徹底的にNISAで稼いで、そのカネで相続税。夢がないけど、これだと額によっては相続税を実質ゼロにできるかも?

「NISAで増えたお金は相続税もゼロ」と思っていませんか?

実はこれ、誤解です。

でも正しく理解すれば、NISAと上手に組み合わせることで相続税を大幅に減らせる戦略があります。地味で夢がないように見えて、実はこれが最強

今回は「NISAと相続税の正しい関係」と「具体的な対策」を、できるだけわかりやすく解説します。


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まず「相続税」とは?

親が亡くなったとき、残した財産(お金・家・株など)を子どもが受け取ります。そのときに国へ払う「受け取り料」が相続税です。

全員にかかるわけではなく、一定の金額まで税金はゼロです。

基礎控除=3,000万円 + 600万円 × 子どもの人数

子どもの人数 基礎控除額
1人 3,600万円
2人 4,200万円
3人 4,800万円

この金額を超えた部分に相続税がかかります。配偶者がいる場合はさらに控除が増えます。


NISAと相続税:よくある誤解

❌ 誤解:「NISAで増えた利益は相続税もゼロ」

NISAは運用中の利益に税金がかかりません。そこから「相続のときも非課税では?」と思う方が多いのですが、これは誤解です。

✅ 正しい仕組み

  1. 亡くなった時点でNISA口座は「特定口座」に自動移管される
  2. 相続人が売却するとき、移管時の評価額が取得価格になる
  3. そのため、NISA期間中に増えた含み益には実質的に税金がかからない

ただし、NISA口座の評価額は相続財産として計算に含まれます

「NISAで1億円」なら、その1億円が相続税の計算対象になります。「利益だけ非課税」ではなく「評価額ごと相続財産に含まれる」という理解が正確です。


相続税を減らす2つの戦略

戦略A:配当を全部使い切る

高配当株投資で配当収入を得ている方に有効な方法です。

やってはいけないこと(よくある失敗):

配当をもらう
  → 使わずに貯める
  → 現金が増える
  → 相続財産が増える
  → 相続税が増える ← 損!

正しい行動:

配当をもらう
  → 全部使う(旅行・医療・趣味)
  → 現金が増えない
  → 相続財産が増えない
  → 相続税が増えない ← 正解!

受け取った配当を使わずに貯め込むと、そのまま相続財産として積み上がってしまいます。配当は使い切るか、生前贈与に回すのが鉄則です。

戦略B:生前贈与を組み合わせる

「生前贈与」とは、生きているうちに子どもや孫にお金をプレゼントすることです。一定金額まで税金ゼロで渡せます。

手段 年間非課税枠 ポイント
暦年贈与 110万円/人 子・孫それぞれに毎年贈与可。最も使いやすい
教育資金一括贈与 1,500万円/人 孫の教育費に有効。金融機関で管理
結婚・子育て資金 1,000万円/人 18〜50歳の子・孫が対象。条件あり

最も使いやすいのは**暦年贈与(年110万円)**です。

子ども2人に毎年110万円ずつ贈与すると、年220万円を非課税で移転できます。10年続ければ2,200万円を相続財産から切り離せます。


⚠️ 配当を使い切るだけでは不十分な理由

「配当を全部使えばOK」と思いがちですが、落とし穴があります。

配当を使い切っても、元本(株)自体が値上がりすることがあるからです。

例)元本1億5,900万円 → 配当は全部使った → でも株価が上がって2億円になった → 相続財産は2億円に増えている

「配当を使い切る」だけでは、現金の膨張は防げても株価上昇分はカバーできません。

だから**「配当を使い切る」+「生前贈与」の両方を組み合わせること**が重要です。

相続税の現実(概算)

項目 金額
評価額 約1億5,900万円
基礎控除(子2人) △4,200万円
課税対象 約1億1,700万円

この1億1,700万円に相続税がかかります。生前贈与で少しずつ課税対象を削っていくことが大切です。

暦年贈与の試算

子ども2人 × 110万円 = 年220万円を非課税移転

10年続けると → 2,200万円を相続財産から切り離せる

残りの約294万円(514万円 − 220万円)は旅行や医療など自分のために使います。


まとめ:NISAと相続税の正しい戦略

  1. NISAは相続税がゼロにはならない 評価額は相続財産に含まれる。「利益も非課税」は誤解。
  2. ただしNISAの含み益は実質非課税で引き継げる 移管時評価額が取得価格になるため。
  3. 配当を貯めると相続財産が膨らむ 受け取った配当は使い切るか、生前贈与に回す。
  4. 配当を使い切るだけでは不十分 株価上昇分は別問題。生前贈与との組み合わせが必須。

「夢がない」戦略かもしれません。でも地味で堅実なこの方法が、長期的に見て最も確実に資産を守る方法です。


重要なお知らせ

  • 2024年以降、亡くなる前7年以内の贈与は相続財産に加算されます(経過措置あり)。早く始めるほど有利です。
  • 贈与は必ず贈与契約書と振込記録を残してください。
  • 本記事は一般的な情報提供が目的です。個別の税務については必ず税理士にご相談ください

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