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結論から書きます。高配当株だけで運用しているなら、無理に資産を売って4%を作る必要はありません。受け取った配当金をそのまま使うことが、そのまま取り崩し(出口戦略)になります。「71歳から投資を始めて半年、高配当株だけに投資していますが、4%ルールの取り崩しはどうしたらいいですか」というご質問をいただきました。この記事では、その答えと、インデックスとの違い、私が利確しない理由、守りの債券の役割、高配当ETFの仕組みまで順番に書いていきます。
※当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。この記事は私の考えと調べたことの記録で、特定の会社や商品の売買をおすすめするものではありません。記事中の利回りや数字は2026年3月時点のもので、その後変わります。
※この記事に出てくる会社やETFは、私の保有状況と考えの紹介であり、推奨ではありません。
4%ルールとは何か|売って作るお金と、配当で入るお金
よく言われる「4%ルール(トリニティ・スタディ)」は、インデックスファンド(S&P500や全世界株式など)を持っていて、毎年資産の4%を売って取り崩していく、という前提の考え方です。
一方、高配当株投資は少し形が違います。
- インデックス投資: 自分の体を削る(売る)ことで現金を作ります。
- 高配当株投資: 体は削らず、産まれた卵(配当金)だけをいただきます。
高配当株だけで運用している場合、無理に資産を売って4%を作る必要はありません。受け取った配当金をそのまま使うことが、実質的な取り崩しになります。
配当利回りが、そのまま自由になるお金になります
もし今のポートフォリオの配当利回りが税引き後で3%から4%くらいなら、それがそのまま4%ルールの代わりになります。
- 例: 1,000万円分を持っていれば、年間30万円から40万円の配当。これを生活費に充てる形です。
- 見るところ: 株価の上下ではなく、受け取った配当金の総額だけを見ます。
資産の寿命を気にしなくて済みます
ウォーレン・バフェットが長く持つことを好むように、良い会社を持ち続けていれば、元のニワトリは減りません。4%ルールのように「資産が底をつくかもしれない」という不安から離れられるのが、私が高配当株を選んでいる理由です。
ただし、減配や無配はあります。会社が苦しくなれば配当は減りますし、株価も下がります。卵が必ず産まれ続けると約束されているわけではありません。
配当にかかる税金の扱い(成立済みの制度)
配当金には、課税口座だと20.315%(所得税と復興特別所得税、住民税の合計)がかかります。利回りを見るときは、ここを引いたあとの手取りで考えるようにしています。
- 課税口座: 受け取るときに差し引かれます。利回り4%の会社なら、手取りは3.2%ほどになります。
- NISA口座: 配当も売却益も、税金がかかりません。だから私は、長く持つつもりの会社をNISAの枠に入れています。
- 注意点: 日本株の配当をNISAで非課税で受け取るには、証券会社で配当金の受け取り方法を「株式数比例配分方式」にしておく必要があります。ここを設定していないと、NISAに入れていても税金が引かれてしまいます。
実際の税額や確定申告の判断は人によって変わります。具体的なところは税理士や税務署にご確認ください。
70代から始める方について、私が気をつけていること
投資は人生を豊かにするための道具だと思っています。年齢を重ねてから始める場合、私は次のところを見ます。
- 増配を続けている会社かどうか: 受け取る額が減っていかない形をつくりたいので、配当を減らしていない会社を選びます。
- 暴落のときに売らずにいられるか: 配当が入ってくるので、下げた日に売らなくて済むのは大きいと思います。
- 手続きを家族がわかる形にしておくこと: 口座がいくつにも分かれていると、何かあったときに家族が困ります。私は見える場所をひとつにまとめています。
- 伸びも少し欲しいと感じたら: 資産の1割から2割をオルカンやS&P500に向ける形もあります。これは私の考えで、おすすめではありません。
配当金で美味しいものを食べたり、旅行に行ったり。数字に縛られすぎず、今を楽しんでいただけたらと思います。
S&P500とオルカンの名前がよく挙がる理由
「S&P500とオルカンの2つを挙げる人が多いのは、これまでの実績からでしょうか。それとも為替や、アメリカの成長性からでしょうか」というご質問をいただきました。私が見ている理由は3つです。
過去の実績
米国株(S&P500)は、100年以上のあいだ、いくつもの暴落を越えて上がってきました。一方の日本株(TOPIX)は、1990年の最高値を更新するのに30年以上かかりました。この記憶の差が大きいのだと思います。
成長の仕組み
- 米国: 人口が増え続けていて、世界を変える会社が次々と生まれる土壌があります。
- オルカン: どこの国が伸びても、まるごと受け取れる形になっています。
通貨の分散という意味
円だけで資産を持つのは、日本という国と一緒に浮き沈みすることになります。為替の影響はありますが、ドル建ての資産を持つことは通貨を分けておくことになります。
なお、ある投資家の方の解説では、日本企業の稼ぐ力や経営体制が大きく改善しているという指摘が挙がっていました。ウォーレン・バフェットが日本株を買っていることも事実です。私は米国一辺倒にせず、米国や世界を軸にしつつ日本も入れる、という形にしています。これも私の決め方で、正解という話ではありません。
インデックスと高配当株、何が違うのか
この2つは目的が違います。「金の卵を産むニワトリ」でたとえて並べてみます。
| 項目 | インデックス投資 | 高配当株投資 |
| 目的 | 資産そのものを大きく育てる | 毎年の現金(配当)を受け取る |
| 強み | 手間がいらず、効率がよい | 現金が手元に入る、暴落に強い |
| 弱み | 売るときに勇気がいる | 資産の増えるスピードは緩やか |
インデックス投資の良いところ
配当を受け取らずに中で再投資されるので、複利の効果を活かしやすいです。ウォーレン・バフェットが「ほとんどの投資家にとっては低コストのインデックスファンドが最良の選択だ」と述べているのも、これがいちばん効率的だからだと思います。
高配当株投資の良いところ
年齢を重ねてからは、こちらの良さが大きくなると感じます。
- 気持ちが落ち着く: 暴落しても配当が入ってくるので、慌てて売らずにいられます。
- 出口を考えなくていい: いつ、いくら売るかで悩まず、入ってきた現金を使うだけで済みます。
株価の先は誰にも読めませんが、配当は会社が株主に示した方針です。今使えるお金が見えている安心感は、私にはありがたいものでした。
私が利確しない4つの理由
「かおる流は利確しない戦法なんですか」というご質問をいただきました。私が持ち続けることを基本にしているのは、ウォーレン・バフェットのやり方を真似しているからです。理由を4つに分けて書きます。
1|複利の雪だるまを壊さないため
長期の投資でいちばん効くのは時間です。一度利確すると、その時点で雪だるまの成長が止まります。
2|税金を先送りにできる
売れば利益に税金がかかります。売らずに持っていれば、その税金はまだ払っていない状態で運用を続けられます。言い方を変えれば、払うはずだったお金を先に働かせていることになります。
3|卵を産むニワトリを手放さないため
高配当株は、私にとって金の卵を産むニワトリです。価格が上がったからニワトリを売って肉にしてしまう、ということはしません。欲しいのは卵のほうなので、健康で産み続けてくれるかぎり手放す理由がありません。
4|売り買いのタイミングは読めないから
高いところで売って安いところで買い戻す。誰でもそう思いますが、これがいちばん難しいところです。売ったあとにさらに上がって買い戻せない、ということが起きます。市場にずっと居続けるほうが、私には確実で、しかも楽でした。
もちろん、会社の業績が大きく崩れたときや、投資の方針が変わったときは別です。そうでなければ、寝て待つのが私のやり方です。
制度の話|成立済みのことと、検討段階のこと
「70歳以上が金融資産の金額ベースで4割を占めると言われている。2028年に75歳から金融資産に社会保険をかける動きを考えると、NISA以外から株の資産が逃げる恐れはないのか」というご意見をいただきました。
成立済みのこと
- 新しいNISAは、生涯で1,800万円、年間で360万円という枠で動いています。
- NISAの口座の中で受け取る配当や売却益には、税金がかかりません。
検討段階のこと
- 金融資産に社会保険料をかけるという話は、報じられてはいますが、私が確かめた範囲では成立した制度ではありません。時期や対象も、決まったものとしては確認できませんでした。
- ですので私は、これを前提に売る、という判断はしていません。
税や社会保険の扱いは、人によって結論が変わります。具体的な判断は税理士や税務署に相談してください。私も自分のことは専門の方に確認するようにしています。
そのうえで、私にできることは限られています。稼ぐ力を鍛えて、入金する力を上げて、いちばん有利な箱(NISA)の中でお金を回し続ける。それだけです。もし制度の変更を嫌った売りで相場が荒れたら、それは安くなった良い会社を拾う機会にもなります。10年後、20年後の会社の姿を見ているなら、目先の変更に怯えなくていいと私は思っています。
もし制度が変わったら、暴落するのか
もし正式に決まれば、一時的に売りが集まる可能性は否定できません。高配当株を年金の足しにしている方にとっては、手取りが減るなら売ろう、という動機になります。NISAの中の利益は保険料の計算に入らない見込みですが、特定口座で持っている株には逃げ場がない、というご心配でした。
ただ、慌てる前に私が考えることが3つあります。
- 相場の主役は誰か: 日本株の売買の7割前後は海外の投資家だと言われます。国内の制度が変わっても、日本の会社が利益を出していれば、海外からの買いが支えになります。
- NISAの重みが増す: NISA以外から資金が逃げるということは、裏を返せばNISAへ集まるということです。
- 持ち続ける理由は変わるか: 税の扱いが変わっても、その会社の中身が傷んでいなければ、私は売りません。
私が今からやっておくこと
- NISA枠を先に埋める: いちばん手堅い守りだと思っています。
- 特定口座の中身を見直す: 特定口座で大きな利益が出ているなら、一気に売らず、数年かけてNISAへ移していく形にします。一度に売ると税金も大きくなります。
- 制度に振り回されない: 嘆いても制度は変わりません。自分で動かせるところ、つまり稼ぐ力と入金する力に集中します。
なお、ここで書いた「保険料の計算に入らない見込み」も、私が確かめた範囲では決まったものではありません。ご自分の場合の扱いは、税理士や税務署でご確認ください。
「20日で底打ち」とメジャーSQをどう見るか
「20日で底打ちなら、来週の金曜のSQはどう思いますか」というご質問をいただきました。2026年3月13日のメジャーSQについての話です。
「20日で底打ち」とはどういう意味か
これは相場の日柄(ひがら)の調整期間を指す言い方です。
- 1か月(約20営業日)の周期: 高値から下げ始めて、売りが一巡して下げ止まるまでに約20営業日かかる、という経験則がよく言われます。あくまで経験則で、根拠のある法則ではありません。
- 需給の整理: 急落で含み損を抱えた短期の売りや、追証を避ける売りが、1か月ほどで出尽くすという考え方です。
- 今の場面: 2月中旬から始まった地政学の不安による調整が、ちょうどSQ週で20営業日目あたりに重なります。そのため「来週あたりが底ではないか」と見る人が増えていました。
メジャーSQの週をどう見るか
3月、6月、9月、12月にしかないのがメジャーSQで、とくに3月は日本の年度末と重なるため、荒れやすい日のひとつです。
- 底入れになる場合: SQ当日の寄り付きやその前日あたりに最後の投げ売りが出て、そこを大口が拾って下げが止まる、という形が考えられます。
- 当日までは荒れる: SQの算出に向けて先物の仕掛けが入るので、無理に動くと振り落とされます。
- SQ値を見る: 決まったSQ値より上で週末を終えられるなら、そこが底になった可能性があります。逆にSQを過ぎてもずるずる下がるなら、日柄がもっと伸びることも考えておきます。
私はこの手の読みで売買を決めることはしません。ただ、荒れやすい週だと知っておくと、あわてて動かずに済みます。
守りの資産としての債券|AGGとLQD、米国債と個人向け国債
「おすすめのETFも教えてください」「米国と日本の債券についても知りたいです」というご質問をいただきました。インデックス投資を攻めの主砲とするなら、債券は資産を守る盾の役目です。以下は私が調べて使っている見方で、買うことをおすすめするものではありません。
AGG(iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF)
2026年3月時点の分配金利回りは約3.8%前後です。
- 中身: 4割ほどが米国の国債で、残りは政府機関債や格付けの高い社債などです。
- 役目: 株が暴落したときに、逆に値上がりしたり、下げを和らげたりするクッションになります。
- 費用: 経費率は0.03%程度と低いです。資産を減らしたくないけれど少しは利回りが欲しい、という場合に向きます。
LQD(iシェアーズ iBoxx ドル建て投資適格社債 ETF)
直近12か月の分配金利回りは約4.2%から4.6%程度です。
- 中身: 米国の投資適格の社債、つまり倒産する確率が低いとされる会社の借用書が中心です。JPモルガン、ゴールドマン・サックス、アップルなどが入っています。
- 役目: 国債が中心のAGGより、受け取る分配金が高めです。株ほどの値動きはありませんが、預金よりは利回りが取れます。
AGGとLQD、どう使い分けるか
| 項目 | AGG(総合債券) | LQD(投資適格社債) |
| 値動き | 小さい | やや大きい |
| 分配金 | 控えめ | 高め |
| 役目 | 暴落のときの守り | 安定した現金の流れ |
守りを厚くしたいならAGG、守りながら配当も積みたいならLQD、という分かれ方になります。自分が理解できないものは買わない、という原則に立つと、この2つは中身が見えやすいほうだと私は感じます。
個人向け国債(変動10年)という置き場所
日本側の守りでは、個人向け国債の変動10年があります。金利は半年ごとに見直され、最低金利0.05%が保証されています。2026年3月の募集は3月5日から始まっていました。
- 良いところ: 為替の影響がありません。元本が割れない仕組みです。日本の金利が上がれば受け取る利息も増えます。
- 注意するところ: 米国債に比べると利回りは低く、物価の上がる速さに追いつかない可能性があります。
米国と日本、どちらを選ぶか
| 項目 | 米国債券(ETFなど) | 日本債券(個人向け国債) |
| 期待できる利回り | 高い(3%から5%程度) | 低い(0.5%から1%前後) |
| 為替の影響 | あり(円高で目減り) | なし |
| 元本 | 市場価格で変動 | 個人向けは元本割れしない仕組み |
| 主な役目 | 分配金という現金の流れ | 安全な置き場所 |
将来も日本で円を使って暮らすのであれば、資産のすべてを米国債にするのは私には怖い形です。どちらかに寄せず、両方を少しずつ置いておく。私はそうしています。
高配当株か高配当ETFか|ETFの仕組みから
「高配当株の購入と高配当ETF、どちらがいいですか。最近ETFがいいという話をよく見ますが、仕組みがよくわかりません」というご質問をいただきました。
ETFの仕組み|投資の詰め合わせ
ETF(上場投資信託)を一言でいうと、証券取引所で株と同じように売り買いできる投資信託です。
- 中身: ひとつ買うだけで、裏側で高配当の会社100社などに分かれて投資されます。
- 分配金: 中に入っている会社から出た配当を、運用会社がまとめて届けてくれます。
- 入れ替え: 業績が悪くなった会社を外し、新しい会社を入れる作業を運用会社が行います。
個別株とETF、どちらが向くか
| 項目 | 個別株(自分で選ぶ) | 高配当ETF(任せる) |
| 手間 | 多い(自分で調べる) | 少ない(1本買うだけ) |
| 分散 | 自分で30社以上そろえるのは大変 | 1本で数十社から数百社 |
| 利回り | 高くできる余地がある | 市場の平均に落ち着く |
| 費用 | 売買手数料のみ | 信託報酬(年0.1%程度から) |
| 納得感 | この会社を応援したいと思える | 中身は運用会社が決める |
ETFが話題になりやすい理由
- 減配の痛みが小さい: 1社だけ持っていてそこが減配すると痛いですが、100社入っていれば残りが支えてくれます。
- 自分で基準を作らなくて済む: 私は利回り3.75%以上、PBR0.5倍から1.5倍といった基準で選んでいますが、これを全部の会社に当てはめるには時間がかかります。
- 手間が少ない: ニワトリの健康診断を自分でするのが個別株、飼育を任せるのがETFというイメージです。
名前がよく挙がるETF
以下は定番としてよく名前が挙がるものを並べただけで、推奨ではありません。中身と費用は必ずご自分で確かめてください。なお米国の高配当ETFは、2026年3月時点では私には割高に見えるので、私自身は買い足していません。
- VYM: 約400社に分散した、よく挙がる1本です。
- HDV: 財務の健全さで絞り込むタイプです。
- SPYD: 利回りを重く見るタイプで、値動きは大きめです。
- 1489(NF・日経高配当株50): 日本の高配当50社にまとめて投資する形で、円で分配金を受け取れます。
私はこう分けて考えています
- 分析に時間をかけたくない、安定して現金が入ってほしい、という方にはETFが合いやすいと思います。
- 自分の目で会社を選びたい、利回りを少しでも高くしたい、という方には個別株が合いやすいと思います。
いちばん大事なのは、自分が納得して、暴落しても持ち続けられるかだと思っています。中心をETFで固めて、余裕が出たぶんで個別株を数株ずつ持つ、という形もあります。
まとめ|70代から高配当株で暮らす形をつくるために
- 高配当株だけで運用しているなら、4%を作るために資産を売る必要はありません。受け取った配当をそのまま使う形が、そのまま出口戦略になります。
- 税引き後の利回りが3%から4%なら、それが4%ルールの代わりになります。1,000万円で年30万円から40万円という計算です。
- 見るのは株価の上下ではなく、受け取った配当の総額です。ただし減配や無配はあります。
- 私が利確しないのは、複利を止めたくない、税を先送りできる、卵を産むニワトリを手放したくない、タイミングは読めない、という4つの理由からです。
- 守りには債券を少し混ぜています。米国側はAGGやLQD、日本側は個人向け国債の変動10年です。
- ETFは手間が少なく分散が効き、個別株は納得感と利回りを自分で取りにいけます。どちらも、暴落しても持ち続けられるかで選んでいます。
- 社会保険料の話は、私が確かめた範囲では検討段階です。これを前提に売る判断はしていません。
私の投資は、ウォーレン・バフェットのやり方を真似しているだけです。良い会社を割安なときに買って長く持つ、決算は自分で見る、わからないものは買わない。この3つを守っているだけです。
※この記事に出てきた会社やETFは、私の保有状況と考えの紹介であり、推奨ではありません。
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