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暗号資産の急落は金・銀の下落から始まった|追証の換金売りと関連株への影響

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暗号資産が週末に大きく下がった一件は、暗号資産の中で何かが起きたわけではなく、その前に起きた金と銀の下落が入口でした。借りたお金で貴金属を買っていた人たちに追証(追加の担保の差し入れ)が発生し、土日に動いている市場が暗号資産しかなかったため、現金を作るためにそこが売られた、という順番です。私は暗号資産を持っていませんが、この一件は「借りたお金で買うと、自分の都合では売る時期を選べなくなる」という話として読みました。

※本記事は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものです。筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の銘柄や暗号資産を推奨するものではありません。記載の内容は2026年2月時点のものです。

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何が起きたのか、順番に並べ直す

報道と値動きを並べると、こういう順番でした。

  1. まず、金・銀・プラチナ・パラジウムといった貴金属が大きく下がりました。
  2. 借りたお金で貴金属を買っていた人たちに、大きな損が出ました。
  3. 取引先から「担保が足りないので追加で現金を入れてほしい」という連絡が入ります。これが追証です。
  4. ところが土日は、銀行も株式市場も止まっています。現金をすぐに作れる場所が限られます。
  5. 唯一ずっと動いているのが暗号資産の市場でした。そこで持っていたビットコインやイーサリアムが売られ、売りが売りを呼びました。

つまり、ビットコインが嫌われて売られたというより、現金を作るために売られた、という性質の下落です。暗号資産の側に新しい悪い材料があったわけではない、というのが私の読み方です。

なぜ「土日」というのが効いてしまうのか

週末は、売り買いをする人の数が平日より少なくなります。買い注文が並んでいる量も薄くなります。

同じ金額の売り注文でも、買い手が薄い時間に出れば、値段は大きく動きます。私はこれを、同じ重さの荷物でも、細い板の上に置けばよくたわむ、というふうに考えています。土日であることが、下げ幅を大きくした面はあったのだろうと思います。

ロスカットの連鎖を、数字を小さくして置き換えてみる

難しい言葉が並ぶところなので、金額を小さくして並べてみます。

手元に1万円しかないのに、9万円を借りて、合わせて10万円の品物を買ったとします。値上がりを期待して買うので、これを「買い建て」と呼びます。

ところが値段が9万5,000円に下がりました。まだ大きな下げではありませんが、お金を貸した側が心配し始めます。9万円を割ると、貸したお金が返ってこなくなるからです。そこで、本人の意思とは関係なく、品物が売られます。これが強制決済(ロスカット)です。

売られた品物が市場に出るので、値段はさらに下がって9万4,000円になります。すると、もう少し余裕があった別の人も、同じ理由で売らされます。値段は9万3,000円に。これが連鎖です。

借りたお金で買っていると、売る時期を自分で選べません。ここが、自分のお金だけで買うのとの決定的な違いだと私は思っています。

暗号資産を抱えている上場会社に何が起きるか

本業とは別に、会社のお金で暗号資産を買って持っていることを公表している上場会社があります。米国にも日本にもあります。

米国では、ソフトウェアの会社として知られていたマイクロストラテジー(現ストラテジー)が、この形でよく知られています。採掘を本業にしているMARA Holdings、2021年に購入を公表したテスラ、決済のブロック、取引所のコインベースなども、暗号資産の値段と株価が連動しやすい会社として挙げられます。

日本では、メタプラネット(3350)、リミックスポイント(3825)、ネクソン(3659)、gumi(3903)、TORICO(7138)などが、暗号資産やそれに関わる事業について開示をしています。ネクソンは2021年に約1億ドル相当を購入したことを公表しています。

以前の記事では、こうした会社について「株価を上げようとした」といった書き方をしていました。会社や個人の意図は、私には確かめられません。経営者の個人名を挙げて動機を推し量るのも、私がやってよいことではないと考え直したので、削りました。ここに挙げたのは、開示されている事実だけです。どの会社も推奨しません。

日本の会計では、暗号資産は期末の時価で評価される

ここは私も調べて知ったところです。日本の会計のルールでは、活発な市場がある暗号資産は、決算期末の時価で評価して、買ったときの値段との差を損益に入れる扱いになっています。

つまり、売っていなくても、期末に値段が下がっていればその分が損として決算に出てきます。本業が好調だった年でも、暗号資産の評価で最終損益が赤字になることが起こり得る、ということです。

この性質があるので、暗号資産の値段が下がると、持っている会社の決算の見通しも揺れます。株価がそれを先に織り込もうとして動く、という流れになりやすいのだと受け取りました。具体的な会計の扱いは会社ごとの開示や、税務の面では税理士にご確認ください。

私が暗号資産を買っていない理由

私はウォーレン・バフェットのやり方を真似しています。良い会社を割安なときに買って、長く持つ。決算を自分で見る。わからないものは買わない。この三つです。

暗号資産は、私には最後の一つに引っかかります。配当も出ませんし、売上や利益という形で中身を確かめる方法が私にはありません。確かめられないものは、下がったときに持ち続ける理由も自分で作れません。だから買わない、というだけの話です。

これは、暗号資産が良くないという意味ではありません。私に測れないという意味です。

この下落は、私の持っている会社に関係したか

私の口座で持っているのは、配当を出している日本の会社が中心です。この週末の件で、持ち株を売ったり買ったりはしませんでした。

ただ、関係がないと言い切るつもりもありません。借りたお金で買っていた人の投げ売りは、金や為替を通じて株式市場にも波が来ます。だから私は、週明けはドル円と、金利に影響を受ける銀行や保険の値動きを見ていました。見ただけです。

値動きの大きい日に私がやっていることは、注文ではなく確認です。持っている会社が配当を続けられるかどうかは、相場の荒れ方ではなく決算で決まります。そこが変わっていないなら、私は何もしません。

この記事から削った数字と記述、その理由

以前の内容から、次のものを削りました。

  • 「77,000ドルが防衛線」という価格の目安|どこの誰の見通しなのかをたどれませんでした。価格の線引きを載せると、売買の勧めに近づくので外しました。
  • 「24時間で16億ドルが清算」「市場から2,300億ドルが消えた」という金額|一次資料にあたれませんでした。規模感として「大きかった」ことは確かですが、金額は確かめられたものだけを書くことにしました。
  • 「数か月から1年は低迷する」という見通し|私には先のことはわかりません。
  • 経営者の個人名と、その人の意図についての推測|確かめられないことで個人の名誉に触れる書き方になっていたので、削りました。
  • 「真面目に働くべき」「まともな株なら心配しなくていい」という書き方|読む方に向かって説くような言い方でした。私の決め方を書く形に直しました。
  • たとえに使っていたカードゲームの話|金額を小さくした品物の例に置き換えました。

それと、以前は会計の説明を「減損処理」と書いていましたが、活発な市場がある暗号資産は期末の時価で評価する扱いなので、そこも直しました。

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