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老後資金がいくら必要かという質問に、私はもう平均の金額で答えないことにしました。何度調べても、調査によって金額が違うのです。ゆとりある生活にいくら、平均の支出はいくら、不足はいくら。どれも元の調査が別で、対象になっている世帯も違います。それで私は、金額を覚えるのをやめて、自分の家計の数字を出す手順を覚えることにしました。使うのは総務省の家計調査と、自分のねんきん定期便だけです。この記事では、一人暮らしと夫婦2人のそれぞれで、どの表のどこを開けば自分に近い金額が出るのかを書いています。
※本記事は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものです。筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。記事中の数字は2025年10月時点のものです。税金や制度の具体的な判断は、税理士や税務署にご相談ください。
この記事の内容は、YouTubeの動画でもお話ししています。
平均の金額を覚えるのをやめた理由
老後資金の記事を読み比べると、金額がそろいません。原因は調査の違いです。ゆとりある生活費としてよく出てくる金額は、生命保険文化センターの意識調査にもとづく「いくらあればゆとりがあると思うか」という回答の平均です。一方、家計調査の金額は、実際に使った支出の集計です。希望額と実額なので、そろわないのが当然でした。
さらに、年金の平均支給額を足したり引いたりすると、差額がどんどん大きくなります。私はこの計算をやめました。自分の年金額は平均ではなく自分の記録で出せるし、自分の支出も通帳から出せるからです。
この記事では具体的な金額を書きません。調査の年度が変わると数字も変わるので、覚えるより、開く場所を知っておくほうが長く使えると私は考えています。
総務省の家計調査を自分で開く手順
家計調査は総務省統計局が毎月行っている調査で、結果は政府統計のポータルサイトe-Statと統計局のサイトで無料で公開されています。見るのは年報の「家計収支編」です。
私が開く順番はこうしています。まず家計収支編を選び、世帯の区分を決めます。ここが大事なところで、二人以上の世帯と単身世帯は別の表になっています。次に、世帯主の年齢階級か、無職世帯という区分を選びます。老後の生活費を知りたいときに近いのは、65歳以上の無職世帯の表です。
表を開くと、消費支出が食料、住居、光熱・水道、保健医療、交通・通信、教養娯楽といった10の大分類に分かれて並んでいます。私はこの大分類の並びを、自分の通帳の引き落としと見比べています。合計金額よりも、どの項目が自分と違うかのほうが役に立ちました。
一人暮らしと夫婦2人で、見る表が違う
一人暮らしの生活費を調べたいのに、夫婦世帯の表を見ていた、ということが私にはありました。家計調査では単身世帯が別集計なので、ここを間違えると前提がずれます。
| 調べたいこと | 開く表 |
|---|---|
| 一人暮らしの生活費 | 家計収支編の単身世帯、65歳以上または無職の区分 |
| 夫婦2人の生活費 | 家計収支編の二人以上の世帯、世帯主65歳以上の無職世帯 |
| ゆとりある生活にいくら欲しいか | 生命保険文化センターの生活保障に関する調査(意識調査) |
| 自分の年金の見込み額 | ねんきんネット、またはねんきん定期便 |
夫婦2人の金額をそのまま半分にして一人分とする計算も、私はやめました。住居費や光熱費は人数で割り切れないからです。一人暮らしの表には、そのずれがそのまま出ています。
年金は平均ではなく、自分の記録で確かめる
厚生年金の平均支給額という数字は、厚生労働省の事業概況として公表されています。ただ、自分の金額は平均とは関係ありません。加入していた期間と、そのあいだの報酬で決まるからです。
自分の見込み額は、ねんきんネットか、毎年誕生月に届くねんきん定期便で確認できます。ねんきんネットでは、何歳まで働くかを変えて試算することもできます。私は、60歳でやめた場合、65歳まで働いた場合の2通りで出してみました。平均の金額を見ていたときより、自分の選択で何が変わるのかがはっきりしました。
繰下げ受給の増額率は1か月あたり0.7%と法令で決まっているので、これは誰が調べても同じ数字です。受け取りを遅らせるかどうかは働き方や健康状態で変わる話なので、私はここで勧め方を書きません。
統計の平均が自分に当てはまらない3つの理由
家計調査の金額を見て、自分の家計とずれていても、統計が間違っているわけではありません。平均は平均だからです。私の場合、ずれの原因はこの3つでした。
1つめは住まいです。持ち家でローンが終わっているか、賃貸で家賃を払い続けるかで、毎月の金額は大きく変わります。家計調査の住居費の欄は、持ち家世帯が多く含まれる集計になっているので、賃貸の人は自分の家賃に置き換える必要があります。
2つめは地域です。同じ日本でも、家賃と交通費は地域でまったく違います。家計調査には都市階級別の表もあるので、自分の地域に近い区分を見ると差が縮まります。
3つめは、医療と介護の出費が時期によって偏ることです。平均の月額には収まりません。ここは金額を決め打ちにせず、別に備えておくお金として考えるようにしました。
毎月の不足額が出たら、何年分かに直してみる
自分の支出と自分の年金の見込み額が出れば、差し引きで毎月の不足額が出ます。ここまでは利回りの仮定も入っていない、ただの引き算です。
そのあと私がやったのは、手元の資産をその不足額で割ることでした。たとえば毎月の不足が6万円で、使えるお金が1000万円あれば、1000万円÷6万円で約166か月、13年と10か月ほどになります。利息も運用も入れていないので実際より厳しい見方ですが、前提を疑わなくていいぶん、私にはこの数字のほうが頼りになりました。
この割り算の答えが短いと感じたら、動かせるところは3つです。支出を下げるか、働く期間を延ばすか、使う時期が遠いお金を企業への投資にまわすか。私は3つめをやっていますが、順番としては先の2つのほうが効きました。相場が思い通りに動かなくても、自分で決められるからです。
固定費を見直すときに私が最初に開いたのは、通信費と保険の明細でした。これも誰かに勧められた金額ではなく、自分の引き落とし履歴を見て決めています。
この記事で直したところ
・ゆとりある老後生活の月額、65歳以上夫婦無職世帯の平均支出と実収入、厚生年金の平均支給額、男女別の平均額、そして「30年間で5,364万円の不足」といった具体的な金額をすべて削除しました。元になった調査の年度と対象世帯が記事内で混ざっており、どの数字が正しいかをこちらで確認できなかったためです。代わりに、同じ数字を自分で開いて確かめる手順に置き換えました。
・日本の家計金融資産の現預金比率とアメリカの株式比率の比較を削除しました。出典と時点を確認できなかったためです。
・「投資を始めるならネット証券のSBI証券が最適です」という記述を削除しました。特定の証券会社を最適だと断定する表現で、当ブログは投資助言の登録を受けていないためです。
・外部の金融メディアからの引用ブロックと、そのサイトの紹介文・画像を削除しました。
・「50代ならまだ間に合います」「60代なら今ある資産を守りましょう」「行動を変えていきましょう」といった読者に行動を促す表現を外しました。
・タイトルの【2025年最新】を外しました。本文から年度に依存する金額を削除したためです。
・本文がほぼ全文strongタグで囲まれ、箇条書きが入れ子で壊れていた形を、通常の段落と表に組み直しました。
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家計の数字が出たあと、使う時期が遠いぶんをどう置くかを考えるなら、まず口座の画面で何がいくらで買えるのかを見るところからでした。金額を大きくしないまま確かめられるのが、私には助けになりました。
私が実際に使っているのは次の2つです。どちらも1株(単元未満株)から買えるので、いきなり大きな金額を動かす必要はありません。
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