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先に結論を書きます。高額療養費制度そのものの上限額は、組合健保(健康保険組合)でも協会けんぽ(全国健康保険協会)でも同じです。法律で決まっている部分なので、加入先で変わりません。差が出るのは、健康保険組合だけが独自に持てる「付加給付」という上乗せのほうでした。しかもその付加給付は、組合ごとに有無も金額も違うので、一般化できません。私は結局、自分の保険証の発行元に確認するしかない、というところに行き着きました。
※当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。この記事は私が調べて考えたことの記録です。制度の数字は2026年10月時点のものです。健康保険の内容は加入状況や家族構成で変わるので、具体的な判断は加入している健康保険の窓口や保険会社、公的な相談窓口に確認してください。
高額療養費の上限額は、組合健保でも協会けんぽでも同じでした
私はずっと、大企業の健保組合に入っている人のほうが高額療養費の上限が低い、と思い込んでいました。実際に厚生労働省の資料を開いてみると、そうではありませんでした。
高額療養費制度は、1か月に窓口で払った医療費が一定の額を超えたとき、超えた分が戻ってくる公的な仕組みです。この上限額は健康保険法で決まっていて、所得の区分ごとに同じ表が使われます。組合健保だから安い、協会けんぽだから高い、という差はありません。
2026年8月から適用されている70歳未満の表では、いちばん人数が多い「年収約370万円〜約770万円」の区分で、1か月の上限が85,800円+(総医療費−286,000円)×1%です。仮に医療費が100万円かかった場合、85,800円+(1,000,000円−286,000円)×1%=92,940円になります。
元のこの記事の見出しには「自己負担額の差は4倍」とも書いていました。これは組合健保の自己負担を2万円、協会けんぽを8万円として割った数字でしたが、どちらの数字も確かめられないものでした。割り算の前提が崩れているので、この「4倍」という書き方ごと取り下げます。
元のこの記事には「協会けんぽなら約8万円」と書いていました。これは2026年8月より前の数字でした。古いままだったので直しました。所得の区分は、会社員なら健康保険の標準報酬月額で判定されます。年収の金額は目安なので、自分がどの区分かは加入している健康保険に確認するのが確実です。
違いが出るのは「付加給付」という組合独自の上乗せ
では、どこで差が出るのか。健康保険組合には「付加給付」という独自の制度を設けているところがあります。公的な高額療養費で戻ってきた後、さらに組合が独自に払い戻してくれる仕組みです。協会けんぽにはこの付加給付はありません。
元のこの記事には「付加給付があれば自己負担は2万円で済む」と書いていました。ただ、この金額の出どころを私は確かめられませんでした。付加給付は組合ごとの規約で決まるもので、金額も条件も、そもそも制度があるかどうかも組合ごとに違います。一般化できる数字ではないので、金額の例は外しました。
自分の組合に付加給付があるかどうかは、組合のサイトや、送られてくる「健康保険のしおり」のような冊子に書いてあります。保険証(または資格確認書)の発行元に直接聞くのがいちばん早い、と私は思っています。
もうひとつ、私が混ぜて考えてしまっていたものがあります。「多数回該当」です。これは公的な高額療養費制度の一部で、過去12か月以内に3回以上上限額に達すると、4回目から上限が下がる仕組みです。組合独自の付加給付とは別のものでした。
| 項目 | 多数回該当 | 付加給付 |
|---|---|---|
| 根拠 | 公的な高額療養費制度の一部 | 健康保険組合などが独自に設けているもの |
| 加入先による差 | 組合健保でも協会けんぽでも同じ | 組合ごとに違う。協会けんぽには無い |
| 金額 | 所得区分ごとに決まっている | 組合の規約による。一般化できない |
【成立済み】2026年8月から変わった高額療養費の上限
ここは、すでに決まって動いている部分です。
もともと2025年8月に予定されていた引き上げは、2025年のうちに一度見送られています。その後、改めて見直しが行われ、2026年8月から新しい上限額が適用されています。70歳未満の区分ごとの上限が引き上げられ、月ごとの上限とは別に「年単位の上限」が新しくできました。期間は8月から翌年7月までで、年単位の上限に達した年は、それ以降の自己負担が戻ってくる形です。
ただし、専門委員会の資料では、年間上限は患者本人の申出を前提に始めるとされていました。黙っていても自動で戻ってくるとは限らない、ということです。私は、長い治療になったら自分で保険者に申し出る必要がある、と覚えておくことにしました。実際の手続きは加入している健康保険に確認してください。
あわせて、所得区分を5区分から13区分に細かく分ける改正も成立していて、こちらの施行は2027年8月です。金額の表そのものは、別の記事で厚生労働省の資料から書き写してまとめています。
【検討段階】まだ決まっていないこと
ここから先は、専門委員会の資料で「今後検討」「引き続き検討」とされていたものです。決まったことではないので、分けて書きます。
- 加入する健康保険が変わると多数回該当のカウントがリセットされる仕組みを、どう引き継げるようにするか
- 70歳以上の外来特例の対象年齢を引き上げるかどうか
- 年間上限の制度設計の細かい部分と、実務上の課題の整理
- 医療費の総額と高額療養費で戻ってくる額を、本人に見えるようにする仕組み
- 年収約200万円未満で長い治療が続く人への、さらなる配慮
付加給付については、2026年8月の見直しの対象外です。公的な上限が動いたときに組合の付加給付をどうするかは、それぞれの組合の判断になります。ここも確かめられるのは自分の組合だけでした。
保険料率は組合ごとに違う
保険料のほうにも違いがあります。協会けんぽの保険料率は都道府県ごとに決められていて、全国で大きく変わるものではありません。一方、健康保険組合は、組合ごとに規約で保険料率と、会社と本人の負担割合を決められます。
そのため、協会けんぽより低い料率の組合もあります。ただ、組合の財政状況によっては高くなることもあり、「組合健保だから保険料が安い」と言い切れるものではありませんでした。元のこの記事は言い切っていたので、直しました。自分の料率は給与明細と、組合から配られる料率の案内で確かめられます。
健診や補助(保健事業)の中身も組合ごと
健康診断や予防接種の補助のような「保健事業」も、組合によって幅があります。人間ドックの補助や、スポーツ施設の利用補助を用意している組合もあります。
協会けんぽにも生活習慣病予防健診や特定健診、保健指導の仕組みがあります。元のこの記事には「協会けんぽは基本的な健康診断のみ」と書いていましたが、これは正確ではなかったので直しました。どちらも中身は年度ごとに変わるので、その年の案内を見るのが確実です。
元の記事には具体的な企業名を挙げて「手厚い補償が受けられる」と書いていた部分もありました。会社ごと組合ごとの規約の話で、私のほうで裏が取れなかったので、企業名ごと取り下げました。
自分がどちらに入っているかは保険証の発行元でわかる
調べ方は単純でした。保険証(または資格確認書、マイナ保険証の資格情報)に書かれている保険者の名前を見ます。「○○健康保険組合」とあれば組合健保、「全国健康保険協会 ○○支部」とあれば協会けんぽです。
組合健保だとわかったら、次に組合のサイトで付加給付の有無を確かめます。私が見たいくつかの組合では「一部負担還元金」「family付加金」のような名前で書かれていました。名前が制度の名前と違うことがあるので、見つからないときは組合に電話で聞くのが早いと思います。
退職や転職で保険者が変わるときに気をつけたこと
私は50代で体を壊して退職しました。そのとき初めて、会社を辞めると保険者が変わるということを自分の問題として考えました。
退職後の選択肢は、前の会社の健康保険の任意継続、国民健康保険、家族の被扶養者になる、のいずれかです。任意継続は原則2年までで、これまで会社が負担していた分も自分で払うことになります。組合健保の任意継続なら付加給付が続く組合もありますが、ここも組合の規約によります。
私が気になったのは、保険者が変わると多数回該当のカウントがリセットされてしまう点でした。これは上に書いたとおり、検討段階として資料に挙がっていた論点です。治療の途中で保険者が変わる予定がある場合は、変わる前に窓口で聞いておいたほうがいい、と私は考えています。
この違いを知って、私が家計のほうで決めたこと
結局わかったのは、公的な部分は加入先で変わらず、変わるのは組合独自の上乗せで、その上乗せは自分で確かめないとわからない、ということでした。そして会社を辞めればその上乗せは無くなる可能性がある、ということです。
私は、付加給付を前提にした家計の組み方はやめました。かわりに、公的な高額療養費の上限額を基準にして、医療費としていくらまでなら手元から出せるかを決めました。私の場合は、月の上限額の数か月分を現金で分けて置いておく、という形にしました。退職してからは特に、現金の置き場所を先に決めておくほうが落ち着く、と感じています。
お金の置き場所をどうするかの話は、配当金のほうの記事に書いています。体調のことは自己判断せず、お医者さんに相談してください。制度の適用についても、具体的な判断は加入している健康保険の窓口や公的な相談窓口に確認してください。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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