※本記事にはプロモーション(PR)が含まれます。
先に結論を書きます。私は1ドル160円台のときにオルカンとS&P500型の投資信託を買っていて、そのあと円高が進めば、円で見た評価額は下がります。それでも私は、今日の為替だけを理由に積立をやめないことにしました。
これは「一括投資のほうが有利だ」という話ではありません。私の場合は、生活に必要なお金を別に残したうえで、10年以上使わない予定のお金で買っている。その条件が守れている限り続ける、と自分で決めただけです。
条件が違えば結論も変わります。この先さらに円高が進めば、私の評価額はもっと減ります。その可能性を含めて、私がどう整理したかを書きます。
※本記事は私個人の考えと調べたことの紹介であり、特定の会社・商品の購入を推奨するものではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。数字は記載の時点のもので変わります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
世界の企業は危機を経験しながら、長期では育ってきました
世界恐慌、二度の世界大戦、石油危機、金融危機。そうした時代を含む1900年から2024年までの125年間で、世界株式の実質リターンは配当再投資込みで年平均約5.2パーセントだったと紹介されています(UBS Global Investment Returns Yearbook 2025)。
毎年5.2パーセントずつ増えたという意味ではありません。下落を繰り返しながら、長い目で見れば育ってきた、という過去の記録です。
「オルカンは長期で年何パーセント」と語られるとき、円ベースなのかドルベースなのか、物価上昇を差し引いた後なのか。どれを指しているかで意味がまるで変わります。私はそこを必ず確かめるようにしています。
オルカンの参考になる長期データ
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は2018年に設定された商品なので、商品そのものに100年以上の実績があるわけではありません。そこで、この商品が連動を目指す指数の長期データを参考にしています。
物価が年2パーセント程度上がったと仮定すれば、名目ではおおむね年7パーセント台に相当します。ただし物価上昇率は時代によって違うので、「オルカンは年7パーセントで増える」と保証された数字ではありません。
100万円を年5.2%で運用した場合(物価差引後の価値)
| 運用期間 | 物価差引後の価値 |
|---|---|
| 10年 | 約166万円 |
| 15年 | 約214万円 |
| 20年 | 約275万円 |
| 30年 | 約458万円 |
米国株式については、1928年からの約98年間で名目年約10.0パーセント(NYU Stern・Damodaranのデータ)、1900年から2024年までの125年間では名目年約9.7パーセント、物価上昇を差し引くと6パーセント台半ばと紹介されています。名目と実質を分けて見ておくのが正確だと思っています。
100万円を年10%で運用した場合
| 運用期間 | 評価額 |
|---|---|
| 10年 | 約259万円 |
| 15年 | 約418万円 |
| 20年 | 約673万円 |
| 30年 | 約1,745万円 |
この10パーセントは、米ドルベース・配当再投資込み・物価上昇を差し引く前の過去平均です。日本からS&P500型の投資信託を買う場合は、これにドル円の変動が加わります。
全世界株式の指数は米国企業の比率が高いと運用会社の月次レポートで説明されているので、オルカンとS&P500型の値動きは、まったく別物というわけでもありません。具体的な比率は時点によって変わるため、私は最新の月次レポートで確かめています。
私が投資しているのは値動きではなく、企業の稼ぐ力です
私たちは食事をし、電気を使い、買い物をします。企業は、より便利な商品や効率のよい仕組みを考えます。株式を持つということは、その企業活動に参加して、生まれた利益の一部を配当や株価の上昇を通して受け取ることだと考えています。
今日の値段が下がっただけで、その会社が将来利益を生む力まで消えたとは限りません。噂や人気で株価は大きく揺れますが、企業の実力はそこまで急には変わらないと思っています。
これはウォーレン・バフェットのやり方を真似しようとしている立場からの見方です。良い企業を割安なときに買って長く持つ、決算を自分で見る、わからないものは買わない。私はその順番で考えるようにしています。
円高で評価額が下がっても、企業の価値が同じだけ消えたわけではありません
円安のときにオルカンやS&P500型を買い、そのあとに円高が進むと、証券口座の評価額は下がります。100ドルの資産なら、円に直した金額はこう変わります。
| 為替 | 100ドルの円換算 |
| 1ドル160円 | 1万6,000円 |
| 1ドル140円 | 1万4,000円 |
| 1ドル120円 | 1万2,000円 |
ドルでの値段が変わらなくても、円に換算した金額は減ります。これは私にも起きることです。評価額が減るのは、気持ちのいいものではありません。
ただ、これは円に直したときの表示額が変わったということです。企業の売上、利益、技術、工場、ブランドといったものが、円高と同じ割合で失われたわけではない、と私は受け止めています。
運用会社の説明でも、これらの投資信託の基準価額は株価と為替の両方で動くとされています。為替の分と企業の分を分けて見る、というのが私のやり方です。
底を当ててから買うことは、私にはできません
株価の底は、その瞬間にはわかりません。円相場の天井や底も、あとになってから分かるだけでした。2000年以降にはITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックがありましたが、世界株式は2000年から2024年まで物価上昇を差し引いて年平均3.5パーセントのリターンだったと紹介されています(同じUBSの2025年版)。
金融庁の「NISA早わかりガイドブック」(2023年7月版)には、1989年以降の各年に毎月同額ずつ国内外の株式と債券を買った場合の結果が示されています。保有期間5年では100万円が74万円から176万円と大きな幅がありましたが、保有期間20年では186万円から331万円に収まっていました。
幅が狭まったという過去の記録であって、将来も必ずプラスで収まるという保証ではありません。それでも私は、期間を長くとれるお金だけを投資に回す、という線引きの根拠にしています。
為替の目減りと企業の成長を、分けて計算してみました
仮に1ドル160円のときに1,000万円を投じ、その直後に為替だけが動いた場合です。
| 為替 | 円換算評価額 | 為替による下落率 |
|---|---|---|
| 160円 | 1,000万円 | — |
| 140円 | 875万円 | −12.5% |
| 120円 | 750万円 | −25.0% |
| 100円 | 625万円 | −37.5% |
ここだけ見ると怖くなります。
ただ、S&P500が仮に年9%で育ち、その後の為替が変わらないとすると、企業の成長が為替の目減りを取り戻すまでの目安は次のようになります。
| 円高の水準 | 必要な株価上昇 | 年9%成長で追いつく目安 |
|---|---|---|
| 160円→140円 | 約14.3% | 約1年6か月 |
| 160円→120円 | 約33.3% | 約3年4か月 |
| 160円→100円 | 約60.0% | 約5年5か月 |
これは将来予測ではなく、一定の成長率を置いた計算です。年9パーセントという前提そのものが実現しなければ、答えは変わります。
1,000万円を年9%で10年間持ち続けた場合
| 10年後の為替 | 10年後の円換算額 |
|---|---|
| 160円 | 約2,367万円 |
| 140円 | 約2,071万円 |
| 120円 | 約1,776万円 |
| 100円 | 約1,480万円 |
この仮定のもとでは、1ドル160円で買って10年後に100円まで円高になっても、円で見た元本は上回ります。ただし、毎年9パーセントずつ滑らかに増える世界を仮定した表です。実際にはそんな増え方はしません。買った直後に大きく下げる年もあります。
私が見ているのは、買った日の為替だけではなく、企業が育つ時間をどれだけ持てるかというほうです。時間を持てないお金で同じことはしません。
積立を続けている立場から見ると、円高には別の面もあります
すでに持っているオルカンやS&P500型は、円高になると円換算額が減ります。一方で、これから積み立てるお金では、円高になるほど多くの外貨資産を買えます。
| 為替 | 1万円で買えるドル |
|---|---|
| 160円 | 62.5ドル |
| 140円 | 約71.4ドル |
| 120円 | 約83.3ドル |
1ドル160円から120円になると、同じ1万円で買えるドルは約33パーセント増えます。持っている資産には逆風でも、これから買う資産には追い風になる、という両面があります。
値下がりしているときも同じで、1口100円なら1万円で100口、1口80円なら125口買えます。持っている分の評価額が下がるのはつらいです。それでも私は、口数が増える面も一緒に見るようにしています。
ただし、これは積立を続けられる前提の話です。取り崩しが近い人や、まとまったお金を数年以内に使う予定がある人にとっては、円高は単純に不利に働きます。私の受け止め方がそのまま当てはまるわけではないと思っています。
市場平均を上回り続けるのは難しいようです
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの「SPIVA日本スコアカード・2025年中期版」では、日本で販売されるグローバル株式のアクティブファンド(運用者が投資先の会社を選び、市場平均以上を目指す投資信託)について、3年・5年・10年・15年のいずれの期間でも、比較対象の指数を下回った割合が90パーセント超だったと示されています。
これは「この分類・この期間では、9割以上が指数に届かなかった」というデータです。「インデックス投資なら9割の確率で儲かる」という意味ではありませんし、オルカンそのものとの直接比較でもありません。
過去に好成績だったファンドが、これからも上回るとは限りません。一方で手数料は確実に運用成果から差し引かれます。だから私は、広く分散された低コストの商品を持ち続けるやり方を選びました。
大きく勝つ前に、致命的に負けないこと
私がいちばん大事だと思っているのは、大きく勝とうとする前に、致命的に負けないことです。100万円を投資して50パーセント損すると50万円になりますが、50万円から100万円に戻るには100パーセントの利益が必要になります。
| 損失 | 元に戻るために必要な利益 |
|---|---|
| −10% | +11% |
| −20% | +25% |
| −30% | +43% |
| −50% | +100% |
| −75% | +300% |
| −90% | +900% |
大きな損失ほど、回復が急に難しくなります。だから私は、理解できないものに賭けない、生活費を投じない、借入で買わない、という線を自分に引いています。
複利の面でも同じです。100万円が110万円、121万円、133万円と増えていくとき、途中で大きく損をすると、その増え方のもとになる元手そのものが小さくなってしまいます。
この記事では、出典を確認できない発言は引用していません。
まとめ
1ドル160円で買ったから失敗だ、とは私は考えないことにしました。ただ、それは私の条件での受け止め方で、どなたにとっても正しい結論だとは思っていません。
円高が進めば、私の評価額は確かに減ります。逆に、ここから円安が進んで株価も上がれば、たまたま良い買い物になるだけです。どちらになるかは私には読めません。
読めないので、生活に必要なお金を残したうえで、10年以上使わないお金だけで持ち続ける。その条件を守れている限り、今日の為替だけを見て積立をやめない、と決めました。私が投資しているのは、その日のドル円ではなく、これからも利益を生み出そうとする世界中の企業だからです。
※本文中の数値は、記載した前提を置いた場合の試算、または過去の実績であり、将来を予測・保証するものではありません。出典はUBS Global Investment Returns Yearbook 2025、NYU Stern(Damodaran)、金融庁「NISA早わかりガイドブック」2023年7月版、S&P Dow Jones Indices「SPIVA Japan Mid-Year 2025」です。いずれも2026年10月時点で確認したものです。
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