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先に結論を書きます。日本の新NISAのお手本になったのは、イギリスのISAとアメリカの401kです。この2つの制度では、口座の残高が日本円で1億5,000万円を超えた人が、公式の統計で数えられるほど出ています。
ただし、その人たちが何に投資してどう増やしたかという「平均像」については、確かな出典が見つからない数字が多くありました。この記事では、出典をたどれた数字だけを残して、確認できなかったものは削りました。
制度の内容は2026年10月時点のものです。為替は1ポンド200円、1ドル156円で概算しています。
※私は税理士ではありません。制度は改正されます。具体的な税額や手続きはご自身の状況で変わるので、税理士や所轄の税務署、お勤め先の担当部署にご確認ください。
※本記事は私個人の考えと調べたことの紹介であり、特定の会社・商品の購入を推奨するものではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。数字は記載の時点のもので変わります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
イギリスのISAとは、どんな制度なのか
ISAは Individual Savings Account(個人貯蓄口座)の略で、イギリスの非課税投資制度です。口座の中で得た値上がり益、配当、利息に税金がかからない、という仕組みです。
日本の新NISAと考え方がよく似ています。というより、日本がISAを参考にしたので、名前も頭に「N(Nippon)」を付けてNISAになっています。
イギリスには現金で預けるタイプと、株式や投資信託で運用するタイプがあります。長く続けた人の残高が大きくなっているのは、株式で運用するタイプのほうです。
ISAの残高が100万ポンドを超えた人は約5,070人
イギリスの歳入関税庁(HMRC)のデータによると、2022年から2023年の税年度で、ISA口座の残高が100万ポンド(1ポンド200円の概算で約2億円)を超えた人は5,070人でした。過去最高だと報じられています。
内訳は次のとおりです。人数は毎年4月5日時点で集計されたものです。
| ISA残高 | 円の概算 | 人数 |
|---|---|---|
| 100万〜199万ポンド | 約2億〜4億円 | 約4,800人 |
| 200万〜299万ポンド | 約4億〜6億円 | 約200人 |
| 300万〜399万ポンド | 約6億〜8億円 | 約30人 |
| 400万ポンド以上 | 約8億円以上 | 約50人 |
内訳の合計は5,080人で、公表されている総数の5,070人と10人分合いません。報道でもその点が注記されていました。私もそのまま書いておきます。
9割近くが2億円から4億円のところに固まっています。けた違いに増えた少数の人の話ではなく、同じくらいの年数を続けた人が同じくらいのところに着地している、という形に見えました。
ISA全体の規模はどれくらいか
イギリス政府の公式統計(2024年9月公表)では、2022年から2023年の税年度における成人向けISAの残高の時価総額は7,259億ポンドでした。1ポンド200円の概算で約145兆円です。同じ年度に新たに申し込まれた口座は約1,240万口座でした。
元の原稿には7,506億ポンドという数字が入っていましたが、公式統計で確認できたのは7,259億ポンドだったので、そちらに直しました。
アメリカの401kミリオネアの数
アメリカの401kは、会社を通じて加入する確定拠出年金です。残高が100万ドル(1ドル156円の概算で約1億5,600万円)を超えた口座を持つ人が、401kミリオネアと呼ばれています。
大手運用会社フィデリティの集計では、次のように推移しています。
| 時点 | 401k残高100万ドル超の口座数 |
|---|---|
| 2024年末 | 約53万7,000件 |
| 2025年3月末 | 約51万2,000件 |
| 2025年6月末 | 約59万5,000件 |
| 2025年12月末 | 約66万5,000件 |
2025年3月末にいったん減っているのが、私には大事なところでした。相場が下がれば残高も減ります。一直線に増えてきたわけではありません。
401kミリオネアの平均像(公表されている数字)
フィデリティの2025年6月末時点の集計では、401kミリオネアの平均像はこうなっていました。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 平均年齢 | 約59歳 |
| 制度への加入期間 | 平均25年 |
| 本人の拠出率 | 約17.6パーセント |
| 会社の拠出を含めた拠出率 | 約26.2パーセント |
世代別の構成は、X世代が60.3パーセント、ベビーブーマー世代が34.6パーセント、ミレニアル世代が4.1パーセントと公表されています。
私がここでいちばん驚いたのは、拠出率です。本人が手取りの17.6パーセントを出し、会社の分を合わせると26.2パーセントになっています。25年続けた、というだけではなく、入れている額そのものが大きい。増えた理由を相場だけに帰すのは違うと思いました。
ちなみに401kの平均残高は13万7,800ドル(約2,150万円)で、ミリオネアはその中のごく一部です。平均値と上位の数字を混ぜないようにしたいところだと思っています。
確認できなかったので削った数字
元の原稿には、ISAミリオネアや401kミリオネアの「平均的な資産配分」として、株式80から85パーセント、債券10から15パーセント、現金5パーセント、英国株30から35パーセント、米国株25から30パーセントといった細かい数字が並んでいました。
出どころを探したのですが、HMRCもフィデリティも、ミリオネアの中身の内訳をこの形では公表していませんでした。確認できないので削りました。
同じ理由で、到達までの年数を25年から30年とした数字、積立総額を3,000万円から4,000万円とした数字、別の調査会社の割合として書かれていた数字も削っています。何に投資していたかを数字で語るには、私の手元の材料が足りませんでした。
この記事では、出典を確認できない発言は引用していません。
ほかの国にも似た制度があります
老後のお金を自分で育てる仕組みは、日本やイギリス、アメリカだけのものではありません。制度のおおまかな形を並べておきます。金額や条件は国ごとに改正されるので、細かい数字は書きません。
| 国 | 制度 | おおまかな特徴 |
|---|---|---|
| カナダ | RRSP/TFSA | RRSPは掛金が所得控除、TFSAは運用益が非課税で引き出しの自由度が高い |
| オーストラリア | スーパーアニュエーション | 雇用主の拠出が義務づけられ、運用を前提にした老後資金の仕組み |
| ドイツ | リースター年金など | 公的年金に上乗せする私的積立に税制上の優遇がある |
| フランス | PER(個人退職貯蓄制度) | 老後目的の積立に税制優遇。近年に制度が整えられた |
| 日本 | NISA/iDeCo | NISAは運用益が非課税、iDeCoは掛金が所得控除で運用益も非課税 |
元の原稿には、それぞれの国で富裕層がどれだけ増えたかという記述もありましたが、出典が特定できなかったので削りました。制度の形だけを残しています。
日本のNISAとiDeCo(2026年10月時点の制度)
新NISAの枠は次のようになっています。これも制度なので、改正されれば変わります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| つみたて投資枠 | 年120万円まで |
| 成長投資枠 | 年240万円まで |
| 両方を併用した場合の年間 | 360万円まで |
| 生涯の非課税限度額 | 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで) |
| 非課税で保有できる期間 | 無期限 |
iDeCoは、掛金が所得控除になり、運用益も非課税になる制度です。ただし、受け取るときに退職所得や年金として課税の対象になります。掛金の上限や加入できる年齢、受け取り方による課税の扱いは、お勤め先の制度や働き方によって変わります。
この受け取り方の部分は、私が自分の言葉で説明できる範囲を超えています。順番や時期でどれくらい変わるのかは、ご自身の状況で税理士や所轄の税務署、お勤め先の担当部署に確認していただくのが確実だと思います。私も自分の分は専門の方に聞いています。
私がこの数字をどう受け止めたか
ISAも401kも、残高が大きくなった人は、だいたい25年前後その制度を使い続けていました。短期間で増やした人の話ではありませんでした。
それと同時に、私が見落としたくなかったのは拠出の重さです。401kミリオネアの平均は、会社の分を含めて手取りの4分の1以上を入れています。制度と相場だけで到達した数字ではない、ということだと受け止めました。
私は40代の終わりに投資を始めたので、25年という期間をそのまま確保できません。だから同じ結果を目指すのではなく、自分が使える年数と出せる額のなかで何ができるか、という考え方にしました。配当金で暮らす形を選んだのもそれが理由です。
「制度を使った人は必ず豊かになる」という書き方は、私はしないことにしました。相場が下がれば残高は減ります。2025年3月末に401kミリオネアの数が減っているのが、その証拠だと思っています。
まとめ
イギリスのISAでは、残高が100万ポンドを超えた人が2022年から2023年の税年度に5,070人。アメリカの401kでは、残高100万ドル超の口座が2025年12月末で約66万5,000件。どちらも公式の統計や運用会社の集計で確認できた数字です。
共通していたのは、25年前後という期間の長さと、拠出の額の大きさでした。投資先の内訳については、私が確認できる材料がなかったので書いていません。
日本の新NISAは、年360万円、生涯1,800万円、非課税期間は無期限です。これをどう使うかは人それぞれで、私にはどなたかの最適な順番を示すことはできません。
※私は税理士ではありません。制度は改正されます。具体的な税額や手続きはご自身の状況で変わるので、税理士や所轄の税務署、お勤め先の担当部署にご確認ください。制度の内容は2026年10月時点のものです。
※出典は、イギリス歳入関税庁(HMRC)のISA統計および2024年9月公表の政府公式統計、フィデリティ・インベストメンツの退職資産に関する四半期集計の報道、新NISAの制度解説です。いずれも2026年10月時点で確認したものです。
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