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こんにちは、バフェットかおるです。2026年6月8日の相場は荒れました。日経平均は前場に一時3,100円安と、この年で最大の下落幅を記録。午後2時すぎでも6万3,890円付近(前週末比約2,700円安)で推移しました。為替は1ドル160円30銭台です。
先に結論を書きます。この日の下落は「米金利上昇・半導体の反動・中東情勢とIPOの需給」という短期の要因が重なったもので、全面安ではありませんでした。食品・医薬・保険はむしろ上がっています。
そしてもうひとつ。下がったのは株の値段ですが、この2年で静かに半分になったのは、私の財布の中の現金の実力でした。お米5kgの値段が倍になったということは、そういう意味だと私は受け止めています。
※本記事は私個人の考えと調べたことの紹介であり、特定の銘柄・商品の購入を推奨するものではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。数字は2026年6月時点のもので変わります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
この記事の内容は、YouTubeの動画でもお話ししています。
急落の背景①:米雇用統計が好調すぎて利上げ観測が浮上した
先週末の5月米雇用統計は、非農業部門の雇用者数が17万2,000人と事前予想を大幅に上回り、労働市場の強さからFRBの年内利上げ観測が浮上しました。米10年債利回りは6月1日の4.443%から6月5日には4.543%へ上昇(+0.100%)。金利が上がると株の割高感が意識されます。
その結果、米国株は大幅下落。ナスダックは1,100ポイント超の急落で下落率4%超、S&P500は9週連続上昇が止まり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は10%を超える下落となりました。
急落の背景②:半導体の反動が大きすぎた
数字で見ると、上げ幅の反動だということがよく分かります。
- SOX指数は年初の7,083から6月3日に13,916(+96.47%)まで急騰していたものが、6月5日には12,220へ(▲1,696、▲12.18%)
- 象徴的なのがブロードコム。6月2日の481ドルから6月5日には385ドルへ。下落率は▲19.90%、1日で時価総額2,862億ドル(約45.5兆円)が消えました。決算が期待外れだったことが引き金です
半年で96%上がったものが12%下がる。私はこの分野を自分で判断できないので個別には買っていませんが、上がるスピードと下がるスピードは同じ乗り物だということだと思います。
急落の背景③:中東情勢、SpaceXのIPO、そして利上げ確率94%
イスラエルが7日にレバノンのヒズボラ司令部を攻撃、イランが報復ミサイルを発射し、原油価格が上昇しました。さらに、6月12日に予定されるSpaceXのIPOが投資資金を吸い上げ、市場全体の需給悪化が懸念されています。
そして日本側では、植田総裁が6月15・16日の会合での利上げを示唆し、6月の利上げ確率は94%程度にまで達しているという状況も重なりました。
急落でも買われたのはどこだったか
ここがこの日のいちばん大事なところだと思っています。全部が売られたわけではありません。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の解説によれば、こうしたリスクオフ局面では、景況感や政治動向に左右されにくいとされるコンテンツ関連、そしてディフェンシブ色の強い電力ガス・食品・医薬品などが選好されるケースがあった、とされています。
実際、この日の業種別下落率上位は「非鉄・電機・ガラス土石・金属・機械」、一方で上昇は「保険・サービス・食品・小売・医薬品(陸運)」でした。任天堂やJTが上昇し、東宝(9602)はUBS証券の新規「Buy」で買われています。
私が続けている景気敏感の会社とディフェンシブな会社の分散(およそ60対40)が、そのまま効いた日でした。半導体一本だった人はこの日10%以上やられ、食品や医薬・保険を持っていた人は逆にプラス。分散とはこういう日のための備えだと考えています。
溶けているのは株ではなく現金:物価データで確かめる
急落を見ると「株は危ない」と思いがちですが、経済評論家・朝倉慶さんの論点は逆でした。「本当に溶けているのは株ではなく、手元の現金だ」というものです。身近な物価で確かめます。
| 品目 | 数年前 | 直近 | 上昇の目安 |
|---|---|---|---|
| お米 5kg | 約2,561円 | 約5,072円(2025年6月) | ほぼ2倍 |
| 卵 1パック | 157円(2022年) | 256円(2025年12月) | 約1.6倍 |
| 牛乳 1000ml | コロナ禍前 | 122%の水準 | 約1.2倍 |
| 切手 | 84円 | 110円 | 30年ぶりの値上げ |
- お米5kgは2,561円から2025年6月には約5,072円へ、ほぼ2倍に。4人家族なら年間約6万円の負担増
- 卵は2025年12月に256円まで続伸し、2023年のピーク248円を超える水準に
- 牛乳はコロナ禍前と比較して122%の水準
- 切手は84円から110円(はがきは63円→85円、34.9%値上げ)で、30年ぶりの値上げ
この日の日経平均は2,700円下がりました。でも、私が持っている現金でお米が買える量は、この2年で実質半分に減っています。株の下落は目に見えてニュースになりますが、現金の目減りは誰もニュースにしてくれません。これが朝倉さんの言う「インフレ税」だと理解しました。
インフレが止まらない5つの根拠
朝倉さんの論を、この日のデータと合わせて整理します。
- 政府がインフレを止める気がない(需要を冷やす不況政策はできない)
- インフレは政治家にとって都合がよい(税収増・1,200兆円の借金が実質目減り)
- 「積極財政→賃上げ→物価上昇→税収増→また補助金」の無限ループ
- 供給力が決定的に不足(人手不足で建設も進まない)
- 日銀が金利を上げきれない(利上げしても「緩和的」と言い続ける)
ただしこの日は、その日銀の利上げ確率が94%に達したことが、逆に短期の急落要因になりました。長期のインフレ構造と、短期の利上げショックは別物だという点は、分けて考える必要があると思っています。
それでも株が長期で戻ると言われる5つの根拠
- お金の価値が下がる分、株の名目の値段が上がる
- 現金1,140兆円が溶けて、逃げ場を求めて株式市場へ流れ込む
- 会社はインフレに対応できる(値上げで名目利益が伸びる)
- 日本株は売り物が枯渇(個人の売り越し・自社株買い・日銀ETF)
- 円安(160円台)で日本株が世界から見て割安
中央銀行も金へ:米国債を30年ぶりに逆転した
注目したのは外貨準備の世界的な動きです。ヨーロッパの中央銀行では、外貨準備に占める金の割合が2024年末の20%から2025年末には27%(+7%)へ増え、米国債は25%→22%(▲3%)へ。金が米国債を30年ぶりに逆転して首位になりました。
世界の中央銀行ですら、現金性の資産から実物の資産へ移している。「実物が強い時代」という見方を裏づける動きだと私は受け止めました。
強気相場の終わりか、それとも通り道か
この日の急落で大事なのは、「コロナショック後6年あまり続いた強気相場が終わったのでは」という不安と、「これは相場の通り道。下がって上がるを繰り返す」という見方の、どちらも正しい可能性があると知っておくことだと思います。
ある市場関係者の指摘では、AIブームが本当に終わるのは「現在の株価がAIの成長を過剰に織り込んでいたと裏付ける新たな証拠が示される時」であって、今回の3つの逆風(利上げ・中東・IPO需給)だけでは終わりとは言えない、とされています。私にも先は分かりません。分からないので、備え方だけを決めています。
まとめ:JAL破綻で学んだのは一点集中の怖さ
- 半導体一本に賭けない(この日10%超やられたのがそこでした)
- 食品・医薬・保険などディフェンシブを必ず混ぜる(この日プラスだったのがそこです)
- レバレッジで一発勝負をしない
- 現金100%で目減りを待たず、長期・分散で配当を受け取りながら持つ
私がJAL破綻で学んだのは、一点集中の無防備さの怖さでした。現金だけでも危ないし、株式だけでも危ない。この日のような日こそ、分散している人は静かに耐えられます。生き残るのは強い者ではなく、時代に適応した者だと思っています。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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