※本記事にはプロモーション(PR)が含まれます。
結論を先に書きます。持っている会社の利益が減って株価が下がったとき、私はまず「この下がりは一時的なものか、それとも稼ぐ力そのものが落ちたのか」を分けて考えます。順番を間違えて株価から見てしまうと、怖くなって売ってしまうからです。この記事では、その見分けに私が使っている4つの見方を書きます。
この記事はもともと、ライブ配信のチャット欄でいただいた質問に答えたメモでした。そのなかに個別の会社の分析や、注目企業の一覧、他の方の運用成績の話が入っていましたが、個別の会社をおすすめする形になるため外し、どの会社にも当てはまる見方だけを残しました。
※私は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。本記事は私自身の考えの記録であり、特定の会社の株式の売買をおすすめするものではありません。記事中の数字は2026年10月時点で確認したもので、決算の内容は必ず会社が出している決算短信・決算説明資料・有価証券報告書でご確認ください。
利益が減ったとき、私は理由を4つに分けてみる
決算で「減益」と出ると、それだけで悪い知らせのように見えます。でも中を開いてみると、理由はだいたい次のどれかに入りました。
- 会社が決められない値段のせいか(原材料や為替)
- 計画されていた設備の修繕のせいか
- 制度の変更で、会計の上だけ一括で出た費用か
- 需要が消えたのか、発注のタイミングがずれただけか
この4つに当てはまるなら、私は一時的な下がりだと考えます。どれにも当てはまらないときが、いちばん気をつけるところです。
見方1:その値段は、会社が決められるものか
化学や鉄鋼、資源を扱う会社は、原料の値段で利益が大きく動きます。たとえば石油化学の原料であるナフサの値段が下がると、作ったものの売値も下がり、利益が減ります。資源を掘って売る会社なら、鉄鉱石や石炭の値段が下がれば同じことが起きます。
ここで私が確かめるのは、その値段を会社が決められるのかどうかです。決められないなら、下がった利益は会社の失敗ではありません。値段が戻れば利益も戻ります。
為替も同じです。円安で利益がふくらんだ年のあとに円高が来れば、何もしていないのに減益になります。私は、増えた年のほうも「会社が頑張ったから」と読まないようにしています。そうしないと、減った年だけを失敗として受け取ってしまうからです。
見方2:定期修繕は、やらないほうが危ない
工場を持っている会社は、数年に一度、設備を止めて大きな修繕をします。決まったスケジュールで行う計画的なもので、その期間は生産が落ちるので、売上も利益も減ります。
私はこれを、悪い知らせだと思わなくなりました。修繕を先送りにすれば、その年の利益は増えます。でも設備の故障や品質の問題、事故のもとになります。計画どおりに止めて直している会社は、そこの規律が働いているということだと考えています。
確かめ方は、決算説明資料で「定期修繕」「定期整備」といった言葉を探すことです。終われば生産は戻るので、翌期の数字で回復しているかを見ます。
見方3:お金が出ていく時期と、費用に出る時期はずれる
これは私が自分で決算を読むようになって、いちばん驚いたところです。
会社が退職金や年金の制度を変えると、将来払う義務が確定した時点で、その費用を一度にまとめて計上することがあります。国際会計基準(IFRS)では、将来の支払いが確定したらその時点で認識するという決まりになっているためです。ところが、実際のお金は何年かに分けて出ていくので、その年に手元から出るお金はわずかだったりします。
つまり、帳簿の上では大きな減益に見えるのに、本業の稼ぐ力は何も変わっていない、という状態が起こります。私がここで確かめるのは次の2つです。
- その費用は、来期以降も繰り返されるものか。制度の変更にともなう一回だけのものか
- その年のキャッシュフロー計算書で、実際に出ていったお金はいくらか
繰り返さない費用で、現金の出ていき方もゆるやかなら、私は売る理由にしません。
見方4:仕事が消えたのか、順番待ちなのか
受注で成り立っている会社では、受注高が大きく減る年があります。ここで私が分けて考えるのは、仕事そのものが減ったのか、発注の時期がずれただけなのかです。
たとえば大きな更新工事には「端境期(はざかいき)」という言葉が出てきます。第1弾の工事が終わって、第2弾がまだ始まっていない、あいだの空白の時期のことです。農業で言えば、種をまき終わって収穫がまだ来ていない時期にあたります。この期間は受注が減りますが、工事そのものがなくなったわけではありません。
私が確かめるのは、発注する側が出している計画です。何年度に、どれくらいの金額の工事を予定しているのかが公表されていれば、仕事が消えたのか順番待ちなのかが読めます。
一方で、発注する側の財政が苦しくて予算が組めない、あるいは工事を発注する側に技術の分かる人がいなくなっている、という話が出てきたときは、話が違います。これは時期のずれではなく、需要そのものが細っていく話なので、私は構造的な下がりのほうに入れます。
4つに当てはまらないときは、持ち続ける理由を書き直す
原料の値段でも、修繕でも、会計上の一括計上でも、発注のずれでもないとき。つまり、売るものが売れなくなっている、競争相手に負けている、値上げができないといった話が出てきたときは、私は一時的な下がりとして扱いません。
そのときにやるのは、売るかどうかを即決することではなく、「自分はなぜこの会社を買ったのか」をもう一度書き出してみることです。買ったときの理由がまだ生きているなら持ちます。崩れているなら、持ち続ける理由がないので手放します。
良い会社を割安なときに買って長く持つ、わからないものは買わない。ウォーレン・バフェットのやり方を真似しているつもりですが、「長く持つ」は「何があっても持つ」とは違うのだと、私は自分に言い直しています。
プロの強気な見通しは、私の判断の根拠にしない
この質問が来た時期、海外の金融機関にいた方々が「これから数年が資産を増やす機会だ」と話していたことが話題になっていました。金利が動いていること、東証が資本効率の改善を企業に求めていること、新NISAでお金が入ってきていること、海外の投資家が日本の会社を見直していること。どれも、起きている出来事としては確かめられます。
ただ私は、こうした見通しを自分の買う理由にはしません。環境の話は、個々の会社が稼げるかどうかを保証しないからです。私にできるのは、自分が持つ会社の決算を自分で開いて、売上と利益と配当がどうなっているかを見ることだけでした。
元の記事には、具体的な方のお名前や、相場の見通しがそのまま書かれていました。ご本人の発言を私が正確に確かめられないので、お名前と見通しの部分は外しています。
この記事から外した部分と、その理由
読んでくださる方のために、何を外したかを書いておきます。
- 個別の会社について「最強」「王様」「テンバガー級」と書いた部分。会社をおすすめする形になるため外しました
- 注目企業として会社名を並べた一覧。同じ理由で外しました
- 特定の方の運用成績とファンドの話。誰の実績かを私が確かめられず、再現できるものでもないため外しました
- 仕手株と呼ばれているという書き方。確かめる手段がないため外しました
- 各社の現在の配当利回りを並べた部分。今から買う判断をすすめる形になるため外しました
残したのは、どの会社を見るときにも使える読み方だけです。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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