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先に結論を書きます。トヨタ自動車(7203)は、配当を44円から100円へ増やしてきた立派な会社だと私は思っています。それでも私は、自分の口座ではトヨタを買っていません。決算の数字が悪いからではなく、自動車という業界の10年後が私には読めないからです。
私はウォーレン・バフェットのやり方を真似して、良い企業を割安なときに買って長く持つ、決算は自分で見る、わからないものは買わない、という3つを自分に課しています。トヨタについては、この3つめでつまずきました。
この記事では、まずトヨタの決算の数字(事実)を並べ、そのあとで「その数字を私がどう受け止めて、どう決めたか」を分けて書きます。トヨタを買ってはいけない、という話ではありません。私は買っていない、その理由はこうです、という私自身の話です。
※本記事は私個人の考えと調べたことの紹介であり、特定の銘柄・商品の購入を推奨するものではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。数字は2026年6月時点のもので変わります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
- トヨタ自動車(7203)はどんな会社か
- 配当は44円から100円へ|増配の実績は立派です
- 私の基準に当てはめるとどうなるか
- 2025年4月〜9月の半期決算|売上は増えて利益は減った
- トヨタの強いところを3つ挙げると
- いただいた質問|利回りも増配もトヨタが上なのに、なぜ商社なのか
- 私がトヨタに投資していない理由①|自動車業界の10年後が私には読めない
- 私がトヨタに投資していない理由②|自動車はコモディティ型のビジネス
- 私がトヨタに投資していない理由③|景気敏感株は配当が揺れる
- 私が商社を選んだ理由
- まとめ|トヨタが悪い会社という話ではありません
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- 未来が読めない会社を避けるために、私が決算を自分で見る場所【PR】
トヨタ自動車(7203)はどんな会社か
トヨタは日本でいちばん大きな自動車メーカーで、車をつくって世界中で売っている会社です。1株のねだんは約2,855円(2026年6月4日時点)。
時価総額、つまり会社をまるごと買うときの値段は約58.7兆円で、日本で断トツの1位です。ここは事実として、ほかと比べようのない規模だと思います。
配当は44円から100円へ|増配の実績は立派です
高配当株というのは、持っているだけで配当金をたくさん出してくれる会社のことです。私は利回り3.75%以上などの基準を自分で決めていて、それに当てはめて見ています。
まず事実として、トヨタは配当金をどんどん増やしてきました。1株あたりの配当推移はこうです。
- 2020年3月:44円
- 2023年3月:60円
- 2025年3月:90円
- 2026年3月(予想):95円
- 2027年3月(予想):100円
数年でもらえる金額が2倍以上になっています。これを増配といって、私が高配当株を見るときにいちばん大事にしているところです。配当を毎年増やせる会社は、それだけ稼ぐ力が続いているということだと私は受け止めています。
PBR(会社の中身に対して株がどのくらいの値段か)も0.93倍。1倍を下回っているので、会社の中身より安く売られているというサインです。予想配当利回りは約3%台(会社予想ベースでは約3.5%)です。
私の基準に当てはめるとどうなるか
自分で決めた基準に当てはめると、こうなりました。
| 私の基準 | トヨタの数字(2026年6月時点) | 判定 |
|---|---|---|
| 配当利回り 3.75%以上 | 約3% | × |
| PBR 2倍以下 | 0.93倍 | ○ |
| 自己資本比率 50%以上 | 38.1% | △ |
利回りと自己資本比率は私の基準に届いていません。ただ自己資本比率については、トヨタは車を売るだけでなくローンを扱う金融の事業も大きくやっている会社なので、銀行と同じように低めに出やすいところがあります。数字だけを見て悪いと決めつけるのは違うと私は思っています。
2025年4月〜9月の半期決算|売上は増えて利益は減った
ここは事実の話です。2025年4月から9月までの半年分の成績を、半期報告書で見てみました。
- 売上(営業収益):24兆6,307億円(前年同期より+5.8%)
- 営業利益:2兆56億円(前年同期より−18.6%)
- 最終的な利益:1兆7,734億円(前年同期より−7.0%)
車は478万台、前の年より5%多く売れています。それでも利益は減りました。減った理由として挙げられていたのは次の3つです。
- 円高の影響:海外で稼いだお金を円に換算すると目減りして、3,900億円のマイナス
- 北米での赤字:北米地域が678億円の損失(前年は黒字)
- 費用の増加:人件費や資材価格の上昇で1兆750億円のマイナス
売れているのに利益は減る。この一点が、私がこの会社をどう見るかを決めたところでした。あとでもう一度出てきます。
トヨタの強いところを3つ挙げると
- 配当を増やし続けてきた実績があります(44円から100円へ)。ここは高配当株として最高クラスだと思います。
- 手元のお金が非常に多く、現金は約12.7兆円。何かあったときに耐える力があります。
- 会社の体そのものが年々大きくなっています。総資産は106兆円規模です。
利益は当面、円高や費用増でガマンの時期に見えます。それでも配当はこれからも増やしていく方向だと会社は示しています。値上がりで早く儲けたい方より、配当を受け取りながら長く持ちたい方に向いている会社だと私は受け止めました。
いただいた質問|利回りも増配もトヨタが上なのに、なぜ商社なのか
読者の方から、こんな質問をいただきました。
「商社は配当利回り2.3%なのに、トヨタのほうが利回りも高くて連続増配もしている。どうして商社にこだわって、トヨタに投資しないのですか」
数字をパッと並べると、たしかにそう見えます。私がどう考えたかを順に書きます。
利回りが高い会社がいい会社、とは私は考えていません
利回りは「株のねだんに対して配当が何%か」です。ということは、株のねだんが安くなるだけで、利回りは勝手に高くなります。
人気がなくて下がっている会社は利回りだけが高く見えますし、人気があって上がっている会社は利回りが低く見えます。だから私は、利回りの高低だけで良い会社か悪い会社かは決めないようにしています。
商社の利回りが2.3%と低いのは、ウォーレン・バフェットが買ったあとに会社の評価が上がって、株のねだんが大きく上がったからです。買った時点では「ばかばかしいほど安い」と本人が言うくらい安かったわけで、安いときに買えた人の利回りは、今の数字とは別ものです。
私がトヨタに投資していない理由①|自動車業界の10年後が私には読めない
ここからは事実ではなく、私の判断の話です。
ウォーレン・バフェットと相棒だったチャーリー・マンガーは、自動車業界はあまりにも厳しいと長年感じてきた、と株主総会で語っています。自動車業界が消えることはないけれど、5〜10年後には車の構造も市場の形も確実に今とは違っているだろう、という理由です。
つまり、変化が速すぎて未来が読みにくい業界だということです。ガソリン車から電気自動車への移り変わりがあり、ライバルは世界中にいます。バフェットは「電気自動車は大成功するかもしれないが、膨大なコストとリスクがかかる。自分は膨大なコストやリスクが好きではない」とも言っていて、GMもフォードも、自動車メーカーの株はほとんど買っていません。
私は決算を自分で見て、自分でわかる範囲のものだけを買うと決めています。10年後の勝ち負けが私の手に負えないなら、それは私にとって「わからないもの」です。
この10年で出てきた新しい自動車メーカーを並べてみました
昔からの自動車会社とは別に、テック企業や新しいEV専門の会社が次々と参入しています。調べて名前を並べてみたら、変化の速さが私にもよくわかりました。
アメリカ
- テスラ(Tesla):イーロン・マスクの会社で、世界のEVブームをつくった会社
- リヴィアン(Rivian):2009年設立。電気のピックアップトラックやSUVが得意で、荷物を積める設計なのにセダンに負けない加速が特徴
- ルーシッド(Lucid Motors):高級セダン「Lucid Air」をつくる会社。テスラ出身の人が多く移っている
- フィスカー(Fisker):デザインにこだわるEVメーカー。経営が苦しい時期もあった
- ニコラ(Nikola):水素やEVのトラックを手がけようとしている会社
- ローズタウン(Lordstown Motors):旧GMの工場を買い取ってEVトラックをつくろうとした会社
中国(ここがいちばん増えています)
- BYD:今いちばん勢いのある中国のEV会社。元は電池の会社で、2026年夏には軽自動車のEV「RACCO」を日本で発売する予定
- NIO(蔚来汽車):2014年設立。「中国版テスラ」と呼ばれ、電池をまるごと交換する方式でステーションに行けば3分で交換できる
- 小鵬汽車(Xpeng):2014年に広州で設立。自動運転に力を入れ、フォルクスワーゲンとも共同開発
- 理想汽車(Li Auto):NIO・小鵬とあわせて「新興EV造車三兄弟」と呼ばれる3社のひとつ
- 零跑汽車(Leapmotor):ステランティスと合弁会社をつくって世界に出ようとしている会社
- シャオミ(Xiaomi):もともとスマホの会社で、車づくりに参入。スマホとの連携が強み
- 合衆新能源(NETA):タイ、インドネシア、マレーシアに工場を開いて東南アジアに広げている会社
- 奇瑞汽車(Chery):若者向けの「iCAR」ブランドを立ち上げて新型EVを発売
- 威馬汽車(WM Motor):百度(バイドゥ)と提携し、自動運転プラットフォーム「Apollo」で共同開発した会社
日本・テック系
- ソニー・ホンダモビリティ:ソニーとホンダが組んだ会社で、EV「AFEELA」を開発中。2026年3月にはカリフォルニアで動きがありました
- アップル(参考):長く車を研究していて、今は計画を見直しています。テック企業が車に来る時代の象徴だと思います
ヨーロッパなど
- ポールスター(Polestar):ボルボから生まれたEV専門ブランド
- バイトン(Byton):電動SUVをアメリカで発売予定としていた中国系の会社
- カルマ(Karma Automotive):中国の万向集団のグループで、4ドアのスポーツカーを販売
ここに挙げた会社の多くは2014年以降にできた新しい会社です。10年ちょっとで、これだけのライバルが世界中から出てきました。
しかも特徴がバラバラです。電池を交換する会社、スマホ会社がつくる車、トラック専門、高級セダン専門。昔は「ガソリンエンジンを上手につくれる会社」が強かったのに、今は誰が勝つのかが私には読めません。
トヨタは今のところこの戦いをうまく戦っている強い会社です。ただ、これだけ多くのライバルと戦い続けなければならない業界だ、ということでもあると私は受け止めています。
私がトヨタに投資していない理由②|自動車はコモディティ型のビジネス
ウォーレン・バフェットが避けてきたのが、コモディティ型と呼ばれるビジネスです。他社との違いを出しにくくて、最後は安売り競争になってしまう商売のことです。
コモディティ型の代表例として挙げられるのは、航空会社、鉄鋼、石油、紙、そして自動車です。利益率が低く、ライバルが多く、景気の影響を受けやすいという弱点があるとされています。
私が気になったのは、この弱点が今回の決算にそのまま出ていたことでした。車は前より5%多く売れたのに、営業利益は18.6%減っています。円高や費用増で利益がすぐにブレてしまう。会社の努力とは別のところで数字が動く構造だと私は受け止めました。
私がトヨタに投資していない理由③|景気敏感株は配当が揺れる
会社には大きく2つのタイプがあると私は考えています。
ひとつは、景気がよくても悪くても売上があまり変わらない会社です。電気・ガス・水道、食べ物、日用品、薬のように、景気が悪くても使うのをやめないものを売っている会社で、ディフェンシブ株と呼ばれます。
もうひとつが景気敏感株です。景気がいいとよく儲かって、景気が悪くなるとガクッと利益が減る会社のことです。代表が自動車、鉄鋼、化学、機械、海運、そして航空会社や運輸会社です。
車が景気敏感株になる理由
お給料が減ったとき、お米やトイレットペーパーは買い続けます。でも新しい車は「もう少し今の車に乗ろうかな」と後回しになります。値段の高い買い物だからです。
実際、トヨタの過去の成績を見ると、リーマンショックのあった2009年3月期は約4,400億円の赤字になっています。あれだけ大きくて強いトヨタでも、景気が悪くなれば赤字になることがある。ここは事実として重く見ています。
私は元JALの客室乗務員で、航空会社がコロナのときにどうなったかを中から見ていました。飛行機に誰も乗らなくなって大赤字になりました。航空株は景気敏感株の代表で、いいときはいいけれど、悪いときはとんでもなく悪くなります。
私が高配当株でいちばん大事にしているのは、配当を減らさない、できれば増やし続けてくれる会社であることです。景気敏感株は景気が悪くなると減配や無配になることがあります。配当で暮らそうと思っているときに、これがいちばん困ります。
だから私は、航空株や運輸株と同じように、景気敏感な自動車もとても慎重に見ています。ただし、分散して持てば景気敏感株の弱点はある程度カバーできるとも思っています。トヨタが悪い会社という話ではなく、1社だけに賭けるのが私にはこわい、という意味です。
私が商社を選んだ理由
商社は、車のように1つの製品で勝負していません。資源、エネルギー、食料、小売りなど何でも手がける「よろずや」なので、ひとつがダメでも別のところでカバーできます。
ウォーレン・バフェットは理解できるビジネスにしか投資しないという考え方で、商社については、過去に何度も「商社不要論」が出るたびに形を変えて乗り越えてきた強さを評価しています。だから今後50年は売らないとまで言っています。
私が真似したかったのは、この「未来が読めるかどうかで決める」という順番でした。利回りの高さで選んだわけではありません。
まとめ|トヨタが悪い会社という話ではありません
最後にもう一度、事実と私の判断を分けて並べます。
事実として、
- トヨタは配当を44円から100円へ増やしてきた会社です
- 2025年4月〜9月は売上+5.8%、営業利益−18.6%でした
- 現金は約12.7兆円、時価総額は約58.7兆円で国内1位です
- 2009年3月期には約4,400億円の赤字を出した年があります
私の判断として、
- 利回りが低いことは欠点だと思っていません。上がったから下がっただけです
- 自動車業界は変化が速く、10年後の勝ち負けが私には読めません
- 円高や費用で利益がブレる構造は、配当で暮らしたい私には合いませんでした
- だから私は商社のほうを選びました
トヨタは、とても良い高配当株だと思います。私が買っていないのは、会社の出来が悪いからではなく、私のやり方と相性のポイントが違ったからです。買ってはいけない会社だという意味ではまったくありません。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。
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