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結論から書きます。新NISAの枠を使い切ったあとの余剰資金は、生活防衛資金と暴落時の買付余力を先に取り分けたうえで、残りを特定口座に回す。これが私のやり方です。高配当株を一社ずつ調べる時間が取れないなら、無理に会社を増やさず、全世界株やS&P500の投資信託に任せるのも十分に筋の通った選び方だと私は考えています。
私は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。この記事は私自身の考えと保有状況の紹介であり、特定の会社や金融商品を推奨するものではありません。本文の数字や制度は2026年3月時点のもので、その後変わります。最終的な判断はご自身でお願いします。
この記事は、2026年3月2日の夜に受け取った質問と、それに対して私が考えたことを読み物の形に組み直したものです。質問をくださった方の文面は、意味を変えない範囲で短くしています。
新NISAの枠を使い切ったあと、余りを特定口座に回すか
いただいた質問はこういうものでした。「NISAの枠を使いきってまだ余剰資金がある場合、銀行に預けるより特定口座でオルカンやS&P500を買ったほうがいいでしょうか。高配当株の勉強が追いつかないため、高配当株をたくさん買う自信がありません」。
私の考えはこうです。物価が上がり続けるあいだ、現金はそのままでは購買力が落ちていきます。ウォーレン・バフェットは現金を「時間とともに溶けていく氷」にたとえていました。NISAの枠が埋まったあとでも、生活に使う予定のないお金なら、課税される特定口座を使ってでも企業に投資しておく。私はそう決めました。
ただ、順番が逆になると苦しくなります。先に生活防衛資金、次に相場が崩れたときの買付余力、その残りが特定口座です。
税金の面では、全世界株やS&P500の投資信託は分配金を出さずに内部で再投資するため、売るまで課税が先に延びます。日経平均高配当株インデックスの投資信託を特定口座で買うと、配当のたびに約20%が引かれます。そのかわり、米国の比率が高い資産に偏っているなら、円で受け取るお金と地域の分散にはなります。税の効率を取るか、現金が入ってくる手触りを取るか、という違いだと私は整理しました。
現金は「生活防衛資金」と「買付余力」に分けておく
手元の現金をぜんぶ「買付余力」だと思ってしまうと、下げたときに動けなくなります。私は分けて考えています。
- 生活防衛資金:相場が崩れても生活を変えずに1年は暮らせる現金。会社を買うためには使いません。
- 買付余力:生活防衛資金を除いた、安くなった会社を買うために待っている現金。
教科書的には、現金を資産全体の20〜30%ほど持つとバランスが良いと言われます。10%を切ると、下げたときに買うお金がありません。半分以上を現金にすると、市場が育っているあいだ資産の半分が働きません。私は自分の資産では、株式7割、生活防衛資金2割、買付余力1割くらいを目安にしています。これは私の配分で、他の人に当てはまるとは思っていません。
運用を始めた直後に大きな下げが来ると、資産の寿命が縮みます。収益率配列のリスクと呼ばれるものです。現金が別にあれば、戻るまでそれを取り崩して暮らし、同時に安くなった会社を買い増せます。私にとっての現金は、守りの盾と攻めの剣を兼ねたものです。
オルカン・S&P500か、日経平均高配当株インデックスか
「勉強が追いつかないから個別の会社は買わない」という判断について、私はとても納得しています。わからないものを買わない、自分の能力の輪の外に出ない。ウォーレン・バフェットのやり方を真似するうえで、ここが一番大事な部分だと私は思っています。
- 全世界株・S&P500の投資信託:分配金を内部で再投資するので、売るまで課税が先に延びます。そのかわり、現金が必要になったときは自分で売る判断をしなければなりません。
- 日経平均高配当株インデックスの投資信託:会社を一社ずつ調べる時間がないときの選択肢です。景気に敏感な業種が多く、特定口座では配当のたびに課税されます。
- 高配当ETF・高配当株:自分で売らなくても現金が振り込まれます。価格を見る回数が減るぶん、気持ちが楽になる人もいます。
年代別に「インデックス何割、高配当何割」という配分の表も作っていたのですが、年金額も家族構成も人によって違い、根拠として示せる数字がありませんでした。そのため、この記事では載せていません。配分は自分の生活に合わせて決めるしかないと私は考えています。
72歳で「4%ルールが不安」という相談に、私が考えたこと
もう一つの質問です。「今年72歳になります。元金1,960万円、損益550万円です。年齢的に余命10年くらいと考えて今後の戦略に悩んでいます。4%ルールといっても、今みたいにアメリカ株が上下すると不安になります」。
元金1,960万円に含み益550万円なら、今の評価額は2,510万円です。そこから年4%を引き出すと年およそ100万円、月8万円ほどになります。
私がまず考えたのは、取り崩しの方法よりも現金の厚みでした。4%ルールの弱点は、下げている最中にも株を売らなければならないところにあります。生活費の2〜3年分を市場と関係のない預金で持っておけば、相場が2割3割下がっても「あと数年は売らなくていい」と思えます。私はこれを心の盾だと思っています。
そのうえで、売って現金を作る形から、配当として受け取る形へ少しずつ移していくという選び方もあります。株価が動いても振り込まれる金額は変わりにくいので、価格を見る回数が減ります。ただし配当は会社の業績次第で減ることもあり、増え続ける保証はありません。
「もう使う時期だから投資はやめるべきではないか」という問いについては、私は、やめるのではなく役割が変わるのだと考えています。資産を増やすための投資から、生活を支えるための投資へ。ウォーレン・バフェットも、90歳を越えて企業のオーナーであり続けました。
なお、このやり取りのなかで「10年後にいくら残るか」を比べる表も作っていましたが、将来の相場も配当も私にはわかりません。根拠として示せないため削除しました。余命の見積もりについても、私が判断できることではないので触れていません。
高配当ETFと高配当株、私が感じている違い
ETFは、たくさんの会社をひとつにまとめた投資信託です。どちらが良いという話ではなく、手間のかけ方が違うのだと思っています。
- ETF:一社が減配しても全体への影響は小さく、構成の入れ替えは運用会社がやってくれます。そのかわり信託報酬がかかり、自分の基準に合わない会社も一緒に持つことになります。
- 個別の会社:自分が納得した会社だけを持てます。そのかわり決算を自分で見る手間がかかり、選び方を間違えると資産に穴が開きます。
私は、土台をETFに置いて、商売の中身を理解できている会社を少しだけ自分で持つ、という形が合っていました。決算を自分で読むのは手間ですが、その会社のオーナーだという感覚は、下げている時期の支えになります。これは私がそうしているという話で、同じ形がどなたにも合うとは思っていません。
日本の会社と米国の会社、配当にかかる税金の違い
配当には、思っているより税金の手出しがあります。2026年3月時点のルールでは、こうなっています。
- 日本の会社の配当:国内で20.315%。
- 米国の会社の配当:まず米国で10%引かれ、残りに国内の20.315%。合計で3割近くになります。確定申告で外国税額控除を使えば一部は戻ります。
- 新NISAの成長投資枠:国内の20.315%が非課税になります。米国で引かれる10%は、NISAでもゼロにはなりません。
ここに書いたのは制度としてすでに成立している部分です。自分の場合にいくら戻るのか、申告をどうするのかといった具体的な判断は、税理士や税務署に相談するのが確実です。私も自分の分は申告で処理していますが、人の事情ごとの答えは出せません。
新NISAは1株ずつでも始められる
「NISAでは100株ではなく1株ずつ買うほうが良いですか。利回りが高いものを優先すべきでしょうか」という質問もありました。
日本の会社の株はふつう100株単位ですが、単元未満株のサービスを使えば1株から買えます。何株買うかよりも、どんな商売をしている会社のオーナーになるか。私にはそちらのほうが大事でした。一度に資金を使い切らず少しずつ買い増すと、時間を味方にできます。
利回りだけで選ぶのは、私は避けています。利回りが高く見えるのは株価が下がっているからという場合もあり、そのまま減配されると配当も株価も失います。新NISAは損益通算ができないので、そこも気にしています。私が見ているのは、配当の方針がはっきりしているか、売上が伸びているか、財務に無理がないか、といったところです。
この記事で触れた会社や商品は、私が保有している、または見ているものの紹介であり、推奨ではありません。同じものを買って同じ結果になる保証はありません。
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特定口座と新NISA口座を同じ会社の中で分けて持てると、枠を使い切った後のお金の置き場所を考えやすくなります。私が実際に使っているのは次のとおりです。どちらも1株(単元未満株)から買えるので、いきなり大きな金額を動かす必要はありません。
・SBI証券|単元未満株「S株」に対応。日本株も投資信託も1つの口座でまとめられます。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。
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