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元JAL客室乗務員バフェットかおるが、50代からでも始められる高配当株投資をわかりやすく解説しています。

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インデックス投資と高配当株投資、どっちがいい?|数字と歴史で比べて私が高配当株を選んだ理由

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1億円への道
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※本記事にはプロモーション(PR)が含まれます。

こんにちは、バフェットかおるです。こんなご質問をいただきました。

高配当株しかやっていないのですが、インフレ率をカバーするくらいの配当金しかないため、ある程度貯めるまではインデックス投資したほうがより増えるのでしょうか。高配当株で株価が倍になるのと、インデックスで利回り10%以上になるものを選ぶかで迷っています。新たに投資する場合、インデックス3割、高配当株3割、外貨建て3割がいいかなと考え中です。

先に結論を書きます。私はどちらが優れているとは思っていません。そして、税金と社会保険料だけで比べるなら、インデックスを必要な分だけ取り崩していくほうが有利になりやすい、というのが私の理解です。それでも私は高配当株を選びました。理由は、お金の効率ではなく、自分が続けられるかどうかでした。

以下に書くのは私の保有状況と、自分で調べたことと、私がどう決めたかです。特定の会社や商品をおすすめするものではありません。同じ数字を見て逆の結論を出す方がいても、それはまったく自然なことだと思っています。

私の投資はウォーレン・バフェットのやり方を真似しているだけです。良いと思える企業を割安なときに買って長く持つ、決算は自分で読む、わからないものは買わない。この3つを守りながら、配当を受け取る形を選びました。

※本記事は私個人の考えと調べたことの紹介であり、特定の銘柄・商品の購入を推奨するものではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。税制や社会保険料の扱いは個人の状況で変わるため、具体的な判断は税理士や各窓口にご確認ください。数字は2026年4月時点のもので変わります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

この記事の内容は、YouTubeの動画でもお話ししています。

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  1. まず数字で比べる:年率リターンはどのくらい違うのか
  2. 税金と社会保険料で比べると、取り崩しのほうが有利になりやすい
    1. 配当は「受け取った全額」が課税の対象になる
    2. 取り崩しは「利益の部分」にしか課税されない
    3. 社会保険料にも差が出ることがある
  3. それでも私が配当を選んだ5つの理由
    1. 1. 売る判断を自分でしなくていい
    2. 2. 下げている局面で元本を削らずにすむ
    3. 3. 含み損を見ながら売るのは、私には続かない
    4. 4. 下落幅が小さくなりやすい
    5. 5. NISAの枠内なら税金の差が消える
  4. 歴史を振り返る:日本が「必要な国」になったときに何が伸びたか
    1. 朝鮮特需(1950〜1953年)
    2. アベノミクス(2012〜2020年)
  5. いま起きていること:アベノミクスとの3つの相似
    1. 相似1:上昇の軌道が似ている
    2. 相似2:海外からの資金が入っている
    3. 海外投資家はなぜ日本を選んでいるのか
    4. 相似3:日本が地政学的に必要とされている
      1. TSMC熊本工場
      2. ラピダス(北海道千歳)
      3. 対米投資5,500億ドル(約87兆円)
      4. レアアースの供給網と南鳥島の海底資源
      5. 防衛費のGDP比2%前倒し
      6. 米国産原油の共同備蓄
    5. アベノミクスのときにはなかった3つの条件
  6. 2026年に注目されているテーマと、私の保有状況
  7. 金利のある世界で、私が見ている金融の会社
    1. 3メガバンク
    2. 信託銀行
    3. 保険
    4. リース・その他の金融
    5. 地方銀行
    6. 累進配当という考え方
  8. いただいた3つのご質問への、私の答え
    1. 1. 「インフレ率をカバーするくらいの配当しかないから、インデックスのほうが増える?」
    2. 2. 「株価2倍の高配当株と、利回り10%超のインデックス、どっちを選ぶ?」
    3. 3. 「インデックス3割・高配当株3割・外貨建て3割」はどうか
  9. 日本に投資してほしい、と国が言っている局面で
  10. 私が守っている考え方
  11. まとめ
  12. あわせて読みたい関連記事
  13. 配当とインデックス、両方を1つの口座で試してみるために【PR】

まず数字で比べる:年率リターンはどのくらい違うのか

配当込みの長期の年率リターンを並べます。期間が違うので厳密な比較にはなりませんが、桁の感覚をつかむには十分だと思います。

投資対象 平均年率リターン 内訳・補足
日本の高配当株(一般的な組み方) 約7〜8% 配当3.5〜4% + 株価成長3〜4%
日経平均(配当込み・過去20年) 約8.6% アベノミクス以降が強い
TOPIX(配当込み・過去20年) 約6.9% 株価成長中心
全世界株(オルカン・過去30年) 約7.85% 約60%は米国
S&P500(1965〜2023年) 約10.2% 株価成長中心
NASDAQ100 約13〜15% 成長株中心

ご質問の「インデックスのほうが増えるのでは」は、半分当たっていて半分違う、というのが私の見方です。日本の高配当株を組み合わせたときのトータルリターンは年7〜8%で、日経平均とほぼ互角、オルカンと同水準。はっきり差があるのはS&P500で、その差は年2〜3%です。

年2〜3%の差は、20年30年の複利では決して小さくありません。そこは正直に認めたうえで、「インデックスが圧勝」という前提は数字からは出てこない、というところまでが私の理解です。

そして、ここからが本題です。リターンの数字を比べるだけでは答えが出ません。手取りで比べる必要があるからです。

税金と社会保険料で比べると、取り崩しのほうが有利になりやすい

ここは高配当株が好きな私にとって、認めるのに時間がかかった部分です。先に結論を書くと、課税口座で同じ金額を手元に用意するなら、インデックスを必要な分だけ売る形のほうが、税金と社会保険料の負担は軽くなりやすいです。

配当は「受け取った全額」が課税の対象になる

配当金は、受け取るたびに約20%(所得税・住民税の合計)が源泉徴収されます。受け取った金額の全部が課税の対象です。使う予定がなくても、口座に入った瞬間に引かれます。

取り崩しは「利益の部分」にしか課税されない

投資信託を売って30万円を受け取った場合、その30万円のうち課税されるのは値上がり益にあたる部分だけです。元本にあたる部分には税金がかかりません。

たとえば取得価格の2倍になっているファンドを30万円分売れば、利益はおよそ15万円。課税の対象はその15万円だけです。配当で30万円を受け取る場合は30万円全部が対象になります。同じ30万円を手にするのに、引かれる税金が違う、ということです。

社会保険料にも差が出ることがある

配当を確定申告に含めると、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料の算定に使われる所得に乗ってきます。申告の仕方で扱いは変わりますし、人によって条件も違うので一律には言えません。それでも、配当のほうが保険料に跳ね返りやすい構造があるのは事実だと思っています。

さらに、取り崩しなら「今年は使わないから売らない」という選択ができます。配当は受け取るかどうかを自分で選べません。税金を先送りできるかどうかという点でも、取り崩しのほうが自由度があります。

というわけで、税と社会保険料だけで比べれば、インデックスを取り崩す形のほうが有利になりやすい。これは私も認めているところです。

それでも私が配当を選んだ5つの理由

数字で不利なところがあるのに、なぜ私は配当を選んだのか。自分の中を整理すると5つありました。どれも「効率」ではなく「続けられるか」の話です。

1. 売る判断を自分でしなくていい

取り崩しは、いつ・いくら売るかを自分で決め続ける必要があります。相場が下がっている月に売るのは、私にはしんどい作業でした。配当は会社が決めた時期に勝手に入ってきます。私が何も決めなくていい、という点がいちばん大きかったです。

2. 下げている局面で元本を削らずにすむ

株価が下がっている時期に取り崩すと、同じ金額を作るのに売る口数が増えます。元本が余計に減り、戻ってきたときに乗せる土台が小さくなります。配当は、株価が下がっていても会社が稼いでいれば入ってきます。この違いは、使う期に入ってから効いてくると私は考えています。

3. 含み損を見ながら売るのは、私には続かない

50代60代は、お金を作る期と使う期が同時に来ます。30%の含み損を見ながら毎月売り続けられるかというと、私は自信がありませんでした。配当が入ってくる口座なら、同じ下落局面でも持ち続けられる。私にとってはこれが決め手でした。

4. 下落幅が小さくなりやすい

2024年8月の下落では、VTIやVTが3.8%下げたのに対し、高配当ETFのVYMは3.2%の下げでした。差はわずかですが、下げ方がゆるいほど私は持ち続けられます。

5. NISAの枠内なら税金の差が消える

新NISAの成長投資枠で持っている分は、配当も売却益も非課税です。つまり、前の章で書いた税金の差は、NISAの枠の中では出てきません。私はこの枠を配当が入る会社で埋めることにしました。課税口座と枠内で扱いが変わるというのは、意外と知られていない気がします。

整理すると、お金の効率を最優先するならインデックスの取り崩しのほうが理にかなっています。私は効率を少し諦めて、続けやすさを買った。そういう選択をしたというだけの話です。

歴史を振り返る:日本が「必要な国」になったときに何が伸びたか

どんな会社を持つかを考えるとき、私は過去の似た局面を探すようにしています。いまの米中対立で日本が注目されている構図に近いものが、過去に二度ありました。

朝鮮特需(1950〜1953年)

1950年6月に朝鮮戦争が始まり、米軍が日本を兵站の拠点にしました。1950年から1952年の3年間で特需は10億ドル、1955年までの間接特需を含めると36億ドルが日本に流れ込んだとされています。

日経平均は1950年7月の85円25銭から1953年2月の474円43銭へ。2年半で5.6倍になりました。このときに伸びたのは、次のような分野でした。

分野 内容
重工業・防衛 三菱重工や小松製作所が米軍車両の整備を受注
繊維 1951年の法人税上位10社がすべて繊維。「ガチャマン景気」と呼ばれた
鉄鋼 新日鐵の前身や日本鋼管が急成長
商社 三井物産・三菱商事・伊藤忠商事・住友商事が物資調達で大きく稼いだ
海運 日本郵船・商船三井(旧大阪商船)が輸送で特需
海上保険 東京海上や三井住友海上の前身が特需保険で伸びた
金融 都市銀行(メガバンクの前身)が貸付で伸びた
食品 軍需用食料の供給で食品メーカーが安定成長

私が持っているのは、このうち財務が安定していて増配を続けている分野に偏っています。本業で稼いでいて、参入の壁が高い会社。新しく出てきたITやAIの会社ではありません。具体的には、商社(8001 伊藤忠商事、8031 三井物産、8053 住友商事)、メガバンクと信託(8306 三菱UFJ、8316 三井住友FG、8309 三井住友トラスト)、保険(8725 MS&AD、8766 東京海上HD、8750 第一生命)、素材・部品(5108 ブリヂストン、5334 日本特殊陶業)、食品(2503 キリンHD、2914 JT、2003 日東富士製粉)です。

一方で、同じ特需で伸びた分野でも持っていないものがあります。7011 三菱重工業、7012 川崎重工業、7013 IHI、6301 コマツ、9101 日本郵船、9104 商船三井。景気の波が業績に出やすい会社は、私はあえて避けています。値動きに耐えられる自信がないからです。

アベノミクス(2012〜2020年)

時期 日経平均 出来事
2012年11月14日 8,757円 解散表明。ここが起点
2013年5月22日 15,627円(+78.4%) 17週連続高
2013年末 年間+56.7% バーナンキショックを越えて急騰
2015年4月 2万円台回復 15年ぶり
2017年10月 21,805円 16連騰の最長記録
2020年8月 2.3倍強(上昇率131%) TOPIX・マザーズも2倍以上

指数が2.3倍だった一方で、個別の会社では3倍から7倍になったものがありました。

会社 分野 上昇率の目安
トヨタ自動車 輸出 約3倍(円安の恩恵)
ソニー エレクトロニクス 約7倍
ファーストリテイリング 内需・小売 約3倍
三菱UFJFG 銀行 約2.5倍
三井不動産 不動産 約3倍
JT 高配当 約2倍+配当
三菱商事・三井物産 商社 約2〜3倍

為替は2011年夏の1ドル80円割れから2013年5月に100円超え、2014年末に120円台。約1.5倍の円安が輸出の会社の利益を押し上げました。

いま起きていること:アベノミクスとの3つの相似

2026年4月時点で、私が見ている数字を並べます。

項目 数字
2025年のTOPIX上昇率 +23%(S&P500の+18%を上回り3年ぶりのアウトパフォーム)
2025年の日経平均上昇率 +26.18%(年末5万円台を維持)
日経平均5万円突破 2025年10月27日に50,512円(前週末比+1,212円)
防衛予算 2025年度8.7兆円 → 2026年度9.0兆円。GDP比2%目標を2年前倒し
2026年の予想レンジ(市場の見方) 日経平均45,800円〜59,000円

相似1:上昇の軌道が似ている

楽天証券の窪田氏は、いまの日経平均がアベノミクス相場と似た上昇軌道をたどっていると指摘しています。似ているからこの先も同じになる、とは私は思いません。ただ、過去の局面を手がかりに自分の持ち株を点検するくらいはできます。

相似2:海外からの資金が入っている

海外投資家の2025年度の日本株買越額は10兆3,375億円で、22年ぶりの高い水準でした。2003年以来の規模です。

時期 買い越し額 補足
2025年1〜12月 現物約5.4兆円 事業法人の自社株買い10.5兆円と重なった
2025年8月 現物・先物合計1兆5,170億円 5月から4カ月連続の買い越し
2025年10月第1週 現物1兆2,398億円 2013年4月以来12年半ぶりの水準
2025年度(4月〜2026年3月) 10兆3,375億円 22年ぶりの高水準
2026年年初〜2月末 現物の買い越しが続く 日経平均は+16.7%

アベノミクスのときは2013年の1年で約15兆円、2013〜2015年の3年で約30兆円が入りました。いまは1年で10.3兆円。規模は当時より小さいので、「アベノミクス序盤の再来」と見る人もいます。そう決めつけるつもりはありませんが、お金の向きは確かに日本に来ています。

海外投資家はなぜ日本を選んでいるのか

  • 中国からの資金の受け皿になっている:中国経済の減速や米中の摩擦、台湾を巡るリスクで、海外の資金が中国株から移動しています。その先のひとつが日本です。
  • 積極財政への期待:防衛費のGDP比2%前倒し、賃上げ支援、設備投資減税などが、日本企業の利益が構造的に増えるシグナルとして受け止められています。
  • 東証のガバナンス改革:2023年からのPBR1倍割れ企業への改善要求を受けて、自社株買いと増配が加速しました。2025年の事業法人による現物の買い越しは約10.5兆円で、その多くが自社株買いと見られています。
  • 円安でドルベースでは安く見える:1ドル150円台後半という水準では、海外から見た日本株の値段が下がります。そこに円安で利益が伸びる輸出企業や商社が重なります。
  • 米国株一辺倒のリスクを分散したい:S&P500のPERは27倍と歴史的に高く、AI関連の過熱感もあります。その分散先として日本が選ばれている面があります。

どんな投資家が入ってきているのかも調べてみました。ノルウェー政府年金基金(約340兆円、日本株を300社以上保有)、シンガポールのGIC(推定100兆円超)、ブラックロック(約1,000兆円超、日本では356社を保有)、バンガード(約900兆円超)、ステート・ストリート(約700兆円)、アブダビ投資庁とサウジアラビアのPIF(それぞれ約100兆円)、カリフォルニア州の年金基金CalPERSとCalSTRS(約60兆円と約50兆円)。運用規模はいずれも2026年初めごろの数字です。

こうした大きな資金が日本で買っているのは、メガバンク(8306、8316)、商社(8001、8031、8053)、保険(8725、8766)、通信(9432 NTT、9433 KDDI)、トヨタ、ソニー、キヤノンといった会社です。私が持っているものと重なります。自分の判断が正しいという証拠にはなりませんが、長く持つつもりの投資家と同じ会社を持っているのは、私には心強いことでした。

相似3:日本が地政学的に必要とされている

朝鮮特需では米ソの対立で日本がアジアの工場になりました。いまは米中の対立で、半導体・防衛・サプライチェーンの拠点として日本の名前が挙がっています。その具体例を6つ、金額と場所まで調べました。

TSMC熊本工場

第1工場は2022年4月着工・投資額約1兆2,700億円で2024年2月に完成。第2工場は2025年10月に着工し、2026年2月に投資額170億ドル(約2.6兆円)規模へ拡大、回路線幅3ナノメートルの最先端半導体を国内で初めて量産する計画です。経産省は最大7,320億円の支援を決め、3ナノ化に伴う追加支援も検討されています。熊本県への経済効果は2022〜2031年の10年で約11.2兆円(九州フィナンシャルグループ試算)、2025年度の県内投資額は2兆1,439億円で、その96%がTSMC第2工場でした。

なぜ日本で作るのか。日本は先端半導体の多くを台湾からの輸入に頼っていて、台湾が封鎖されるような事態になれば、自動車部品や携帯電話、医療機器、ロボットの生産に支障が出ます。供給網を国内に持つことが経済安全保障の一環として進められている、という整理です。JASMにはトヨタ自動車、ソニーセミコンダクタ、デンソーが出資しています。

ラピダス(北海道千歳)

千歳市の「IIM-1」で2025年4月1日に試作ラインが稼働し、2027年度後半から2ナノ世代の量産を目指しています。総投資規模は道内で過去最大の5兆円規模、政府支援は2025年3月末の追加8,025億円で累計1兆7,225億円。出資はキオクシア、ソニーグループ、ソフトバンク、デンソー、トヨタ自動車、NEC、NTT、三菱UFJ銀行の8社です。2027年度には第2工場の着工も計画されています。

経産省経済安全保障室の西川和見室長は、ここまで手厚く支援する背景に米中対立があり、台湾有事で半導体の供給が止まれば広い範囲に影響が出ると述べています。ラピダスの技術者100人超がIBMのニューヨーク州オールバニで技術を学んでいることも報じられました。

私が持っているもののうち、ここに関わるのは8306 三菱UFJと9432 NTT、それにインフラ建設の波及という意味で1414 ショーボンドHDです。

対米投資5,500億ドル(約87兆円)

項目 金額
総額 5,500億ドル(約87兆円)を米国に投資する代わりに関税を15%に
第1号案件(2026年2月) 合計360億ドル(約5.5兆円)。ガス火力発電、原油積み出し港、人工ダイヤモンド
第2号案件(2026年3月) GEベルノバ日立の小型モジュール炉(SMR)が最大400億ドル、ペンシルベニア州の天然ガス発電施設が最大170億ドル
第2号案件の総額 最大730億ドル(約11兆5,000億円)
農産品の購入 米国産のトウモロコシ、大豆、コメ、エタノールを80億ドル(約1兆2,000億円)分

関税を投資で代替する取り決めです。お金は米国に流れますが、重要鉱物やエネルギー、原子力の分野では日本企業が受注する側になります。GEベルノバ日立は日立(6501)とGEの合弁、SMRは三菱重工(7011)やIHI(7013)の分野、LNGは8001 伊藤忠商事・8031 三井物産・8053 住友商事が世界の貿易で主要なプレイヤーです。

レアアースの供給網と南鳥島の海底資源

2026年3月19日の日米首脳会談で「重要鉱物サプライチェーン強靱性のための日米アクションプラン」が発表され、13件の案件が選ばれました。日本の南鳥島周辺のレアアース泥とマンガン団塊については、深海鉱物資源開発に関する協力覚書が締結されています。

レアアースの世界供給の約60〜70%は中国が握っているとされます。輸出が止まるだけでEVやスマートフォン、防衛装備品の生産に影響が出る構造なので、日米で供給網を分散させようという動きです。鉱物資源の開発や調達では8031 三井物産と8001 伊藤忠商事が主要なプレイヤーです。

防衛費のGDP比2%前倒し

項目 数字
2025年度の防衛予算 8兆7,005億円
2026年度の防衛予算 9兆353億円(前年度比+3.8%)
GDP比2%目標 2025年度補正に1兆1,000億円を計上し2年前倒しで達成
三菱重工の防衛・宇宙受注 従来の5,200億円規模から、2024年3月期・2025年3月期は各1兆8,000億円台へ

前倒しの背景には、台湾を巡る情勢と米国からの増額要請があると報じられています。注目されているのは7011 三菱重工、7012 川崎重工、7013 IHI、6701 NECなどです。私がこの分野で持っているのは9432 NTTだけで、防衛専業の会社は持っていません。

米国産原油の共同備蓄

2026年3月の日米首脳会談で、米国産エネルギーの生産拡大に協力することが確認され、米国から調達する原油を備蓄する共同事業の構想が伝えられました。ホルムズ海峡の混乱で原油の調達リスクが高まっているなかでの話です。関わるのは8001 伊藤忠商事、8031 三井物産、8053 住友商事(原油・LNGの調達)、9069 センコーグループHD(物流)、9513 J-POWER(電力の安定供給)といった会社です。

アベノミクスのときにはなかった3つの条件

  • 円安の水準が違う:アベノミクスの開始時は80円から120円へと1.5倍でした。いまは1ドル150円台後半が定着し、2026年4月30日時点では160円です。
  • 資源高が続いている:中東情勢を背景にエネルギーコストが上がり、物価高が企業の値上げと利益率の改善につながっています。
  • 金利のある世界に戻った:10年債の利回りが2.0%を超えました。今村証券の水間氏は、日本経済の構造的な変化でいちばん恩恵を受けるのは金融だと指摘しています。

2026年に注目されているテーマと、私の保有状況

政府は17の戦略分野を掲げていて、関連する会社に注目が集まっています。以下は私の保有状況の紹介で、これらを買うことをおすすめするものではありません。

テーマ よく名前が挙がる会社 私の保有
防衛・重工業 7011 三菱重工、7012 川崎重工、7013 IHI、7721 東京計器 持っていません
銀行・金融 8306 三菱UFJ、8316 三井住友FG、8309 三井住友トラスト すべて保有
保険 8725 MS&AD、8766 東京海上、8750 第一生命 すべて保有
商社 8001 伊藤忠、8031 三井物産、8053 住友商事 すべて保有
インフラ・建設 1808 長谷工、1928 積水ハウス、1951 エクシオG すべて保有
通信 9432 NTT、9433 KDDI、9436 沖縄セルラー すべて保有
電源・エネルギー 9513 J-POWER、1605 INPEX J-POWERのみ保有

私の口座は、結果として「いま注目されている分野」と重なる会社が多くなっています。ただ、注目されたから買ったわけではありません。配当を続けていて、本業で稼いでいて、事業の内容が私にもわかる会社を選んできたら、こうなっていた、というだけです。

金利のある世界で、私が見ている金融の会社

水間氏が言う「日本経済の構造的な変化」は、3つに整理できると思います。金利のある世界への回帰(政策金利0.75%、長期金利2.3%台)、インフレの定着、東証のガバナンス改革。この3つが同時に効くのが金融です。以下は私の保有状況の紹介です。

3メガバンク

3メガバンクの2025年4〜12月期の連結純利益は合計で約4.2兆円、3年連続で過去最高を更新しました。日銀の利上げによる資金利益の押し上げは、2026年3月期通期で7,000億円程度と見込まれています。

コード 会社 配当利回りの目安 配当方針 私の保有
8306 三菱UFJFG 約3〜4% 累進配当。自社株買いにも積極的 保有
8316 三井住友FG 約3〜4% 減配せず維持か増配を目指す累進配当 保有
8411 みずほFG 約3〜4% 累進配当方針 持っていません

私はMUFGとSMFGを持っていて、みずほは持っていません。3メガが揃っていないのは単に順番の問題で、今後どうするかは自分で決算を読んでから考えます。

信託銀行

コード 会社 特徴 私の保有
8309 三井住友トラストG 信託業務と年金運用が主力。金利上昇でもガバナンス改革でも恩恵を受けやすい 保有
8308 りそなHD 信託機能を持つ商業銀行。中堅企業との取引が強み 持っていません

信託は、金利の上昇とNISA・投信の広がりの両方が効く珍しい業態だと私は受け止めています。

保険

保険会社は受け取った保険料を債券などで運用するので、金利の上昇が運用環境の改善につながります。

コード 会社 配当利回りの目安 特徴 私の保有
8725 MS&ADインシュアランス 約3.5〜4% 三井住友海上・あいおいニッセイ同和を傘下に持つ 保有
8766 東京海上HD 約3.5〜4% 10年以上連続で増配 保有
8750 第一生命HD 約3.5〜4% 国内最大級の生保 保有
8630 SOMPOホールディングス 約3.5〜4% 損保ジャパンが中心 持っていません
8795 T&D HD 約3.5〜4% 太陽生命・大同生命が中心 持っていません

リース・その他の金融

三菱HCキャピタルは2026年3月期で27期連続の増配を発表しました。1999年3月の終値128円から2025年5月の終値1,008円まで7.8倍になっています。連続増配の期数では国内で最長です。

コード 会社 配当利回りの目安 特徴 私の保有
8593 三菱HCキャピタル 約4.4% 27期連続増配の見通し。累進配当の代表格 保有
8591 オリックス 約3〜4% 多角的な金融事業 保有
8424 芙蓉総合リース 約3.5% みずほ系。累進配当 保有
8584 ジャックス 約3.5% MUFG系の信販。ASEANで展開 保有
8473 SBIホールディングス 約3.5〜4% ネット証券最大手 持っていません

地方銀行

大和アセットマネジメントの富樫氏は、割安な地銀株は株価水準の見直しが進むと見ています。一方で注意も必要です。2026年3月期は金利の急上昇で債券の特別損失が相次ぐ可能性があり、債券運用への依存度が高い金融関連は警戒度を上げておいたほうがよい、という指摘もあります。

コード 会社 配当利回りの目安 特徴
7186 コンコルディアFG(横浜FG) 約3〜4% 地銀で時価総額が最大。東京・神奈川が基盤
7164 全国保証 約3.5% 住宅ローン保証。累進配当
7167 めぶきFG 約3.5% 茨城・栃木が地盤
8358 スルガ銀行 約4% 個人向けローンに特化
8369 京都FG 約3.5% 有価証券運用に強み
7150 島根銀行 約4% 山陰の地銀

地銀は、金利上昇で利ざやが広がる一方、保有債券の含み損や地域経済の縮小という逆風も抱えています。会社ごとの差が大きい分野だと思っていて、私は現時点で地銀を1社も持っていません。自分で決算を読み切れる自信がなかったからです。

累進配当という考え方

累進配当とは、減配せず、配当の維持か増配だけを行う方針のことです。東証のガバナンス改革と、海外投資家からの株主還元要求、自社株買いとセットで企業価値を上げる流れのなかで、この方針を掲げる会社が増えてきました。

コード 会社 配当方針の状況
8306 三菱UFJFG 累進配当方針
8316 三井住友FG 減配せず維持か増配を目指す累進配当
8411 みずほFG 累進配当方針
8593 三菱HCキャピタル 27期連続増配の見通し
8424 芙蓉総合リース 累進配当方針

私が金融で持っているのは、銀行・信託が3社(8306、8309、8316)、その他の金融が4社(8424、8584、8591、8593)、保険が3社(8725、8750、8766)の計10社です。これを増やすかどうかは、毎年の決算と配当方針を見ながら決めています。

いただいた3つのご質問への、私の答え

1. 「インフレ率をカバーするくらいの配当しかないから、インデックスのほうが増える?」

配当だけを見れば、たしかにそうです。配当利回りが年3.5〜4%で、インフレ率が2〜3%なら、実質で残るのは1〜2%です。

ただ、高配当の会社を持つ目的は配当だけではありません。配当3.5〜4%に株価の成長3〜4%を足したトータルで見ると、年7〜8%になります。この水準は、記事の最初に並べた日経平均やオルカンとほぼ同じです。配当だけで比べると、会社が育った分が抜け落ちてしまいます。

参考までに、日経平均(配当込み)の年間リターンは2023年が+30.96%、2024年が+21.33%、2025年が+28.65%でした。この3年はインデックスが非常に強かった期間です。これが続く前提では考えないようにしています。

そして税金の話に戻ります。手取りで比べるなら、課税口座ではインデックスの取り崩しのほうが有利になりやすい。それでも私が配当を選んだ理由は、前の章に書いた5つです。「増えるかどうか」ではなく「続けられるかどうか」で選びました。

2. 「株価2倍の高配当株と、利回り10%超のインデックス、どっちを選ぶ?」

私の考えでは、どちらかを当てにいかないほうがいいと思っています。「株価が2倍になる会社を事前に選ぶ」のも「年利回り10%超が続くインデックスを事前に選ぶ」のも、私には当てられません。

私がやっているのは、配当4%の会社が年4%ずつ育つのを20年続ける、という地味な想定です。それだけでも複利で2.5倍を超えます。当てにいかなくていいところが、私には合っていました。

両方持つという答えもあると思います。配当は「いま使えるお金」を作る仕組み、インデックスは「10年後の自分」のための仕組み。役割が違うので、どちらかを捨てる必要はありません。

3. 「インデックス3割・高配当株3割・外貨建て3割」はどうか

方向性としては、私もいいと思います。そのうえで、もし私が50代後半から60代で同じことを考えるなら、こう置くだろうという案を書いておきます。あくまで私の場合の置き方です。

資産 ご質問者さんの案 私ならこう置く 理由
日本の高配当株 30% 40% 円で配当が入るので生活費と同じ通貨で受け取れる
米国インデックス(S&P500・オルカン) 30% 30% 成長の部分。新NISAの枠を使う
外貨建て(米国高配当ETFを含む) 30% 20% 配当と為替の両方。ただし為替の振れが大きい
現金・債券 10% 10% 下げたときに買い増すための余力

高配当株を少し厚めにしたのは、リターンを上げるためではありません。配当が入ってくると下げている局面でも持ち続けられる、という私自身の性格に合わせた配分です。ここは人によってまるで変わるところだと思います。

日本に投資してほしい、と国が言っている局面で

2025年10月28日、高市首相が来日したトランプ大統領に「JAPAN IS BACK」と金色で記した黒い帽子を贈りました。首相が総裁選で繰り返したキャッチフレーズで、トランプ氏がよくかぶる赤い帽子を模したものです。金沢の金箔でコーティングしたゴルフボールとティー、松山英樹選手のサイン入りゴルフバッグも同時に贈られました。

日経平均が5万円を超えたのは、その前日の10月27日。海外投資家の月間買い越しが最大になったのも10月でした。前後関係だけで原因と決めつけることはできませんが、空気が変わった月だったのは確かだと思います。

2025年12月1日には、東京で開かれたFII(未来投資イニシアチブ)Asia Summitで、高市首相が『進撃の巨人』のセリフを引用して日本への投資を呼びかけました。サウジアラビア政府主導の投資家会議で、世界のソブリンファンドや大手運用会社が集まる場です。先に名前を挙げたノルウェー政府年金基金、サウジアラビアのPIF、アブダビ投資庁、ブラックロック、バンガードといった主要なところがほぼ揃っていました。

政府は危機管理投資という言葉を使っています。経済安全保障、食料、エネルギー、健康医療、国土強靱化といった分野で、官民で先手を打つ投資という意味です。AI・半導体、造船、量子、バイオ、航空・宇宙、サイバーセキュリティなど17の戦略分野が定められています。

私はこういう話を読んでも、テーマで買うことはしません。ただ、持っている会社の事業がこの流れのどこに当たるのかは、知っておきたいと思っています。

私が守っている考え方

ウォーレン・バフェットの言葉として広く知られているものに、他人が貪欲なときに恐れ、他人が恐れているときに貪欲であれ、という考え方があります。いまの市場は上向きの空気のほうが強いので、私は慌てて大きな金額を入れないようにしています。

私が過去の下げ局面で買い増したのは、1343(J-REIT)、4540 ツムラ、8130 サンゲツ、5108 ブリヂストン、1414 ショーボンドHD、4042 東ソー、4008 住友精化、3076 あいHD、7994 オカムラ、2003 日東富士製粉、1928 積水ハウスといった会社でした。景気が悪くても人が必要とするものを作っている会社、という共通点があります。

この基準が正しいかどうかは、10年後にしかわかりません。ただ、自分で説明できる基準を持っていないと、下げた日に売ってしまう。私はそれがいちばん怖いので、基準を書いて貼っています。

まとめ

長くなったので、要点だけ残します。

  • 年率リターンで見ると、日本の高配当株は7〜8%で日経平均とほぼ互角、オルカンと同水準、S&P500にだけ年2〜3%及びません。インデックスが圧勝という前提は数字からは出てきません。
  • 一方で、税金と社会保険料だけで比べれば、課税口座ではインデックスを必要な分だけ取り崩すほうが有利になりやすい。配当は受け取った全額が課税の対象で、売却は利益の部分だけだからです。
  • それでも私は配当を選びました。売る判断をしなくていい、下げている局面で元本を削らない、含み損を見ながら売り続けなくていい。効率ではなく続けやすさで決めました。
  • NISAの枠の中なら配当も非課税なので、税金の差はそこでは出ません。私は枠を配当が入る会社で埋めています。
  • 歴史を見ると、日本が地政学的に必要とされた局面では商社・銀行・保険・インフラが伸びてきました。いま同じ分野に注目が集まっていますが、テーマで買うのではなく事業と配当の継続性で選ぶようにしています。

どちらが優れているかという問いには、私は答えを持っていません。持っているのは「私はこう決めました」という話だけです。それが、同じことで迷っている方の材料になればうれしいです。

※本記事の数字は2026年4月時点のもので、その後変わります。リターンや配当利回りは概算値です。税制や社会保険料の扱いはご本人の状況によって変わるため、具体的な判断は税理士や各窓口にご確認ください。

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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。

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