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遠い地域で起きた紛争でも、日本の航空会社には、燃料価格、飛行ルート、旅行の需要という3つの経路で影響が届きます。元の記事は2023年10月に、中東での紛争が始まった直後に書いたもので、「可能性があります」を並べた内容でした。いま読み返すと、すでに起きた実例で確かめられることがあります。2022年から続くロシア上空を避けた欧州便の迂回がその一つです。ここでは、紛争そのものの評価はせず、航空会社の経営にどう表れるかに絞って書き直しました。
当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておりません。この記事は、海外の紛争が航空会社の経営にどう関わるかを公表資料の範囲で整理したもので、紛争の当事者への評価や、特定の会社・金融商品の推奨を目的とするものではありません。記載の内容は2026年10月時点のものです。
経路① 燃料価格|航空会社の費用で大きな割合を占める
航空会社にとって、燃料費は費用の中で大きな割合を占めます。産油国の多い地域で緊張が高まると、原油価格が上がりやすくなり、それが航空燃料の価格にも伝わります。
日本の航空会社の国際線には、燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)という仕組みがあります。シンガポールの航空燃料の市況をもとに、一定の期間ごとに金額が見直される仕組みで、燃料が上がった分の一部をお客さまの運賃に上乗せする形です。ただ、見直しには時間差があり、国内線にはこの仕組みがないため、燃料高のすべてを運賃で補えるわけではありません。
経路② 飛行ルート|避ける空域があると、飛ぶ距離が伸びる
紛争のある地域の上空は、安全のために避けて飛ぶことになります。わかりやすい例が、2022年から続いている日本と欧州を結ぶ便のロシア上空の迂回です。北極の近くを回るルートや、中央アジアを通るルートを使うことで、飛行時間が延びています。
飛ぶ距離が伸びると、燃料が多く要り、乗務員の勤務時間も長くなります。機体を回すやりくりにも影響が出ます。私は客室で働いていた経験から、飛行時間が延びることは、数字以上に現場の負担が増えることだと感じています。
経路③ 旅行の需要|不安が出ると予約が止まる
紛争のニュースが続くと、その地域への旅行だけでなく、周辺の国への旅行まで控える人が出てきます。政府が危険情報を出せば、団体旅行の中止も起きます。
反対に、ある地域を避けた旅行者が別の行き先を選ぶこともあるので、需要がどこに動いたかは、後になって各社の旅客数の実績を見ないと分かりません。
保険と保安のコスト
紛争の地域を飛ぶ航空会社には、戦争のリスクを対象にした保険の負担が増えることがあります。空港の保安の強化も、手間と時間がかかります。どちらも1便あたりの額は見えにくいのですが、積み重なると費用として表れます。
決算のどこを見れば影響が分かるか
私が紛争の影響を確かめるときは、次の順番で見ています。
- 決算短信の業績の説明で、燃油費と為替について何と書いているか
- 決算説明資料の、燃油費の前提(原油価格や為替の想定)
- 月次の旅客数の実績で、国際線の方面別の動き
- 有価証券報告書の「事業等のリスク」に、地政学の項目がどう書かれているか
見出しを読んだ日に判断するのではなく、数字が出てから自分で確かめる。私は会社の株を持つときも、そのやり方を守るようにしています。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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