※本記事にはプロモーション(PR)が含まれます。
この記事はもともと「最新の経営状態分析」という題でしたが、中身は2025年3月期の第3四半期、つまり2024年4月から12月までの決算の話です。今から見ると1年半以上前のものですので、題から「最新」を外しました。そのうえで、その後どうなったのかを足しました。結論から書くと、JAL(日本航空)はこのあと2026年3月期まで利益を伸ばしましたが、直近の2027年3月期第1四半期では、燃油費の増加で純利益が前年同期の8割減まで落ちています。なお記事の中でJALという個別の会社に触れますが、私の保有状況の紹介であり、推奨ではありません。
筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。数字はJALが公表した決算資料と、その報道を出どころとし、確認した時点を記しています。業績予想は会社の見通しであって、確定した数字ではありません。本記事は2026年10月時点のものです。もとの記事は2025年3月に公開したものです。
はじめに:この記事は1年半前の決算の記録です
私は元JALの客室乗務員で、30年この仕事をしました。辞めたあとも、JALの決算は自分で開いて読んでいます。以前いた会社だから、というだけではなく、私が真似をしているウォーレン・バフェットのやり方が、決算を自分で見ることを前提にしているからです。
この記事を書いたのは2025年3月でした。当時いちばん新しかったのが、2025年2月4日に発表された2025年3月期第3四半期の決算です。その内容は当時の記録として残します。そのうえで、そのあとに出た通期の決算と、直近の四半期を追記します。
当時の数字を「今の姿」と読まれると困りますので、見出しの段階で時点を書いておきます。
2025年3月期 第3四半期時点の数字(2025年2月4日発表)
対象の期間は2024年4月1日から12月31日までの9か月分です。発表は2025年2月4日でした。
| 項目 | 金額 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆3,859億円 | 約11%増 |
| EBIT(利息税引前利益) | 1,442億円 | 約12%増 |
| 純利益 | 910億円 | 6.0%増 |
加えて、第3四半期の3か月だけを取り出したEBITは585億円で、前年同期から55%増え、再上場後でいちばん高い水準だと会社は説明していました。国内線の有償座席利用率は、その3か月で82.9%でした。
出どころはJALの公式発表(2025年2月4日)です。当時の会社の説明は、事業の構造改革が進んでいて、通期の予想に向けて順調に来ている、という内容でした。
この記事から外した数字について
正直に書きます。もとの記事には、上の表のほかにも細かい数字が並んでいました。負債総額、純資産、自己資本比率、利益剰余金、人件費、営業キャッシュフローなどです。
今回それらを外しました。理由は2つあります。
ひとつは、出どころを確かめられなかったことです。どの資料の何ページから取った数字なのかを、私が示せません。
もうひとつは、数字どうしが食い違っていたことです。同じ記事の中で、上のほうには「純利益910億円」と書き、下のほうには「四半期純利益943億円」「営業利益1,253億円」と書いていました。会社が公表しているのは上の表の数字です。食い違っているものを並べたまま置いておくわけにはいきませんので、確かめられたほうだけを残しました。
国際線の搭乗率として書いていた84.3%も、発表文の本文では確認できませんでしたので外しました。
その後どうなったか:2025年3月期の通期(2025年5月2日発表)
第3四半期のあと、通期の決算が出ました。発表は2025年5月2日です。
| 売上収益 | 1兆8,440億円 |
|---|---|
| EBIT | 1,724億円 |
| 純利益 | 1,070億円 |
| 1株当たり年間配当 | 86円(期末46円) |
第3四半期の時点で会社が言っていた「通期の予想に向けて順調」というのは、結果として当たっていました。配当も出ています。
さらにその後:2026年3月期の通期(2026年4月30日発表)
その次の年度です。発表は2026年4月30日でした。
| 売上収益 | 2兆125億円(前年比9.1%増) |
|---|---|
| EBIT | 2,180億円(前年比26.4%増) |
| 純利益 | 1,376億円(前年比28.6%増) |
| 1株当たり年間配当 | 96円(期末50円、配当性向31.3%) |
売上収益が2兆円を超えました。利益も配当も増えています。ここまでは、回復が続いた流れとして読めます。
直近:2027年3月期 第1四半期で利益が大きく減りました(2026年8月発表)
ここが、いま私がいちばん気にしているところです。2026年4月から6月までの3か月の決算です。
| 売上収益 | 5,237億円(前年同期比11.2%増。第1四半期として過去最高) |
|---|---|
| EBIT | 127億円(前年同期比72.1%減) |
| 純利益 | 53億円(前年同期比80.2%減) |
| 営業費用 | 5,168億円(18.7%増) |
売上は過去最高なのに、利益が8割減っています。報道では、燃油の市況が上がったことと円安が進んだことで、燃油費が大きく増えたことが主な理由だと説明されています。旅客数は国際線が0.4%減、国内線が2.7%減でした。
出どころは、2026年8月の決算発表とその報道です。
2027年3月期の会社予想は、増収だけれど減益です
会社が2026年4月30日に出した2027年3月期の見通しは、次のとおりです。
| 売上収益(予想) | 2兆950億円 |
|---|---|
| EBIT(予想) | 1,800億円 |
| 当期利益(予想) | 1,100億円 |
| 1株当たり年間配当(予想) | 96円(中間48円) |
売上は増える見通しですが、EBITは前の年度の2,180億円から1,800億円へ、当期利益も1,376億円から1,100億円へと、減る見通しになっています。会社自身が減益を見込んでいる、ということです。
これは予想であって、決まった数字ではありません。上にも下にも動きます。
4年分を並べてみます
数字が増えたので、通期だけを並べておきます。
| 年度 | 売上収益 | EBIT | 純利益 | 年間配当 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 1兆8,440億円 | 1,724億円 | 1,070億円 | 86円 |
| 2026年3月期 | 2兆125億円 | 2,180億円 | 1,376億円 | 96円 |
| 2027年3月期(会社予想) | 2兆950億円 | 1,800億円 | 1,100億円 | 96円 |
私がこの流れをどう見ているか
断定はしません。私の見方として書きます。
売上が伸び続けているのは、人が飛行機に乗るという需要が戻って、そのまま続いているということだと受け取りました。第1四半期の売上が過去最高だったのも、そこは変わっていないという話です。
一方で、利益は燃料の値段と為替で大きく振られます。直近の四半期がそれをはっきり見せました。売上が11%増えているのに利益が8割減るのですから、会社の努力の外側にある要因が、利益をいちばん左右しているということになります。
私はこれを、航空会社という商売のかたちだと受け取っています。良くなったり悪くなったりを繰り返す商売です。ですので、ある1年の利益が増えたことを「育った」と読むのは、私は気をつけるようにしました。会社が育ったかどうかは、何年か分を並べて、燃料が高い年にどうだったかまで見ないと分かりません。
配当については、2025年3月期86円、2026年3月期96円、2027年3月期も96円の予想と、減らさない形で来ています。これは私が見ている点のひとつです。ただ、配当は会社が決めるものですので、これからも続く保証はありません。
以前書いていた「解決策」を外しました
もとの記事には「経営上の問題点と解決策」という項目があって、人材に300億円を投資すべき、利益剰余金500億円のうち300億円を回す、人件費を200億円上げる、といったことを書いていました。
これは全部外しました。私が考えた案を、会社の計画のように書いていたからです。どこにも発表されていない金額を並べて「こうすべき」と言うのは、私がやってよいことではありませんでした。
私は元社員ではありますが、今は外から株を持っている一人です。会社に指示を出す立場ではありません。できるのは、出てきた決算を読んで、自分がこのまま持つかどうかを決めることだけです。
元客室乗務員として、数字の外で気になっていること
ここは決算資料の話ではなく、私の受け取り方です。分けて読んでください。
需要が戻って便数が増えると、現場の人数が足りるかどうかが気になります。客室乗務員の人数そのものは増えていて、JALのESGデータでは2022年度の7,205人から2025年度は8,635人になっています。ここは数字で確かめられました。
一方で、パイロットや整備の人の育成には時間がかかります。これは私がいた頃からそうでした。人を増やせば費用も増えますが、安全にかかわるところですので、増えてよい費用だと私は思っています。これは投資の判断というより、乗る人としての気持ちです。
燃料の値段も為替も、私には読めません。読めないものを当てにいくのはやめて、何年か分の決算を並べて見る。それが今の私のやり方です。
まとめ
- この記事のもとになっているのは2025年3月期第3四半期(2025年2月4日発表)の決算で、1年半以上前の時点のもの
- その後、2025年3月期は売上1兆8,440億円・純利益1,070億円、2026年3月期は売上2兆125億円・純利益1,376億円と伸びた
- 直近の2027年3月期第1四半期は、売上が過去最高の5,237億円でも純利益は53億円で前年同期比80.2%減。燃油費の増加が主な理由
- 会社自身の2027年3月期予想も、増収減益
- 以前書いていた負債・自己資本比率・人件費などの数字と、私が考えた「解決策」は、出どころを示せないので外した
1年半前の記事を開き直して、当時の自分がどれだけ数字を確かめずに書いていたかが分かりました。これからは、決算が出たら追記する形にしていきます。なお本記事でJALに触れているのは私の保有状況の紹介であり、推奨ではありません。投資のご判断はご自身でお願いいたします。
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