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新NISAの非課税の枠は、生涯で1800万円です。この1800万円を5年かけて入れて、そのあと10年そのまま置いたら、いくらになるのか。私が電卓で出した概算では、年5%で約3240万円、年7%で約4050万円、年9%で約5100万円でした。「老後に3000万円」という数字は、年5%でも手が届く計算になります。
ただし、これは一定の利回りが続いた場合の単純な複利計算です。税金も手数料も、途中の下落も入っていません。実際の相場では、途中で3割下がる年もあります。それでも私は、入れる金額を無理のない額にして、やめないことだけを決めました。この記事では、その試算の中身と、あわせて「今の日本株はバブルの時と何が違うのか」を数字で並べたものをまとめます。
私は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。この記事は私が自分の判断で調べて決めたことの記録で、特定の金融商品や会社をおすすめするものではありません。記事中の数字や制度は2026年10月時点のもので、あとから変わることがあります。最終的な判断はご自身でお願いいたします。
新NISAの1800万円を15年置いたら、私の電卓ではこうなりました
前提をそろえます。5年間で合計1800万円(毎年360万円)を入れて、そのあとは10年そのまま置く。合計15年です。利回りは、よく目安として挙がる範囲から3つ取りました。
- 年9%|S&P500に連動する投資信託で、過去の平均としてよく挙がる上の方の数字
- 年7%|全世界株(いわゆるオルカン)で、よく挙がる真ん中あたりの数字
- 年5%|控えめに見た場合
この3つで計算すると、こうなりました。いずれも概算です。
- 年9%|5年後 約2150万円 → 10年後 約5100万円(元本の約2.8倍)
- 年7%|5年後 約2060万円 → 10年後 約4050万円(元本の約2.2倍)
- 年5%|5年後 約1990万円 → 10年後 約3240万円(元本の約1.8倍)
私が驚いたのは、控えめに見た年5%でも3000万円を超えてくるところでした。「老後に3000万円」と聞くと身構えてしまいますが、枠を使い切って15年置くという前提なら、そこまで遠い数字ではないのだと思いました。
なぜこうなるのか。最初の数年は、自分が入れたお金が積み上がっているだけです。ところが途中から、増えた分がさらに増えていきます。雪だるまが転がって大きくなるのと同じで、複利と呼ばれるものです。だから15年という期間そのものが、金額と同じくらい効いてきます。
ただし、途中で下がる年があります
この計算には、下落が入っていません。実際には1年単位で負けることが普通にあります。私が覚えているのは、この2回です。
- リーマンショック(2008年)|世界の株式が大きく下げました。その後、数年かけて戻り、やがて以前の高値を超えていきました。
- コロナショック(2020年)|短い期間で3割ほど下げました。こちらは1年から2年ほどで戻っています。
- (下落率は指数や期間の取り方で変わります。「3割下がった」という言い方は、あくまでおおまかな目安として書いています。)
株価が上がるか下がるかは、私にはわかりません。ただ、長い期間で見ると世界の企業は利益を増やしてきました。だから私は、相場を当てにいくのをやめて、入れる金額を「このまま10年続けられる額」にそろえました。大きく下げた日は、安く買える日として受け止めるようにしています。
毎月の積立で3000万円に届くまで|年齢別の目安
まとまった1800万円がない場合はどうなるか。毎月いくら入れれば70歳までに3000万円になるか、始める年齢ごとに概算してみました。利回りは控えめな年5%と、現実的な線として年7%の2つです。
- 50歳から(20年)|年5%なら毎月およそ7万5千円、年7%ならおよそ5万5千円
- 55歳から(15年)|年5%ならおよそ11万5千円、年7%ならおよそ9万5千円
- 60歳から(10年)|年5%ならおよそ19万円、年7%ならおよそ17万円
- 65歳から(5年)|年5%ならおよそ45万円、年7%ならおよそ43万円
- 70歳から|積み立てで作る期間がほとんど残らないので、この計算は成り立ちませんでした
同じ3000万円なのに、50歳なら月5万円台から見えてくるのに、65歳からでは月40万円を超えます。違っているのは金額ではなく、期間だけです。複利が転がる時間が長いほど、自分が出す金額は少なくて済む、ということでした。
私が50代で考えたのは、年齢によってやることが変わる、ということです。
- 50代前半|積み立てが中心でよさそうだと考えました。全世界株やS&P500に連動する投資信託だけでも形になります。
- 60歳前後|積み立てに加えて、すでに手元にあるお金をどう置くかを一緒に考える段階だと思っています。無理な額は入れないようにしています。
- 65歳以降|増やすことより、減らさないことを先に置くようにしています。
なお、ここに並べた毎月の金額は、新NISAの積立投資枠の上限(月10万円)を超えるものもあります。その場合は成長投資枠や課税口座を併せて使う前提の数字です。制度の枠は変わることがありますので、実際に始められる前に各社の案内でご確認ください。
私が会社を見るときの5つの数字
投資信託だけでなく、私は個別の会社も持っています。会社を見るときに私が必ず開く数字が5つあります。難しい言葉に見えますが、やっていることは「いい会社を、安いときに買う」の判断材料にすぎません。
- PER|今の値段が、1年の利益の何年分かを表します。20倍なら利益の20年分の値段、ということです。高いほど期待が乗っていると見ます。
- PBR|会社が持っている資産に対して、今の値段が何倍かです。1倍なら、会社をたたんだときの価値とほぼ同じ値段ということになります。
- ROE|預かったお金をどれだけうまく使って利益にしているか、という数字です。経営の上手さを見るところです。
- EPS|1株あたりの利益です。去年100円、今年120円と伸びているなら、会社が育っているということです。値段は結局ここについてきます。
- 営業利益率|売上のうち、本業でどれだけ利益が残るかです。100円売って10円残れば10%。5%で普通、10%で強い、20%を超えると相当に強い、というくらいで私は見ています。
この5つの目安の数字(ROEは10%、営業利益率は10%など)は、私が投資家の解説をいくつか見て覚えたもので、公式に決まった基準ではありません。業種によって水準はまったく違います。小売と製薬を同じ10%で比べても意味がないので、私は同じ業種の中で見比べるようにしています。
今の日本株は、バブル期と数字がどう違うか
「今の日本株はバブルではないか」という声を、よく聞きます。私も気になったので、さきほどの5つの数字で、1990年前後と今を並べてみました。
- PER|バブル期は60倍前後まで行ったと言われます。利益の60年分の値段です。今の日本株は13倍から15倍あたりで、世界のほかの市場と比べても高いほうではありません。
- PBR|バブル期は5倍を超える会社がたくさんあったと言われます。今は1倍前後が多く、資産の価値と同じくらいの値段で取引されている会社も残っています。
- ROE|バブル期は5%前後で、お金をうまく使えていませんでした。今は10%前後まで上がってきています。
- EPS|バブル期は利益がほとんど伸びないまま値段だけが上がっていました。今は利益そのものが伸びている会社が多くなっています。
- 自社株買いと配当|昔の日本の会社は株主への還元に消極的だと言われていました。今は配当を増やす会社も、自社株買いをする会社も増えています。
この並べ方で見ると、バブル期は「中身がないまま膨らんだ風船」で、今は「利益を出すエンジンが動いている状態」という違いになります。ただし、これで「今はバブルではないと言い切れる」とは私は思っていません。PERやPBRが低いことは、高すぎないという話であって、下がらないという話ではないからです。元の記事では「バブルではないと言い切れる」という書き方をしていましたが、私にはそこまで断定できないので、今回ここを直しました。
また、ここに挙げたバブル期の数字(PER60倍、PBR5倍超、ROE5%前後など)は、よく引かれる水準ではありますが、どの指数のどの時点を取ったものなのか、私には出どころを確かめられませんでした。おおまかな比較として読んでいただければと思います。
「プライベート・クレジット」とバブル期の銀行融資
最近「プライベート・クレジット」という言葉を目にするようになりました。銀行以外がお金を貸す仕組みのことです。投資ファンドや保険会社、大口の投資家が、会社に直接お金を貸します。これが新しいバブルの火種になるのではないか、という話が出ています。
バブル期の日本と比べると、主役が違います。当時はお金を出していたのが銀行でした。銀行が土地を担保に大量に貸し、しかも規制がゆるかった。今のプライベート・クレジットは、お金を出しているのが投資家で、貸し先も分かれています。仕組みとしては別のものです。
とはいえ、似ているところはあります。世の中にお金が余っていると、貸す側がどんどん貸してしまい、リスクを見なくなる。これは当時と同じです。市場の規模も急に大きくなっていると言われます。元の記事には「約1500兆円規模とも言われる」と書いてありましたが、この数字の出どころは確かめられませんでした。私が見かけた推計はこれよりかなり小さいものが多かったので、具体的な金額は外しておきます。確かなのは「急に大きくなっている」という方向だけです。
違うところを一つ挙げるなら、当時は日本という1つの国に集中していました。だから崩れたときに国全体が傷みました。今は貸し先が世界に分かれています。一部で焦げ付いても、全体がいっぺんに倒れる形にはなりにくい、という見方です。ここも私の見方で、保証ではありません。
バブル崩壊で実際に起きたこと
当時の銀行は、何にお金を貸していたのか。貸し先は、土地やビル、不動産会社、そしてさらに人に貸すための会社でした。つまり「土地の値段が上がり続ける」という前提の上に乗っていました。担保は土地の値段だけで、借りた側の事業の中身や、返せるかどうかは、あまり見られていなかったと言われます。
そのお金は、ほとんど戻りませんでした。地価が大きく下がり、借りた側が行き詰まり、担保の価値が消えたからです。残った不良債権の処理には、銀行の損失計上と国の資本注入、つまり税金が使われ、10年以上かかりました。国全体で後片付けをしたということです。
個人にも、会社にも、銀行にも、同じことが起きています。
- 個人|土地を担保に借金をして、株や不動産を買っていた方がいました。地価も株価も下がったあとに残ったのは借金だけで、自己破産に至った例があります。資産がゼロになるのではなく、マイナスになる。私がいちばん怖いと思うのはここです。
- 証券会社|山一證券は損失を隠していたことが明らかになり、信用を失って会社そのものがなくなりました。記者会見での「社員は悪くありませんから」という言葉は、今も語られています。
- 銀行|北海道拓殖銀行は、不動産やリゾート開発に大量に貸して回収できず、破綻しました。都市銀行が倒れるということ自体が、当時は衝撃でした。
- 長期信用銀行|日本長期信用銀行も不良債権をかかえ、国に救済されて一時国有化されました。優秀と言われていた銀行でも、判断を間違えれば終わるということです。
- 不動産会社|借金で土地を買い増していた会社は、地価が下がったところで次々に行き詰まりました。
なお、ここで挙げた損失や不良債権の金額(元の記事には銀行の総貸出残高や不良債権の総額、山一證券の損失隠しの金額が書かれていました)は、出どころを確かめられず、私が見た資料とも桁が合いませんでした。そのため金額は本文から外し、何が起きたかだけを残しています。金額を知りたい方は、金融庁や日本銀行の公表資料でご確認ください。
共通していたのは3つでした。借金で投資していたこと。値上がりを前提にしていたこと。そして、実体を見ていなかったこと。お金は期待では増えず、利益でしか増えない、ということだと私は受け止めています。
当時と今で、変わったと言われていること
では、同じことがまた起きるのか。少なくとも仕組みは当時と変わっています。
- 個人|借金で何倍もの金額を動かすことに規制が入り、住宅ローンの審査も当時よりきびしくなりました。
- 会社|値上がり益より、利益と手元の現金を重く見るようになりました。
- 銀行|自己資本や貸し出しに関する規制が、当時とは比べものにならないほど細かくなっています。
- 国|お金を出しすぎたときに金利で調整する、という考え方が共有されるようになりました。
- 私たち|非課税の制度が整い、投資信託を通じて世界に分けて持つことが、ふつうにできるようになりました。
国が変えたこと
- お金の出しすぎを止める|景気が良すぎるときには金利でブレーキをかける、という考え方になりました。当時は出しすぎたと言われています。
- 銀行のルールを強くする|自己資本比率という体力のチェックが入り、危ない貸し出しに制限がかかりました。銀行が倒れにくい仕組みが作られたということです。
- 情報を開示させる|決算の開示が義務になり、不正の監視も入りました。隠しにくい世の中になっています。
会社が変えたこと
- 借金を減らした|今の日本の会社は手元に現金を多く持ち、無理な投資をしなくなりました。
- 本業で稼ぐようになった|昔は土地や株で儲けるという話がありましたが、今は商品やサービスで稼ぐ形に戻っています。
- 最悪のケースを想定するようになった|無理な成長を追わない経営に変わってきました。
一方で、個人はどうだったか。私自身をふくめて、怖さだけが残って、やり方のほうは引き継がれなかったように思います。
同じ壊れ方はしにくくなった、というのが私の受け止めです。ただ「壊れない」ということではありません。だから私がやることは変わりません。分けて持って、長く持つ。これだけです。
50代60代が「株は怖い」と感じるのには理由があります
「株なんて怖い」「昔やって大損した人を見た」。私の年代では、よく聞く言葉です。これには、ちゃんと理由があると思っています。
- 親の世代が失敗しているから|株で半分以下になった、土地で借金を背負った、退職金が消えた。そういう話を実際に見てきました。だから心の中に「投資は怖い」が残ります。
- 始めた時期が最悪だったから|バブル期に始めた方は、高いところで買って、下がったところで終わっています。やり方ではなく、入った時期で負けていました。
- 短い期間で大きな金額を動かしたから|一度に全部入れる、借金をして入れる。これをやると、下がったときに耐えられずに市場から降りることになります。
つまり、怖いと感じるのは正しい記憶の結果だと思います。その上で私が考えたのは、やり方を変えれば続けられるのではないか、ということでした。私が自分に課しているのは、この3つです。
- 一度にやらない|毎月3万円でも5万円でも、分けて入れます。これだけで、高いところでまとめて買ってしまう形を避けられます。
- 世界に分ける|日本だけにしません。アメリカ、ヨーロッパ、日本をまとめて持ちます。どこかが悪くても、どこかが伸びているからです。
- 10年以上持つ|ここがいちばん大事だと思っています。全世界株に連動する投資信託は、15年持つとプラスになっていた期間が多かったと言われます。ただし、これは過去にそうだったという話で、これからを約束するものではありません。
そして、何もしないことにも別のリスクがあります。物価が上がっていけば、同じ金額で買えるものは減っていきます。預金のままでも、お金の価値のほうが下がっていくということです。だから私は、一気に増やすのではなく、ゆっくり増やす形を選びました。借金はしません。毎月少しずつでいい、と決めています。
私の投資はウォーレン・バフェットの真似です
私がやっているのは、ウォーレン・バフェットのやり方を自分なりに真似しているだけです。良い企業を、割安なときに買って、長く持つ。決算は自分で開いて見る。わからないものは買わない。この3つを守るようにしています。
今回のバブル期の話も、結局ここにつながりました。当時うまくいかなかった人たちは、会社の中身ではなく値段の動きを買っていました。私は、企業に投資しているつもりでいたいと思っています。だから5つの数字を自分で開いて、育っている会社かどうかを確かめます。
まとめ|私が決めたこと
- 新NISAの1800万円を5年で入れて10年置くと、年5%で約3240万円、年7%で約4050万円、年9%で約5100万円という概算になりました(税金・手数料・途中の下落は含みません)。
- 毎月の積立で3000万円を目指すなら、50歳からは月5万円台から7万円台、60歳からは月19万円前後が目安でした。違うのは金額ではなく期間です。
- 会社を見るときは、PER・PBR・ROE・EPS・営業利益率の5つを、同じ業種の中で見比べます。
- 今の日本株はバブル期と数字の形が違いますが、「バブルではない」と言い切れるとは私は思っていません。
- 入れる金額は「このまま10年続けられる額」にそろえて、やめないことだけを決めました。
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免責事項
私は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、この記事は投資助言ではありません。記事中の数字・制度・税制は2026年10月時点のもので、あとから変わることがあります。シミュレーションは一定の利回りが続いた場合の単純計算で、将来の成果を約束するものではありません。また、ここで触れた個別の会社や商品は、私の考えの説明のために挙げたもので、推奨ではありません。投資の最終的な判断はご自身の責任でお願いいたします。
それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。
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