませんでしたか。私の持っている会社では、2025年の関税をきっかけに配当を止めた会社はありませんでした。ただ、これは私の保有している会社に限った話で、すべての会社に当てはまるものではありません。会社によっては減配もあり得ます。
ここまでが本文です。最後にもう一度書いておきます。これは私の保有状況と私の判断の紹介であり、特定の会社や商品を推奨するものではありません。この記事の本文は2025年4月時点の見方で、追記部分は2026年10月時点で確認できた事実です。これから先のことは、私にも分かりません。
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