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資産が2000万円に届いたとき、増えた金額より先に変わったのは、お金の使い方と気持ちのほうでした。買えるようになったから買う、ではなく、買わないでいられるようになった。これが私にとって一番大きな変化でした。この記事は、50代の私がそのころ何を考えていたかの記録です。
私は投資助言・代理業の登録を受けていません。この記事は私の経験と、公的資料で確かめた数字を並べた記録であり、特定の商品の売買を勧めるものではありません。記事中の数字と制度は2026年10月時点のものです。
労働収入だけだと、増え方が変わらない
働いて入ってくるお金は、働いた分で止まります。会社で働いていたときは、収入を増やすには時間を増やすしかありませんでした。
資産から入ってくるお金は、元が大きくなると入ってくる金額も変わります。ただ、置いておけば自動的に増える、という書き方はしません。下がる年もあります。私が感じたのは、増え方が変わったというより、選べることが増えたということでした。
私がここまで来た道のり
夫から自立したいという気持ちで、20年かけて少しずつ貯めたお金が2000万円になりました。そこから投資を始めたのがコロナ禍のころです。
それまでは貯金しかしたことがありませんでした。夫婦で働いていたのにお金が足りず、そのことで言い争いになったこともあります。
資産が増えるにつれて、夫婦の間の空気が変わっていきました。問題はお金そのものではなく、私に余裕がなかったことだったと、あとから気づきました。
生活で変わったこと
買い物の基準が変わった
以前の買い物は値引き品が基準で、少し遠い店まで行くこともありました。配当が入るようになってからは、食べたいものを選ぶ基準で買うようになりました。
とはいえ、使う金額そのものは大きく増えていません。高い物を買うようになったというより、安いから選ぶのをやめたという感じです。
欲しいものが減った
富裕層へのあこがれが消えました。買うお金はあるけれど買わない、という状態になってみると、自分には豪華な生活が必要ないことが分かりました。
いまは花を買って部屋に置いています。以前は、花を買うくらいなら肉を食べたいと思っていました。変わったのは収入ではなく、満足の形でした。
貯金の役割が変わった
貯金は、貯めることが目的ではなく、生活を守るためのお金と、次に投資するためのお金に分かれました。
生活を守るほうをどれだけ置くかは、働き方で変えました。会社に雇われている間は、病気やけがで働けなくなったときに傷病手当金があります。協会けんぽの場合、1日につき標準報酬日額の3分の2にあたる額が、支給を開始した日から通算して1年6か月まで支払われます(出典:全国健康保険協会)。
一方、自分で開業している場合、国民健康保険には同じ制度が用意されていないことが多いので、私は加入先の案内で確かめました。だから会社員だった時期より、いまは多めに現金を置いています。
我が家は4人家族で、災害や突発の出費に備えて現金を残しています。何か月分が正解かは人によって変わるので、金額ではなく「働けなくなったときに何か月持ちこたえられるか」で決めました。
社会とのつながりの話
お金の不安が薄くなると、別の欲が出てきました。自分が誰かの役に立っていたい、という気持ちです。
この感じ方を整理するのに役立ったのが、橘玲さんの『幸福の「資本」論』(ダイヤモンド社、2017年)でした。金融資本、人的資本、社会資本の三つのうち、二つそろえば幸福といえる状態に近づくのではないか、という問いかけのある本です。
私の場合は、三つのうち社会資本がいちばん薄いと感じました。贅沢は敵だという祖母の言葉がいまも耳に残っていて、自分だけが楽になることに後ろめたさがあります。お金で解決できない部分が残るのだと分かったのが、2000万円に届いてからでした。
資産の増え方を、数字で見てみる
2000万円という数字が出てきた場所
そもそも2000万円という数字がよく話題になるのは、2019年の金融庁の報告書が元になっています。夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯では毎月の不足額の平均が約5万円で、20年なら約1,300万円、30年なら約2,000万円の取り崩しが必要になる、という試算でした(出典:金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」令和元年6月3日)。
報告書自身が、これは単純な平均であって、介護や住宅の修繕のような特別な費用は入っていないと書いています。だから私は、2000万円をゴールの数字としては使っていません。自分の家の支出から逆算した金額のほうが、ずっと役に立ちました。
利回りで見るとどうなるか
まとまった金額になると、同じ利回りでも入ってくる金額が変わります。ここは数字で見ておきたいところでした。
J.P.モルガン・アセット・マネジメントが2026年に公表した長期予測では、今後10〜15年の世界株式の期待リターンが米ドルベースで年7.0%とされています(出典:J.P. Morgan Asset Management「2026 Long-Term Capital Market Assumptions」)。
これは10年から15年を平均した見通しで、毎年そうなるという意味ではありません。為替も税金も手数料も入っていません。そのうえで、仮にこの数字が続いたとしたら、2000万円は10年で4000万円に近づく計算になります。
1円単位まで出した将来の金額は書かないことにしています。予測を確定した数字のように見せたくないからです。桁がどう動くかを見るだけで、十分だと思っています。
私の投資の進め方
私はまずインデックスファンドの積立から始めました。買ったのは全世界株式のオール・カントリーと、米国のS&P500に連動するものです。この二つは中身が違います。全世界株式は世界中の会社に広く、S&P500は米国の大きな会社に絞って投資するものです。
そのあと、配当を受け取る形に軸を移しました。50代になって、増えた金額を見るより、毎月いくら入ってくるかを見るほうが安心できたからです。
初めて受け取った分配金は、米国債券のETFから入った400円でした。金額としては何もできない額ですが、働いて得たお金とは違う感じがして、よく覚えています。
いまの投資は、ウォーレン・バフェットのやり方を真似しています。良い企業を割安なときに買って長く持つ、決算は自分で読む、わからないものは買わない。この三つだけを守っています。
まとめ
2000万円に届いて変わったのは、資産の増え方よりも、買わない選択ができるようになったことでした。貯金は役割が分かれ、保険や生活防衛費の金額も自分で決められるようになりました。
時間はかかります。私は20年かけました。その先に大きな富と自由が待っている、という言い方は私にはできません。待っていたのは、選べる余地が少し増えた生活でした。
これは私がこうしたという記録で、同じようにすることを勧めるものではありません。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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