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私は今、株高・円安・金利高という三つがそろった、インフレが起きやすい時代の中にいると見ています。だから「金利が上がったから株を売る」という従来の考え方だけでは、今の相場は説明できないと感じています。日本の上場企業の利益は過去最高を更新し続けていて、金利の上がり方よりも、会社が稼ぐ力の伸び方のほうが大きいからです。一方で、日経平均の先物が下がる日もあります。私はその理由を韓国・中東・アメリカの三つに分けて見ています。この記事は、2026年10月時点で私が見ていることと、その見立てが外れたときにどうするかをまとめた記録です。保有している会社の話も出てきますが、私の保有状況の紹介であり、推奨ではありません。
筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。本記事は2026年10月時点のものです。地政学や相場についての見通しは私個人の見方で、外れることがあります。投資の判断はご自身でお願いいたします。
私がいちばん気にしているのは、アメリカの中間選挙のあとです
はじめに、いちばん当たるかどうかわからない話から書きます。
私は、アメリカの中間選挙が終わったあとに、イランに対する大きな攻撃があるかもしれないと見ています。選挙前は国内の反応を気にして動きにくいけれど、終われば制約がひとつ減る。そう考えているからです。
ただ、これはあくまで私の見方です。根拠は「選挙のあとは動きやすい」という理屈だけで、そうなると決まった材料があるわけではありません。外れる可能性は十分にあります。むしろ、交渉が動いて緊張がゆるむ展開も、同じくらいありえると思っています。
事実として確かめられるのは、次の点です。アメリカの中間選挙は2026年11月3日の火曜日に行われます。そしてイランとの関係は、2025年6月の米イスラエルによる核施設への攻撃、2026年2月28日からの新たな攻撃と、すでに何度も武力の衝突が起きています。イギリス議会図書館の資料では、仲介による停戦のあとも戦闘が再開し、戦闘を終わらせるための米イラン間の協議は行われていないと整理されています。
私が投資の判断に持ち込むのは、この「事実」の部分だけです。選挙後の予想のほうは、当たっても外れてもいいように、現金を少し残しておく理由として使っています。
中東と石油の値段|今わかっている事実
地政学の予想より先に、今の石油の値段を確かめました。
イエメンのフーシ派がサウジアラビアへの攻撃を続けると表明し、2026年10月13日にはサウジアラビアの石油会社の施設が攻撃を受けて火災が起きたと報じられています。ホルムズ海峡を航行していた船が攻撃を受けたという報道もありました。WTI原油は10月14日の時点で95ドル台まで上がり、5営業日続伸しています。9月の初めには3か月ぶりの高値となる93ドル台をつけ、100ドルに向かうかもしれないという見方も出ていました。
石油が高いままだと、物を運ぶお金や作るお金が上がり、会社の負担になります。燃料を多く使う会社にとっては、はっきりした向かい風です。一方で、資源を扱う会社にとっては追い風になります。同じニュースでも、会社によって向きが逆になるところが難しいところです。
ここで大事なのは、ヨーロッパやアメリカの株の先物が上がる場面もあって、みんなが一斉に逃げている状態ではないということです。中東のニュースが出るたびに全部売る、ということは私はしません。
金利が上がっても、会社が稼ぐ力のほうが大きい
二つ目のポイントは、金利と株の関係です。私は、金利が上がっても、会社がもうけるお金の伸びのほうがずっと大きい、という状態が続いていると見ています。
数字で確かめてみます。報道されている集計では、上場企業の2026年4〜6月期の純利益は前の年の同じ時期より64.0%増えて19兆8,690億円となり、4〜6月期としては過去最高になったとされています。2027年3月期の見通しも、純利益の合計が前の期より11.7%増えて約64兆6,000億円、7年続けての増益で過去最高になるという集計が出ています。AI関連の需要と円安が追い風になっている、という説明です。
一方の金利です。日本の10年国債の利回りは、2026年8月末に一時2.95%まで上がり、1996年9月以来の高さになりました。10月6日には3.105%と、3%台にのっています。20年国債の利回りは31年ぶりの高さだと報じられています。
金利が3%に上がるのは、借金をしている会社には負担です。けれども、利益が1年で6割増える、翌年も1割増えるという伸び方と比べると、どちらが株価に効くかは明らかだと私は考えています。借金の少ない会社であれば、なおさらです。
「金利が上がると株は下がる」が当てはまりにくい理由
これまでは「金利が上がると株は下がる」と言われてきました。お金を借りる値段が上がるので会社の利益が削られる、国債で利回りが取れるなら株を持つ理由が薄くなる、という理屈です。私もこの説明は筋が通っていると思います。
ただ、今はAIという大きな投資先があります。データセンター、半導体、電力。ここに世界中のお金が流れていて、その投資が実際に会社の売上と利益になっています。金利が3%になっても、それ以上に稼げる投資先があるなら、お金はそちらに向かう。だから、昔の理屈がそのままの形では当てはまりにくくなっている、と私は見ています。
もちろん、これも私の見方です。AIへの投資が思ったほど利益にならないと分かった瞬間に、この説明は崩れます。実際、2026年に入ってから何度も、その不安で株が売られる場面がありました。
私は「金利が上がっても株は上がる」と断言するつもりはありません。言えるのは、金利だけを見て売り買いを決めると、今の相場では判断を間違えやすいということです。だから私は、金利ではなく、持っている会社の決算を見て決めています。
株高・円安・金利高|私が見ているインフレ的な背景
私が一貫して言っているのは、株高・円安・金利高という、インフレを引き起こしやすい時代的な背景です。株が上がる、円が安くなる、金利が上がる。世の中は物の値段が上がりやすい流れになっています。
それなのに、値上がりを止める手がなかなか打てない。インフレを止めるには金利をはっきり上げるか、財政を引き締めるかですが、どちらも痛みが大きくて進みにくい。長期金利が上がっている理由として、財政の悪化への心配が挙げられているのも、そういうことだと思います。
為替も同じ方向です。10月6日の時点でドル円は158円台。市場では年末に164円あたりという予想も出ています。財政への不安、アメリカの金利の高さ、原油高、日本の貿易赤字が円安の理由として挙げられ、一方で日銀の早めの利上げ観測や、7月に行われたとされる日米共同の円買い介入が円安のブレーキになっている、という整理でした。
だから私は、この流れがすぐには終わらないと見ています。物の値段が上がる時代に現金だけで持っていると、額は減らなくても買えるものが減っていく。私が企業に投資を続けている理由は、結局そこにあります。
日経平均が下がる理由を、私は3つに分けて見ています
そして今、日経平均の先物が下がる日が続いています。理由は大きく3つあると私は見ています。韓国、中東、アメリカです。
ただ、日本株が大きく崩れるような下がり方ではありません。日経平均は10月6日に737円高の70,683円で引けて、7月1日以来の7万円台をのせました。そのあと下げて、10月16日の終値は65,324円。この日は898円高でした。高いところから下がったとはいえ、年初からの水準で見れば大きく崩れたわけではない、というのが私の受け止めです。
1つ目は韓国です。韓国の株価指数(KOSPI)は10月15日に7日続落して6,000を割り、6か月ぶりの安値になったと報じられています。サムスン電子やSKハイニックスといった半導体の会社が特に売られていて、SKハイニックスの株価はピークから6割近く下がったと伝えられました。10月13日にはKOSPIが5.5%安となり、AI投資が「カジノ」のようになっているという懸念が理由として挙げられていました。
2つ目は中東です。先に書いたとおり、フーシ派によるサウジアラビアへの攻撃が続き、石油が手に入りにくくなる心配が残っています。石油が高いままだと、運ぶお金や物を作るお金が上がり、会社の負担になります。
3つ目はアメリカです。アメリカの金利が高いままだと、株が「高すぎるかも」と見られやすくなります。特に、これから大きく伸びると期待されている会社には向かい風です。アメリカの物価の数字(CPI)は10月14日に発表され、次の発表は11月10日の予定です。こうした数字の前後では、投資家が慎重になりやすいと感じています。
韓国株の下落が日本株に伝わる仕組み
韓国の半導体株が下がると、なぜ日本株まで下がるのか。私は4つの道があると理解しています。
ひとつは、同じメモリーの供給網でつながっていること。ひとつは、韓国のメモリー会社が日本の製造装置の会社の大きなお客さんであること。ひとつは、日経平均が値段の高いAI・半導体関連の会社の影響を受けやすい作りになっていること。そして、取引の時間が重なっているので、韓国の値動きがそのまま東京の午後に伝わること。
実際に2026年7月、KOSPIが大きく下げた翌日に日経平均は2,694円下がって64,141円になりました。このときの下げの約8割が電気機器で、アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、キオクシアの4社で下げの約75%を説明できたという分析も出ていました。
ここで私が注目したのは、同じ日にTOPIXのほうが下げ幅が小さかったことです。半導体から他の業種へお金が移っているだけで、全部が売られているわけではない。そういう見方ができます。
私が持っている会社ごとに、見るところは違います
韓国株が大きく下がっても、日本の高配当の会社が同じように下がるとは限りません。会社ごとに、稼ぎの源が違うからです。以下は私の保有状況の紹介で、推奨ではありません。
| 会社 | 私が見ているところ |
|---|---|
| 三菱商事 | 資源の値段と、世界の景気。原油高はトレーディングの追い風になることがあります |
| 三井住友トラストグループ | 金利と、お金の市場の動き。長期金利が3%台にのったことがどう効くか |
| 上組 | 港で扱う荷物の量と、貿易の動き。燃料が高いままだとコストは重くなります |
半導体のニュースで相場全体が下がった日に、この3社が同じ理由で下がったのなら、それは中身を見られていない下げかもしれない。私はそう考えて、決算の数字を見直すきっかけにしています。
逆に、原油高で上組の利益が本当に削られているなら、それは中身の問題です。ニュースの大きさではなく、自分が持っている会社の稼ぎにどう効くのかで分けて考える。これがウォーレン・バフェットのやり方を真似している私の、いちばん大事な手順です。
この見立てが外れたとき、私はどうするか
ここまで書いてきたことは、2026年10月時点の私の見方です。外れることを前提に書いています。
中間選挙のあとに何も起きなければ、私の地政学の予想は外れです。AIへの投資が利益にならないと分かれば、「金利が上がっても株は上がる」という見方も崩れます。日銀が思ったより早く、思ったより大きく金利を上げれば、円安も止まるかもしれません。
それでも私の手順は変わりません。良い企業を、割安なときに買って、長く持つ。決算を自分で見る。わからないものは買わない。相場の見立てが外れても、会社が稼ぎ続けてくれるなら、配当は入ってきます。だから私は、見立てを当てることに賭けず、現金を少し残しておいて、下がった日に買い足せるようにしています。
繰り返しになりますが、この記事は私の見方と保有状況の紹介であり、特定の会社への投資をすすめるものではありません。引用した数字は報道や各社の資料にもとづく概算で、相場は日々変わります。投資の判断はご自身でお願いいたします。
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相場の見立てが外れても買い足せるように、私は現金を少し残して待つようにしています。その買い足しを続ける場所として、手数料と使いやすさで選んだ証券口座を使っています。どこを使うかはご自身の判断でお願いいたします。
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