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結論を先に書きます。「日経平均は年内に7万7000円」という数字は、予言ではなく、ただのかけ算から出たものです。来期の1株当たり利益(EPS)を3,100円と置き、株価収益率(PER)を25倍と置いて掛けると、77,500円になります。どちらも「こうなったら」という仮定なので、置き方を変えれば答えはいくらでも変わります。私はこの手の数字を見て売買を決めるのをやめました。
私は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。この記事は相場の見通しを紹介したうえで、自分がどう受け止めたかを書いたもので、投資の助言ではありません。もとの記事は2026年2月11日に書いたもので、2026年10月に数字を確かめ直して書き直しています。
この記事は、もともと強気な予想を並べただけのものでした
最初に書いたときの私は、どこかで読んだ強気の見通しをそのまま並べて、「ここは買い場です」という方向に話を寄せていました。読み返して、これは私が人に出していい形ではないと思いました。断定した部分と、買いをすすめる部分を外して、数字の作り方の説明として残すことにしました。
7万7000円という数字は、どう作られていたのか
株価は、おおまかに「1株当たり利益 × 株価収益率」に分解できます。日経平均も同じ形で語られます。
もとの記事では、来期の日経平均のEPSが3,100円程度まで積み上がり、PERがこれまでの15倍から20倍あたりではなく25倍まで許容されるようになる、と置いていました。3,100円に25倍を掛けると77,500円です。数式そのものは正しいかけ算ですが、入れている2つの数字がどちらも予想です。
なお、EPSを3,100円とした根拠は、私のほうで出どころを確かめられませんでした。だれかの試算をそのまま使っていた可能性が高いので、断定の形では残しません。
利益が増えると言われていた理由
ひとつは、値上げが通るようになったことです。原材料が上がったら売値に乗せる、という当たり前のことが、長いデフレのあとでようやく通るようになりました。物価が上がる世界では売上の金額そのものが膨らむので、固定費の重い会社では利益の伸び方が大きく見えます。
もうひとつは自社株買いです。1株当たり利益は「利益 ÷ 株式数」なので、会社が自分の株を買って株式数が減れば、利益の総額が同じでも1株当たりは増えます。これは計算のうえで自動的に起きることです。
三つめは、政府が力を入れている分野への投資です。もとの記事には重点分野の数まで書いてありましたが、その内訳を私のほうで確かめられなかったので外しました。
期待のほうが上がると言われていた理由
PERは「その会社の将来にどれだけお金を払う気があるか」という倍率です。日本株は長いあいだ、株価が1株当たりの純資産を下回る会社が放置されてきました。東京証券取引所が資本効率の改善を促したことや、企業統治のルールが見直されたことで、会社が資本の使い方を気にするようになった、という説明です。
持ち合い株を手放す会社や、採算の合わない事業をやめる会社が増えたことで、海外の投資家が日本の会社を見直し始めた、という見立てもあります。ここまでは起きている話として理解できます。ただ、そこから「だからPER25倍まで許される」と決めるのは、人の気分の話です。
このかけ算の弱いところ
EPSは会社の見通し次第で動きます。PERは買う人の気分次第で動きます。予想を2つ掛けると、ずれも掛け算になります。EPSが3,000円でPERが18倍なら、同じ式で54,000円です。前提を少し動かすだけで2万円以上変わる計算を、私は自分の売買の根拠にできません。
その後、相場はどうなったか
この記事を書いたあとの動きを、事実として書いておきます。日経平均は2026年10月6日の終値で70,683.98円でした。2月の時点で書いた強気の見通しの方向に、実際に動いたことになります。
ただ、だから予想が正しかったとは私は思いません。当たった予想も、外れた予想も、やっていることは同じかけ算です。次の半年が同じ方向に動く理由にはなりません。
相場を押し上げた材料として、2026年2月にNYダウが史上初めて5万ドル台に乗ったこと、国内で選挙を経て政権の枠組みが固まったことが挙げられていました。この2つは起きた事実です。そこから先の「だから上がり続ける」は、私が保証できることではありません。
気をつけておきたいこと
私が気にしているのは、国内よりアメリカです。金融政策の方向が変わるとき、相場は一度大きく揺れます。円安が進めば輸入物価が上がり、円高に振れれば外国の資産は円で見た金額が減ります。金利が上がる局面では、借入の多い会社の負担が増えます。
どれも私には読めません。読めないので、下がったときに困らない金額しか動かさないようにしています。
この記事から外したもの
「押し目買いの勇気」「一時的なショックはバーゲンセール」「絶好の買い場と歓迎する」といった、下がったら買えという書き方をすべて外しました。買える人と買えない人がいるのに、一方だけを勧める形になっていました。
「国策分野のリーダー株を買う」「PER25倍まで許容するマインドを持ちましょう」のように、読む人の判断を一方向に寄せる書き方も外しました。私は投資助言・代理業の登録を受けていません。
「投資家OSの更新」という表で、以前の見方を古いもの、新しい見方を正しいものとして並べていた部分も外しました。割高かどうかの基準を捨てましょうという話は、私の考えとも違います。
見出しに「PBR20倍を壁にしない」と書いて、本文ではPERの話をしていた箇所がありました。PBRは純資産に対する倍率、PERは利益に対する倍率で、別のものです。混ざっていたので直しました。
数式がLaTeXの記号のまま貼られていた部分も、ふつうの文章に直しました。
私がしていること
私は指数の予想では動きません。見るのは、持っている会社と、気になっている会社の決算です。稼ぎが続いているか、借金が重すぎないか、景気の悪い年にも配当を出してきたか。そこを自分で開いて確かめます。
私の投資はウォーレン・バフェットのやり方を真似しています。良い会社を割安なときに買って長く持つ、決算は自分で見る、わからないものは買わない。7万7000円という数字は、この3つのどれにも関係がありませんでした。
相場が高いと感じる時期は、私は買う金額を小さくします。1株から買えるようにしてあるのは、こういうときに手を止めすぎずに済むからです。
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相場の予想を追いかけるのをやめてから、私が見る画面は決算の資料と自分の保有一覧だけになりました。相場が高いと感じる時期ほど、1株ずつ買える口座があると、手を止めずに続けられます。
私が実際に使っているのは次の2つです。どちらも1株(単元未満株)から買えるので、いきなり大きな金額を動かす必要はありません。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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