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ミーム株とは、SNSやネット上の掲示板で話題になり、個人投資家の売買が一気に集まって短い期間に大きく動く株のことです。いちばん有名な例が2021年1月のゲームストップ(GameStop、ティッカーGME)でした。当時は「個人がヘッジファンドに勝った」「ショートスクイーズで株価が上がった」と語られましたが、あとから米国証券取引委員会(SEC)が公表した報告書を読むと、少し違う説明になっていました。私が公表資料で確かめた内容をここに整理します。結論として、私はこの種の動きには乗らないと決めました。
※この記事は私が公表資料を読んで整理した記録で、投資や税務の助言ではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、特定の会社や商品の売買を勧めるものではありません。数字は2026年10月時点のものです。
ミーム株とは何か
「ミーム」はもともと、ネット上で真似されながら広がる画像や言い回しのことです。その言葉が株の世界に持ち込まれて、SNSで話題が広がったことをきっかけに売買が集まる会社の株を「ミーム株」と呼ぶようになりました。
特徴として私が見ているのは、次の3つです。
- 話題が先に立つ:会社の業績よりも、SNSでの盛り上がりが先に来ます
- 値動きが速い:短い期間に何倍にもなり、同じ速さで戻ることもあります
- 買う理由が業績でない:決算や財務状況とは別のところに、売買の理由があります
逆に言えば、決算を読んでも次に何が起きるか見当がつかない、ということです。わからないものは買わない、というのが私の土台なので、ここが私にはいちばん引っかかるところでした。
2021年1月のゲームストップに何が起きたのか
ゲームストップは、アメリカでテレビゲームのソフトやハードを店舗で売っていた会社です。ネット配信が広がるなかで店舗型の販売は苦しくなっており、株価が下がると見ていた投資家が多くいました。
その株価が、2021年1月に急に上がりました。1月27日の終値が347.51ドル、翌1月28日には取引中に483ドルまで付けています(いずれも2022年7月の株式分割前の株価です)。年明けの水準は20ドル前後でしたので、1か月足らずでの動きでした。
きっかけになったのは、Reddit(レディット)という掲示板サイトの「WallStreetBets」という板でした。そこで個人投資家が集まり、同社の株を買おうという話が広がっていきました。1月28日には、ロビンフッドなど一部の証券会社が同社株の買い注文を制限し、これがさらに大きな騒ぎになりました。
ショートスクイーズとは何か
当時よく出てきたのが「ショートスクイーズ」という言葉です。仕組みを私の言葉で書いておきます。
株価が下がると見ている人は、株を借りて売っておき、安くなってから買い戻して返すことで利益を得ようとします。これが空売り(ショート)です。ところが株価が上がってしまうと、高いところで買い戻すしかなくなり、損が膨らみます。損を止めるための買い戻しが集まると、その買いがさらに株価を押し上げる。この連鎖がショートスクイーズです。
ゲームストップは、空売りされている株数が、市場で売買できる株数(浮動株)を上回っていたと報じられるほど空売りが積み上がっていました。だから「個人が買い続ければ、空売りした人が追い込まれる」という話に説得力が生まれたわけです。
SECの報告書は何と言っているか
ここが、私が調べていていちばん意外だったところです。
SECの職員が2021年10月18日に公表した報告書(2021年初めの株式・オプション市場の構造に関する報告)では、株価の上昇をショートスクイーズだけで説明してはいません。買い戻しによる買いは期間中の売買全体の一部にとどまり、株価の上昇は幅広い投資家の前向きな見方と、それに伴う買いによって続いた、という整理になっています。
つまり「空売りした人が追い込まれて上がった」という物語よりも、「多くの人が買ったから上がった」という、もっと素朴な説明に近い内容でした。報告書は、この騒ぎが市場の処理能力に負荷をかけたことも指摘しています。
そのあとに変わったこと
この件は、制度の見直しにもつながりました。成立して動いているものとして、私が確かめられたのは次の2つです。
- 決済期間の短縮:SECは2023年2月に、米国株の受け渡しを約定の翌営業日にする「T+1」を決め、2024年5月28日から実施されています。値動きが荒いときに証券会社が積む担保の負担を軽くする、という狙いが説明されています
- 空売りの開示:SECは2023年に、一定規模以上の空売り持ち高を当局に報告させる規則(13f-2)を決めました。どこにどれだけ空売りが積まれているかを、当局が把握しやすくするためのものです
米国議会でも2021年2月に公聴会が開かれ、証券会社や運営者が呼ばれています。騒ぎの原因探しというより、仕組みの弱いところを点検する流れになった、と私は受け取りました。
日本に住む私にとっての意味
日本の市場でも、SNSで名前が広がった会社の株が短期間に大きく動くことはあります。相場が荒れた週に、持っていない会社の名前が急にタイムラインに並ぶと、置いていかれるような気持ちになることもあります。
私は、そういうときは決算短信を開くことにしています。売上と利益がどう動いているか、借金がどれくらいあるか、配当を払い続けられそうか。そこを見ても説明がつかない値上がりなら、それは私の土俵ではないという整理にしています。
私はこう考えて、こう決めました
私はウォーレン・バフェットのやり方を真似しているつもりで、良い会社を割安なときに買って長く持つ、決算は自分で読む、わからないものは買わない、という3つを土台にしています。ミーム株は、この3つのどれにも当てはまりませんでした。
ゲームストップの件を調べて印象に残ったのは、同じ出来事でも、騒ぎの最中の説明と、あとから当局がまとめた説明が違っていたことです。私は、その場の説明で動かないようにしよう、と思いました。急いで決めなくていいようにしておくのが、50代の私にできる備えだと考えています。
もちろんこれは私の決め方で、短い値動きを取りにいく方には別の考え方があると思います。どちらが正しいという話ではありません。
よくある質問
ミーム株とは何ですか
SNSやネット掲示板で話題になり、個人投資家の売買が集まって短期間に大きく動く株のことです。業績よりも話題性が売買の理由になりやすい点が特徴です。
ゲームストップの株価はどこまで上がりましたか
2021年1月27日の終値が347.51ドル、1月28日の取引中には483ドルを付けました。いずれも2022年7月に行われた株式分割より前の株価です。
急騰の原因はショートスクイーズですか
それだけではありません。SECの職員が2021年10月に公表した報告書では、買い戻しによる買いは売買全体の一部にとどまり、幅広い投資家の買いが上昇を支えたという整理になっています。
日本でもミーム株は起きますか
日本の市場でも、SNSで話題が広がった会社の株が短期間に大きく動くことはあります。制度や売買の仕組みは米国と異なりますので、同じようには起きません。
まとめ
- ミーム株とは、SNSで話題が広がり個人の売買が集まって短期間に大きく動く株
- 2021年1月のゲームストップは、1月27日終値347.51ドル・1月28日に483ドル(株式分割前)
- SECの報告書は、上昇をショートスクイーズだけでは説明していない
- その後、米国株の決済はT+1(2024年5月28日から)、空売り持ち高の当局への報告制度も整えられた
- 私は、決算を読んでも説明がつかない値動きには乗らないと決めた
あらためて書いておきます。これは私が公表資料を読んで考えた記録で、特定の会社の株の売買を勧めるものではありません。
参考資料:
- 米国証券取引委員会(SEC)職員による報告書「2021年初めの株式・オプション市場の構造に関する状況」(2021年10月18日公表)
- SEC「決済サイクル短縮(T+1)に関する最終規則」(2023年2月採択、2024年5月28日実施)
- SEC「空売り持ち高の報告に関する規則13f-2」(2023年採択)
- GameStop Corp. の各年度 Form 10-K および株式分割に関する開示
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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