YOC(Yield on Cost)=「自分だけの配当利回り」の威力
伊藤忠商事さん(視聴者の方)が「利回り12.5%、無料で配当金をいただいている」とおっしゃる——これがまさに**YOC(取得価格利回り)**です。
普通、ニュースやアプリに出る「配当利回り2〜3%」は、今日の株価で買った人の数字です。でも伊藤忠商事さんが見ているのは違います。
YOC = 今もらえる年間配当 ÷ 自分が昔買ったときの株価
ここが決定的に大事なところです。株価は上がっても、増配されても、あなたが昔払った「取得価格」は一生変わりません。 だから——
- 株価が上がっても、あなたのYOCは下がらない(むしろ増配で上がり続ける)
- 新しく買う人には「利回り2.5%」でも、30年前から持つ人には「利回り12.5%」
- 同じ会社の同じ株なのに、いつ買ったかで利回りがまるで別物になる
これは「昔の自分」が「今の自分」に毎年プレゼントを贈り続けてくれているようなものです。早く始めた人ほど、この差は雪だるま式に開いていきます。
そして増配がこれに乗ります。商社は配当をどんどん増やしてきました。三菱商事は累進配当方針を維持し、2024年度は3,950億円を自社株買いで還元、配当も増配を続けています。買ったときの株価は固定なのに、もらえる配当だけが毎年膨らむ。だからYOCは年々上がっていくのです。
それでは、この仕組みを見える化します。スライダーを動かすと、元本・年数を変えたときに「自分だけの利回り(YOC)」「累計配当」「元本回収のタイミング」がどう変わるか、その場で見えます。
最後に、ここまでの話を3つのポイントで整理します。
① 利回りは「いつ買ったか」で別物になる 今の株価で買う人には2〜3%でも、昔から持つ人には10%超。同じ株でも取得価格が固定だから、新規の人とは見ている世界が違う。これが「自分だけの利回り=YOC」です。
② 増配が雪だるまを転がす 商社は累進配当(減配しない方針)で配当を増やし続けてきました。2025年度には伊藤忠商事が純利益で5大商社の首位を奪取するなど、各社が稼ぐ力を伸ばし続けています。買った値段は変わらないのに、もらえる配当だけが毎年増える。だから持てば持つほどYOCが上がる。
③ 元本回収後は「タダの配当」になる グラフの青い線(累計配当)が元本に追いつく瞬間が「元本回収完了」。そこから先は、もう取り戻したお金。あとは一生、タダで配当をもらい続けながら、株価という資産も別に増えていく——伊藤忠商事さんの「無料で有り難く頂いている」はこの状態のことですね。
- 現在値 1,843円(2026/6/9)、予想1株配当44円(27/3期予想)
- 配当推移:2010年3円 → 2025年40円 → 2026年予42円 → 2027年予44円
- 30年チャートで株価が右肩上がり(30年前は数十円〜100円台、現在約1,840円)
計算の前提(明示)
- 30年前に投資、当時の配当利回り4%
- 伊藤忠の実際の増配ペース:画像より2010年3円→2025年40円で約15年で13倍、年率約19%。ただし長期では現実的に年7%の増配を基本シナリオに設定(控えめ・保守的)
- 株価は配当成長に連動して長期上昇すると仮定(利回り一定なら株価も増配率と同ペースで上昇)
100万円・500万円・1000万円
具体的な数字を書き出しておきます(**初年度利回り4%・増配年率7%**の基本シナリオ、500万円投資の例):
500万円を30年前に投資していたら(増配年率7%)
- 初年度の配当:20万円(利回り4%)
- 10年後:年間配当 約37万円/YOC 7.4%/株式評価額 約920万円
- 20年後:年間配当 約72万円/YOC 14.5%/株式評価額 約1,810万円
- 30年後:年間配当 約145万円/YOC 29%/株式評価額 約3,800万円(元本の約7.6倍)
- 累計でもらった配当は元本500万円を17年目に超え、以降は「タダの配当」
- 35年後:年間配当 約204万円/40年後:年間配当 約286万円
100万円なら全部1/5、1000万円なら全部2倍で読み替えられます。増配率を画像の実績(2010→2025で年率約19%)に近づけてスライダーを上げると、数字はさらに跳ね上がります。
増配力の威力を一言でまとめると——買った値段は一生変わらないのに、もらえる配当だけが毎年膨らむ。だから「自分だけの利回り(YOC)」が4%→30%へと育ち、株価という資産も同時に増えていく。これが伊藤忠商事さんの「無料で有り難く頂いている」の正体です。
① 持っているだけで増え続ける「金のなる木」を引き継げる 現金や預金を相続しても利息はほぼゼロですが、伊藤忠のような累進配当株は、相続した側のYOCも引き継がれます。親が4%で買った株は、子にとっても「取得価格4%+これまでの増配」が乗った状態。受け取った瞬間から高いYOCで配当が入り続けます。
② 配当というキャッシュフローが、相続税の納税原資になる 不動産を相続すると「土地はあるのに納税の現金がない」という事態が起きがちです。高配当株なら毎年の配当が現金で入るため、納税資金を配当でまかなったり、最悪一部を売却して納税し残りを持ち続けたりと、柔軟に対応できます。
③ 1株単位で分けられるので「争続」になりにくい 不動産は物理的に分割できず、兄弟で揉める最大の原因になります。株式は1株単位で公平にきっちり分けられ、評価額も市場価格で明確。分割のしやすさは現金に次ぐ高さです。
④ 相続後の管理・維持コストがほぼかからない 不動産は固定資産税・修繕費・管理の手間が一生ついて回ります。株式は保有コストがほぼゼロで、相続した子世代が投資に詳しくなくても、ただ持っているだけで配当が入る。手離れの良さが資産として優秀です。
⑤ インフレに負けず、次の世代でも価値が目減りしにくい 現金は時間とともにインフレで実質価値が下がりますが、商社のような実物資産・事業を持つ企業の株は、物価上昇に合わせて利益も配当も伸びやすい。「孫の代まで価値が続く資産」を遺せます。
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