日経平均一時3,100円安下落 でも「株は溶けない」資産である理由
1億円への道
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こんにちは、バフェットかおるです。
今日(6月8日)の相場は荒れました。日経平均は前場に一時3,100円安と今年最大の下落幅を記録。午後2時すぎでも6万3,890円付近(前週末比約2,700円安)で推移しています。為替は1ドル160円30銭台。
「やっぱり株は怖い」と感じた方も多いと思います。でも、こういう日こそ、先日ご紹介した経済評論家・朝倉慶さんの「株は下がらない・インフレは止まらない」という論と、実際の物価データを重ねて、冷静に数字で全体像を見ていきましょう。
◆ 第1部:今日の急落、何が起きたのか(画像データの整理)
まず、今日の下落の「3つの背景」を整理します。
① 米雇用統計が好調すぎた → 利上げ観測 → ハイテク株直撃
先週末の5月米雇用統計は、非農業部門の雇用者数が17万2,000人と事前予想を大幅に上回り、労働市場の強さからFRBの年内利上げ観測が浮上しました。米10年債利回りは6/1の4.443%から6/5には4.543%へ上昇(+0.100%)。金利が上がると株の割高感が意識されます。
その結果、米国株は大幅下落。ナスダックは1,100ポイント超の急落で下落率4%超、S&P500は9週連続上昇が止まり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は10%を超える暴落となりました。
② 半導体ショックが凄まじい
数字で見ると衝撃です。SOX指数は年初の7,083から6/3に13,916(+96.47%)まで急騰していたものが、6/5には12,220へ(-1,696、-12.18%)。年初からの上げ幅が大きすぎた反動です。
象徴的なのがブロードコム。6/2の481ドルから6/5には385ドルへ。6/2→6/5の下落率は▲19.90%、1日で時価総額2,862億ドル(約45.5兆円)を失いました。 決算が期待外れだったことが引き金です。
③ 中東情勢の悪化とSpaceX IPO
イスラエルが7日にレバノンのヒズボラ司令部を攻撃、イランが報復ミサイルを発射し、原油価格が上昇。さらに、6月12日に予定されるSpaceXのIPOが投資資金を吸い上げ、市場全体の需給悪化が懸念されています。
そして日本側では、植田総裁が6月15・16日の会合での利上げを示唆し、6月の利上げ確率は94%程度にまで達しているという状況も重なりました。
◆ 第2部:急落でも「逃げ込まれた」のはどこか
ここが今日の最重要ポイントです。全部が売られたわけではありません。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の解説によれば、こうしたリスクオフ局面では、景況感や政治動向に左右されにくいとされるコンテンツ関連株、そしてディフェンシブ色の強い電力ガス・食品・医薬品などが選好されるケースがあった、とされています。
実際、今日の**業種別下落率上位は「非鉄・電機・ガラス土石・金属・機械」、一方で上昇は「保険・サービス・食品・小売・医薬品(陸運)」**でした。任天堂やJTが上昇し、東宝(9602)はUBS証券の新規「Buy」で買われています。
これはまさに、私がいつも申し上げている**「景気敏感株とディフェンシブ株の分散(約60:40)」がそのまま効く局面**です。半導体一本だった人は今日10%以上やられ、食品や医薬・保険を持っていた人は逆にプラス。分散とはこういう日のための備えなのです。
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◆ 第3部:では、なぜ「それでも株は溶けない」のか──朝倉氏のインフレ論
今日のような急落を見ると「株は危ない」と思いがちですが、朝倉さんの論点は逆でした。**「本当に溶けているのは株ではなく、あなたの現金だ」**というものです。
それを、身近な物価データで確かめましょう。「物価の優等生」が5年でどうなったか。
| 品目 |
数年前 |
直近 |
上昇の目安 |
| お米 5kg |
約2,300〜2,561円 |
約4,300〜5,000円 |
ほぼ2倍 |
| 卵 1パック |
157円(2022年) |
256円(2025年12月) |
約1.6倍 |
| 牛乳 1000ml |
(2020年=100) |
約130(337円/L) |
約3割増 |
| 切手 定形 |
84円 |
110円 |
約31%増(30年ぶり) |
- お米は2024年6月の約2,561円から2025年6月には約5,072円へ、ほぼ2倍に。4人家族なら年間約6万円の負担増。
- 卵は2025年12月に256円まで続伸し、2023年のピーク248円を超える水準に。
- 牛乳はコロナ禍前と比較して122%上昇。
- 切手は84円から110円(はがきは63円→85円、34.9%値上げ)、30年ぶりの値上げ。
今日の日経平均は2,700円下がりました。でも、あなたの持っているお米5kgの「現金価値」は、この2年で実質半分に溶けたのです。株の下落は目に見えてニュースになる。でも現金の目減りは、誰もニュースにしてくれません。これが朝倉さんの言う「ステルス増税=インフレ税」です。
◆ 第4部:インフレが止まらない根拠 / 株が下がらない根拠(まとめ)
朝倉さんの論を、今日のデータと合わせて整理します。
【インフレが止まらない5つの根拠】
- 政府がインフレを止める気がない(需要を冷やす不況政策はできない)
- インフレは政治家にとって最高の武器(税収増・1,200兆円の借金が実質目減り)
- 「積極財政→賃上げ→物価上昇→税収増→また補助金」の無限ループ
- 供給力が決定的に不足(人手不足で建設も進まない)
- 日銀が金利を上げきれない(利上げしても「緩和的」と言い続ける)
ただし今日は、その日銀の利上げ確率が94%に達したことが、逆に短期の急落要因になりました。長期のインフレ構造と、短期の利上げショックは別物だという点は冷静に分けて考える必要があります。
【株が下がらない(=長期で戻す)5つの根拠】
- マネーの価値が下がる分、株の名目価格が上がる
- 現金1,140兆円が溶けて、逃げ場を求めて株式市場へ流れ込む
- 企業はインフレに対応できる(値上げで名目利益が伸びる)
- 日本株は売り物が枯渇(個人の売り越し・自社株買い・日銀ETF)
- 円安(160円台)で日本株が世界から見て割安
注目すべきは、外貨準備の世界的な動きです。ヨーロッパの中央銀行では、外貨準備に占める「金」の割合が2024年末の20%から2025年末には27%(+7%)へ増え、米国債は25%→22%(▲3%)へ。金が米国債を30年ぶりに逆転し首位になりました。世界の中央銀行ですら、現金性資産(米国債)から実物資産(金)へシフトしている。これこそ朝倉さんの言う「実物が強い時代」の動かぬ証拠です。
今日の急落で大事なのは、「コロナショック後6年あまり続いた強気相場が終わったのでは」という不安と、朝倉さんの言う「これは相場の通り道。下がって上がるを繰り返す」という見方の、どちらも正しい可能性があると知っておくことです。
実際、ある市場関係者の指摘でも、AIブームが本当に終わるのは「現在の株価がAIの成長を過剰に織り込んでいたと裏付ける新たな証拠が示される時」であって、今回の3つの逆風(利上げ・中東・IPO需給)だけでは終わりとは言えない、とされています。
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