※本記事にはプロモーション(PR)が含まれます。
結論から書きます。2023年10月に私がこの記事で書いた「藤井聡太さんの八冠独占が航空会社の利益につながる」という話は、思いつきでした。航空会社の利益は、ひとつの出来事ではなく、座席がどれだけ埋まったか、燃料がいくらだったか、円がいくらだったかで決まります。この記事は、当時の私がどこで話を飛ばしたのかを自分で確かめ直したものです。あわせて、藤井さんのその後についても、確かめられた事実だけを書き足しました。はじめにお伝えすると、これは私の保有状況の紹介であり、推奨ではありません。
筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。本記事は2026年10月時点のものです。記事に出てくる2023年当時の見通しは、当時の私の受け取り方です。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
この記事は2023年10月時点の話です
もとの記事を書いたのは2023年10月12日です。前日に大きなニュースがあり、私も驚いていました。そして、驚いた気持ちをそのまま投資の話につなげて書いてしまいました。
いま読み返すと、見出しだけが並んでいて、どれにも裏付けがありません。消してしまおうかとも思いましたが、同じことを繰り返さないために残します。そのうえで、確かめられた事実と、確かめられなかった思いつきを分けて書き直しました。
2023年10月に起きたこと(事実の確認)
まず、事実だけを書きます。ここは実在の方の経歴なので、確かめられたこと以外は書きません。
2023年10月11日、藤井聡太さんは王座戦の五番勝負で永瀬拓矢王座に勝ち、王座を獲得しました。これにより、将棋の八つのタイトルすべてを同時に保持する状態になりました。将棋の歴史で初めてのことです。当時21歳でした。
その手前の経緯としては、2023年6月に名人位を獲得して七冠になっており、王座の獲得がその最後の一つという形でした。
私はここに評価も推測も足しません。強さの理由や今後の見通しについて、私は何も分かりません。将棋のことを知らない人間が、将棋の内容について語るべきではないと思っています。
その後どうなったか(2026年10月時点)
八冠を同時に持つ状態は、しばらく続いたあと解けています。確かめられた範囲で書きます。
2024年6月、叡王戦で伊藤匠さんに敗れて叡王を失い、八つすべてを持つ状態は終わりました。さらに2025年10月、王座戦でも伊藤匠さんに敗れて王座を失い、六冠となっています。2026年3月には棋王戦で4連覇し、六冠を保っていると報じられました。
タイトル戦は年間を通して行われるので、この先も変わります。私はすべての対局を追えていないので、最新の保持状況は将棋連盟や報道で確かめてくださいと書いておきます。
当時の私が書いた「航空会社の利益につながる」という話
もとの記事では、六つの道筋を並べていました。せっかくなので、そのまま残します。ただし、これはどこかで発表された話ではなく、私が思いついただけの話です。
| 当時の私が書いたこと | いま見直した結果 |
|---|---|
| タイトル戦が行われる土地で観光が増え、航空券が売れる | 対局は数日、関係者と報道陣は限られた人数です。定期便の座席数に対して、数えられるほどの影響はないと考えます |
| 将棋のイベントの宣伝になり、航空券が売れる | イベントと航空券を結ぶ仕組みがなければ、売上にはなりません。仕組みの話を私は書いていませんでした |
| 対局を見るために人が移動する | いまの対局は中継で見るものです。会場に行く人の数は限られます。ここは私の見立て違いでした |
| 報道が増えて将棋のファンが増え、移動が増える | ファンが増えることと、飛行機に乗ることの間に関係を示せません |
| 将棋関連の商品が売れ、買う人が移動する | 商品は取り寄せられます。移動の理由になりません |
| 航空会社が将棋のイベントと組む | 可能性としてはありますが、2023年当時そういう発表を私は確認していませんでした |
六つ並べて、一つも残りませんでした。並べた数が多いと、読んでいる自分も納得してしまいます。これが怖いところです。
確かめられなかったので削ったこと
もとの記事には、藤井さんがアメリカやブラジル、ポーランドでも絶大な人気があると書いてありました。私はこの記述の出どころを示せません。日本語の報道でも、各国での人気を数で示したものを見つけられませんでした。そのため国名と「絶大な人気」という表現は削りました。
海外に将棋の愛好者がいることや、対局の中継が国外からも見られていることは事実としてありますが、それと「航空券が売れる」はまったく別の話です。
あわせて、記事の末尾に付いていた動画への案内と、題名を並べただけの記号の列も削りました。ブログの記事として読んでいただくものに、動画用の覚え書きが混ざっていました。
航空会社の利益は、実際には何で決まるのか
では、航空会社の決算は何で動くのか。私が決算資料を見るときに追っているのは、この四つです。
| 見ている数字 | なぜ見るのか |
|---|---|
| 旅客数と搭乗率 | 座席が埋まったかどうかが、そのまま売上になります。便を飛ばす費用はほぼ変わらないので、空席は丸ごと損です |
| 単価(一人あたりいくら払ったか) | 同じ人数でも、安い運賃で埋めたのか定価で埋めたのかで利益が変わります |
| 燃料費と為替 | 燃料は外貨で買います。原油が上がっても円が安くても費用が増えます。会社が決められない部分です |
| 借入の残高と利息 | コロナ禍で借りたお金の返済が、その後の利益を削ります。利益より先にここを見ます |
この四つのどこにも、将棋の話は入ってきません。入ってこないということは、利益に効かないということです。私が2023年に書いた六つの道筋は、全部この四つの外にありました。
航空会社の売上を、私はどこで分けて見るか
もう少し具体に落としておきます。航空会社の決算資料には、売上が事業ごとに分けて載っています。私はこの分け方で見ています。
| 売上の区分 | 私が気にしているところ |
|---|---|
| 国際線の旅客 | 単価が高く、利益への効きが大きい区分です。その代わり、世界の出来事で真っ先に止まります。ここが戻っているかを最初に見ます |
| 国内線の旅客 | 需要が安定しやすい区分です。地方路線は人口の減り方が重くのしかかるので、便数の増減を見ます |
| 貨物 | 人が動かないときにも荷物は動きます。コロナ禍では、ここが会社を支えた時期がありました。景気の影響を受けますが、旅客とは別の波で動きます |
| 旅客以外の事業 | マイルの会員組織、旅行の事業、整備の受託など。ここが育てば、売上の波が小さくなります。私が新規事業の発表を見るときは、この区分に入るかどうかで判断します |
この四つで分けると、話題のニュースがどこに入るのかがはっきりします。将棋のタイトル戦は、国内線の旅客の、特定の路線の、数日分です。四つに分けた表のどこにも、目に見える形では現れません。
逆に、ここに現れるものが何かも分かります。燃料の値段、円の水準、機体が予定どおり届くか、整備や乗務員の人手が足りているか。私が追うのはこちらです。地味ですが、決算に出るのはこちらです。
話題を会社の利益に結びつけたくなるとき
この記事を書き直して、自分の癖がよく分かりました。大きなニュースを見ると、私はそれを自分が持っている会社や知っている業界と結びつけたくなります。結びつけられると、世の中を読めている気がして気持ちがいいのです。
でも、気持ちよさと利益は関係ありません。むしろ、気持ちよく結びついた話ほど、根拠が薄いことが多いと思っています。
そこで自分に三つの関門を作りました。一つめ、その出来事で動くお金の大きさを、ざっくりでも計算してみる。二つめ、その会社の売上に対して何割にあたるかを出してみる。三つめ、割合が1パーセントに届かないなら、記事に書かない。この三つを通していれば、2023年のこの記事は書かなかったはずです。
世の中の話題と、会社の決算は、別のところで動いています。私はそこを混ぜないようにしたいと思っています。
元客室乗務員として、人の動きについて書けること
私は50代で、以前は客室乗務員として働いていました。この記事に書いた決算の見方は、公開されている資料から誰でも読み取れることです。在職中に知った事柄は書いていません。
私の体験として書けるのは、人の動き方についての手触りです。たとえば、大きな催しがあるとき、増えるのは催しの当日ではなく前の日と翌日の便です。増えるのは一部の路線だけで、全体の数字には埋もれます。何かのために人が動くとき、動くのは思ったより少ない人数です。
この手触りがあったのに、2023年の私はそれを使いませんでした。ニュースに引っぱられると、自分の経験すら忘れるのだと思います。
私がJALやANAをどう扱っているか
私は、航空会社を資産の中心には置いていません。働いていた業界だからこそ、売上が外の事情で止まるのを見てきました。配当を受け取り続けることを目的にしている私のやり方には合わない、と判断しました。
私のやり方は、ウォーレン・バフェットの考え方を真似しているつもりのものです。自分で中身を説明できる会社を、割安だと思えるときに買って、長く持つ。決算は自分で見る。分からないものは買わない。燃料の値段と為替と感染症を私は予想できないので、そこに利益が左右される会社は、私にとって分からないものに入ります。
繰り返しますが、ここに書いたのは私の保有状況の紹介であり、推奨ではありません。藤井聡太さんのことも、航空会社のことも、私が良い悪いを決める立場にはありません。自分の分を自分で決めただけです。
この記事を消さずに残す理由
外れた記事、根拠の薄い記事は、消したくなります。実際に消そうかと迷いました。でも残します。
理由は二つあります。一つは、自分がどこで話を飛ばすのかを覚えておきたいからです。私の場合は、大きなニュースを見たとき、知っている業界に無理に結びつけようとします。書いた本人が読み返して恥ずかしいと思える記録は、次に止まるための材料になります。
もう一つは、同じ書き方をしている記事が世の中にたくさんあるからです。話題の出来事と会社の名前を並べた記事は読みやすく、読んでいると分かった気になります。私自身が書いた側なので、はっきり言えます。読みやすい記事は、根拠が薄いことがあります。見出しの数ではなく、決算のどの数字が動くのかで判断する。それが、この記事から私が持ち帰ったことです。
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