複利効果っていうのは、「ふえたお金が、さらにお金をふやしてくれる」しくみ
100円を持っていて、1年で10円ふえる貯金がある
1年目が終わると、100円が110円になる。
2年目は、この「110円ぜんぶ」がふえるもとになるから、10円じゃなくて11円ふえて、121円になる
3年目は、121円がもとになって、もっとふえる。
最初の100円だけじゃなくて、「ふえた分の10円や11円」も、いっしょになってお金をふやしてくれる
雪だるまみたいに 小さな雪のかたまりをゆきの上でころがすと、まわりの雪がくっついて、だんだん大きくなる。大きくなればなるほど、一回ころがすだけでくっつく雪の量もふえていく。お金もこれと同じで、「ふえたらふえるほど、ふえるスピードが速くなる」
これが複利効果。さいしょはゆっくりだけど、時間がたつほどグングン大きくなっていく、まほうみたいなしくみ
伊藤忠商事に100万円を入れたとして、10年で株価が7倍になったとする。何もせずにずっと持ち続けていただけなら、100万円が700万円になっている計算。追加でお金を入れたわけでもなく、ただ持っていただけでこれだけ増えた。
ところが、ここで「売ったり買ったり」をくり返すと、この育つ力が弱まってしまうことがある なぜか
まず一つめ。途中で売ってしまうと、その先の値上がりに乗れなくなる。たとえば2020年あたりの500円くらいのときに「もうけが出たから売ろう」と売ってしまったら、そのあと1,750円まで上がる、いちばんおいしい部分をまるごと逃すことになる。さっきの雪だるまでいうと、大きくなる前に転がすのをやめてしまうようなもの。
二つめ。売るたびに税金がかかる。日本では利益のおよそ2割が税金として引かれるから、売って利益を確定するたびに、増えるもとになるお金が目減りしてしまう。本当なら次もそのお金が働いてくれるはずなのに、税金で先に持っていかれてしまう。
三つめ。売ったあと「もっと下がってから買い直そう」と思っても、思いどおりに下がってくれるとは限らない。チャートを見てもわかるとおり、上がったり下がったりしながらも全体としては右肩上がりだよね。タイミングを当て続けるのはプロでもむずかしくて、いったん降りると、上がっていく電車にもう一度乗りそこねることが多い
四つめ。配当も忘れちゃいけない。伊藤忠のような会社は持っているだけで配当金がもらえる。その配当をまた投資に回すと、雪だるまがさらに大きくなる。でも頻繁に売り買いしていると、この配当を受け取り続ける流れもとぎれてしまう
逆に言えば、いちばん強いのは「良い会社を選んで、あとはどっしり持ち続けること」。追加でお金を足さなくても、会社そのものが成長して株価が上がり、配当も入ってきて、その配当がまた働いてくれる。手を動かさないことが、いちばん複利の力を活かす方法になる、というのがおもしろいところ。
世間でとてもよく言われているのは、アインシュタインが複利のことを「世界の八番目の不思議(the eighth wonder of the world)」と呼んだ、という話。続きまである言葉で、「複利は世界の八番目の不思議である。これを理解する者はこれによって稼ぎ、理解しない者はこれを払う」という形でよく紹介される。「ふくり」を味方につける人はお金を増やし、知らない人は(借金などで)逆に取られてしまう、という意味。
専門の検証では、アインシュタインやロスチャイルド男爵、ロックフェラーがこの言葉を使ったという確かな根拠は見つかっていないとされている。さらに、この複利についての言葉がアインシュタインに結びつけられたのは彼の生前ではなく、亡くなって数十年たってから初めて印刷物に登場したという指摘もある。
「八番目の不思議」という言い回し自体も、もっと古くからあって、複利を「八番目の不思議」と呼んだのは1925年のある銀行の広告で、そこには誰の言葉という記載もなかったんだよ。つまり、もともとは広告のうたい文句だった可能性が高い
複利という考え方自体は、古代バビロニアやメソポタミアの時代からあった、とても古い金融の知恵で、特定の天才が発明したものではない。アインシュタインの名前がくっついたのは、「天才が言ったことにすると説得力が増す」という、よくある後付けだと考えられている。
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