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金(ゴールド)について、私が押さえている基本と、使い道の分け方を整理した記録です。金はほかの資産と性質がかなり違います。いちばん大きな違いは、持っていても配当や利息を生まないこと。そして、よく「安全資産」と呼ばれますが、値動きは決して小さくありません。この記事では金の価格の水準には触れていません。日々動くものなので、書いた時点でもう古くなるからです。買い方ごとの手数料や税金の違いは別の記事にまとめました。
筆者は金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録も受けていません。個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。本記事の制度に関する記述は2026年10月時点で確認できたもので、税金の区分は国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在の法令等)を参照しています。具体的な判断は税理士や税務署に相談してください。
金について、私が押さえている5つのこと
金の話はどうしても値段の話になりがちですが、私はその前に、この5つを自分の言葉で言えるようにしておきました。
1つめ。人の手で増やせない
お金は、国や中央銀行が決めれば量を増やせます。増えすぎれば、同じ100円で買えるものが少なくなっていきます。いっぽう金は掘り出すしかなく、急に量を増やすことができません。長い目で見て価値を保ちやすいと言われるのは、この性質が理由として挙げられます。
2つめ。誰かの借金ではない
債券は、発行した国や会社が返すことを約束したものです。株式は、会社があってはじめて意味を持ちます。金には、約束してくれる相手がいません。相手がいないということは、相手が倒れる心配もないということです。そのかわり、誰も価値を保証してくれません。
3つめ。インカムを生まない
銀行に預ければわずかでも利息がつき、株を持てば配当を受け取ることがあります。金は、持っているあいだ何も生みません。倉庫に置いておいても1グラムも増えません。
ウォーレン・バフェットは、何も生み出さないものには投資しないという考え方を、長いあいだ示してきました。私はそのやり方を真似しているので、資産づくりの中心は配当を出してくれる会社に置いています。
4つめ。値動きは小さくない
「安全資産」という呼び方のせいで、値段が動かないもののように思われがちです。実際には、金の価格は年によって大きく上下します。安全という言葉は「価値がゼロになりにくい」という意味であって、「値段が動かない」という意味ではないのだと、私は理解しています。
5つめ。世の中が混乱したときに注目されやすい
戦争や金融危機のような混乱が起きると、金に資金が向かいやすい、という言われ方をします。1970年代の終わりから1980年のはじめにかけて、金の価格が大きく上がった局面があったことは知られています。ただ、何倍になったかという具体的な数字は、今回私が出どころを確かめられなかったので書きません。
インカムがないことが、株とのいちばん大きな違いです
私は配当金を信じて持ち続けるというやり方をしているので、ここが引っかかりました。株なら、株価が下がって動けない年でも配当が入ってきます。その入金があるから、売らずに座っていられる。私にとって配当は、我慢の材料というより、待つための燃料のようなものです。
金にはそれがありません。値段が下がっているあいだ、入ってくるものは何もない。ということは、「上がるのを待つ」以外に持ち続ける理由をつくれないということです。私はそこが自分には向いていないと感じました。
さらに、保管や管理にお金がかかる買い方もあります。何も生まないのに費用だけが出ていく形になるので、持ち方によっては、持っているだけで少しずつ減っていくことになります。この点は買い方ごとにかなり違うので、別の記事に書きました。
金の3つの使い道を、私はこう分けています
金を何のために持つのか。目的がはっきりしていないと、値段が動いたときに自分の判断がぶれます。私は3つに分けて考えることにしました。
1つめ。値動きをとる
短い期間の値動きで差を取ろうとする持ち方です。これは当てにいく行為なので、当たるか外れるかの話になります。私は相場を当てられないと思っているので、この使い方はしていません。
2つめ。資産を散らす一部として持つ
株とは動く理由が違うものを少し混ぜておく、という持ち方です。株が下がるときに金も必ず上がる、という関係があるわけではありませんが、動く理由が違うものを持っていると、全部が同じ日に同じ方向へ動きにくくなります。私がこれを選ぶとしたら、この使い方です。
3つめ。もしものときの備えとして持つ
通貨や金融の仕組みそのものが揺らぐような事態に備えて、現物を手元に置いておくという考え方です。この使い方をするなら、売って増やすつもりの資産とは別の箱に入れて、値段を見ないことになると思います。備えとしてのものを、値上がりを期待する資産と同じ箱で見ていると、どちらの目的も果たせません。
私自身は、資産づくりの中心を配当を出す会社に置くと決めているので、金を中心に据えることはしていません。これは私が自分のために決めたことで、どなたかにすすめる配分ではありません。
この記事に金の価格を書かなかった理由
書き直す前のこの記事には、2025年3月の時点の先物価格と国内の小売価格、それに証券会社の年末見通しが載っていました。全部外しました。
理由は二つあります。ひとつは、価格は毎日動くので、記事に書いた数字はすぐに古くなること。古い数字が載ったままの記事を読んで、いまの水準だと思われてしまうのはよくありません。
もうひとつは、誰かが出した将来の価格見通しを、私が自分の記事で紹介する意味がないと思ったことです。当たるかどうかは私にはわかりませんし、紹介した数字が目標のように読まれてしまいます。いまの小売価格を知りたいときは、取り扱っている貴金属商や証券会社が毎営業日に公表している価格を、その日に見るのが確実です。
税金は「金を買ったか」ではなく「どの形で買ったか」で変わります
ここは私がいちばん勘違いしていたところです。同じ金なのに、買った形によって税金の区分がまったく違います。国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在の法令等)で確認できた範囲で、おおまかに書きます。
- 地金や金貨そのものを売った利益は、原則として譲渡所得にあたり、給与などほかの所得と合わせて計算する総合課税になります。
- 銀行などの金投資口座・金貯蓄口座の利益は、金融類似商品として源泉分離課税になり、確定申告で他の所得と合算することはできません。
- 証券取引所に上場しているETFや投資信託を売った利益は、株式等を譲渡した所得として申告分離課税になります。
- 金の先物取引などは、先物取引に係る雑所得等として申告分離課税になります。
つまり、同じ「金に投資した」つもりでも、確定申告のときに書く欄が違い、他の損益と相殺できるかどうかも変わります。買い方ごとの詳しい手数料と税金の違いは、別の記事にまとめました。
税金の扱いは、その人の所得の状況や取引のやり方によって変わります。継続的に売買していれば区分そのものが変わることもあります。ここに書いたのは制度のおおまかな形だけなので、具体的な判断は税理士や税務署に相談してください。私も迷ったときは税務署に電話して聞いています。
この記事から削除したもの
この記事は2025年の前半に書いたもので、読み返すとそのままにしておけない部分がありました。直したところを残しておきます。
- 2025年3月時点の金の先物価格と国内小売価格は、古くなっているので削除しました。
- 証券会社による年末の価格見通しと、さらに上を見込むという数字は削除しました。将来の価格を私が紹介する意味がないと考えました。
- 「中央銀行の需要が価格を押し上げる」「地政学的リスクで関心が高まっている」といった、出どころのはっきりしない説明の並びは削除しました。もとは外部の文章をそのまま貼ったような形になっていました。
- 「投資家は以下の点に注意する必要があります」「長期的な投資戦略の一部として検討することが重要です」という、読者に指示するような書き方は削除しました。私は人に指示する立場にありません。
- 価格が短期間に何倍になったという倍率と、1年で何%上下するという幅は、出どころを確かめられなかったので削除しました。
- 「ゴールドの時代が来る」という言い方も外しました。来るかどうかは私にはわかりません。
私が金について決めたこと
私の投資は、ウォーレン・バフェットのやり方を真似しているだけです。よい会社を割安なときに買って長く持つ、決算は自分で見る、わからないものは買わない。
金は、決算書がありません。会社のように、売上や利益を自分で確かめて納得する、という手順が使えない。だから私の場合、金を資産づくりの中心にすることはできませんでした。中心にしないと決めたうえで、持つとしたら何のために持つのかを先に決める。それだけのことです。
50代から始めても、自分で納得して決めたことなら続けられると思っています。納得できないまま持ったものは、値段が動いたときに手放してしまう。私はそれを何度か経験しました。
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