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金(ゴールド)の買い方を5つに分けて、費用のかかり方と税金の区分を並べた記録です。同じ金を買うのに、現物で持つのか、積立にするのか、ETFや投資信託にするのかで、かかる費用の形も、確定申告で書く欄も変わります。ここでは価格の水準には触れません。制度と費用の話だけです。金そのものの性質と使い道の分け方は、別の記事にまとめました。
筆者は金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録も受けていません。個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。本記事の制度に関する記述は2026年10月時点で確認できたもので、税金の区分は国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在の法令等)を参照しています。手数料や取り扱い条件は会社ごとに違い、変わることもあります。具体的な判断は税理士や税務署に相談してください。
5つの買い方を一覧にしました
まず全体を並べます。税金の区分は、国税庁のタックスアンサーで確認できた原則です。
| 買い方 | 主な費用 | 税金の区分(原則) |
|---|---|---|
| 現物(地金・金貨) | 売買手数料、小さな単位にかかる加工ぶんの費用、保管料 | 譲渡所得(総合課税) |
| 純金積立 | 購入手数料、年会費、売買価格の差 | 譲渡所得(総合課税)。ただし金投資口座・金貯蓄口座は源泉分離課税 |
| 金のETF | 売買手数料、信託報酬 | 株式等を譲渡した所得として申告分離課税 |
| 金の投資信託 | 購入時手数料、信託報酬 | 株式等を譲渡した所得として申告分離課税 |
| 先物・証拠金を使う取引 | 取引手数料、証拠金が必要 | 先物取引に係る雑所得等として申告分離課税 |
一覧にしてみると、費用の名前も税金の欄もばらばらです。「金に投資する」とひとことで言っても、中身はこれだけ違うということでした。
現物(地金・金貨)を買う
金の延べ棒や金貨そのものを買って、手元か貸金庫に置く方法です。貴金属商や一部の銀行、証券会社で扱っています。
費用で気をつけているのは、小さな単位ほど割高になる点です。地金は、小さな板にするほど加工のぶんの費用が1グラムあたりで重くなります。まとまった量で買うほうが1グラムあたりは安く済みますが、そのぶん最初に必要なお金は大きくなります。
保管も費用です。手元に置けば盗難の心配がありますし、貸金庫を借りれば年ごとの料金がかかります。金は何も生まないので、保管料は出ていくだけの費用になります。
それから、地金は消費税の課税対象です。買うときに消費税を払うことになります。売るときの扱いは取り扱う会社の説明に書かれているので、契約の前に確認してください。
純金積立にする。ただし「金投資口座」とは別のものです
毎月決まった金額ぶんの金を買っていく方法です。貴金属商や証券会社が扱っていて、月に千円程度から始められるところもあります。毎月同じ金額で買うので、高いときは少なく、安いときは多く買うことになります。
費用は、購入のたびにかかる手数料、年会費、それに売る値段と買う値段の差です。この差は手数料という名前では書かれていないことが多いので、私は会社の価格ページで、同じ日の買値と売値の開きを見るようにしています。
契約の形も確かめたいところです。積み立てた金を会社が分けて保管してくれる形と、会社が預かった金を自分の事業に使える形があります。後者だと、その会社が倒れたときに金が戻らないおそれがあります。どちらの形なのかは約款や契約書に書かれているので、申し込む前に読むようにしています。
税金で気をつけたいのは、名前が似ている別の商品があることです。国税庁のタックスアンサーによると、銀行などの金投資口座・金貯蓄口座の利益は、金融類似商品として源泉分離課税の対象になります。この区分になると、確定申告で他の所得と合算することができません。いっぽう、積み立てた金そのものを売った利益は譲渡所得として扱われるのが原則です。同じ「積立」という言葉でも税金の扱いが変わるので、どちらの商品なのかを確認してください。
金のETFを買う
証券取引所に上場していて、株と同じように売買できる投資信託です。証券口座があればそのまま買えます。
費用は、売買のときの手数料と、持っているあいだずっとかかる信託報酬です。信託報酬は日割りで資産から引かれていくので、明細に請求として出てきません。金は何も生まないので、信託報酬のぶんはゆっくり目減りしていくことになります。だから私は、金に限らず、持ち続ける商品の信託報酬はいちばん先に確かめます。
銘柄ごとに、裏づけとして現物の金を持っているもの、一定量以上で現物に交換できるもの、金価格の指数に連動させているものなど、仕組みが違います。信託報酬の率も銘柄で違います。どの銘柄がいくらなのかは、その商品の目論見書と証券会社の商品ページに載っているので、そこで見るのが確実です。ここに率を書くと、変わったときに古い数字が残ってしまうので書きません。
金の投資信託を買う
取引所を通さず、証券会社や銀行で買う投資信託です。金額を指定して買えるので、毎月一定額の積立にしやすいのが特徴です。
費用は、買うときの手数料と信託報酬です。買うときの手数料がかからない商品もあります。
もうひとつ、為替があります。金の国際的な価格はドルで決まりますから、円で買う投資信託の値動きには、金の価格の動きと円とドルの動きの両方が入ります。為替の影響を抑える仕組みがついた商品と、ついていない商品があり、どちらなのかで値動きも費用も変わります。これも目論見書に書かれています。
NISAの対象になるかどうかは商品ごとに決まっています。金に関わる商品はすべて対象、というわけではありません。私は証券会社の商品ページで、その商品がNISAのどの枠で買えるのかを確かめることにしています。
先物や証拠金を使う取引。私は使っていません
預けたお金(証拠金)より大きな金額の取引ができる仕組みです。少ないお金で大きく動かせるということは、値が反対に動いたときの損も大きくなるということです。追加のお金を求められることもあります。
先物には期限があります。ずっと持ち続ける形にはなっていないので、持ち越すなら乗り換えの作業と費用が出てきます。私は長く持つことを前提にしているので、この形は使っていません。わからないものは買わない、と決めているだけのことです。
税金は、国税庁のタックスアンサーによると、一定の先物取引の差金等決済による所得は「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税になります。税率は所得税15%と住民税5%で、これに復興特別所得税が加わります。損失が出た年は、確定申告をしておけば翌年以後3年間繰り越して、先物取引の利益から差し引けます。ただし、先物以外の所得と損益を通算することはできません。
いわゆるCFDについては、店頭デリバティブ取引が一定の要件を満たせば同じ特例に含まれる、という書き方になっていました。自分が使う商品がどの区分になるのかは、業者の説明書を読んだうえで税務署に確かめるのが確実です。
税金の区分をまとめます
国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在の法令等)で確認できた内容です。
地金・金貨を売ったとき
原則として譲渡所得にあたり、給与などと合わせて計算する総合課税になります。利益は、売った金額から取得にかかった金額と売るためにかかった費用を引いて計算します。その年の総合課税の譲渡所得と合わせて50万円の特別控除があります。
持っていた期間で分かれます。5年以内に売った場合は、特別控除を引いた金額がそのまま課税の対象になります。5年を超えてから売った場合は、特別控除を引いた金額の2分の1が課税の対象になります。2分の1になるのは長期のほうだけです。
なお、営利を目的として継続的に売買している場合は、実際の状況によって事業所得または雑所得として扱われることがあります。何度も売買していると区分そのものが変わりうる、ということです。
金投資口座・金貯蓄口座
金融類似商品として、源泉分離課税の対象になります。確定申告で他の所得と合算することはできず、扶養の判定をするときの所得にも含まれません。
ETF・投資信託を売ったとき
株式等を譲渡した所得として、申告分離課税になります。現物の地金とは計算の仕組みが違うので、同じ年に両方を売った場合も、それぞれ別の欄で計算することになります。
2027年から変わること
国税庁のタックスアンサーには、令和9年(2027年)1月1日以後について、復興特別所得税の率が1.1%に下がり、あわせて防衛特別所得税が源泉徴収されるようになると書かれていました。源泉所得税額の1%とされています。制度は動きますから、申告の年の決まりを、そのときに確かめる必要があります。
ここに書いたのは制度のおおまかな形です。その人の所得の状況や取引のやり方によって扱いは変わりますし、私は税の専門家ではありません。具体的な判断は税理士や税務署に相談してください。
費用はどこで差がつくのか
5つを並べて、費用のかかり方は3つの型に分けられると思いました。
- 買うとき・売るときに一度だけかかるもの。売買手数料や購入時手数料がこれです。
- 持っているあいだ、ずっとかかるもの。信託報酬、保管料、年会費がこれです。
- 手数料という名前では書かれていないもの。同じ日の買値と売値の差です。
私がいちばん気をつけているのは2つめです。一度だけの手数料は目に見えるので比べやすいのですが、持っているあいだずっとかかる費用は明細に出てこないので、気づきにくい。長く持つつもりなら、こちらのほうが効いてきます。
3つめも見落としやすいところです。買値と売値に差があると、買った瞬間にその差のぶんだけ元本が目減りした状態から始まります。会社の価格ページで同じ日の両方の値段を見れば、どれくらい開いているかがわかります。
この記事に具体的な手数料の率や金額を書かなかったのは、会社ごとに違い、変わることもあるからです。古い数字を載せたままにして、それを見て決めてしまわれるのがいやなので、確かめ方だけを書きました。
この記事から削除したもの
この記事は2025年の前半に書いたもので、読み返すと直すところがありました。残しておきます。
- 「完全ガイド」「初心者から上級者まで徹底解説」という見出しの言い方は外しました。私が全部を解説できるわけではありません。
- 買い方ごとに「こんな人におすすめ」と振り分けていた部分は削除しました。誰に何が合うかを、私が決める立場にはありません。
- 「価値がゼロにならない」という断定は外しました。値段が大きく下がることはあります。
- 「月千円から」のような金額は、会社ごとに違うので「千円程度から始められるところもある」という書き方に直しました。
- 投資信託の説明が抜けていたので加えました。もとの記事はCFDを含む5つの分け方で、投資信託に触れていませんでした。
- 税金の説明がなかったので、国税庁のタックスアンサーで確認した区分を加えました。
- 短期のトレードに向く・上級者向けという評価の言葉は外し、仕組みの説明だけを残しました。
私が金の買い方を調べて思ったこと
私の投資は、ウォーレン・バフェットのやり方を真似しているだけです。よい会社を割安なときに買って長く持つ、決算は自分で見る、わからないものは買わない。
金の買い方を5つ並べてみて思ったのは、どれを選ぶかという話より、費用と税金の形を自分で言えるかどうかのほうが先だということでした。信託報酬がいくらか、買値と売値がどれだけ開いているか、売ったときにどの欄で申告するのか。これを言えないまま買うと、あとで思っていたのと違うことになります。
私は会社の決算を自分で開いて確かめるようにしていますが、金には決算書がありません。そのかわりに確かめられるのが、この費用と税金の部分でした。確かめられるところは確かめる。それだけのことだと思っています。
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金のETFや投資信託は証券口座で買えるので、株や投資信託と同じ画面で残高を見られます。費用の形が違うものを一か所に並べておくと、私は比べるのが楽になりました。
私が実際に使っているのは次の2つです。どちらも1株(単元未満株)から買えるので、いきなり大きな金額を動かす必要はありません。
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