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2026年10月15日の朝、日経平均は取引が始まってすぐに大きく下がり、下げ幅は一時2,300円を超えました。結論を先に書きます。私はこの朝、5つの会社に単元未満株で注文を出しました。日本特殊陶業、三菱商事、三井住友フィナンシャルグループ、三井住友トラストグループ、三菱HCキャピタルです。2株から7株ずつ、合わせて約4万9千円です。なぜそうしたのか。前の晩のニューヨークダウはマイナス0.09%しか下がっていなくて、売られていたのはAIと半導体の会社だけだったからです。市場全体が崩れたのではなく、一部が売られて、そのあおりで日本の会社まで一緒に下がった日でした。はじめにお伝えしておきます。この記事に出てくる会社名は、私の保有状況の紹介であり、推奨ではありません。
筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。本記事は2026年10月時点のものです。記事中の株価・配当利回り・PERなどの数値は、私がその朝に自分の画面で確認したものです。現在の数値とは異なりますので、投資の判断はご自身の調べた情報でお願いいたします。
今朝の下げは「全部」ではなく「AIと半導体」でした
下がった日は、まず数字を並べて、何が売られたのかを見ることにしています。慌てて売るか買うかを決める前に、自分の目で確かめたいからです。
その朝に私が見た数字です。ニューヨークダウはマイナス0.09%。ほとんど動いていません。一方でナスダックは約1.9%の下げ、半導体の会社を集めたSOX指数は約4.3%の下げでした。
日本も同じ形でした。日経平均はマイナス3.5%でしたが、TOPIXはマイナス1.7%。半分くらいです。日経平均は株価の高い半導体の会社の影響を大きく受ける仕組みなので、アメリカの半導体安がそのまま強く出ました。TOPIXの下げが小さいということは、日本の会社の大半は、日経平均の数字ほど売られていないということです。
もうひとつ、これは当日いきなり始まった下げではありません。日経平均は前日までに5日続けて下がっていて、アメリカの半導体指数もこの5日間で10%以上下がっていました。じわじわ弱っていたところに、最後のひと押しが来た日でした。
| その朝に見た指数 | 前日比 |
|---|---|
| ニューヨークダウ | -0.09% |
| ナスダック | 約-1.9% |
| SOX指数(半導体) | 約-4.3% |
| 日経平均 | -3.5% |
| TOPIX | -1.7% |
この表を作った時点で、私の気持ちは落ち着きました。日本中の会社の稼ぐ力が一晩で落ちたわけではない。そう思えたからです。
理由1 アメリカの物価が予想より上がっていた
ひとつ目のきっかけは、前日の夜に発表されたアメリカの消費者物価指数、CPIです。ものの値段が前の年からどれだけ上がったかを示す数字です。
結果は、総合が前年比3.7%の上昇で、市場の予想だった3.6%を上回りました。食品とエネルギーを除いたコアも予想を上回っています。わずかな差ですが、市場はこの「予想より上」を嫌いました。
なぜ嫌うのか。物価が下がらないと、アメリカの中央銀行は金利を下げにくくなります。場合によっては上げるかもしれない、と考える人も出てきます。金利が上がると、借金をして大きな投資をしている会社ほど利払いが重くなります。だから、設備に莫大なお金を使っているAIと半導体の会社に売りが集まりました。
私が一番おどろいたのは、市場が見込む金利の先行きが、たった一晩で大きく振れたことです。発表の前と後で、追加の利上げを織り込む見方が跳ね上がり、そのあと少し戻りました。数字そのものではなく、数字をめぐる見方の揺れ方が、株価を動かしていました。
ここは私が覚えておこうと思ったところです。いまのアメリカは、利下げを待つ段階ではなく、利上げの可能性まで心配する段階に入っている。そう受け止めました。もちろんこれは私の見方で、外れることもあります。
理由2 AIを借金で支える仕組みへの不安
二つ目が、この日の本当の主役だったと私は見ています。コアウィーブというアメリカの会社です。初めて聞く方も多いと思うので、先にご説明します。
AIを動かすには、エヌビディアの高性能な計算機、GPUを何千枚、何万枚も並べたデータセンターが必要です。でも、それを自分でそろえるのは大変です。そこでコアウィーブがGPUを大量に買い、データセンターを作って、AIの会社に時間貸しをしています。わかりやすく言えば、AI専用の計算機のレンタル屋さんです。
もとは暗号資産のマイニングの会社で、持っていたGPUをAI向けに回して急成長しました。エヌビディアが出資していて、大口のお客さんには大手のIT企業が並びます。2025年にアメリカのナスダックへ上場した、まだ若い会社です。
問題は、そのGPUとデータセンターを買うお金の多くを、借金、つまり社債でまかなっていることです。
この日、その社債の利回りが約15%まで上がったことが報じられ、株価も1日で15%前後下がりました。社債の値段は、一般に経営が苦しいとされる水準まで売られたと伝えられています。
利回りが15%というのは、「この会社にお金を貸すなら、それくらいもらわないと怖い」と市場が言っているということです。株価ではなく、お金を貸す側が怖がり始めた。ここが重いと私は感じました。
不安は周りにも広がりました。サーバーを作る会社、同じようにGPUを貸し出す会社、クラウドの大手にも売りが出ています。複数の調査会社やアナリストが、借りるお金の金利と、その投資から得られる収益の差が小さい、あるいは逆ざやになっている可能性を指摘するレポートを出しました。会社側は、下落は事業の中身ではなく市場の心理によるものだと説明しています。
つまり、1社の問題ではなく、「AIブームを借金で支える仕組みは大丈夫なのか」という不安が、半導体全体に広がった日でした。
理由3 半導体はもともと数日前から弱かった
三つ目の理由は、そもそも半導体の会社が、この数日ずっと弱かったことです。
10月13日には、中国のメモリー大手が高性能なDRAMを出す計画を示したと伝えられました。DRAMは、データを一時的に覚えておく半導体です。中国の会社が力をつけると、いまの会社の稼ぎが減るかもしれない。そう考えた人が多く、半導体株が売られました。
14日には、オランダのASMLが決算を出しました。半導体を作る装置の会社です。内容は堅調と受け止められましたが、市場の予想の範囲内だったため、「材料出尽くし」の売りが出ました。
ここが今の半導体の難しさだと私は思っています。AI向けの需要が強いことは、各社の数字で確認できます。でも株価はその期待をすでに織り込んでいて、良い決算でも素直に買われにくい。そこにCPIとコアウィーブが重なりました。
この日はもう一つ、台湾のTSMCの7月から9月の決算発表が控えていました。エヌビディアなどが設計した半導体を実際に作っている、世界最大の工場の会社です。売上が良いことは毎月の売上公表からだいたい想像がついていたので、私が気にしていたのは売上以外のところ、つまり利益率と、次の3か月の見通しと、設備投資の金額でした。
ただ、その朝の私の正直な見立ては「良い決算が出ても、下げ止まるきっかけ程度ではないか」でした。この日の下げの原因は、アメリカの金利への不安と、借金でAIを支える会社への不安です。どちらも、TSMCが良い数字を出しても消えないからです。これも私の見立てで、当たるとは限りません。
為替・金利・情報漏洩は関係あったのか
下がった日は、ほかの理由も気になります。私が確かめたのは3つです。
まず為替。ドル円は157円台で、前日よりわずかに円高でした。株価が3%以上下がるほどの動きではありません。
次に金利。ここは少し意外でした。アメリカの長期金利は、CPIの発表のあとでもむしろ少し下がっていました。日本の長期金利も下がっています。つまり、この日効いたのは金利の水準そのものではなく、「利上げの見方が一晩で揺れたこと」と、「コアウィーブのように借金のコストが上がっている会社があること」でした。
最後に情報漏洩です。9月末から、国内の複数の企業で大きな情報漏洩の公表が続いていました。でも、これはこの日の下げとはほとんど関係がありませんでした。むしろ逆で、セキュリティ関連の会社の株には買いが集まっています。
情報漏洩は「売られる理由」ではなく、守る側の会社に「お金が集まる理由」になっていました。下がった日に、全部を同じ理由で説明しようとしないほうがいい。私はそう考えるようになりました。
私が買わなかったもの:AIと半導体の会社
ここは先にお伝えしておきたいところです。私は、AIや半導体の会社には投資していません。
理由はひとつで、その会社が何で稼いでいるのかを、自分の言葉で説明できないからです。GPUの世代が変わると何が起きるのか、データセンターの契約がどう利益になるのか、私には最後まで追いきれません。
ウォーレン・バフェットは、借金の多い会社や、自分が理解できない事業には投資しないと言い続けてきました。私はそのやり方を真似しています。わからないものは買わない。それだけです。
持たないことが正解だと言いたいわけではありません。実際、AIの会社でしっかり利益を出しているところもあります。ただ、私には向いていない。だからこういう日に、私は落ち着いていられました。自分が理解できる会社だけを持っていると、下がった日の気持ちが楽になります。これは数字より大きい効き目だと感じています。
私が投資した5社と、その理由
ここからは、この朝に私が注文を出した5つの会社の話です。くり返しになりますが、私の保有状況の紹介であり、推奨ではありません。金額も株数も私の家計に合わせたもので、他の方に同じ結果が出ることを保証するものではありません。
どれも単元未満株です。日本特殊陶業を3株、三井住友フィナンシャルグループを3株、三菱商事を2株、三井住友トラストグループを6株、三菱HCキャピタルを7株。合わせて約4万9千円です。
5社に共通しているのは、「AIと無関係ではないけれど、AIがなくても日本に必要な会社」だということです。クルマ、エネルギーと食料、お金の流れ、そして設備。どれも、止まったら私たちの暮らしが困る仕事をしています。
クルマとセラミックの会社:日本特殊陶業
日本特殊陶業は、NGKブランドのスパークプラグで知られる会社です。エンジンに火をつける部品で、酸素センサとあわせて世界で高いシェアを持っています。ハイブリッド車もトラックも救急車も、エンジンがある限りこの部品が必要です。
それだけではありません。セラミックの技術で、半導体を作る装置の部品も手がけています。AIとまったく無関係ではない。でも売上の大半はクルマの部品です。
正直に言うと、この会社はずっと割高に見えて、手が出せませんでした。その朝は前日より4%以上下がって3,679円。私は配当利回り3%以上を目安にしているので、2.85%では少し足りません。それでも予想PERは9.88倍で、格付けも高い水準です。稼ぐ力が落ちたわけではなく、外の要因で下がった日なら納得できる、と考えました。やっと手が届いた、という気持ちで、最初は1株のつもりが3株になりました。
資源と食料を運ぶ会社:三菱商事
三菱商事は、日本の電気やガスのもとになるLNG、銅や鉄鉱石などの資源、そして食料を、世界から日本に運んでくる会社です。日本は資源の少ない国なので、商社が止まると暮らしが止まります。
ウォーレン・バフェットの会社、バークシャー・ハサウェイは傘下の保険会社を通じて日本の大手商社に長く投資していて、2026年3月には主要3社の保有比率が10%を超えたと報じられました。私が投資を始めるずっと前からの投資です。真似をしたというより、同じ理由で納得できたという感覚です。
配当は、2022年3月期の50円から、今期の予想は125円まで増えています。その朝の株価だと配当利回りは約2.65%、PBRは1.7倍くらい。割安とは言えません。でも、春には5,000円台だった株価が、この朝は4,716円。この会社の稼ぐ力を考えると、納得できる範囲だと私は判断しました。
お金の流れを支える2社:三井住友フィナンシャルグループと三井住友トラストグループ
銀行は、お金の流れという意味で、日本の血液のような存在です。お給料の振込、住宅ローン、会社への貸し出し。止まったら困るものばかりです。
三井住友フィナンシャルグループは、2026年3月期に過去最高の純利益を記録したと発表しています。日本の金利が上がって、貸すお金と預かるお金の金利の差、つまり利ざやが広がったことが大きいようです。直近の四半期も前の年より大きく増えています。なお、決算の細かい金額は会社の決算短信でご確認ください。私も自分で読んでから判断するようにしています。
三井住友トラストグループは信託銀行です。年金や資産の管理、相続、不動産。信託財産の残高は国内で最大の規模です。50代、60代の私たちの暮らしに一番近い銀行かもしれません。その朝の数字では予想PERが約12.8倍、PBRが約1.3倍、配当利回りが約2.85%でした。
どちらも、もう割安な株価ではありません。それでも私は、日本に金利が戻ってきたいま、銀行の稼ぐ力は簡単には落ちないと考えて、納得して買いました。
ひとつ補足です。私は自己資本比率40%以上を自分の目安にしていますが、銀行は預金を預かる仕組み上、この数字がとても低く出ます。なので銀行だけは、この目安を当てずに、利益と配当の伸び方で見ています。自分のものさしが合わない業種では、ものさしを変える。そう決めています。
設備を貸す会社:三菱HCキャピタル
最後が三菱HCキャピタルです。リースの会社で、工場の機械、飛行機、海を運ぶコンテナ、貨物列車、再生可能エネルギーの設備などを貸しています。日本と世界の物流や設備を、裏側で支えている会社です。
この会社について私が一番見ているのは、連続増配の長さです。会社は、合併する前の会社の実績を含めて連続増配が27期に達していると公表していて、今期も増配を予定しています。この27年の中には、2008年のリーマンショックもコロナもありました。世界中の会社が配当を減らした時期にも、配当を増やし続けてきた会社です。
その朝の株価は1,314円で、ほとんど下がっていませんでした。配当利回りは3.88%、PBRは0.95倍。この日の5社の中で、私の目安をそのまま満たしていたのはこの会社だけです。だから一番多く、7株買いました。
下がった日の記録から、私が持ち帰ったこと
この日の下げは、アメリカの物価と、AIを借金で支える仕組みへの不安という、外からの要因がきっかけでした。日本の会社の稼ぐ力が落ちたわけではありません。
私は、こういう日に、本業の稼ぐ力が落ちていない会社を、少しずつ分けて買うと決めています。ウォーレン・バフェットの、良い企業を割安なときに買って長く持つ、というやり方を真似しています。
この朝に私が自分へ確かめたのは、3つだけです。何が売られたのか。その会社の稼ぐ力は落ちたのか。自分の目安に対して、いまの値段はどうか。この3つが整理できれば、2,300円の下げも怖くなくなりました。
そして、1日で全部を買わないようにしています。この日使ったのは約4万9千円です。下げが続いたら、また少し買えます。単元未満株だと、こういう分け方ができるのが助かっています。
私は株を買っているのではなく、企業に投資しています。クルマを動かす会社、資源と食料を運ぶ会社、お金の流れを支える会社、設備を貸す会社。どれも、AIがあってもなくても、日本に必要な仕事です。
最後にもう一度お伝えします。この記事は私の保有状況の紹介であり、推奨ではありません。株価も利回りも私がその朝に見た数値で、いまは変わっています。金額や株数も私の家計に合わせたもので、同じ結果が出ることを保証するものではありません。投資の判断は、ご自身でお願いいたします。
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この日のように5社へ2株から7株ずつ、合計約4万9千円という買い方は、単元未満株が使えないとできません。私は下げた日に少しずつ分けて買いたいので、1株から注文できる口座を使っています。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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