「かおるさん、最初は何を買ったんですか?」——いちばんよく聞かれる質問です。答えは、2022年当時「銀行株は死んだ」「オワコン」とまで言われていた銀行株でした。三菱UFJ、三井住友FG、第一生命HDの3銘柄に、最初の10万円を投じています。
その後、追加の投資はしていません。それでも受け取る配当は約3.3倍になりました。この記事では、なぜ当時その3銘柄を選んだのか、4年たった今の基準で当時の判断を採点し直すと何点になるのか、そしてこれから始める方に伝えたい3つの鉄則を、包み隠さず書きます。 ※本記事は筆者個人の投資記録の共有であり、特定銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。詳しくは記事末尾の免責事項をご覧ください。
2022年、「銀行株は死んだ」と言われていた
2022年当時、銀行株は「万年割安株」と呼ばれていました。そんな中で、私が最初の10万円で投資したのが、三菱UFJ・三井住友FG・第一生命HDの3銘柄です。
| 三菱UFJ (8306) | 三井住友FG (8316) | 第一生命HD (8750) | |
|---|---|---|---|
| 2022年の株価水準 | 概ね600〜780円、12月YCC修正後に800円台後半へ急騰 | 分割前 概ね3,800〜5,500円 | 分割前 概ね2,000〜3,000円 |
| 株式分割 | なし | 1→3(2024年10月) | 1→4(2025年4月1日効力発生) |
| 取得単価(分割調整後) | 904円 | 1,746円 | 611円 |
| 現在値 | 3,510円 | 6,629円 | 1,839.5円 |
| 含み益率 | +288% | +280% | +201% |
| 評価額 | 約225万円 | 約324万円 | 約318万円 |
※評価額の合計(約867万円)は、その後の買い増しも含んだ金額です。最初の10万円がそのまま867万円になったわけではありません。
きっかけは日銀のサプライズだった
買ってから間もない2022年12月19〜20日、日銀の金融政策決定会合で、長期金利の変動許容幅が±0.25%から±0.50%へ拡大されました(YCC修正)。市場のほとんどが予想していなかったサプライズで、この日を境に銀行株は一斉に上昇し始めました。 正直に言うと、私はこの金利の転換を予測していたわけではありません。やったのは、条件に合う株を買って、配当をもらいながら持ち続けること。それだけでした。結果として、追い風のほうから後からやってきた形です。予測ではなく、基準と継続がすべてでした。
配当はこう育った(株式分割調整後・1株配当)
| 2022年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期(会社予想) | 何倍? | |
|---|---|---|---|---|
| 三菱UFJ | 28円 | 86円 | 96円 | 約3.4倍 |
| 三井住友FG | 35円 | 78.5円 | 90円 | 約2.6倍 |
| 第一生命 | 20.75円 | 54.5円 | 72円 | 約3.5倍 |
わずか5年で配当が2.6倍から3.5倍に増えました。奇跡ではなく、毎年の増配が積み重なった結果です。三菱UFJの増配率は+14%、+28%、+56%、+34%と、毎年これだけ増やしてきました。第一生命は2011年の4円から数えると16年で18倍です。
追加投資ゼロで、配当は約3.3倍に
私の最初の10万円分の配当は、1株も買い足さなくても、そのまま育ちました。買った2022年当時の年間配当は約3,700円(10万円に対して利回り約3.7%)。2027年3月期の会社予想ベースでは、年間配当は約12,100円(最初の10万円に対して約12%)です。株数は同じ、追加投資はゼロ。株価が上がったからではなく、会社が配当を増やしてくれたからこそ増えた金額です。 「でも今の三菱UFJの利回りって2.7%くらいですよね?」——その通りです。今から買う人にとっては。ただ、私の取得単価904円に対して、96円の配当は利回り10%超になります。同じ株を持っていても、いつ・いくらで買ったかによって、受け取る利回りは大きく変わります。
当時の判断を、今の基準で採点してみる
今使っている「10の条件」で、2022年当時の判断を振り返ってみます。
| 判断 | 採点 | コメント |
|---|---|---|
| 利回り・PBR・減配歴・配当性向のチェック | ◎ | 数字で確認してから買った。この習慣が今の10の条件に育った |
| 嫌われている時に買った | ◎ | 「数字は合格なのに値段だけ安い」状態を、条件のおかげで冷静に見抜けた |
| 単元未満株の活用 | ◎ | 10万円を「足りない」と嘆かず、S株数株からでも始めた |
| 金融株3点集中 | △ | 結果オーライだが、セクター分散はゼロ。金融危機が来れば3つ同時に沈むリスクがあった |
| 事業の中身の理解 | × | 銀行がどう儲けるか、金利と利ざやの仕組みまでは、正直分かっていなかった |
条件のチェックは正しかった一方、完璧な投資だったわけではありません。同じことをもう一度やって、同じ結果になる保証はどこにもありません。だからこそ今は多数の銘柄に分散し、10の条件を業種ごとに使い分けながら選んでいます。そして、金融株はもう当時の値段には戻っていません。今から同じ銘柄を買っても、2022年の再現にはならないと考えています。
これから始める人への3つの鉄則
鉄則1:株価ではなく「価値」を見る。 毎日の株価は、いわば人気投票です。2022年の金融株は人気投票では最下位でしたが、本業で稼ぐ力や配当を払い続ける力といった「価値」は損なわれていませんでした。値段が下がった株ではなく、価値より値段が安い株を探すのがスタートラインです。 鉄則2:「割安で放置されている優良企業」の中から、増配する高配当株を探す。 利回りが高いだけの株は買いません。高利回りの中には「危ないから安い」ものも混ざっているためです。数字は合格なのに人気がなく安く放置されている、毎年配当を増やしてくれる会社を探します。 鉄則3:長く持ち続けられる基準で選ぶ。 数字の基準を満たして買った株は、株価が下がっても売る理由がありません。上がっても売る理由もありません。ここが投資を続けられるかどうかの分かれ道です。
まとめ
4年前の三菱UFJのような「数字は合格なのに、値段だけが安い株」を、今も探し続けています。
よくある質問
なぜ2022年に銀行株は「オワコン」と言われていたのですか?
長く続いた低金利で銀行の収益が伸びにくく、株価が長期間放置されて「万年割安株」と呼ばれる状態が続いていたためです。
最初の10万円で買ったのは、どの3銘柄ですか?
三菱UFJ、三井住友FG、第一生命HDの3銘柄です。これは筆者個人の投資記録であり、特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。
追加投資をしていないのに、配当が約3.3倍になったのはなぜですか?
各社が増配を続けたためです。保有株数が同じでも、1株あたりの配当が増えれば受け取る金額は増えます。ただし増配は保証されたものではなく、業績によっては減配・無配となる可能性があります。
これから始める人が、最初に確認しておくとよいことは?
記事内では、①「価値」と「値段」を分けて考える、②割安に放置された増配企業を探す、③長く持ち続けられる基準で選ぶ、という3つの鉄則を挙げています。
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