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2009年、日経平均が7,000円台まで下がったとき、「日本株はもう上がらない」と言われていました。そのときから毎月3万円をTOPIXに積み立てて、途中の暴落でも売らなかった人は、いくらになっていたのか。自分で計算してみました。
先に答えを書くと、投資総額621万円が約2,300万円、元本の約3.7倍という概算になりました。この記事では、その計算の前提と、一括投資・毎日積立との比較、配当再投資の効果、そして私がこの数字をどう受け止めているかを書きます。
※本記事は公開データにもとづく私の概算であり、将来の成果を約束するものではありません。特定の商品を推奨するものでもありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。
計算の前提
- 投資開始:2009年3月10日(日経平均終値7,054.98円、TOPIX 703.50)。リーマンショック後の底値圏です
- 計算終了:2026年5月25日(日経平均が初めて終値で6万5,000円を超えた日。65,158.19円、TOPIX 3,942.57)
- 運用期間:約17年2か月
- 投資対象:JPXの「配当込みTOPIX」(値上がりだけでなく配当の再投資も含めるため)
- 毎月積立は毎月10日に3万円。207回で投資総額621万円
- 税金・売買手数料・信託報酬は考慮しない
ひとつ正確に書いておくと、日経平均が7,000円台になったのはバブル崩壊直後ではなく、リーマンショック後の2009年3月です。この日から投資を始めた人は、リーマンショックそのものを乗り越えたのではなく、その後の東日本大震災、欧州債務危機、コロナショック、急激な円高・円安でも売らなかった人、ということになります。
3つの投資方法の結果
| 投資方法 | 投資総額 | 2026年5月の資産額 | 増えた金額 | 元本に対するリターン |
|---|---|---|---|---|
| 毎月3万円積立 | 621万円 | 約2,302万円 | 約1,681万円 | 約+271%(約3.7倍) |
| 621万円を最初に一括投資 | 621万円 | 約5,131万円 | 約4,510万円 | 約+726%(約8.26倍) |
| 毎営業日約1,500円積立 | 621万円 | 約2,297万円 | 約1,676万円 | 約+270%(約3.7倍) |
毎月3万円を積み立てた人
621万円が約2,302万円。途中には東日本大震災、欧州債務危機、コロナショックがありました。それでも売らずに積み立てた結果です。大切なのは、安い時期にも積み立てたことです。株価が下がったときに同じ3万円で多くの口数を買えたため、その後の上昇で資産が大きく増えました。
621万円を最初に一括投資した人
約5,131万円、年平均の複利成長率は約13.1%。結果が大きい理由は、621万円の全額が最初から約17年間運用されたからです。ただし大きな前提があります。一括投資した人は2009年の時点ですでに621万円を持っていて、しかも「もう日本株は終わり」と言われた底値圏で入れた、ということです。毎月積立の人は17年以上かけて621万円を入れています。運用されていた時間がまったく違うので、単純に「一括が正しい」とは私は言いません。
毎日積み立てた人
621万円を取引日に均等に投資すると1日あたりおよそ1,500円。結果は約2,297万円で、毎月積立との差は約5万円程度。17年間の運用結果としては非常に小さな差です。今回は毎月積立を月の前半に行う前提にしたので、こちらがわずかに有利になりましたが、購入日を変えれば逆になることもあります。毎日積立と毎月積立で長期的な結果に大きな違いはなく、続けやすい毎月積立で十分だと私は思っています。
配当再投資の効果
株価だけのTOPIXは、この期間に703.50から3,942.57へ約5.60倍(約+460%)。配当込みTOPIXは849.92から7,022.16へ約8.26倍(約+726%)。長期投資では、値上がりだけでなく配当を再投資して次の利益を生む複利の効果が、これだけ大きかったことがわかります。
私の考えは「種銭は労働、成長は企業、老後は配当」です。この数字は、企業が働いてくれた分と、配当がまた企業に働きに行った分の積み重ねだと受け止めています。
私がこの数字から受け取ったこと
大切なのは積立回数を増やすことではありませんでした。暴落のたびに怖くなって売らず、配当を再投資しながら市場に居続けることです。もちろん、これからも同じリターンになる保証はありません。しかし、悲観論が広がった2009年に投資をやめず、その後も続けた人が報われたことは、実際の歴史が示しています。
私自身が資産を増やせたのも、2020年3月にコロナで相場が崩れたときに、投資している会社の中身がわかっていたから買い続けられたことが大きいと思っています。
チャーリー・マンガーの「ゲームから退場しない」
ウォーレン・バフェットの相棒だったチャーリー・マンガーの考え方で、私がいちばん大事にしているのが「大きく勝とうとする前に、致命的に負けないこと」です。ホームランを何本打つかより、ゲームから退場しないことのほうが重要、という考え方です。
100万円が50%減ると50万円。「50%上がれば元に戻る」と思いがちですが、50万円から100万円に戻すには100%の利益が必要です。
| 損失 | 元に戻るために必要な利益 |
|---|---|
| −10% | +11% |
| −20% | +25% |
| −30% | +43% |
| −50% | +100% |
| −75% | +300% |
| −90% | +900% |
大きな損失ほど回復が急激に難しくなります。途中で大損すると、複利のエンジンそのものが小さくなってしまう。だからマンガーは「どうすれば大儲けできるか」だけでなく「どうすれば致命傷を避けられるか」を重視しました。「反転して考える」という発想で、「どうすれば投資で破滅するのか」と考えると、避けるべきものが見えてきます。理解できないものへの投資、過剰な借金、割高な価格での購入、感情的な売買、一つの予想への過度な依存。
私はこれを一文にまとめて覚えています。「勝とう」と考えるより、「退場するような負け方だけはしない」と考える。生き残っていれば、複利と時間が味方になってくれる。
山崎元さんが伝えていたこと
私が投資を始めるときに背中を押してくれた一人が、経済評論家の山崎元さんです。証券、信託銀行、生命保険、資産運用と、金融商品を作る側・売る側を実際に経験した方で、「金融機関の利益と顧客の利益は必ずしも一致しない」「高コストな金融商品を避ける」「保険と運用を分けて考える」と繰り返し伝えていました。
株式運用は、広く分散された低コストのインデックスファンドで十分組み立てられる。不安になるたびに商品を探し直さなくていい。この考え方は、私の積立の土台になっています。銀行にも証券会社にも保険会社にもそれぞれのビジネスがあり、その利益の一部は私たちが払う手数料から生まれます。一回一回は小さく見えても、10年、20年、30年と続く運用では大きな差になります。だから私は「誰がこの商品を売ることで利益を得るのか」を、自分で考えるようにしています。
50代・60代は「続けられる金額」にすること
老後資金でも、来年使うお金と15年後に使うお金では運用できる期間が違います。生活費や近いうちに使うお金は預金で確保し、長く使わない部分で積み立てる。これが下落時に慌てて売らずに済む備えになります。家計や使う予定が変わったなら減額や休止も合理的ですが、値下がりや円高だけで長期計画を変える必要はないと私は考えています。長期投資でも損失はあり得るので、商品選びと同じくらい、投資する金額が大切です。
まとめ
- 2009年3月から2026年5月まで、配当込みTOPIXに毎月3万円を積み立てると、621万円が約2,300万円(約3.7倍)の概算
- 一括投資なら約5,100万円だが、底値圏で621万円を持っていた人の話。運用時間がまったく違う
- 毎日積立と毎月積立の差は約5万円。続けやすい方で十分
- 配当込みは約8.26倍、株価だけなら約5.60倍。配当再投資の複利が大きい
- 大切なのは、暴落のたびに売らず、市場に居続けること。「退場しない」こと
※金額は配当込みTOPIXを使った概算です。実際の投資信託では、信託報酬、指数とのずれ、購入日、休日などによって結果が変わります。
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