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こんにちは、バフェットかおるです。「金利が上がると、なぜ金融株が有利になるのか」を、仕組みから順番に整理します。
先に結論を書きます。銀行のもうけは「安く借りて高く貸す」差(利ざや)なので、金利が上がると広がります。保険は運用の利回りが上がり、将来の支払い負担が計算上軽くなるので二重に効きます。そして日本の金利は、円安を止める最後の手段として上がらざるを得ない流れにある、と私は見ています。
文中に出てくる会社名は、私が保有している会社と考え方の紹介です。特定の会社の購入を推奨するものではありません。
※本記事は私個人の考えと調べたことの紹介であり、特定の銘柄・商品の購入を推奨するものではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。数字は2026年6月時点のもので変わります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
この記事の内容は、YouTubeの動画でもお話ししています。
金利が上がると銀行のもうけが増える仕組み(利ざや)
銀行(三菱UFJ・三井住友FG・三井住友トラスト)の場合
銀行のもうけの仕組みは「安く借りて、高く貸す」です。たとえば私たちの預金に0.2%の利息を払い、会社に1.5%で貸す。この差(=利ざや)が銀行のもうけになります。金利が上がると、貸すときの金利を上げやすくなり、この差が広がります。
実際、三菱UFJと三井住友FGの2026年3月期決算は、金利上昇による利ざや改善で非常に好調でした。金利上昇は銀行にとって追い風そのものだと理解しています。
保険会社は二重に効く:運用利回りと支払い負担
MS&AD(保険)の場合
保険会社は、私たちから集めた保険料を国債などで運用しています。金利が上がると国債の利息が増えるので、運用のもうけが増えます。さらに保険会社が抱える「将来の保険金の支払い負担」は、金利が上がると計算上軽くなります。二重で効く、という形です。
三井物産(商社)の場合
商社は金利が直接もうけになるわけではありませんが、世界的に物価が上がる局面では、扱っている資源やエネルギーの値段が上がり、もうけが増えやすい。インフレに強い業種だと考えています。
つまり「金利が上がる日本」は、この5社にとっては追い風の時代になる、というのが私の受け止めです。
なぜ日本の金利が上がると私が考えるのか:円安のドミノ
アメリカの金利が高いまま下がらない → 日米の金利差が開いたまま → 円安が止まらない → 為替介入では限界がある → 最後の手段として日銀が利上げするしかなくなる
この順番を、ひとつずつ見ていきます。
そもそも「金利差で円安になる」とは
お金は「より高い利息がつく場所」に流れます。
今アメリカの金利はとても高く、日本の金利はとても低い。だとすると、世界中の投資家は「円を持っていても利息がほとんどつかないから、円を売ってドルに替えて、アメリカで運用しよう」と考えます。
みんなが円を売ってドルを買う → 円の人気が下がる → 円安(1ドル=160円のような状態)になります。日米の金利差が大きいほど、円安になりやすい。これが為替の土台です。
アメリカの金利が下がらない4つの理由
(1) 雇用が底堅い
2026年4月の雇用統計は非農業部門雇用者数が11.5万人増と、3月の18.5万人に続き2カ月連続で10万人超え。労働市場の急減速という景気後退懸念は大きく後退し、FRBの年内利下げ期待は高まりませんでした。雇用が強ければ、FRBは慌てて金利を下げる必要がありません。
(2) インフレが再び加速している
ここが一番大事だと思っています。イラン情勢による原油価格の高騰に伴い、4月の米消費者物価指数(CPI)は総合が前年比+3.8%と急加速しました。物価が上がっているときに金利を下げると、火に油を注ぐことになります。
(3) FRBのトップが利上げ寄りの人物に交代した
2026年6月のFOMCは、ケビン・ウォーシュ氏がFRB議長に就任後初の会合となり、ウォーシュ議長は足元では物価の安定を重視している姿勢です。
(4) 市場はもう利下げどころか利上げを織り込み始めている
2026年3月初旬ころまでは年内2回・3.0%程度までの利下げが市場で予想されていましたが、その後は利下げ観測が後退し、むしろ来年3月までに1回程度の利上げが織り込まれています。流れが逆転しています。
まとめると、雇用・物価・人事・市場の織り込み、4つすべてが「アメリカの金利は下がらない、むしろ上がるかも」を指しているという状況でした。
雇用統計の数字だけでは測れない:私が確かめている裏のデータ
雇用統計の数字(NFP)は一見強く見えても、中身が弱いことがあります。私が合わせて見ている項目です。
- 雇用の中身が政府部門に偏っていないか:過去には非農業部門の就業者数が市場予想を上回っても、増加が主に政府部門に偏り、民間部門は伸び悩んで、全体としては見た目ほど強い内容ではなかったことがありました
- 労働参加率の低下:2026年4月分でも労働参加率は前月から小幅に低下しています
- 民間調査(ADP版)とのズレ:政府統計とADP版がズレるときは、慎重に見る必要があります
それでも、物価(CPI)・賃金・労働参加率・民間データを合わせて見ると、なお「金利は下がらない方向」が強い、と私は読んでいます。
160円の壁:日米が共有している防衛ライン
過去のパターンを見ると、ドル高・円安が160円に接近したところで日本がレートチェックを行い、その水準を超えた160円台に入ったところで実際のドル売り・円買い介入を始めています。目的は160円以上の円安を容認しないことにあるように感じられる、とされています。
さらに、この160円接近時のレートチェックは日本からの要請ではなく、ベッセント米財務長官が主導したものだったと一部で報道されました。160円を超える円安はアメリカも嫌がっているという、日米共通の防衛ラインがあるように見えます。私はこれを「ベッセント・ライン」と呼んでいます。
実際、2026年5月に訪日したベッセント財務長官は、為替の過度な変動は望ましくないとの認識を示し、日本の当局と歩調を合わせました。
なぜアメリカが円安を嫌うのか。円安による物価上昇は、日銀の利上げを織り込む形で日本の長期金利を上昇させます。その日本の長期金利上昇が米長期金利の上昇に影響することを避けたい、という思惑からアメリカも円安抑制に理解を示しているとみられています。アメリカも自国の金利をこれ以上上げたくないので、円安は困る、という構図です。
介入しても止まらないなら、最後は利上げになる
日本は実際に大規模な介入をしました。2026年4月30日の5兆円規模とみられる円買い介入によってドル円は160円台から155円台に動き、その後5月1〜6日にも158円に近づくと数回の円買い介入が見られ、規模は5兆円弱といわれています。
ただ、介入は「一時的に円を買う」だけで、円安の根本原因である金利差は変わりません。水鉄砲で火を消そうとしているようなものだと私は受け止めています。
ここまでの流れを、ドミノ倒しの形で整理しました。
- アメリカ:雇用が底堅く、原油高でインフレ再燃 → 金利を下げられない(むしろ上げ観測)
- 日本:金利は超低いまま → 日米金利差が開いたまま
- その差を狙って円が売られる → 1ドル160円に迫る円安
- 日本が介入(5兆円規模) → 一時的に円高になるが、金利差が残るのですぐ戻る
- 160円超は日米とも容認しない
- 介入では根本解決しない → 最後の手段として日銀が利上げに追い込まれる
- 日銀が利上げ → 銀行・保険の利ざやが拡大して、金融の会社に有利な環境になる
お祭り銘柄とコツコツを分けて考える
これから市場には、宇宙とAIという2つの大きなお祭りがやってきます。SpaceXの上場、そしてその先にあるOpenAIやAnthropicの上場です。魅力的ですが、同時に値動きが激しい場所でもあります。私が老後の資金でそこに行かない理由を、データで書いておきます。
SpaceXのIPOの日程と規模
- 6月3日:SpaceXがロードショー(投資家向け説明会)の前に公開価格を1株135ドルに設定
- 6月5日(金):売却予定の株式数を上回る需要を集め、応募超過に
- 6月6日:投資家からの需要が早くも目標額の2倍、1500億ドルに到達
- 6月11日(予定):売り出し価格がIPO前日に最終決定
- 6月12日(金):ナスダック上場
通年の売上高は186億7000万ドル(約3兆円)で最終赤字なのに、時価総額は約1兆7700億ドルと米史上最大級になると報じられています。この上場でSpaceXはメタやテスラを上回り、米国企業トップ7位に入る見込みとされています。
日本国内での募集総額は最大20億ドル(約3200億円)が上限で、SBI証券・楽天証券・みずほ証券で取扱いが案内されています。
売上3兆円で赤字の会社に280兆円という値段
この280兆円は、今の実力ではなく「将来こうなるはず」という期待の塊だと私は受け止めています。株価は投資家の期待値でもあり、壮大な未来構想がそのまま値段になっている面があります。
さらに、買ってすぐ売れない仕組みもあります。マスク氏以外のロックアップは段階的に解放され、最短で2026年6月30日に保有株式の約20%が解除されます。この解除日には大量の売りが出て株価が下がるリスクがあります。
未上場から上場したばかりの会社は、私には数字で確かめる材料がありません。だから私は買いません。
PERが高い会社は、業績が良くても激しく動く
「PERが高い会社ほど値動きが激しい」ことは、2026年6月3日に実証されました。ブロードコムの決算です。
- 第2四半期の売上高は前年同期比48%増の222億ドルと過去9年で最高の四半期成長率、営業利益率も過去最高の67%
- ところが第3四半期のAI半導体売上高見通しが160億ドルとアナリスト予想の172億ドルを下回っただけで、株価は時間外取引で10%超急落
- 背景は、株価が3月末の安値から64%急騰し、直近4日間で時価総額が2800億ドル(約44.8兆円)以上膨らんでいたこと。期待外れのガイダンスが大規模な利益確定売りを誘発しました
業績が良くても「期待ほど良くない」だけで急落する。これが期待の高い会社の値動きの怖さだと思っています。
上がっているのは一握りだけ、というデータ
- S&P500は2026年5月までで11%超の上昇を記録していましたが、この上昇からAI関連を除外すると、上昇率はわずか2.4%にまで縮みます
- S&P500そのものを上回った銘柄は、2026年初には59%だったのが、先月はわずか25%まで激減
そして6月5日、金利上昇への警戒とAI投資への不安が同時に噴き出し、ナスダック総合指数は1年以上ぶりの大幅安、フィラデルフィア半導体株指数からわずか一日で1.2兆ドルを超える時価総額が消えました。一握りの会社に乗った相場は、その一握りが崩れた瞬間に全体が大きく揺れます。
私が高配当のバリュー株を選んでいる理由
ここまでのデータを、私が保有している高配当のバリュー株と比べてみます。
| — | 割高な成長株(SpaceX・半導体) | 高配当のバリュー株(私が保有している金融5社など) |
|---|---|---|
| 値段の中身 | 将来の期待 | 今の利益と資産 |
| 配当 | ほぼゼロか極小(例:SUMCOの配当利回りは1.62%、配当性向213%で利益でカバーできていない) | 配当利回り3〜4%が下値を支え、連続増配が続く(MS&ADは14期連続) |
| もうけ方 | 売って初めて確定する | 持っているだけで毎年配当が入る |
| 下落したとき | 期待が外れると一日で10%超下落 | 株価が下がっても配当という現金が積み上がる |
成長株は売買のタイミングを当てるゲームですが、バリュー株は時間を味方につけるゲームだと考えています。
配当利回り3.8%の株を持っていれば、株価が動かなくても毎年3.8%ずつ元を回収できます。約26年で投資元本を配当だけで回収する計算(100÷3.8≒26年)ですが、増配が続けばこの年数は短くなっていきます。
そして5社はいずれも連続増配を続けています。MS&ADは14期連続増配、三菱UFJは5期連続で配当が約2.9倍になりました。株価は毎日上下しますが、社会に必要とされ続けて毎年配当を増やしてくれる会社を持ち続ける限り、世界中の経済成長が味方になってくれる、と私は考えています(これは私の保有状況の紹介で、推奨ではありません)。
まとめ:これからの時系列
- 6月12日:SpaceX上場。お祭りで市場全体が浮き足立つ
- 6月30日:SpaceX株の最初のロックアップ解除。売り圧力に注意
- その先:OpenAI・Anthropicなど、さらに巨大なAI企業の上場が控える
- これらは全部「期待で動く、PERの高い会社」です
お祭りは遠くから眺め、淡々と高配当のバリュー株を買い、配当を再投資してコツコツ雪だるまを大きくする。値動きの激しい会社でドキドキするより、毎年増える配当でぐっすり眠れるほうが、私には合っていました。
宇宙やAIの夢は素晴らしいと思います。でも、その夢に老後の資金を賭ける必要は、私にはありませんでした。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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