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先に結論を書きます。三井物産が中心となったイラン・ジャパン石油化学(IJPC)は、公表資料で確認できる範囲でも、1973年に着工し、1979年のイラン革命とイラン・イラク戦争で中断したまま、1989年10月8日に清算が発表された事業です。日本側の負担は、清算金1,300億円などで合意したと報じられました。
私はこの出来事を、どこかの会社が悪いことをしたという話としては読んでいません。良い関係があっても国の情勢が変われば事業が止まることがある、という話として受け止めました。
この記事では、報道と公表資料で確認できる事実だけを並べ、そのうえで高配当株を長く持っている私がカントリーリスクをどう見ているかを書きます。出典を確認できない発言は引用していません。
※本記事は私個人の考えと調べたことの紹介であり、特定の銘柄・商品の購入を推奨するものではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。数字は2026年10月時点で確認できたもので、変わることがあります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
イラン・ジャパン石油化学(IJPC)とは何だったのか
1971年に合弁事業の基本契約書が調印され、三井物産を中心に、東洋曹達(現・東ソー)、三井東圧、三井石油化学、日本合成ゴムなどが参加しました。日本側の投資窓口として「イラン化学開発(ICDC)」が設立され、1973年4月にIJPCが設立されて着工しています。
計画は、イラン南部のバンダル・シャプール近郊で石油随伴ガスを原料にエチレンを作り、そこから苛性ソーダや塩化ビニルモノマー、ポリエチレンなどを生産するというものでした。国の政策としても支援を受けた、当時としてはとても大きな事業です。
公表資料で確認できた金額
金額は資料によって幅があるので、化学業界の資料と日本経済新聞の記事で確認できたものだけを並べます。
| 1981年時点の総支出額 | 5,989億円 |
| 最終的な総事業費 | 6,000億円超 |
| 清算の条件 | 出資金722億円とICDCのローン1,250億円の放棄 |
| 清算金 | 1,300億円(1989年10月に合意と報道) |
| 海外投資保険 | 777億600万円 |
「捨てた」「埋めた」といった言い方は、以前の私の記事では使っていましたが、取り下げました。事業として成立しなかったという事実と、会社がお金を投げたという評価は、別のものだと思うようになりました。
日本側の出資比率
最終的な出資比率は次のとおりと記録されています。右の列は、清算金1,300億円を出資比率で単純に割った私の試算です。実際の負担は各社の開示で確認する必要があります。
| 会社名 | 出資比率 | 試算 |
|---|---|---|
| 三井物産 | 60% | 約780億円 |
| 東ソー(東洋曹達) | 15% | 約195億円 |
中断から清算までの流れ
| 1971年 | 合弁事業の基本契約書に調印 |
| 1973年4月 | IJPC設立、着工 |
| 1979年 | イラン革命で事業が中断 |
| 1980年 | イラン・イラク戦争で施設の一部が損壊。約85%完成の段階で止まる |
| 1988年 | 戦争終結。再開は難しいと判断されたと報じられる |
| 1989年10月8日 | 三井物産が清算を発表 |
| 1990年2月 | 清算完了 |
商船三井のホルムズ海峡通過について報じられたこと
2026年5月8日、商船三井は、4月にホルムズ海峡を通過した関係船3隻について、国際法上の航行の原則に則り通航料は支払っていない、と説明したと報じられました(共同通信、時事通信、ロイター、日本経済新聞)。田村城太郎社長は、今後も支払う考えはないと述べたとも報じられています。
対象になったのは、オマーンの企業と共同で保有するパナマ船籍のLNG船1隻と、インドの関係会社が保有するインド船籍のLPG船2隻だと報じられています。船が通れた理由として、船籍や共同保有の形、積み荷の性質が挙げられていました。
私は以前、通行料として3億円が支払われたという話を記事に書いていました。けれども一次情報をたどっても、その金額を報じたものは見つけられませんでした。会社自身が支払っていないと説明しているので、その部分は取り下げます。
日本郵船については別の対応が報じられています
日本経済新聞は2026年6月、日本郵船の船がホルムズ海峡内に残っていることと、自動車船では代替ルートを確保したことを報じています。紅海や中東の情勢では、喜望峰を回る迂回ルートが選ばれているという報道もありました。
特定の個人や皇族の関与といった話も見かけましたが、私には確認できませんでした。確認できないことは書かないことにしました。
電気代と中東情勢を直接つなげるのは、私には書けませんでした
電気代やガス代が上がる理由として、中東の情勢や輸送コストが挙げられることはあります。ただ、特定の国の軍事費に私たちの電気代が流れている、というところまでは報道で確認できませんでした。燃料費調整の仕組み、為替、発電構成など、いくつもの要素が重なっています。ここは断定をやめておきます。
IJPCの資料を読んで私が受け取ったこと
私が思ったのは、関係が良いことは事業が続く保証にはならない、ということでした。ウォーレン・バフェットのやり方を真似している私にとっては、わからないものは買わない、という一点に戻る話でもありました。
商社や海運の会社を見るときは、どの国に資産と売上があるのか、そこが止まったときに何年持ちこたえられるのか、という目で決算資料を読むようにしています。それでも読み切れないことは多いので、一社に集中させないという形にしています。
私は50代で企業への投資を始めて、いまは約75社を持っています。これは私の保有状況の紹介で、どの会社を買うべきという話ではありません。
民間企業が先に動く場面について
PFI(民間資金等活用による公共施設等の整備)やPPP(官民連携)のように、民間が先に資金と人を出して動く仕組みは以前より増えました。今回の海運各社の判断も、国の方針が決まる前に会社ごとに動いているように、私には見えます。それが良いことなのかどうかは、私には判断がつきません。
まとめ
- IJPCは1973年着工、1989年10月8日に清算発表。日本側は清算金1,300億円などで合意したと報じられました
- 商船三井は2026年5月、ホルムズ海峡の通航料は支払っていないと説明したと報じられました
- 日本郵船は代替ルートの確保が報じられています
- 電気代と特定国の軍事費を直接結びつける根拠は、私には確認できませんでした
- 私は、国の情勢で止まりうる事業をどう持つか、という話として受け止めました
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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