※本記事にはプロモーション(PR)が含まれます。
米国株や米国の高配当ETFから配当金を受け取ると、米国で10%、そのあと日本で20.315%が引かれます。配当金100万円なら手元に残るのは約71万7,000円で、税金は合わせて28万2,835円です。外国税額控除は、このうち米国で引かれた分を日本の税額から差し引く仕組みですが、全額が戻る制度ではありません。戻る金額には「控除限度額」という上限があります。この記事では、国税庁の資料で限度額の計算式と手続きを確かめ、50代の私がどう付き合っているかを書きます。
私は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。この記事は私が公表資料を読んで考えた記録で、特定の会社や商品の売買を勧めるものではありません。記事中の数字と制度は2026年10月時点のもので、その後変わることがあります。控除額は所得や口座の種類で変わるため、具体的な判断は税理士や所轄の税務署にご相談ください。
【成立済み】米国株の配当金は、米国で10%、日本で20.315%引かれます
配当金100万円を例に、順番どおりに引いてみます。特定口座(源泉徴収あり)で受け取る場合です。
・配当金:1,000,000円
・米国での源泉徴収(10%):100,000円 → 残り900,000円
・日本での源泉徴収(20.315%):900,000円×20.315%=182,835円
・手元に残る金額:900,000円−182,835円=717,165円
・引かれた税金の合計:100,000円+182,835円=282,835円
米国の10%という税率は、日米租税条約にもとづくものです。日本の20.315%の内訳は、所得税15.315%(復興特別所得税を含みます)と住民税5%です。日本の税金がかかる相手は、米国で10%が引かれたあとの金額になります。
配当金の約28%が税金になる、というのが何もしない場合の姿です。同じ配当利回りの日本株なら引かれるのは20.315%だけなので、米国株の配当金は手取りで8ポイントほど不利になります。私が日本の会社の株式を多めに持っているのは、この差も理由のひとつです。
【成立済み】外国税額控除は「全額戻る」制度ではありません
外国税額控除は、外国で納めた税金を日本の所得税額から差し引く制度です。ただし、差し引ける金額には上限があります。国税庁の説明では、所得税の控除限度額は次の式で決まります(国税庁 タックスアンサー No.1240、令和8年4月1日現在の法令)。
所得税の控除限度額=その年分の所得税額×(調整国外所得金額÷その年分の所得総額)
ここで大事なのは、自分の所得税額が小さいと限度額も小さくなるという点です。たとえばその年の所得税額が20万円、所得総額が500万円、そのうち国外からの所得が100万円だったとすると、限度額は20万円×(100万円÷500万円)=4万円です。米国で10万円引かれていても、所得税から差し引けるのはこの4万円までになります。
年金生活に入って所得税額が小さくなっている人や、配当金以外の所得がほとんどない人の場合、米国で引かれた分の多くは戻ってこないことがあります。「確定申告すれば取り返せる」という言い方は、私には正確ではないと感じました。
【成立済み】限度額を超えた分は、復興特別所得税と3年の繰越で使います
米国で引かれた税額が所得税の控除限度額を超えた場合、その超えた分を復興特別所得税の額から差し引くことができます。こちらの限度額も同じ割合で計算されます。
復興特別所得税の控除限度額=復興特別所得税額×(調整国外所得金額÷その年分の所得総額)
それでも使い切れない分は、前年以前3年内の繰越控除限度額の範囲で控除できます。反対に、外国で納めた税額が限度額に届かなかった年は、前年以前3年内の繰越外国所得税額を、余っている限度額の範囲で使えます。つまり3年間は持ち越しがきく仕組みです。
住民税については、国税庁のページでは繰越の計算にあたって地方税の控除限度額を所得税の控除限度額の30%として扱うと書かれています。実際にいくら住民税から引かれるかは申告内容によるので、ここは税務署か税理士に確かめるのが確実です。
【成立済み】NISA口座の配当金には、外国税額控除は使えません
これは私が一番気をつけている点です。
国税庁のページでは、外国税額控除の対象にならない外国税として、NISA口座(非課税口座・未成年者口座)内の上場株式等の配当にかかる税が挙げられています。NISA口座では日本の20.315%はかかりませんが、米国で引かれる10%はそのまま引かれ、しかもそれを取り戻す手立てがありません。
米国の高配当ETFをNISAの成長投資枠で持つと、配当金の10%は引かれたままになります。日本の会社の株式をNISAで持てば、配当金は丸ごと手元に残ります。私がNISAの枠には日本の高配当株を優先して入れているのは、この違いがあるからです。これは有利不利の話で、どちらを選ぶべきという話ではありません。
【成立済み】投資信託やETFの分配金は、申告しなくても調整されます
個別の外国株とは別に、投資信託やETFの分配金には「二重課税調整」という仕組みがあります。2020年1月1日以降に支払われる分配金から適用されていて、公募投資信託の普通分配金、ETFの分配金、上場REITの分配金、JDRの分配金が対象です。
これは、投資信託が外国で支払った税金の分を、分配金から引かれる日本の源泉所得税から自動的に差し引く仕組みです。投資家の側で手続きをする必要はありません。ただし、調整の対象は所得税の部分だけで、住民税5%は対象外です。また、元本払戻金(特別分配金)やNISA口座内の分配金は対象になりません。
つまり、米国株に投資する投資信託やETFを「国内の商品として」持っている場合は、自分で確定申告しなくても外国の税金の分がある程度調整されています。自分で申告が必要になるのは、おもに米国に上場しているETFや個別株を直接持っている場合です。
【成立済み】確定申告で必要な書類
外国税額控除を使うには確定申告が必要です。国税庁のページでは、申告書に次の書類を添えることになっています。
・外国税額控除に関する明細書(居住者用)
・外国所得税を課されたことを証する書類
・税の名称、金額、納付日、課税した国や地方公共団体の名称、課税の理由を説明した書類
・外国での申告書の写し、納税証明書、源泉徴収票など、課税と納付を証する書類
・国外源泉所得の計算明細
実際には、証券会社が出す「配当金の支払通知書」や「年間取引報告書」に、国外源泉所得と外国所得税額が記載されているので、まずはそれを手元に用意するところから始まります。
なお、申告書の様式は令和4年分(2022年分)から一本化され、以前の「申告書A」「申告書B」という区分はなくなりました。古い記事には様式Bと書かれていることがありますが、今は「所得税及び復興特別所得税の申告書」だけです。e-Taxでも手続きできます。
国ごとの源泉徴収税率は、ここには書きません
米国以外の国について、配当金の源泉徴収税率を一覧にして載せている記事をよく見かけます。私はこの記事には載せないことにしました。
理由は3つあります。租税条約の内容や各国の税法が改正されること。条約の軽減税率を使うには所定の手続きが必要で、手続きをしていないと条約の税率にならないこと。そして、同じ国でも証券会社や保管の形(ADRかどうかなど)で扱いが変わることです。確かめられない数字を並べて、それを見て判断されるのが怖いと感じました。
米国以外の国の配当金を持つ場合は、その国の税率を財務省の租税条約のページで確かめ、実際にいくら引かれているかは証券会社の支払通知書で見るのが確実だと思っています。
私が外国税額控除とどう付き合っているか
私がしていることは3つだけです。
1.NISAの枠には日本の会社を優先して入れる。NISAでは外国税額控除が使えないので、米国で10%引かれる商品はNISAの外に置いています。
2.米国のETFや個別株は、課税口座で持って申告する。限度額のせいで全額は戻りませんが、戻る分は戻します。繰越が3年きくので、所得が少ない年の分は次の年に回ります。
3.投資信託で持つ分は、申告の手間をかけない。二重課税調整が自動で効くので、私はここに手を加えません。
税金のことがわからないときは、税務署の相談窓口で無料で相談できます。私も実際に電話で聞いたことがあります。国税庁のタックスアンサーは制度の基準日が明記されているので、数字を確かめるにはここを見るのが早いと思っています。
あわせて読みたい関連記事
- 米国ETFを円に戻すと税金はいくら?円貨決済で保険料まで変わった話【2026年版】
- 米国ETFの為替差益に課税か|最高裁判決で私が確認した口座の3点【50代60代】
- 税金の基礎知識と控除の種類|年収500万円で所得税がいくらか自分で計算しました
無料でお配りしているもの
高配当株で資産づくりを始めるなら、この4つが近道です。
- 【完全無料公開】高配当株・銘柄選びチェックリスト ― 会社選びの基準を1枚に整理しました。
- 【無料配布】高配当株ポートフォリオ管理シート ― 保有株と配当金を「見える化」して、続けられるようにするシートです。
- 【無料】高配当株 配当管理シート(CSV対応) ― SBI証券のCSVを読み込んで、配当金をまとめられるシートです。
- 私の保有している会社の一覧 ― 私が実際に持っている会社と、取得単価・評価損益を公開しています。
50代から始めても、60代、70代で「あの時始めてよかった」と思える日が来ると、私は思っています。私は、買ったら売らないと決めました。配当金を信じて持ち続ける、というやり方です。
私はYouTubeもやっています。毎日夜9時からライブ配信をしていますので、よろしければ遊びに来てください。チャンネル登録はこちらから → https://www.youtube.com/@buffettkaoru
配当金の税金を自分で計算してから、持ち続けるかを決めるために【PR】
※ここから先は広告(アフィリエイトリンク)を含みます。当ブログ経由でお申し込みいただいても、あなたの費用が増えることはありません。
配当金の明細と源泉徴収の内訳は、口座の取引報告書で確かめられます。私が普段使っているのは次の2つです。
私が実際に使っているのは次の2つです。どちらも1株(単元未満株)から買えるので、いきなり大きな金額を動かす必要はありません。
・SBI証券|単元未満株「S株」に対応。日本株も投資信託も1つの口座でまとめられます。
▶ SBI証券の公式サイトを見る
・楽天証券のNISA|NISA口座のページです。取扱商品や手数料、ポイントの条件を、ほかの会社と見比べたいときに。
▶ 楽天証券のNISAページを見る
※手数料・キャンペーンの内容や条件は変更されることがあります。必ず各社の公式サイトで最新の情報をご確認ください。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、特定の証券会社・金融商品の利用を推奨するものではありません。口座開設および投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


コメント