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結論から書きます。井村俊哉さんのやり方で私が真似できたのは「自分の持っている会社の決算を自分で読む」ことと「気になった会社を一覧にして置いておく」ことの2つだけでした。上場企業すべての決算短信を読む量も、集中して大きく投資する度量も、私にはありません。この記事は、公表されているインタビューを読み直して、50代の私に移せた部分とあきらめた部分を分けて書いた記録です。
私は投資助言・代理業の登録を受けていません。この記事は特定の会社や手法の売買を勧めるものではなく、私が公表資料を読んで考えた記録です。記事中の数字は2026年10月時点で確認できたものです。
先に数字の訂正をします
この記事はもともと「元手100万円から85億円を稼いだ」という見出しで、井村さんの保有銘柄をPERやROE、保有割合つきで並べていました。今回あらためて公表資料を確認したところ、裏が取れない数字がいくつもありました。
本人のインタビューで確認できたのは、2017年に通算の運用益が1億円、2023年に通算80億円、2024年7月に一時100億円(いずれも税引き前・含み益込み)という推移と、2023年に株式会社Kaihouを共同で設立し「ニッポンの家計に貢献する」というミッションを掲げていること、大学在学中に投資を始めたことです。
一方で「元手100万円」「1984年生まれ」「2011年に本格的に開始」「85億円」という数字は、私が確認できる資料では裏が取れませんでした。確認できない数字は金額ごと取り下げます。
保有銘柄の一覧も削除しました。大量保有報告書は出たり消えたりするもので、2024年に書いた保有割合を2026年のいま置いておくのは、読む人をだますことになります。それに、以前の記事では住石ホールディングス(1514)を「石油やガスの採掘」の会社と書いていました。有価証券報告書を開くと、同社の報告セグメントは石炭事業、ダイヤ事業(工業用人工ダイヤモンド)、採石事業の3つで、石油やガスの採掘は行っていません(2026年3月期の有価証券報告書)。私の書き間違いです。お詫びして訂正します。
井村さんのやり方の軸は「安く売られている価値」を探すこと
井村さんが語っているのは、会社の中身から見た値段と、市場で付いている値段の差を探すという考え方です。会社の稼ぐ力を数字で確かめて、その力に見合わない安値で売られているところを買う。言葉にすれば単純で、ウォーレン・バフェットが長くやってきたことと同じ軸にあります。
私がこの考え方を気に入っているのは、相場の方向を当てる必要がないところです。指数がこれから上がるか下がるかは私には分かりませんが、この会社の利益がこれくらいで、配当をこれだけ出していて、いまの株価がこれだから、という計算は手元でできます。
真似できたこと1:持っている会社の決算を自分で読む
井村さんは上場企業の決算短信をすべて確認していると語っています。東証の上場会社は数千社ありますから、私には到底できません。
ただ、全社は無理でも、自分が持っている会社の決算短信は読めます。私は持ち株の決算が出たら、売上、営業利益、営業キャッシュフロー、1株配当の4か所だけを前の期と並べて見るようにしました。4か所なら、1社5分で終わります。
これを続けていて良かったのは、数字が崩れていく会社に気づけるようになったことです。利益は増えているのに営業キャッシュフローだけが沈んでいる、というような食い違いは、ニュースには出てきません。短信を自分で開かないと見えないところでした。
真似できたこと2:気になった会社を一覧にして置いておく
井村さんは常に500ほどの会社のリストを持ち、日々更新していて、それを「継ぎ足しながら使い続ける秘伝のタレ」と表現しています。
私のリストは86枠ほどで、桁がふたつ違います。それでも、一覧にして置いておくこと自体に意味がありました。欲しいと思った会社を書き留めておくと、相場が荒れて値段が下がったときに、慌てて何かを探さなくてよくなります。買いたい会社は先に決めてあって、あとは値段を待つだけという形になります。
逆に、リストに入れるときに「この会社は何で稼いでいるのか」を一行で書けなかった会社は、結局買わずに終わりました。わからないものは買わない、という線を自分に引く道具としても働いてくれました。
真似しなかったこと1:デイトレード
井村さんは初めのころデイトレードもしていて、数百万円の損失を出し、毎日が削られるような作業で家族との時間にも響いたと語っています。資産が1億円を超えたころにやめたそうです。
私はここは最初から入りませんでした。毎日画面を見ていられる時間がないという現実的な理由もありますが、それ以上に、私が真似したいのは「会社が育つのを待つ」ほうのやり方だからです。値動きで稼ぐ力は、私には身につかないと見切りました。
真似しなかったこと2:少ない会社に大きく賭けること
大きく増やした人の記録を読むと、多くの場合、少数の会社に資産の何割かを入れています。その度量が利益の源になっているのだと思います。
私はそれをしませんでした。50代で、あと何年働けるかが見えている立場で、1社の判断違いで数年分を失うのは割に合わないと考えたからです。かわりに会社数を増やして、1社あたりの金額を小さくしています。増え方は遅くなりますが、間違えたときに立ち直れる形を選びました。
新NISAで私が気をつけていること
井村さんは、2024年から始まった新しいNISAについて、損失が出たときに課税口座の利益と相殺できない点を注意点として挙げています。ここは国税庁の説明でも確認できました。NISA口座で売って出た損失は税金の計算の上では「なかったもの」とみなされ、特定口座や一般口座の配当や売却益と損益通算することも、翌年以降に繰り越すこともできません(国税庁タックスアンサーNo.1535、2026年10月時点)。
枠の大きさは金融庁の案内で次のとおりでした。つみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円で、併用すると年360万円。生涯の非課税保有限度額は1,800万円で、うち成長投資枠は1,200万円までです。非課税で持てる期間は無期限になりました。
私はこの性質から、NISAの枠には値動きの荒い会社を入れないようにしています。損が出たときに税金の面で何も助けてくれない口座だからです。配当を長く出してきた会社を置いて、配当を非課税で受け取る場所として使っています。
まとめ
井村さんの記録から私が持ち帰ったのは、手法ではなく手間のかけ方でした。自分の持ち株の決算は自分で開く。気になった会社は一覧にして置いておく。その2つだけです。デイトレードと集中投資は、自分の体力と年齢に合わないので真似しませんでした。
同じやり方をすれば同じ結果になる、とは私は思っていません。この記事も、どなたかの手法や特定の会社の売買を勧めるものではなく、私が公表資料を読んで考えた記録です。
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決算短信を全部読むのは無理でも、自分が持っている会社の決算と配当の履歴は自分で追えます。私がその作業をしている口座を書いておきます。
私が実際に使っているのは次のとおりです。どちらも1株(単元未満株)から買えるので、いきなり大きな金額を動かす必要はありません。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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