※本記事にはプロモーション(PR)が含まれます。
先に結論を書きます。ショーボンドホールディングス(1414)は、新しい橋や道路を作る会社ではなく、すでにある橋やトンネルを直す会社です。材料づくりから工事までを自分のグループでやっているので、建設業としては利益率がかなり高く、2024年6月期の営業利益率は23%台でした。一方で、2024年の半ばから株価は長く下げています。仕事の量ではなく、発注のお金と人手が足りない、という理由でした。
この記事は、私が気になって調べた会社の紹介です。私が保有しているかどうかの話ではなく、買うことを勧めるものでもありません。調べたことをそのまま書き残しておきます。
※私は金融商品取引法上の投資助言・代理業の登録を受けていません。この記事は特定の会社の株式の売買を勧めるものではありません。本文の数字は2026年2月時点に確認できたもので、決算の数字は2024年6月期から2025年6月期のものです。最新の数字は会社の決算資料と有価証券報告書でご確認ください。
どんな会社なのか
一言でいうと、コンクリートの治療をする会社です。高度経済成長期に作られた橋や道路が一斉に古くなってきているので、それを直して長持ちさせる工事を専門にしています。国の「国土強靭化」の予算が向かう先にあるため、国策に関わる会社と呼ばれることがあります。
この「古くなった橋がどれだけあるか」は、国土交通省が数字を出しています。長さ2メートル以上の道路橋は全国で約73万橋あり、2023年3月時点で建設から50年以上たったものが約37%。2030年3月には約54%になる見通しです。
この記事の最初の版では「2023年に約40%、2033年には約65%」と書いていました。国土交通省の公表値を確かめて、約37%(2023年3月)と約54%(2030年3月)に直しました。
材料から工事まで自分でやる、という仕組み
私が一番おもしろいと思ったのはここでした。ふつうの建設会社は、材料メーカーから材料を買って工事をします。その間に商社が入ることもあります。そのたびに利益が抜けていきます。
ショーボンドはグループのなかに材料を作る会社(ショーボンド化学)を持っていて、自社で作った材料で自社が工事をします。材料で稼ぐ分と、工事で稼ぐ分の両方が自分のところに残ります。
数字でいうと、2024年6月期の営業利益率は23%台でした。建設業としてはかなり高い水準です。もとの原稿では「15〜20%近く」と書いていたので、決算の数字に合わせて直しました。配当は12期連続で増配しており(予想を含む)、中期経営計画では18期連続増配を目標に掲げています。
自分で材料を作っていると、その材料の癖を一番よく知っているのは作った本人たちになります。だから工事のやり直しが少なく、必要なときには価格でも勝負しやすい。この「自分で作って自分で使う」という形が、利益率の高さにつながっているのだと理解しました。
一度頼むと、他の会社に替えにくい
補修の工事には、もう一つ替えにくい理由があります。
- 材料の相性:前の補修で使った樹脂の上に、成分の違う樹脂を塗ると、くっつかずに剥がれてしまうことがあります。発注する側は、前回と同じ系統の材料を使うほうが安全だと考えます
- 橋のカルテ:コンクリートの内部がどうなっているかは、開けてみないと分かりません。一度工事をした会社だけが、その橋の中の状態を記録として持っています。役所の担当者は数年で異動しますが、記録は会社に残ります
- 責任の切り分け:1回目と2回目を別の会社がやると、あとで不具合が出たときにどちらの責任か分からなくなります。発注する側はそれを避けたいので、同じ会社に続けて頼みやすくなります
インフラは、失敗したときに人の命に関わる分野です。だから「安いところ」より「いつもの会社」が選ばれやすい。これが利益率の高さを支えているのだろうと、私は読みました。
株価が上がった2つの時期
2022年から2023年の初めにかけては、景気が悪くても橋の修理はなくならないという安定感が買われた時期でした。増配を続けていることと、国の防災・減災の予算がついたこと、高速道路会社の大規模な更新工事が本格化したことも重なっています。
2023年の後半から2024年の前半は、日本株全体が強かった時期です。新NISAが始まる前で、安定して配当を出す会社に個人のお金が向かっていました。2024年1月の能登半島地震で、インフラを直さなければという意識が改めて強くなったことも言われていました。
2024年の半ばから下げた理由として言われていたこと
ここが私には一番勉強になりました。仕事がなくなったのではなく、仕事はあるのに進まない、という理由だったからです。市場でこう説明されていたという話として書きます。私自身は一次資料まで確かめられていないので、断定はしません。
- 発注する側のお金が足りない:資材費と人件費が上がりすぎて、発注元の予算が足りなくなり、工事が先送りされた
- 証券会社が業績の見方を下げた:上の事情を受けて、目標株価や投資判断が引き下げられた
- 利益確定の売り:長く上がっていたので、売っておこうという動きが出た
- 関心の移動:安定した建設関連から、AIや半導体のほうへ投資家の関心が移った
- 人手不足:仕事を受けきれないのではないか、という見方が出てきた
最後の人手不足が、私にはいちばん重く感じました。仕事があるのに人がいなくて受けられないなら、売上は伸びません。職人さんの取り合いになれば、人件費が上がって利益率も下がります。工期が伸びれば、その年の売上に計上できず、下方修正につながります。
建設業では2024年から残業の規制が厳しくなり、1人が働ける時間そのものが減りました。ショーボンドは協力会社にも工事をお願いしているので、自社だけでなく協力会社の人手も確保できるかどうかが効いてきます。
人手不足に対して、会社がやっていること
補修は現場ごとに傷み方が違うので、新築のように自動化しきるのが難しい仕事です。それでも、会社の資料では3つの方向で手を打っていると紹介されていました。
- ウォータージェット工法:強い水圧で悪いコンクリートを削り取る方法です。職人が重いブレーカーを手で持つやり方より、少ない人数で、早く、静かに進められます
- プレキャスト化:現場でコンクリートを流して固めるのではなく、工場で作ったブロックを現場で取り付けます。現場の人数が減り、雨の日でも品質が安定します。自社で材料を作っているので、現場で使いやすい製品を自分たちで開発できるのが強みです
- 人を育てる仕組み:茨城県つくば市に技術の研究・研修の拠点を持っていて、実物に近い環境で練習ができるようにしているとされています
もとの原稿には、この研修施設の愛称と「一人前になるまで10年かかるのを3年に短縮した」という数字が書いてありましたが、どちらも出どころを確かめられなかったので外しました。
私がこの会社を追いかけるとしたら、決算資料でプレキャスト製品の売上が伸びているかを見ると思います。工場で作る割合が増えれば、人手不足の影響を受けにくくなり、利益率にも効いてくるはずだからです。
私がこの会社を調べて思ったこと
私はウォーレン・バフェットのやり方を真似しているつもりで、「何で稼いでいるかを自分の言葉で説明できる会社」だけを持つようにしています。その基準でいうと、この会社は説明しやすいほうでした。古くなった橋を直す、材料も自分で作る、一度頼まれたら替えられにくい。ここまでは私にも分かります。
分からないのは、人手不足がこれからどう効くかと、発注する側の予算がいつ戻るかです。そこが読めないので、私はこの会社について「買い」とも「売り」とも言えません。
もう一度書いておきます。これは私が調べた会社の紹介で、私の推奨ではありません。投資の判断はご自身で、決算資料と有価証券報告書を見てからにしてください。私も、気になった会社はまず有価証券報告書を開いて、1株だけ買って様子を見ることにしています。
この記事から削った部分と、その理由
- 「最強の銘柄の一つ」「怪物企業」「隠された秘密」といった言い方。私は投資助言の登録を受けていないので、個別の会社をこういう言葉で持ち上げる書き方はやめました
- 別の会社(容器メーカー)と並べて「どちらがどう客を縛り付けているか」を比べた表。表現が乱暴でしたし、他社の商売を決めつける形になっていたので外しました
- 記事の中ほどに入っていた、絵文字つきの古い証券口座の紹介。記事の末尾のものと二重になっていたので、末尾の正しいほうだけを残しました
- 国土交通省の統計値の誤り、営業利益率の幅、研修施設の愛称と育成期間の数字。確かめられた数字に直すか、外しました
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この記事に書いたような話は、結局その会社の決算資料と有価証券報告書を自分で開かないと確かめられません。私は気になった会社をまず1株だけ買って、株主として資料を追いかけるようにしています。1株から買えると、確かめている途中で大きな金額を動かさずに済みます。私が実際に使っているのは次の2つです。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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