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2026年5月7日、日経平均が史上最大の上げ幅となる+3,320円を記録し、62,833円の最高値をつけました。この日の日経新聞から、気になった15本を整理しました。
先に結論を書きます。この日の急騰は、イランとの戦闘終結合意が近いという報道、NY原油の7%急落、半導体各社の好決算という3つが同じ日に重なって起きたものでした。どれも一社の努力とは関係のない、外側の事情です。
なので私は、この日は何も買わず、何も売りませんでした。上がった理由が外からの風だとわかっているときに動くと、私の場合はたいてい失敗します。この記事では、何が起きたのかを記事ごとに整理したうえで、私がそれをどう受け止めたかを書き添えています。
以下で会社名が出てくるのは、ニュースの内容の紹介と、私の保有状況の紹介です。買うことをおすすめするものではありません。数字はすべて2026年5月7日時点のものです。
※本記事は私個人の考えと調べたことの紹介であり、特定の銘柄・商品の購入を推奨するものではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。数字は2026年5月7日時点のもので変わります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
2026年5月7日の市場サマリー(確定値)
| 指数 | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経225 | 62,833円 | +3,320円(+5.58%)史上最高値 |
| TOPIX | 3,840pt | +111pt(+3.00%) |
| グロース250 | 791pt | +19pt(+2.58%) |
| NYダウ | 49,910ドル | +612ドル(+1.24%) |
| NASDAQ100 | 28,599 | +584(+2.08%) |
| S&P500 | 7,365 | +105(+1.46%) |
| ドル円 | 156.35円 | ほぼ横ばい |
| 10年国債利回り | 2.481% | +0.005 |
急騰の引き金になった3つの出来事
この日の上げは、次の3つが同時に進行したことで起きたと報じられています。
- 米国がイランとの戦闘終結合意に近づいているという報道
- ニューヨークでの原油価格7%急落
- 韓国サムスン、AMDなど半導体企業の好決算ラッシュ
特に資金が集まったのはAI・半導体関連で、キオクシアHD(285A)はストップ高水準の43,410円(前日比+19.2%)まで買われ、上場来高値を更新しました。ソフトバンクグループやルネサスエレクトロニクスも1割を超える急騰でした。
日経新聞では、松井証券の大山季之アナリストが「AI需要に対して、半導体メモリーやCPUなど供給サイドの不足がより意識されるようになった」と分析していると紹介されていました。大和証券の坪井裕豪氏も、投資家が想定を上回る好業績を受けて積極的な買いに転じていると評価しています。
原油高の長期化への懸念が後退したことで、三菱ケミカルグループなどの化学セクターにも見直し買いが入り、上昇は全セクターに広がりました。
私の受け止めを書くと、この日の含み益はうれしいものでしたが、自分が選んだ会社が良くなったから増えたわけではありません。外からの風で増えた分は、風向きが変われば戻ります。私は口座を開いて数字を見ただけで、その日は何もしませんでした。
中東情勢と原油で動いたこと
トランプ大統領の対イラン合意発言と、交渉の中身
トランプ大統領は6日、米公共放送PBSのインタビューで、14〜15日に予定する米中首脳会談の前にイランとの戦闘終結に合意する可能性があると発言し、終結する可能性が高いと述べました。ホワイトハウスでも記者団に、過去24時間で非常に良い議論がされ、合意に至る可能性は十分あると強調しています。
米ニュースサイト「アクシオス」によれば、両国は14項目を盛り込んだ1ページの覚書をめぐって交渉団がやり取りを続けており、ロイター通信はパキスタンのイスラマバードで来週も協議が行われる可能性があると報じました。覚書で合意した後、完全合意を目指す30日間の交渉が始まる流れだとされています。
合意の内容にはホルムズ海峡の開放、イランによるウラン濃縮の停止、対イラン制裁の解除などが含まれるとされますが、詳細は不明です。一方でイラン側は強硬な姿勢を崩しておらず、交渉が決裂すれば攻撃が始まるという警告も出ていました。
私は、この交渉の行方が原油価格と日本株と為替のいちばん大きな変数になっていると受け止めています。ただ、どうなるかは私にはわかりません。わからないものに合わせて売買はしないと決めています。
原油はNYで一時88ドル台まで急落した
ニューヨーク原油先物が一時88ドル台まで急落し、前日比で約7%安となりました。イランとの戦闘終結合意が近いという報道が直接の引き金で、ホルムズ海峡の通航支援停止のニュースと合わせて、中東産原油の供給が増えるという観測が売りを呼んだ形です。
原油安が日本株に与えた影響は、プラスとマイナスの両方がありました。原油高で苦しんでいた三菱ケミカルグループなどの化学セクターには見直し買いが入り、原材料コストの低下から利益改善への期待が膨らみました。一方で石油関連には逆風でした。
日本はエネルギーの約9割を輸入に頼っているので、原油安は貿易赤字の縮小を通じて円高の要因にもなりえます。この日のドル円は156.35円でまだ円安水準でしたが、合意が本格化すれば原油安から円高への流れが加速する可能性があると書かれていました。
AIと半導体をめぐって起きていたこと
スペースXがテキサスに8.6兆円のAI半導体工場
米スペースXが、テキサス州でAI半導体の製造工場に550億ドル(約8兆6,000億円)を投資することが明らかになりました。州の自治体が公表したもので、以前から表明していた大規模半導体製造「テラファブ」計画とみられています。
郡の資料によれば、次世代の垂直統合型の半導体製造工場を設ける計画で、初期投資額は550億ドル、追加投資を含んだ推定総投資額は1,190億ドルにのぼる見込みです。CEOのイーロン・マスク氏は3月に、消費電力換算で1テラワット分のAI半導体の年間生産能力を持つ工場をもうけると述べていました。テスラとの共同事業にする方針で、米インテルも連携するとされています。
ここから先は私の受け止めです。この規模の工場が建つと、半導体の製造装置や素材を作っている会社の仕事が増えるという話にはなります。ただ、それが本当に業績として出てくるのか、いつ出てくるのかは私にはわかりません。
AI関連は株価が高くて自分には買えないと思っていた時期もありましたが、だからといって「支える側の会社なら安心」と考えるのは、私には飛躍があると思っています。どの会社も、決算を自分で読んで、割安だと思えるかどうかで判断するしかありませんでした。
AMDの純利益は95%増、自律型AIが需要を押し上げた
米半導体大手のAMDが、2026年1〜3月期の純利益が前年比95%増という決算を発表しました。自律型AI(エージェントAI)の普及が半導体需要を大きく引き上げていて、NVIDIAだけでなくAMDも伸びています。サムスン電子やAMDの好決算が相次いだことが、この日のキオクシアのストップ高を含む日本の半導体株急騰の直接の引き金になりました。
自律型AIというのは、自分でやることを決めて自分で実行するAIのことで、質問に答えるだけのAIとは処理量が大きく違います。これが普及すると、データセンターで24時間動く半導体の需要が増えます。AMDの95%増益はその需要増が数字に出たものだと説明されていました。
日本では、東京エレクトロン(8035)が半導体製造装置で世界シェア上位、信越化学(4063)がシリコンウェハーで世界トップ、ルネサス(6723)がマイコン・SoCで競争力を持つ会社として挙げられていました。私はこれらの会社を、ニュースに出てきた会社として受け止めただけで、この日に買った会社はありません。
東ソーが次世代光ケーブルを量産へ
東ソーは2029年にも、データセンター向けの光ケーブルを量産するそうです。慶應義塾大学が開発したもので、通信速度は従来より2倍速いとされています。主流のガラス製ではなくフッ素樹脂でできていて、比較的低コストで量産しやすく、エラーの発生確率はガラス製の100分の1以下に抑えられるとのことでした。
東ソーは1960年代からフッ素関連の事業を手がけ、半導体製造工程で使われる洗浄ガスや封止材といった高機能分野に強みを持っています。2025年から慶大と実用化に向けた研究を続けてきました。データセンター内のサーバー同士を結ぶ短距離ケーブルとして使われます。
光ファイバー市場は2025年に89億6,000万ドル(約1兆4,000億円)で、2034年までに約2.4倍の211億6,000万ドルに成長する見通しだと、インドの調査会社フォーチュン・ビジネス・インサイツの調べとして紹介されていました。
東ソー(4042)は私が752株持っている会社です(私の保有状況の紹介です)。買ったときは、カセイソーダやウレタン材料で国内首位という基礎化学の会社として見ていました。その会社の事業がAIの需要とつながってくるというのは、買ったときには想像していませんでした。
NTTが次世代通信基盤のIOWNに取り組んでいることと合わせると、光通信とAIと省電力というつながりが見えてきます。ただこれは私が後から線を引いただけの話で、それを理由に買い増すかどうかは、決算を読んでから決めようと思っています。
金融庁が顧客対応向けのAIを開発する
金融庁が、金融機関の顧客対応に使う生成AIを開発し、100機関との実証を目指すと報じられました。これまで金融機関は融資稟議書の作成補助や行内の問い合わせ対応を中心に生成AIを入れてきましたが、誤回答や情報漏洩のリスクから顧客対応への利用は限定的でした。
背景にあるのは人手不足です。銀行は窓口や電話対応など人手に依存した業務が多く、少子高齢化が進む地方では採用のハードルが上がり、店舗網やサービス品質の維持が難しくなると予想されています。FDUAは5月に説明会を開いて参加機関を募り、横浜銀行や静岡銀行などが参加する方向とのことでした。
私は金融系の会社も持っていますので、事務の効率化が進むなら業績の基盤にはプラスだろうと受け止めました。ただ、それが配当にどう反映されるかは、各社の決算を見るまでわかりません。
金利と世界経済の足もと
米国債の増発懸念と、日本の「金利ある世界」
米国の財政赤字拡大への懸念から国債の需給悪化が続き、米長期金利の高止まりが続いています。日本の10年国債利回りもこの日2.481%と上昇基調で、世界的な金利の高止まりが構造になりつつある局面です。
金利が上がると株式の割引率が上がるので、特に成長株には下押しの圧力がかかります。米国の総合債券ETFを持っている立場でいうと、金利の高止まりが続くあいだは債券価格の低迷が続く可能性があるということです。金利が下がれば債券が上がるという教科書どおりにいかない局面が長引いています。
日銀の3月会合の要旨にある、賃上げが継続するなら躊躇なく利上げするという内容と合わせると、日本の金利上昇はまだ続く可能性があると私は読みました。
金利上昇の局面で業績が改善しやすいのは銀行・保険・リース業といった金融の会社だと言われます。私もその分野の会社を持っていますが、持ち続ける理由は金利の見通しではなく、その会社の稼ぐ力と株主への姿勢です。金利の話は後から出てきた追い風として見ています。
中国の上場企業は3年連続減益、赤字比率は27%
日本経済新聞が中国の調査会社Windのデータをもとに、上海や深圳などに上場する企業(金融を除く)約5,400社の業績を集計しました。2025年12月期の純利益は3年連続で減少し、全社の純利益は2兆5,490億元(約58兆円)で前の期と比べて2%減です。データがそろう2000年以降で3年連続減益は初めてでした。
最終赤字だった企業は1,458社と前年からさらに100社近く増え、赤字企業の比率は27%と3割に迫っています。不動産は市況低迷を脱する兆しがなく、万科企業の最終損益は885億元の赤字と赤字額が8割増えました。王府井集団や広州市広百は最終赤字に転落し、永輝超市も店舗の大量閉鎖に伴う費用で赤字が拡大しています。
私の受け止めはこうです。中国への依存度が高い日本の会社は、業績のリスクを抱えていることになります。安いから買うという理由だけで手を出すと、構造的な低迷に巻き込まれることもあるのだろうと思いました。私は、安いことだけを理由に買うのはやめています。
この日に目についた企業・社会の記事
プルデンシャルの金銭詐取問題は200億円の減益要因に
米プルデンシャル・ファイナンシャルは6日の決算説明会で、日本での金銭詐取問題により新規契約の販売活動を停止したことが、1億3,000万ドル(約200億円)分の利益の下押し要因になったと明らかにしました。米経営陣は日本での事業を継続する意向を示しています。
CFOのヤネラ・フリアス氏は内訳について、約5,000万ドルは顧客への払い戻し、約5,000万ドルは営業員への報酬、残りは販売機会の損失と解約の増加によるものと説明しました。日本を含む海外事業の税引き前調整後営業利益は、1〜3月期に前年同期比4%減の8億1,000万ドルです。同社はこの問題を2026年に最大5億7,500万ドルの営業減益要因として見込んでいます。
販売員の不正が、顧客への被害だけでなく、信用の失墜から解約の増加、業績の悪化へとつながっていきます。私は、会社の数字を見るときにガバナンスの話も一緒に見ておきたい、と改めて思いました。
JALがヒューマノイドロボットの実証に乗り出す
JALが空港業務でヒューマノイドロボットの活用を検討しています。使うのは中国のスタートアップ、宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)の「G1」と、優必選科技(UBテック・ロボティクス)の「ウォーカーE」で、高さはそれぞれ130センチと172センチ。いずれもGMOグループ傘下のGMO AI&ロボティクス商事の貸し出しサービスで扱われているものです。
空港の設備は人による作業を前提に設計されているので、専用機材を入れると既存の設備を改修する必要が出てきます。人と同じ形の二足歩行ロボットなら、施設を大きく改修せずに人の作業を代替でき、投資コストを抑えられる可能性があるそうです。
私は元JALの客室乗務員で、JALの破綻も経験しました。その会社がこういう技術に投資しているのを読むのは、少し感慨深いものがありました。同時に、仕事そのものが変わっていく時代に自分の暮らしをどう組み立てるか、ということも考えました。
孤独死保険が10年で4倍、孤立死は年2万2,222人
入居する高齢者が孤独死した場合などに家賃収入を補償する保険の契約が、10年で4倍に増えました。協会によると、原状回復費や残置物の処分、家賃損失を合わせた損害費の平均は112万5,510円です。遺体の腐敗が進むと特殊清掃が必要になり、費用が大きく膨らむこともあります。単身の高齢者の入居を断る大家が各地で相次いでいる実態もあるそうです。
自治体が保険会社と契約して大家の保険料を肩代わりする動きも出てきました。名古屋市は2022年度に自治体向けの孤独死保険に加入し、2026年1月末時点で241戸が確認されています。保険料の一部を補助する自治体もあり、新宿区や豊島区などが導入しています。
内閣府の推計では、自宅で誰にもみとられずに亡くなる孤立死は2025年の1年間で2万2,222人、初調査の前年から366人増えました。65歳以上の一人暮らしの高齢者は2020年時点で約671万人、2040年には1千万人を超えるとみられています。
私はこの記事を、お金の話として読みませんでした。お金を増やす話と同じくらい、人とのつながりや健康のことも自分で手当てしておかないといけないのだな、と思いました。
東京海上日動が「女性が活躍する会社」で首位
東京海上日動火災保険が、日経ウーマンの「女性が活躍する会社」ランキングで首位になりました。多様な働き方への風土の醸成が評価されたとのことです。
ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点から、女性活躍やダイバーシティは機関投資家の評価指標として重要性が増していて、スコアの高い会社には海外の資金が集まりやすい傾向があると言われます。
この日の大幅高の局面でも保険セクターは堅調でした。私が会社を見るときの基準は、配当利回り3.75%以上・PBR2倍以下・自己資本比率50%以上です。それに加えて、離職率が低くて人が集まる会社かどうかも気にしています。数字に出てこない部分ですが、長く稼ぐ力につながると私は考えているからです。
ここは私の好みの話で、同じように見るべきだという話ではありません。
CPTPPにコスタリカが加盟、G7は重要鉱物で連携
環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)にコスタリカが加盟合意し、参加国が13カ国に拡大しました。同日に開かれたG7貿易相会合では、中国を念頭に重要鉱物の供給網での連携が確認されています。
重要鉱物の連携は、レアアース・リチウム・コバルト・ニッケルといった、EVやAI、半導体に必要な資源を中国に依存しないための取り組みです。レアメタルを扱う会社には長期の追い風になる構造だと説明されていました。
米国が離脱した後も12カ国で維持され、いま13カ国に拡大したこの自由貿易圏は、ルールにもとづく経済圏として機能しつつあります。日本の会社はこのネットワークを通じて、原材料の調達と輸出の両面で影響を受けます。
コスタリカの貿易協定が、日本の商社の配当にまでつながっているかもしれない。そう考えながら日経を読むのが、私の習慣になりました。
まとめ:2026年5月7日時点で私が受け止めたこと
- 日経平均は+3,320円で62,833円の史上最高値。上げの理由はイラン合意観測・原油7%安・半導体の好決算という外側の事情だった
- キオクシアはストップ高水準、ソフトバンクGやルネサスも1割超の急騰。原油安で化学にも見直し買いが入り、上昇は全セクターに広がった
- スペースXはテキサスに総額1,190億ドル規模のAI半導体工場、AMDは純利益95%増
- 日本の10年国債利回りは2.481%。金利の高止まりは構造になりつつある
- 中国の上場企業は3年連続減益、赤字比率27%。中国依存度の高い会社はリスクを抱えている
私がこの日にしたことは、口座を開いて数字を見て、閉じただけでした。上がった日に何かしたくなるのを我慢するのが、いちばん難しいところだと思っています。
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