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日本航空123便の墜落事故のあと、何が変わったのかを公表資料で追いました。1987年6月に公表された運輸省航空事故調査委員会の事故調査報告書は、原因を示すだけでなく、緊急時や異常事態における乗組員の対応能力を高める方策を検討するよう運輸大臣に建議しています。その建議を受けて運輸省が訓練の改善をまとめ、さらに2008年には調査機関そのものが改組されました。この記事では、その筋道だけを整理しています。
筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。本記事は2026年10月時点のものです。事故に関する記述は、運輸省航空事故調査委員会の事故調査報告書など公表資料にもとづいています。
報告書が原因として示した経過
1985年8月12日、東京(羽田)発大阪(伊丹)行きの日本航空123便は、ボーイング747SR-100型のJA8119で運航されていました。18時24分35秒ごろに異常事態が発生し、機体は群馬県多野郡上野村の山中に墜落しました。搭乗者524人のうち520人が亡くなり、生存者は4人でした。
報告書は、1978年のしりもち事故で損傷した後部圧力隔壁が不適切に修理され、その修理部に疲労亀裂が生じて点検整備では発見されずに進展し、隔壁の強度が下がったと述べています。事故当日、隔壁は客室の与圧に耐えられずに損壊し、続いてAPU防火壁や尾部胴体の一部が損壊して脱落、垂直尾翼と油圧操縦系統が損壊して主操縦機能を失いました。
報告書に付けられた建議
航空事故調査報告書は、原因の認定で終わる文書ではありません。本件では、航空事故調査委員会が運輸大臣に対して建議を行っています。内容は、緊急時や異常事態における乗組員の対応能力を高める方策を検討すること、です。
建議がこの形になった理由は、原因の経過と並べて読むと分かりやすいと思います。油圧の四系統すべてを失った機体は、設計上の想定を超えた状態にありました。想定の範囲で動く機体を前提にした訓練では届かない場面がある、ということが明らかになったわけです。
訓練はどう変わったか
運輸省は1987年9月から1989年6月にかけて方策を策定し、検討会を設けました。その結果として、実際の運航に近い状態での操縦訓練を導入するなど、訓練の改善がまとめられ、定期航空運送事業者に周知されています。
公表資料から読み取れるのはここまでです。個々の航空会社が社内でどんな訓練を行っているかまでは、私が確かめられる範囲にありません。ただ、国として訓練の考え方を見直し、それを事業者に伝えるところまでが記録に残っている、という事実は確かです。
調査する側の仕組みも変わった
2008年、航空事故調査委員会は運輸安全委員会へ改組されました。このとき、被害者やその家族・ご遺族への情報提供を適時かつ適切に行うことが、法律上明記されています。
原因を調べて報告書を出すところまでが仕事だった組織に、待っている人へ伝えることが仕事として加わった、という変化です。この事故のあと何が積み上がったのかを一つだけ挙げるとしたら、私はここを挙げます。
| 時期 | 公表資料で確認できること |
|---|---|
| 1987年6月 | 事故調査報告書を公表。乗組員の対応能力に関する建議 |
| 1987年9月〜1989年6月 | 運輸省が方策を策定し検討会を設置。訓練改善を事業者へ周知 |
| 2008年 | 運輸安全委員会へ改組。遺族への情報提供を法律上明記 |
「避けられた」と書かないことにした理由
この記事は以前、この事故は避けられた、という断定の見出しで公開していました。その書き方を改めました。
報告書は、原因について「推定される」という言葉を使っています。断定はできないがほぼ間違いない、という意味で使われる表現です。確かめられた範囲と確かめられなかった範囲を区別して記録する、というのが報告書の姿勢でした。その文書を土台にしながら、私が「避けられた」と断定するのは筋が通りません。
あわせて、特定の企業や行政機関、政治家が意図的に何かをしたという趣旨の記述も削りました。報告書はそうした認定をしていません。実在する人や組織について、公表資料にない動機を書くことはしないことにしています。個人の証言として名前を挙げていた部分も、公表資料で裏づけを確かめられなかったため外しました。
私は日本航空の客室乗務員として働いていました。在職中に社内で知った事柄は書きません。書けるのは、公表資料で確認できることと、同じ会社にいた人間として安全の話をどう受け止めたか、というところまでです。
報告書の公表は1987年6月までは確認できましたが、日付までは手元の公表資料では確かめられませんでした。出どころが確かめられない数字は書かないことにしています。
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