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航空会社の決算を自分で読もうとして、どこから手をつければいいのか分からなかったことがあります。いまは開く順番を決めてしまって、そこだけを毎回見るようにしています。この記事は、その順番と場所の案内です。個別の会社を勧めるものではありません。
当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、特定の会社や金融商品の売買を勧めるものではありません。本文の記述は2026年10月時点で公表されている資料の構成にもとづくもので、具体的な数字は各社の有価証券報告書や決算短信の原文でご確認ください。この記事に業績の予想や目標の株価は書いていません。
読む順番を一つに決めてしまった理由
決算資料は量が多いので、気になったところから読むと毎回違う結論になりました。それが続いたので、私は読む順番を固定することにしました。順番が同じなら、会社が違っても比べられます。比べられると、自分がどこを気にしているのかも分かってきます。
私はウォーレン・バフェットのやり方を真似しているつもりで、決算を自分で見ること、分からないものは買わないことを守ろうとしています。順番を決めたのは、その「自分で見る」を続けられる形にしたかったからです。
まず開くのは有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」
有価証券報告書の前のほうに、売上、利益、純資産、総資産、自己資本比率、一株当たりの数字などが複数年ぶん一つの表に並んだ場所があります。「主要な経営指標等の推移」という見出しです。私はここを最初に開きます。
ここを先に見ると、ある年だけ形が崩れている箇所に気づけます。崩れている年を見つけたら、その年の説明を探しにいきます。逆の順番、つまり説明を先に読んでから数字を見ると、説明に引っぱられてしまうことが私にはありました。
セグメント情報で、どの事業が稼いでいるのかを見る
会社全体の売上や利益だけを見ていると、中身の偏りが見えません。財務諸表の注記にあるセグメント情報には、事業の区分ごとの売上と利益が載っています。航空会社の場合、旅客と貨物、国内と国際、関連する事業といった区分で分かれていることがあります。
私がここで見ているのは、金額よりも「どの区分が会社を支えているか」と「それが年ごとに入れ替わっていないか」です。区分の切り方が年度の途中で変わることもあるので、注記に書かれている区分変更の説明も一緒に読みます。
決算短信の「配当の状況」をどう見ているか
配当を受け取りながら持ち続けるやり方をしているので、私がいちばん時間をかけるのはここです。決算短信のサマリー情報のなかに「配当の状況」という表があり、過去の実績と当期の予想が、中間と期末に分けて並んでいます。
| 欄 | そこから分かること |
| 一株当たり配当金の実績 | 過去に実際にいくら支払われたか。欠けている年があるかどうか |
| 当期の予想 | 会社が現時点で何を見込んでいるか。未定と書かれていることもある |
| 配当金総額 | 会社全体でいくら出しているか |
| 配当性向と純資産配当率 | 利益や純資産に対してどれくらいの水準か |
予想の欄は予想であって約束ではないので、私はここを確定したものとして扱わないことにしています。配当の方針そのものについては、決算短信の本文や有価証券報告書の配当政策の記載に、会社の考え方が書かれています。表の数字より、この文章のほうを先に読むようにしました。
航空会社の数字が読みにくいと私が感じるところ
業種によって、数字の動く理由が違います。航空については、私は次のあたりで手が止まります。どれも会社自身が資料のなかで説明している項目です。
- 燃料の価格。燃料に関する費用や、価格変動への対応について、会社が資料のなかで説明しています。
- 為替。海外での収入や支払い、外貨建ての債務があると、為替の影響を受けます。
- 季節性。四半期ごとの数字を単純に四倍しても年間にならないことがあります。
- 機材。航空機を保有する形か借りる形かで、貸借対照表やキャッシュ・フローへの表れ方が変わります。注記に説明があります。
私はこの四つについて、自分で予想を立てることをやめました。代わりに、会社がどう説明しているかを読んで、説明の仕方が年ごとに変わっていないかを見ています。
キャッシュ・フロー計算書と「事業等のリスク」
利益の数字だけを見ていると、お金が実際に入ってきているのかが分かりません。キャッシュ・フロー計算書には、営業、投資、財務の三つの区分があります。私は営業活動によるキャッシュ・フローが複数年でどう動いているかと、投資活動の金額が大きい年に何を買ったのかを見ています。
そのあとで「事業等のリスク」を読みます。ここは、会社が自分で何を心配しているかを並べた場所です。他人の分析より先に、会社自身の心配事を読んでおくほうが、私には役に立ちました。
読んだあとで、私がやらないと決めたこと
決算を読めるようになると、読んだことを材料に何か言いたくなります。私は次のことをやらないと決めました。自分のための歯止めです。
- 業績の予想を自分で作らないこと。前提を一つ変えるだけで答えが変わるので、私の手には重すぎました。
- 買う値段や売る値段を数字で書かないこと。私は買ったら売らないと決めているので、そもそも必要がありません。
- 一期の数字で会社の良し悪しを決めないこと。複数年ぶん並べた形を見るだけにしています。
- 他社と比べた順位をつけないこと。資料の作り方が会社ごとに違うので、同じ尺度で並べられないことがあります。
この記事で扱っていないことも書いておきます。会社をとりまく政治の話や、業界の構造についての評価は扱いません。公表資料で確かめられる範囲を超えるためです。過去の経営破綻から再上場までの出来事の順番については、日本航空の経営破綻と再上場までの時系列のほうに、公表資料で確かめられる範囲だけを並べました。
この記事で直したところ
この記事は以前、対談の書き起こしの形で、政治との関係や業界の利権構造を断定的に説明する内容になっていました。公表資料で確かめられる範囲を大きく超えていたため、全面的に書き直し、決算資料の読み方に差し替えました。削除したのは次の内容です。
- 特定の政党との癒着、政治家の圧力による不採算路線の運航、運輸省出身者による経営といった記述を削除しました。裏づけとなる公表資料に当たれず、個人や団体への評価にあたります。
- 空港の警備や手荷物検査を特定の政治家と関係の深い企業が独占しているという記述を削除しました。実在する企業への裏取りのない非難にあたります。
- 「政治との関係が深かったために成長し、またそれが原因で破綻した」という因果の断定を削除しました。
- 二社を比べて一方が政治的に有利だと述べた箇所、特定の市場でどちらが有利かを断定した箇所を削除しました。
- 「黒字は経営努力だけではなく負債がなくなった影響が大きい」という断定を削除しました。根拠となる開示を確認できていません。
- 「どう変わるべきか」として経営の透明化や事業の多角化を提言していた部分を削除しました。当ブログが提言できる立場ではありません。
- 見出しに入っていた絵文字と番号、本文を太字で囲んでいた書式、対談の書き起こしであることを示す冒頭の文を削除しました。
- 末尾に定型の証券口座の宣伝見出しが入っていたため、この記事の内容に合わせた見出しに置き換えました。
- タイトルから「政治との関係」を外し、スラッグとあわせて決算の読み方という内容に付け替えました。
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決算短信の配当の状況を自分で開くようになると、自分が受け取った配当金の履歴も同じ形で並べて見たくなります。私は口座の明細と会社の資料を見比べられるようにしてから、持ち続けるという決め方が続くようになりました。
私が実際に使っているのは次の2つです。どちらも1株(単元未満株)から買えるので、いきなり大きな金額を動かす必要はありません。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。

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