結論からお伝えします。30年間JALの国際線客室乗務員として貯めたへそくり2,000万円に、退職金と病気のときに受け取ったお金を足して、S&P500に投資しました。投資に回したお金は全部で約4,240万円。それが5年で1億円を超え(2019年4月開始→2024年3月)、2026年8月現在は約1億6,000万円になっています。
増えたのは約1億1,700万円。ただし正直に申し上げると、これは私の腕がすごかったわけではありません。S&P500そのものの成長(約2.6倍)と、円安(約1.46倍)の掛け算です。しかも税引き前の金額です。
この記事では、48歳・働けない体・余命宣告という状況から何をどう買ったのか、いつ・いくら入れたのか、なぜ増えたのか、そしてこれから始める50代60代が気をつけるべきことまで、数字を全部公開します。
なぜ48歳で投資を始めたのか
きっかけは、夫との関係が悪化して離婚を本気で考えるようになったことでした。当時の私は、くも膜下出血の後遺症で働けない体でした。離婚したら一人で生きていけない。老後のお金は大丈夫なのか。とても不安だったんです。
「こんなんじゃだめだ、自分一人の力で生きていけるようにならなくては」。そう思ったのが2018年でした。その年に証券口座を開いて勉強を始め、翌2019年4月から本格的に積立をスタートさせました。
そのとき私は48歳。投資を始めるには遅いと言われる年齢です。普通なら積み上げてきた資産を切り崩していい年齢だと知りました。でも、人生100年時代。これから先50年あるかもしれない。そう気持ちを切り替えました。
積立を始めてすぐ、コロナが流行しました。世間では「株式投資は終わった」「安全資産の金を持とう」「米国株オワコン」と言われている時期でした。でも私は、ジェレミー・シーゲル氏の本を読んでいました。株価は暴落と回復を繰り返しながら、長い年月をかけて右肩上がりになる。下がったら買い増していく。その基本を知っていたので、積立を続けられました。
何を買ったのか|eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)1本
買ったのは、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)1本です。銘柄を選んだわけでも、売買のタイミングを当てたわけでもありません。
なぜ全世界株式ではなくS&P500だったのか。理由は当時48歳の私に時間がなかったからです。若くて投資期間が20年30年ある方には、働く力と時間という最大の武器があります。でも私は遅く始めた分、年平均リターンの高いほうを選びました。加えて、ドル建て資産を持つことで通貨を分散できるという狙いもありました。結果的に、この円安局面では大きなメリットになっています。
これは私の選択であって、S&P500をおすすめするものではありません。ご自身で調べて判断してくださいね。
いつ、いくら入れたのか|投資4,240万円の内訳を全公開
ここが今日の本題です。私は「早く、まとめて」入れました。結果的にこれが、すべてを決めました。
① 2019年4月〜2020年2月|毎月の積立
- 旧NISA積立枠:毎月33,333円(年40万円の満額)
- 特定口座:毎月30万円
- 合計:毎月333,333円
11か月で約367万円です。
② 2020年3月|コロナショックの底で一括投資800万円
へそくりから800万円。S&P500が34%下落した、まさにその底でした。
なぜ一括で入れたか。山崎元さんが「一括投資のほうが最終的にリターンが高い場合が多い」と本に書いていたからです。正直、手が震えました。世界中が「もう終わりだ」と言っているときに、800万円をボタン一つで入れる。眠れませんでした。でも、ここがすべての分かれ目でした。
③ 2020年|まとまった資金1,500万円を投入
この年、まとまった資金1,500万円を追加で投入しました。1ドル106円台、S&P500が3,000ポイント前後のときです。今から思えば、信じられないくらい安く買えていました。
④ 2020年8月|退職金から500万円
退職金の一部、500万円を投入しました。
⑤ 2020年4月〜2022年3月|積立を継続
毎月の積立額を20万円に落として継続。約480万円です。
⑥ 2022年|へそくりの残り353万円
353万円を投入。これでへそくり2,000万円は使い切りました。
⑦ 病気になってからの追加資金 約240万円
体が動かなくなってからも、少しずつ足しました。
- 傷病手当金の余剰分:月17万円のうち、生活費10万円を引いた月7万円
- 失業給付の余剰分:傷病手当金が終わったあと、月13万円のうち月3万円
- パート収入:週20時間未満、時給1,170円。月2万円
合計で約240万円です。
※傷病手当金は「働けない状態」、失業給付は「働ける状態」が条件なので、同時には受け取れません。私は傷病手当金が終わってから切り替えました。詳しくは年金事務所やハローワークでご確認ください。
総投資額は約4,240万円
| 資金の出どころ | 金額 |
|---|---|
| へそくり(30年間のCA生活で貯めたお金) | 2,000万円 |
| まとまった資金(2020年) | 約1,500万円 |
| 退職金 | 500万円 |
| 傷病手当金・失業給付・パート代 | 約240万円 |
| 合計 | 約4,240万円 |
この約4,240万円が、今1億6,000万円になっています。
なぜ3.8倍になったのか|2つの追い風
力その1|S&P500そのものの成長(約2.6倍)
私が買ったのは2019年から2020年。S&P500は3,000ポイント前後でした。それが2026年8月の今、7,736ポイント。史上最高値を更新しています。ドルベースで約2.6倍です。
力その2|円安(約1.46倍)
もう一つが為替です。私の平均の買付レートは約108円、現在は約158円(先月は163円台をつけました)。158 ÷ 108 = 約1.46倍。
つまり、S&P500が1ミリも上がっていなかったとしても、円安になっただけで資産が1.46倍になっていたということです。
掛け算するとこうなる
2.6倍 × 1.46倍 = 約3.8倍。4,240万円 × 3.8 = 約1億6,000万円。これが1億6,000万円の正体です。
私の投資がすごかったわけじゃありません。貯金においていたお金を、市場というリスクにさらしただけ。そこに、たまたま円安という追い風が吹いた。それだけなんです。
1億円を超えた日のこと
1億円を超えたのは2024年3月でした。2019年4月に始めて、ちょうど5年です。
証券口座の画面を開いて9桁の数字が並んでいるのを見たとき、正直、実感がありませんでした。嬉しいというより、怖かったんです。「これ、明日には半分になるかもしれない」。そう思いました。
でも、売りませんでした。売らなかったから、そこからさらに2年で6,000万円増えたんです。私がやったのは、売らなかったこと。それだけです。
正直に言います|為替は両方向に動きます
ここは絶対に言っておかなければいけません。今回は円安に助けられましたが、将来円高になれば、まったく逆のことが起きます。
もし1ドル120円に戻れば、それだけで資産は2割以上減ります。1億6,000万円が1億2,000万円台になるということです。だから私は「円安のおかげで儲かった」部分を、自分の実力だとは1ミリも思っていません。運です。
そして、この1億6,000万円は税金を引く前の金額です。特定口座で増えた分には売却時に約20%の税金がかかります。NISA分は非課税ですが、全部が手取りになるわけではありません。実際に使えるお金はこの数字よりずっと少ない、ということも正直にお伝えしておきます。
S&P500の実績データ|暴落と回復の記録
年次リターン(ドルベース)は次のとおりです。
- 2019年:+31.5%
- 2020年:+18.4%(※3月に一時34%下落しましたが、年間ではプラスで着地)
- 2021年:+28.7%
- 2022年:マイナス
- 2023年:+26.3%
過去の大暴落も見ておきましょう。
| 暴落 | 下落率 | 回復までの期間 |
|---|---|---|
| コロナショック | -34% | 同じ年のうちに回復 |
| リーマンショック | -57% | 約5年 |
| ITバブル崩壊 | -49% | 約7年 |
株式市場が暴落すれば元本割れもします。でも、インデックス投資の基本は長期投資です。15年後20年後にプラスになっていればいい。もし今、含み損で落ち込んでいる方がいたら、その必要はまったくありません。
夫への気づき
資産が増えていく過程で、私はあることに気づきました。夫の扶養に入っていなかったとはいえ、家の電気ガス水道代も、子どもの教育費も、実は夫に依存していたということです。
これだけ順調に投資に回せて、冷暖房の効いた部屋で安心して生きていられるのは、夫のおかげだったんです。それがわかってから、私の心はすうっと落ち着いていきました。
最悪の夫婦関係と、絶望の病気。この2つの危機があったからこそ、今の私があります。もし夫と仲が良くて病気にもならず、平穏な毎日を送っていたら、きっと投資なんて始めていなかったでしょう。
そして今、私が高配当株をやっている理由
「1億6,000万円もあるのに、なんで今は高配当株なの?」と思われた方もいると思います。理由はシンプルです。インデックスは増やすためのもの、高配当株は使うためのものだからです。
1億円あっても、それを毎月生活費として取り崩すのは精神的にすごくしんどいんです。相場が下がっているときに売るのは、本当につらい。でも配当なら、株を1株も売らずに毎年お金が入ってきます。
種銭は労働、成長は企業、老後は配当。私はこの順番で来ました。48歳から50代前半までは「増やすフェーズ」、そこから先は「受け取るフェーズ」。だから今は日本の高配当株を分散して持っています。どちらが正しいという話ではなく、年齢と目的で使い分けているということです。
退職金世代の方へ|これだけは気をつけて
これから退職金が入ってくる世代の方に、どうしても伝えたいことがあります。投資詐欺のターゲットになります。
自分の大切な資産を人に任せたり、何に投資しているかわからないのにリターンだけを強調してくる商品には、本当に気をつけてください。私は、対面の銀行や対面の証券会社、無料のFPさんには相談しませんでした。今は情報がいくらでも手に入る時代です。自分の生きる力で精査して、老後の安心を手に入れてください。
よくある質問
50代・60代から積立投資を始めても遅くないですか?
私自身が48歳スタートです。人生100年時代なら、60歳でも20年、30年という時間があります。ただし私のように短期間で3.8倍になったのは円安という追い風があったからで、再現性があるとは思わないでください。期間が短いほど、暴落に当たったときに戻す時間が足りなくなるという点は必ず意識してください。
一括投資と積立投資、どちらがいいですか?
私は「早く、まとめて」入れました。ただ、それは相場の底と重なったからうまくいっただけで、逆に高値で全額入れれば数年間は含み損を抱えます。眠れなくなる金額を一度に入れないこと。これが私の実感です。
S&P500と全世界株式、どちらを選べばいいですか?
私は残り時間が短かったのでS&P500を選びました。1本で世界中に分散したい方、米国一極集中が不安な方は全世界株式が選択肢になります。どちらも低コストなインデックスファンドがあり、正解はご自身の目的と期間次第です。
1億6,000万円は全部使えるお金ですか?
いいえ。特定口座の利益には売却時に約20%の税金がかかるため、税引き後の手取りはこれよりかなり少なくなります。また円高になれば評価額も下がります。
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これから始める方へ|まずは証券口座から
私が使ってきたのはネット証券です。対面ではなく、自分で商品を選べる環境をつくることが最初の一歩でした。毎月1万円からでも、3万円からでも構いません。始めることが大切です。
まだ証券口座をお持ちでない方は、「どこで口座を作るか」が将来の資産額を大きく左右します。 数ある証券会社の中でも、圧倒的な支持を集めているのがSBI証券と楽天証券です。 動画の概要欄に、公式のリンクを載せていますのでそこから申し込みができます。 SBI証券 は、日本の個別株や米国株をやるなら手数料も安くて最強です。 楽天証券は、画面が見やすくて初心者に優しいですし、楽天ポイントで投資ができるのも嬉しいです。 私はYouTubeで毎日夜9時からライブ配信をしています。 この動画が役にたったよという人はチャンネル登録といいねボタンをよろしくお願いします。※本記事は筆者個人の体験談であり、特定の金融商品の推奨や投資助言ではありません。筆者は投資助言業の登録を受けていません。記載の金額・指数・為替レートは執筆時点のもので、将来の運用成果を保証するものではありません。株式・投資信託は元本割れの可能性があり、為替は円高・円安いずれの方向にも動きます。税制や社会保険給付の取り扱いは制度改正により変わる場合がありますので、最新の情報は金融機関・年金事務所・ハローワーク等の公式情報でご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。なお本記事にはアフィリエイト(PR)リンクが含まれる場合があります。


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